さつきのブログ「科学と認識」

福島第一原発、アンダーコントロールで、わざと昨年の2倍の放射能を放出か

科学と認識

[ リスト ]

 原発を運転してはならない最大の理由は、核廃棄物の後始末ができないことにある。
原子力発電の原罪」と題したエントリーに、「この問題を不問に付したまま安全性や経済性の論議に終始するのは茶番である」と書いたが、この問題にきちんと向き合うことは、原発の問題を人類史的な問題(文明論)として捉えるための入り口である。

 事実、再稼働肯定派は、決まってこの問題を不問にする。せいぜいが、既にある核廃棄物はいずれにしても処理しなければならないのだから、処分場や再処理工場に反対するのはおかしいなどと、本末転倒の主張をする。ゴミ捨て場が現にないのにゴミを出し続けてきたことを、犯罪行為として認識できるかどうかという問題なのである。もしそれを犯罪と認識しうるなら、同じ主張をするにしても、その姿勢や言葉遣いは、根本的に違ったものになる筈だ。社会人としての良識に欠けていると言わねばならない。これは科学の問題ではなく倫理の問題である。

 その上で、敢えてここでは、伊方原発のストレステストで発覚した安全上の大きな危惧について書いておく。



 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の安全評価(ストレステスト)で、想定される最大の揺れ570ガル(ガルは加速度の単位)の1・86倍まで耐えられるとした検討内容が、経済産業省原子力安全・保安院の有識者会議で不十分と指摘され、1・5倍で炉心損傷の可能性があると下方修正されていたことが、四電への取材で分かった。

 四電によると、昨年11月に保安院に提出した安全評価では、燃料損傷に至らない揺れと想定の揺れとの余裕について、最も小さい炉心の電源装置は想定の1・86倍までと評価した。しかし、有識者会議で「揺れへのひずみを考慮する必要がある」と指摘を受け、再度評価したところ1・5倍で機能が失われることが判明、保安院が20日の有識者会議に報告した。四電は「ただちに重大な損傷に至ることはなく、1・5倍でも十分に安全は確保できている。15年度をめどに補強を検討したい」と説明している。

 四電は昨年6月、愛媛県の中村時広知事に、伊方原発の耐震強度は2倍程度を確保すると報告していた。同県の山口道夫・原子力安全対策推進監は「県独自の強度2倍確保を、今後も四電に求めていく」としている。

 伊方原発の問題については、既に昨年5月にふれた。

 そこに引用した、「地震調査研究推進本部」による最新の研究成果によると、伊予灘に伸びる中央構造線の活動によって、伊方原発近傍を震源とするマグニチュード(Mw)8クラスの直下型地震がおこる可能性がある。

 伊方原発の原子炉が耐えられる限度は、570の1.5倍、つまり855ガルということになる。直下型地震と言えば阪神淡路大震災を引き起こした「兵庫県南部地震」が参考になる。そのモーメントマグニチュード(Mw)は6.9で、このときの、地震波の解析による最大加速度は848ガルとされている。

 伊予灘でMw8クラスの地震がおこれば、伊方原発の原子炉は持ちこたえられないということは、誰にでも想像できるはずだ。これは冷却機能が失われるといった生やさしい想定ではない。原子炉そのものが破壊されるということである。

 原子力発電所の耐震性というとき、原子炉の耐震設計だけが議論されてきたが、その盲点をついて起こったのが、2007年7月16日の新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原発の事故である。この時は3号機建屋外部にある所内変圧器から出火し、あわや大事故という危機的状態になり、7号機も放射性ヨウ素約3.12億ベクレル、粒子状放射性物質約200万ベクレルを放出している(いずれもWikipediaの「柏崎刈羽原子力発電所」による)。

 四国新聞の追跡シリーズ「沖合走る中央構造線 伊方原発の耐震は」と題する記事から引用しよう。

 「目の前を走る中央構造線の巨大な活断層が、伊方原発にどういう地震をもたらすのか。福島第1原発の事故を教訓として、見直しの必要性がクローズアップされている」。5月7日、愛媛県砥部町であった講演会。原発の危険性を訴えてきた元京都大原子炉実験所講師の小林圭二さんが警告を発した。
  中央構造線とは関東から九州まで全長1千キロ以上も続く日本最大級の断層だ。そのうち紀伊半島から伊予灘に至る断層は360キロに及ぶ。伊方原発から北側を望んだ海域では、沖合数キロの海底を佐田岬半島と平行して走っている。
  伊方原発を襲う地震で最も怖いのは、東南海・南海地震ではなく、この伊方沖を走る中央構造線の断層による地震。阪神淡路大震災のように、直下型の強烈な揺れが伊方原発を突き上げることになる。
    ◆    ◆
  四国周辺の断層に詳しい高知大理学部の岡村真教授(地震地質学)によると、伊方沖の断層で起こる地震は、マグニチュード(M)8程度が想定される。発生周期は不明だが、「千数百年に1回の間隔で起こっている」と予測する。
  一方、四国電力は伊方沖の断層のうち、沖合8キロの長さ54キロの断層で発生する地震が、伊方原発への影響が最大になると想定する。地震の規模はM7・8で、揺れの強さを示す加速度は最大413ガルを見込んでいる。
  これに対し、原子炉本体や原子炉格納容器など重要な施設や設備が耐えられる揺れの強さ(基準地震動)は570ガルだ。「原発の耐震は十分に余裕がある」と四電は説明する。過去の地震では芸予地震で64ガルを記録。東南海・南海地震の想定は94ガルで、東海を加えた3連動も対応できる見通しだ。
    ◆    ◆
  こうした四電の想定は、考え得る最大の地震を本当にカバーできているのか。岡村教授は「四電は地震の揺れを過小評価している」と疑問を投げ掛ける。
  一つは数百キロに及ぶ中央構造線のうち、長さ54キロの断層だけ切り出して地震を評価していること。「なぜ54キロなのか、根拠が分からない。最悪の事態に備えるなら360キロ、さらに九州西部まで600キロの断層が一度に活動する地震を想定しなければならない」。断層が360キロに延びると、基準地震動は最低でも1千ガルが必要という。
  実際、想定を超える加速度を記録する事態が続いている。東京電力の柏崎刈羽原発は2007年の新潟県中越沖地震で、想定の2・5倍の揺れを記録。東北電力の女川原発も05年の地震で想定を上回った。
  もう一つは震源と原発の距離の近さだ。岡村教授は「伊方原発は地震の発生とほぼ同時に激しく揺れる。四電は揺れを検知すると、自動的に制御棒を挿入して原子炉を安全に停止できるというが、挿入の前にダメージを受ける可能性はないのか」と懸念する。

 伊方原発は,決して再稼働してはならない。

「科学と認識」書庫の記事一覧


.
さつき
さつき
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

過去の記事一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫
数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事