さつきのブログ「科学と認識」

福島第一原発、アンダーコントロールで、わざと昨年の2倍の放射能を放出か

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 たまたま水俣病の「腐敗アミン説」についての議論を目にすることがありましたので、手短にコメントしておきます。

ニセ科学叩き自体はアホではないと私は思いますし、アミン説が出てきた背景には当時の化学だだめだったという話になると思います。アミン説を否定するだけの化学の研究をやっていなかったということですから。

水俣病に関して言うと、当時の知見からすればアミン説もありえなくはないけれど、今から見ればまぁ弱い説なわけです。一方で、チッソ工場由来説も疫学的にあり得るけれど弱い説なので、チッソが場当たり的な対応をしてそれが良しになり、さらなる被害拡大になった、という流れだと思います。

 「当時の知見からすればアミン説もありえなくはない」というのは、端的に言って間違いです。アミン説を否定するのに化学の知識は全く不要です。原田正純さんは、腐敗アミンを摂取することで想定される症状は(水俣病とは)根本的に病像が異なる」という表現であちこちに書かれているのですが、直接お話を伺った際には、「それは水俣病じゃない」という表現で一蹴されていました。原田さんとしては、このような珍説がまさかまともに相手にされるとは思いもしなかったということだったのです。

では「水俣の現場に足を運ばずして提唱された数々の珍説」とだけ述べて、「腐敗アミン説」については具体的なことは何も触れていません。なぜなら、議論にも値しない珍説だからです。そのことは、ちょっと考えれば誰にもわかる筈のことではないでしょうか。例えば・・

実際、腐敗した、あるいはしかけた魚を食べただけなら、通常の食中毒はあり得ても水俣病のような奇態な症状の病気が発生したなんてそれまで聞いた事も無かったでしょ?それだけで話がおかし過ぎるんですよ。

 というよう認識は、政府が公式に原因を認めた1968年頃までには広く共有されていたと思います。

 ところが、上記の私の記事のコメント欄でもafofuruki さんとおっしゃる方が、腐敗アミン説を擁護する主張を展開され、その場で少し議論をしました。しかし、私が次のように応じたところで、なぜか議論は立ち消えになってしまいました。

なるほど、その論文を読んで評価すべきですね。私は2007年に開催された「水俣病事件報道を検証する」と題するシンポジウムの原田正純さんの報告からの孫引きで、戸木田菊次氏の論文の内容を理解したつもりになっていました。そこには次のように書かれています。

「たとえば東工大の清浦雷作教授は、水銀ではなく、魚のなかの有機アミンだという説を出します。それから戸木田菊次教授は、実験をしています。水俣の漁師は貧しいから腐った魚を食べたのではないかと論文に書いてあります。いろいろなところから魚をとってきて腐らせて猫にやったら猫が死んだ。あたりまえではないですか。問題は、死んだ猫が水俣病だったかどうかが問題で、それはやっていないのです。そういうことを論文に書いて発表していますから、今でも私たちは見ようと思えば見られるわけです。」 
2012/5/31(木) 午前 1:05 [ さつき ]

 水俣病はまだ終わっていないのに、既に風化しつつあるのを感じます。今後も「腐敗アミン説」がゾンビのごとく蘇るでしょう。その時は、「それは水俣病ではない」と一蹴すべきです。


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