さつきのブログ「科学と認識」

福島第一原発、アンダーコントロールで、わざと昨年の2倍の放射能を放出か

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政党助成法によって健全な政党政治は育ったのか

 前回は主に日本国憲法の視点から政党助成法は違憲であると主張したが、もう一つの議論の焦点は、15年が過ぎた今、政党助成法の趣旨であった「健全な政党政治の実現」は達成されたのかという点にある。成立時に約束された企業献金の禁止は実質的に反故にされたままである。この間、無党派層が増える一方であったのはなぜだろう。このことは、まともな言論の世界ではほとんど決着がついていることであり、何も私ごときがいまさら異議を唱える必要もないが、備忘録として残しておこう。

 この件についてはWikipediaの「政党交付金」、「政治資金規正法」、「政治献金」の解説が参考になる。以下、リンク先に番号を付し、その番号をもって引用先を示す。

(1)Wikipedia「政党交付金」
http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%90%AD%93%7D%8C%F0%95%74%8B%E0&oldid=29016832

(2)Wikipedia「政治資金規正法」
http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E6%94%BF%E6%B2%BB%E8%B3%87%E9%87%91%E8%A6%8F%E6%AD%A3%E6%B3%95&oldid=28999784

(3)Wikipedia「政治献金」
http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E6%94%BF%E6%B2%BB%E7%8C%AE%E9%87%91&oldid=29058401

 なお、前回の記事に関連して補足すると、(1)は、「学説では違憲説が多数だが、『政党は準国家機関であり、公費助成は正当』とする少数説もある」と記している。「政党は準国家機関」とは、まともな感覚とは思えない。憲法二十一条の意味を良く考えてほしい。

 他に、法学の専門家がまとめたウェブページに下記がある。

(4)政党交付金(政党助成法)
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/seitoujyoseikin.htm

 このサイトにおいて、「奈良県上牧(かんまき)町議会(02年12月)や、北海道小清水町議会(03年3月)など地方議会でも、「『政党交付金』を直ちに廃止し、その財源を経済不況で苦しんでいる国民の生活に役立つ施策への財源とすること」(上牧町議会)など、廃止を求める意見書が可決されている」ことを知った。

 また、前回の記事でも紹介した憲法学者上脇博之氏によるものとして、下記がある。

(5)Q4 政党に国がお金を補助するのは許されるの?
http://homepage3.nifty.com/kenpofaq/kokkai/q4.htm

 やや古いが、政治改革オンブズパーソンの声明として、以下の2件がある。

(6)声明 「政治改革」の公約を守り、企業・団体献金の全面禁止を!
http://homepage3.nifty.com/kenpofaq/ombus/seimei01.htm

(7)政党助成は「民主主義のコスト」ではない!!
http://homepage3.nifty.com/kenpofaq/ombus/seimei03.htm

 さらに、個人のブログ記事1件をリンクしておく

(8)シイタケのブログ:「企業献金禁止・政党助成法廃止を」
http://ameblo.jp/ptpptp/entry-10135141420.html

 政党助成法成立の背景には、ロッキード事件やリクルート事件・金丸事件が相次いで起こり、国民の間に強い政治への不信感がわき起こったことがある。「そのため、政府の諮問機関である第8次選挙制度審議会は、『政治腐敗の解消および政治活動に必要な財政基盤の強化を目ざすために』公的助成(税金の投入)が必要であると1990年(平成2)年に答申、これに基づいて制定された」(4)、ということであった。

 1994年の制度の導入時、細川内閣は「将来的に企業団体献金を禁止する」、「五年後に交付金総額を見直す」と、国民に約束をした。(6)
 この頃以降の政治資金規正法の改正の流れは、(2)によると以下の如くである。

----------(引用開始)-----------
1994年、リクルート事件を契機に行われたいわゆる政治改革四法のなかで、選挙制度改革・政党助成制度の導入と軌を一にして改正。企業・団体からの寄附の対象を政党(政党支部を含む)、政治資金団体、新設された資金管理団体に限定。
1999年、資金管理団体に対する企業・団体からの寄附が禁止された。
2005年、日歯連闇献金事件を機に、政治資金団体に関する寄附の出入りについては原則銀行や郵便振込み等で行うことが義務づけられた。また、政党及び政治資金団体以外の政治団体間の寄附の上限(年間5000万円まで)が設けられた(それまでは無制限)。
2007年、事務所費問題を受け、資金管理団体による不動産取得の禁止や資金管理団体の収支報告義務の強化を内容とした改正が行われた。
2008年、国会議員関係政治団体に関して、1円以上の領収書公開や第三者による監査義務付けを柱とした改正法施行(2009年分の収支報告書から適用)。
----------(引用終わり)----------

 結局、どういうことになったか、(3)によると

----------(引用開始)-----------
 現在の日本では政治家個人への献金は原則として禁止されており、政治家に献金する場合は、政治団体(一政治家が一つだけ指定できる資金管理団体や、政治家の後援会など)を通じて献金することになる。これは個人献金のみ可能であり、企業献金は企業の意を受けた政治家によって政府の施策が歪められる原因にもなるため、一切禁止されている(≒賄賂)。
 また政党へ献金する場合は、政党(本部および支部)へ直接献金する場合と政党が指定する政治資金団体へ献金する場合の2種類の方法がある。この献金は個人献金だけでなく企業献金も可能であるが、企業が、政治家が支部長を務める政党支部に対して献金するという方法を取れば、政治家が企業献金を受け取ることが可能になることから、企業献金の抜け穴であると批判されることもある。無所属議員は政党を通じて企業献金を受け取ることが出来ず、政党助成金制度ともあいまって、政党に所属する議員と比較して資金力に格差があると言われている。
----------(引用終わり)----------

 政党支部への企業献金は禁止されていないので、実質的に企業団体献金と「政党交付金」の二重取りがなされているということになる。国民への約束にもかかわらず、政党交付金の総額の見直しもなされなかった。

 新聞「赤旗」のウェブサイトに2007年以降の「政治と金」にまつわる事件へのリンクリストがあるが、これを見るだけで、今の政界がいかに汚れた金にまみれているかがよくわかる。
http://www.jcp.or.jp/akahata/keyword/078_inc.html

 西松建設の違法献金事件では、麻生太郎前首相は「企業・団体献金は悪と考えていない」(本年3月6日の参院予算委員会)と言い、民主党の小沢一郎代表(当時)は「政党支部で受領すれば何の問題もない」と語ったという。政党助成法の本来の目的など、隠れ蓑でさえなく、ただ、楽をして金が欲しかっただけということだ。

 「だからこそ、国民の政治不信、政党不信は日々益々増大しているのであり、『焼け太り』となっている『二重取り』は国民の間に無党派層を増殖させる大きな原因の一つになっていると思われる。各政党・議員は、政治不信、政党不信の大きな原因を生み出しているのがこの『二重取り』であることを真摯に受けとめて、一刻も早く『二重取り』の解消に努め、政治不信、政党不信の原因を絶つべきである。」(6)
 結局、この政党助成法は、「健全な政党政治」を育てることと逆行する効果を発揮してきたとも言えるだろう。

 そもそも、選挙で選ばれた国会議員には、その活動を支援するため、年額約2200万円(手当てを含めた総額は約4200万円)と世界最高水準の「歳費」と秘書給与が支給されているのだ。つまり、実際には三重取りにもなっていて、これほど無駄なことはない。
 ところで(8)は、「歳費」について次のように述べている。

----------(引用開始)-----------
 「なお、国会議員への歳費も政党交付金と同じく税金ではないか、と指摘する意見があるかもしれない。しかし歳費を受けることは憲法で定められていることであり、法律とは意味合いが異なる。また歳費は議員個人が受け取るものであり、この点でも政党助成とは異なる。歳出削減のため歳費を減らせという声もあるかもしれないが、それは民主主義を理解していない愚かな意見だ。国会議員への歳費を十分に確保しなければ、富裕層(資産家)しか政治家になれなくなってしまう。」
----------(引用終わり)----------

 確かに、「歳費」の額が適正なものかどうかは別にして、これは一理ある。国民が選んだ議員の政治活動を保障するために十分な額の歳費が無所属議員にも平等に支給されているのだから、政治活動への国庫からの助成としてはこれだけで十分ではないか。

最後に

 「政党交付金」を擁護する文脈で、「国民一人あたり年間たったの250円」という言い方がなされる。しかし、ほとんどの大規模公共事業も、国民一人あたりにすると年間コーヒー1杯分にも満たない額になる。IFREEの予算など、国民一人あたりにすると10円足らずである。国家的な無数の事業のそれぞれに、一人当たり数円〜数百円の金額が配分され、総額90兆円を超える額になっているのだ。それが税金であれば、一円たりとも無駄にはできないとの想いから「事業仕分け」もなされている筈である。

 「政党交付金」の額は、政党助成法において国民一人当たり250円と定められているので、この額を変えるには国会における正式な法改正の手続きを経なければならない。時々の経済情勢などを勘案して予算委員会や省庁レベルで実際の交付金額を審議するといったことも不可能で、「事業仕分け」の対象にもできない「聖域」である。予算執行を伴う法律としてはきわめて特異と言える。

 思想的にそれぞれに偏りのある「政治結社」へ、毎年自動的に多額の国民の税金が注ぎ込まれて行くシステムを誰がつくったのか。その甘い汁を吸っている者らが結託してつくったのだ。「泥棒に金庫番をさせる」とはこの事か。

 政党助成法は、まさに、「赤信号、みんなで渡ればこわくない」を地でいく恥知らずな悪法であり、即刻廃止すべきである。

 なお、この際共産党も政党交付金をもらうべきであるという支持者の意見があるらしいが、もしそうなったら、ただでさえ<ジリ貧>の共産党もいよいよ終末へと加速することを知るべきである。

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