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毎日新聞の11月29日付の記事「もんじゅ 設計、廃炉想定せず ナトリウム搬出困難」 で批判された日本原子力研究開発機構(JAEA)が、反論の記事を公表している。
「平成29年11月29日付毎日新聞における「もんじゅ」に関する報道について」(11月29日)
「記事解説」(11月29日)
「一連の「もんじゅ」1次冷却系ナトリウム取り出しに関する報道について」(11月30日)
JAEAは毎日新聞の記事を「誤報」としているが、隅田金属日誌(墨田金属日誌)さんのブログ記事「ナトリウム抜取りは「技術的には可能」というけど高速増殖炉も核燃料サイクルも「技術的には可能」だったよね」 にある通りで、まったく、何様のつもりかと憤然とする。
ふつう、研究費公募申請の研究計画調書では、期限と予算を明確にし、これまでの実績や実現可能性についても記載することになる。研究倫理指南書には必ず「できもしないことを書いて予算申請してはならない」という意味の項目がある。「実現可能性」に、期限内、予算内の含意があるのは一般社会の常識である。いつかできます、そのうちできます、お金をいくらでも出してくれるならできます、というほどの実現可能性しかない事業に、国費からはびた一文支出してはならない。
JAEAは、燃料取り出しとナトリウム抜き取りは分離して認可申請することが許されているとし、まずは燃料取り出しの認可申請を行う計画であるとのこと。申請内容については厳格な審査がなされるであろうが、多額の国費を伴う(注)ものである以上、申請した側にも、認可した側にも重大な責任があることを自覚すべきだ。
特に、高速増殖炉・核燃料サイクル事業は、これまで何度も期限と予算がなし崩しにされ、延期・増額されてきた。そのことへの真摯な反省があるなら、毎日新聞の記事に上段に構えた批判を公開することなどできなかった筈だ。これはつまり、反省などしていないことを意味する。このままでは同じことがまた繰り返されるであろうから、廃炉事業が認可されたら、その期限と予算に注目し、監視しよう。
何れにしても、もんじゅの廃炉が極めて困難な事業であることに変わりはない。大きな危険を伴う困難な事業を、失敗続きで大ボラ吹きの組織に任せることに不安を抱くのは当然なのだ。冒頭にリンクしたJAEAの「記事解説」の末尾にある次の文を読むと、いっそう不安になる。
この文章は二重に問題がある。まず、「ナトリウム炉の特徴」としてリストされた6項目のほとんどが、「ナトリウムの性質」やら「ナトリウム冷却システムの特徴」やら「ナトリウム炉の特性」やらが渾然一体となっている。このような文章は、卒論の初稿段階でしばしば目にすることがあるが、このままでは普通は不可である。
次に、「特徴」としてリストされたものの全てが、「利点」や「長所」だけとなっている。まさか、弱点や欠点・危険性等について一切認識していない訳はないであろうが、この組織に任せて本当に大丈夫かと、不安はいや増すばかりである。
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注)もんじゅ廃炉費3750億円超 負の遺産、国民にツケ (東京新聞2016年12月20日)
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2017年12月02日
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