さつきのブログ「科学と認識」

福島第一原発、アンダーコントロールで、わざと昨年の2倍の放射能を放出か

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塵も積もれば山となる

 前回の記事の末尾に書いた「追記」で、苫東厚真火力発電所の2号機と4号機が地震直後にダウンした後、その17分後に1号機(35万kW)が停止したのは、深夜の大地震で飛び起きた多数の人々が部屋の明かりやテレビを一斉につけて電力需要が急増したのが原因ではないかと書いた。しかし、北電のプレスリリースを調べた結果、既に6日の時点で1号機の蒸気漏れが報告され、その後ボイラー管 2 本の損傷が確認されているのを知った。10日の報道で「何らかの原因で」とされていたが、地震動による損傷が原因で停止した可能性が高いようだ。あるいは、本震の16分後におこったM4.8, 最大震度4の余震が直接のトリガーとなった可能性もある。

 それはそうと、深夜の大きな地震で飛び起きた人々は、単に部屋の明かりやテレビをつけるだけではないことに思い至った。商店主は売り場や倉庫の、食堂・レストランでは厨房の、酪農家・牧場主は畜舎の様子を見るため明かりをつけるだろうし、工場では工作機械などの試運転をやることも考えられる。それでどれくらいの電力需要が増加するのか簡単には計算できないが、今回の北海道のケースを想定して一般家庭の消費電力の増加分を概算してみた。

 最近の液晶テレビは30型クラスでも100 W以下らしいので、複数の部屋の照明を加えて、地震直後に急増する電力を1世帯あたり200 Wとしよう。総務省の平成30年住民基本台帳人口・世帯数、平成29年人口動態(市区町村別)  によると、北海道の全世帯数は277万くらい。地震で起きて明かりとテレビをつける行動に出るのは震度4以上だとすると、都市部の大部分が含まれるので230万世帯くらいが該当する。ちなみに私は、震度2以上でとりあえずテレビとパソコンをつけるが、震度5強だと居間や台所や物置など、部屋中の明かりをつけてあちこち点検すると思う。ただし、地震直後に2号機と4号機がダウンして強制的に停電措置がとられたところがあるので、実際には100万世帯だったとしよう。

200 W/世帯 × 100万 世帯= 20万kW

となる。

 数分間の間に20万kWくらい急上昇したとしてもギリギリ持ち堪えられるのかもしれない。しかし、しばらくして先に述べた商店や畜舎やいろいろな事業所などの点検が始まると、もっと増えて、とうとうダウンしてしまうという可能性もあるのではないか。塵も積もれば山となるので、考慮すべきことだと思う。

 全く関係のない話ではあるが、かつて映画『チャイナシンドローム』が公開された折、友人の一人が、「この映画は、文化大革命の頃の中国で、8億の人民がセーノで一斉に2mの高さから飛び降りると地球の反対側にあるアメリカに大地震を起こすことができると冗談で語られていた事への、これまた冗談での意趣返しなのだ」と語ってくれたことがある。それ自体冗談であろうが、ついでに計算してみよう。

地球表層での位置エネルギー(E)は E = mgh なので,

60 kg/人 × 8億人 × 9.8 m/s^2 × 2m = 9.4 × 10^11 J

となる。マグニチュード(M)と地震のエネルギー(E)との間には、

log10E = 4.8 + 1.5M

なる関係があるので、

M = (log10(9.4×10^11) - 4.8)/1.5 ≒ 4.8 

となり、こちらは問題になるほど大きなものにはならない。大きくなり得るとしてもそのエネルギーは、「チャイナシンドローム」同様、発生源付近にこそダメージを及ぼすだろう。

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