さつきのブログ「科学と認識」

福島第一原発、アンダーコントロールで、わざと昨年の2倍の放射能を放出か

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 表記のことについて、誰も書かないのでメモ書きを残しておく。

 原発の再稼働にかかわって活断層の問題がクローズアップされている。例えば、既に再稼働した大飯原発の敷地内にある破砕帯は活断層である可能性が高いとの指摘がなされた。

大飯原子力発電所敷地内観察結果(東洋大学渡辺満久教授:2012年6月28日)

 日本原電敦賀原発では、1、2号機の敷地を通る活断層が、安全審査に際して提出された資料にある25 kmではなく、実際には35 kmあって、M7.4程度の地震を引き起こす可能性のあることも明らかになった。

 さらに、石川県の志賀原発では、1号機の直下におよそ300 mの亀裂があり、7月17日の国の専門家会議で、「活断層の可能性が高いが、調査が不足している」という異議ありの声が相次いだ。もしこれが活断層と認定されたら、国の指針に反することになり、志賀原発は運転できないことが確実となる(注1)。

 さて、上記NHKの記事によると、今回改めて問題になったのは、新たな調査によって新事実が判明したからではなく、設置審査に提出され、問題なしと判定された過去の資料を再検討した結果だという。

専門家も意見分かれる
志賀原発の亀裂について、地形学が専門の東洋大学の渡辺満久教授は、「岩盤がシャープに食い違い、典型的な活断層だ。断層がずれた両側に同じような大きさの石が積もっていて、明確なずれが確認できる。北陸電力が説明する波の削り跡だという主張は、非常に無理があり、すぐに廃炉にすべきだ」と述べました。
また、これまでの国の審査について、渡辺教授は「電力会社の調査の不備を探すための審査なのに、何をやっていたのか。専門家や、審査を行った保安院や安全委員会の責任は重大だ」と述べました。
一方、専門家会議の委員を務める京都大学の遠田晋次准教授は、「一見すると、断層が動いて段差が出来たように見えるが、反対側を見ると、明瞭な段差を確認できない。1つの断面だけを見て、原発を廃炉にしてしまうことを判断せずに、慎重に追加の調査をしたうえで結論を下すべきだ」と述べ、再調査の必要性を指摘しました。
これまでの国の審査について、遠田准教授は、「これまでの審査は不透明な部分があったかもしれない。東日本大震災以降、動かないとされていたところも動いていることから、原発の耐震性を判断する指針や手引きを見直す時期だ」と述べています。

 遠田氏は、「東日本大震災以降、動かないとされていたところも動いている」との認識を示してはいるが、では、想定外のところが動くことが<想定される>ときにどう対処せよと言うのだろうか。しかもこのことは、3.11以降になってはじめて問われることになったのでもない。既に2000年10月6日、鳥取県西部地震(M7.3、Mw6.6、最大震度6強)が想定外のところに起こって、原子力産業界は大変なショックを受けた。

 この地震は、震央が過疎地にあったことなどにより死者こそ出なかったが、地震の規模では兵庫県南部地震に匹敵するものであった。震央近くの日野町(当時)では、震度7相当(計測震度6.6)の1135 galという、兵庫県南部地震の最大加速度848 galを大きく超える値が観測されている。震源が深さ9 kmと比較的浅かったことにもよるのだろう。1989年以降、この地域ではM5クラス以下の地震が比較的多く発生していたが、歴史地震の記録もなく、活断層の存在も知られておらず、このような大きな地震が起こるとは誰も予想していなかった(鳥取県西部の地震活動の評価)。

 それまでの大きな地震は、予知(prediction)こそ成功していないが、将来いつかは起こるであろうと予想(expect)されていた範囲に起こっていた。1997年山口県の北部で起こった地震のように、明確な活断層は知られていないものの、微小地震帯に認められる空白域の時空分布から発生が(中期)予測(forecast)されていた例さえあったのである。

 阪神淡路大震災を機に大々的に推進された活断層調査や、地震観測網、GPS観測網などの整備によって、どこにどのような備えが必要であるかが明らかになりつつある。たとえ予知に成功しなくても、そうした事業は必ずや震災軽減に役立つであろう。それでも、それが万全であり得ないことは、鳥取県西部地震の発生によって、多くの関係者が自覚した筈だ。

 一般に地震の規模(マグニチュード)と震源断層のサイズは比例する。地震のマグニチュードは、地震によって動いた断層(震源断層)の面積とズレの大きさ、岩盤強度に比例し、断層面の面積とズレの大きさも比例するので、敦賀原発の敷地を通る活断層のように、その総延長が35 kmとわかれば、その全体が動いたときの最大のマグニチュードは7.4と予想することができる。鳥取県西部地震の震源断層の水平方向の延長は、余震域の広がりなどから、およそ25 kmと推定されている。震源の深さが9 kmなら、震源断層が地表に現れて地震断層として確認されても良い筈である(注2)。そうした地震が過去に繰り返し起こっていれば、地震断層の変位が累積されて、活断層と認定され得る変動地形が観察されても良い筈である。

 ところが、この地域においてはそれ以前に活断層は知られていなかった。地震直後に発見された地割れや小断層も、地震動により局所的に形成されたものと考えられた。余震域に平行なリニアメントや河川の屈曲も、地震発生後に認められたものである。実際に、このときの震源断層の変位は地下1 km付近で止まったと考えられており、「地下活断層」と呼ばれるようになった。このように、地震後の調査によって、いわば「後出しじゃんけん」のように発見される現象によらずに、地震ポテンシャルを精度良く評価する方法の確立が強く望まれるようになり、意識的な研究も開始された(例えば、木の下ほか、2005)。

 何より困ったのは、電力会社をはじめとした原子力産業界である。原発などの原子力施設の設置認可に際しては、個々の地域に想定される最大の地震動を元にした耐震設計が求められる。ところが、鳥取県西部地震のように、まったく想定外のところにM7クラスの直下型地震が起こり得るとすれば、「最大の地震動」の予測が不可能となる。活断層があろうとなかろうと、日本列島はどこでも危険だとの認識が広まることは、原子力産業界としては何としても阻止したい。そこで彼らは、上に引用した木の下ほか(2005)に類する研究を、独自に行った。

 本来、こうした研究は国が率先して推進すべきであろう。しかし、そうした組織的な事業の痕跡を見いだすことはできない。そもそも、そうした問題のあることが広く周知されるのを避けたいのかもしれない。一方で、査読のある学術雑誌に掲載されるような成果でなければ信用されないというジレンマもある。いずれにしても、研究成果も十分に出そろわない2006年9月19日、原子力発電所の耐震指針の改訂がおこなわれた。
 一部を引用しよう

原子力発電所の耐震指針が9月19日、25年ぶりに改定された。
近くに活断層がある場合、これまでの指針では過去5万年前までの断層を対象にしていたが、新指針では最大13万年前までさかのぼって調査する。
活断層が近くにない原子力発電所は、一律に決めていた「最大マグニチュード(M)6・5の直下型地震による370ガル(ガルは加速度の単位)程度の揺れを想定していたが、これを廃止。代わりに岩盤など立地条件を十分に調査し、原子力発電所ごとに最大の地震を想定するよう求めている。
(中略)
今回の指針が適用されるのは新設の原子力発電所からであるが、既存の55基の原子力発電所や再処理工場について耐震性が新指針に合致しているかどうか、事業者に自主的に点検・再確認するよう求めている。
指針見直しのきっかけとなった阪神大震災や鳥取県西部地震はいずれもM7・3だった。しかも鳥取県西部地震は活断層が確認されていない場所で起きている。昨年8月の宮城県沖地震では想定規模に届かなかったにもかかわらず、女川原子力発電所が耐震設計の限界を超える揺れにより自動停止した。さらに、今年3月の志賀原子力発電所の運転差し止め判決が原子力発電所耐震性の根拠を打ち砕いた。金沢地裁は、想定を超える地震の可能性と住民の被ばくの可能性を指摘し、現在の耐震指針の想定や手法について「妥当性を肯定しがたい」とした。耐震性は保たれているという国や電力会社の主張は、説得力を持たなくなったことなどが要因となった。
(後略)

 鳥取県西部地震の発生などから、志賀原発の運転差し止め訴訟の判決があって、これまでの耐震設計指針の信頼性がなくなり、やむを得ず改訂したということ。付近に活断層がない原発については、立地条件を十分に調査し、最大の地震を想定するよう求めているのであるが、不可能なことを電力会社に丸投げしているのである。しかも、この改訂以前に建造された55基の原発については、「事業者に自主的に点検・再確認するよう求めている」だけである。

 地下活断層の検出のための一般的な手法の開拓に果敢にチャレンジした木の下ほか(2005)は、「まとめ」で次のように述べている。

したがって,断層変位地形の発達に乏しい山間部や花崗岩類分布地域においても,詳細なリニアメント判読や広域的な地形変化を考慮した地形地質調査,数値解析などの調査結果を総括的に検討することで地下活断層の存在の可能性やその方向,活動履歴などをある程度推定できると考えられる.しかしながら,今回行った検討は2000年鳥取県西部地震一例であり,地下活断層の一般的な特徴を把握しているとはいえない.今後,2000年鳥取県西部地震と同程度の規模(Mw6 . 4〜6 . 6 程度)の他の地震を対象とした調査を行い,震源域の地形地質学的特徴や測地学的データの比較・検討を行う必要がある.

 要するに、地下活断層の存在や、その地震ポテンシャルを正しく評価する一般則としては、未完のものであるということ。改訂された耐震指針の適用を実質的に免れていた55基の原発は、本来なら、再起動に向けてのストレステストに際して、この新しい耐震指針を適用した厳格な審査が求められるべきである。しかしそれは、そもそも不可能である。すなわち、全ての原発は、その安全性を正しく評価することが不可能なのである。

 何ごとにつけ、なし崩し的になされてしまうこの国のありようは、何とかならないものか・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
注1)このことを「廃炉」という言葉を用いて表現すべきではない。狭義の「廃炉」は、原子炉を解体・撤去することを意味するが、私は、被曝労働を伴わない解体・撤去の技術が確立するまで、燃料を取り出した状態で、そのまま「置いておく」べきだと考えている。半永久的な「負の遺産」となるかもしれないが、それもやむを得ないだろう。

注2)日本列島の地殻が脆性破壊する最大の深さはおよそ20 kmで、火山地帯のように地温勾配が高くなっている所では10 km程度と浅くなっている。そして、この脆性破壊を起こす範囲では、深くなるほど高い圧力によって断層面が押し付けられているので、断層面の摩擦強度は高くなる。つまり、日本列島の地殻を変形に抗して支えているのは、脆性破壊を起こす最大の深さ付近にある岩盤ということになる。その部分が破壊しない限り、地殻が大きく変位することはない。逆にいうと、大きな地震の震源はほぼこの深さのところにある。山陰地域で起こる地震の震源の最大の深さは18 km程度であるが、何故か鳥取県西部地震の震源の深さは9 kmと浅くなっている。

文献
木の下ほか、2005、比較的規模の大きな地下活断層の特徴とその調査手法の検討、活断層研究、25、 27〜37

 前回の記事にリンクして注意喚起だけしておいた東電の隠蔽を告発する岡田直樹さんのブログ記事:2011年3月20日、隠蔽された3号機格納容器内爆発(Space of ishtarist/2011年06月25日)を鬼蜘蛛おばさんの疑問箱の松田まゆみさんが採り上げて下さった。

 豊富な情報をお持ちの松田さんもご存知なかったとのことなので、気になって「東北地方太平洋沖地震 原発関連wikiを調べてみた。「時系列」の、「福島第一原子力発電所3号機」のページには3月21の3号機の状況について次のように記載されている。

2011年3月21日 
○ 04:00
3号機
原子炉圧力:(C)-0.027MPa(B)0.214MPa
原子炉水位:(A)-1650mm(B)-1950mm
格納容器圧力:0.160MPaabs
○ 12:25
3号機
原子炉圧力:(C)-0.083MPa(B)0.043MPa
原子炉水位:(A)-1600mm(B)-2000mm
格納容器圧力:0.120MPaabs
○ 15:55
3号機に関し、灰色の煙が噴出(調査中)
16:49
3号機の煙に関し、煙量には変更は無いが、灰色から白色に変化
○ 18:02
3号機の煙に関し、沈静化を確認

 前日の3月20日もほぼ同様である。これだと、21日に灰色の煙が上がっただけで、大したことはなかったかのようである。東電が公表している3号機の水位・圧力の変化を示すグラフ(図1)を見ても、3月20-21日に特段のことが起きているようには見えない。

イメージ 1

図1 東電が公表した福島原発3号機の事故後のパラメータ変化

 実は「原発関連wiki」の上の記載にある時刻の直前に大変な事態が起きていた。それは東電が公表している数値データにはっきりと現れている(表1)。

    表1 東電が公表した福島原発3号機の事故後の水位・圧力パラメータ
イメージ 2


 3月21日のA系原子炉圧力に注目すると、日付が変わった深夜に三件のデータだけが突出して高い圧力になっている。

1:25     8.968 MPa
1:45   11.571 MPa
2:30   10.774 MPa

 ではなぜ、この異常が東電の図1に現れていないかというと、グラフの縦軸の目盛り(右側)の上限が8 MPaになっていて、上記三件のデータがグラフからはみ出してしまい、表示されないのである。もし各点を繋いだ折れ線グラフにしていれば、はみ出したデータがあることが知れるのだが、東電は散点グラフとして公表し、突出して高いこの3点の存在を隠蔽したのである。決して噓はついていないのだが、巧妙な隠蔽と言わずして何と表現したら良いだろう。「原発関連wiki」も、まんまと騙されようだ。

 灰色の煙が立ち上ったこの日、東電は作業員全員を退避させた。放水作業のため正門近くにいた東京消防庁の部隊は約20 km離れた指揮本部にまで退避している。東電は、21・22日に福島第一原発敷地内の土壌を採取して、プルトニウムの検出調査を行った。3号機はプルトニウムを大量に含むMOX燃料を使用していたのである。

 図2は、財団法人日本分析センター(千葉市)が、福島第一原発から南南西約200 kmの同敷地内における空間線量率と核種毎の放射線量を計測し、3月31日までの変化をグラフとして公表したものである。

イメージ 3

      図2 日本分析センターにおける空間放射線量率の測定結果

 この日、東京を含む関東地方一帯に大量の放射性物質が降下したが、多くの専門家は、既に放出されて上空に漂っていた放射性物質が雨に伴って降下したものであると説明していた。身近にいる地球化学の専門家もその説をとっていた。私は気になって、2011年4月7日の拙ブログ記事で採り上げたのだが、この時は、噂されていた再臨界の有無に着目していて、放射平衡の検討からその可能性は低いが、この時「若い汚染物質」が付加された可能性があるとした。しかし、このような隠蔽工作がなされているとは思いもしなかった。この期に及んでの隠蔽工作の必要性を思い至らなかったからである。

 しかし、松田さんのブログ記事を読むと、今になって、放射性物質の全放出量の算定量をチェルノブイリ事故より少なく見せかけるのに、この隠蔽が功を奏していることがわかる。詳しくは岡田さんと松田さんの記事をお読み頂きたい。
 4月22日に広島・山口県境付近にある三井化学岩国大竹工場が爆発炎上するということがあり、後に、敷地内に多量の劣化ウランが保管されていたことが発覚して大きな心配が広がった(注1)。類似の事は昨年もあった。震災当日の2011年3月11日にコスモ石油千葉製油所のLPGタンク付近で火災が発生、隣接するチッソ石油化学五井製造所にも延焼して、劣化ウランの保管施設の一部が焼けるということがあって、そのことが、後の6月30日に開かれた千葉県議会総務防災常任委員会で明るみになって問題視された。

 これらのことを採り上げたいくつかの報道やブログ記事などに、共通して見過ごせない誤解が広まっているので、指摘しておきたい。それは、劣化ウランはα線しか出さないので、一般の放射線測定器では検出できないというもの。そのことが不安を増幅させているように見える。しかし、これは事実ではない。

 確かに劣化ウランの主成分はウラン238であり、これはα崩壊するが、その娘核種、孫核種はβ崩壊する。

ウランー238(α:44.7億年、4.198 MeV)
→ トリウムー234(β:24.1日、0.273 MeV) 
→ プロトアクチニウムー234(β:1.17分、2.27 MeV(99.84%)/6.7時間、0.474 MeV(0.16%))
→ ウランー234(α:24万6千年、4.775 MeV)
(以下、省略)

 劣化ウランのほとんどは、生成後、娘核種トリウムー234の半減期(24.1日)に比べて十分長い時間を経過しているだろうから、トリウム−234とプロトアクチニウムー234が永続平衡に達していると考えて良い。このとき、娘も孫も親のウランー238と同じ頻度で放射壊変している。計算すると、1グラムの劣化ウランは毎秒およそ12500個のα線と25000個のβ線を放射することがわかる(注2)。

 α線やβ線のような粒子線は、飛程が短いために自己遮蔽効果が無視できないが、微細な粉末となって飛散している場合には効率良く放出される。放射線検出器の窓の面積の範囲内に劣化ウランが1ミリグラムでもあれば、毎秒平均25個の割合で生み出されるβ線の5分の1が検出にかかると仮定しても、毎分300カウントにはなる。環境放射能としては十分大きな異常値である。この3分の1より少ないレベルだと、天然の花崗岩からの放射線量と同程度になってしまうから、恐れる必要はない。

 くりかえすと、危険な量の劣化ウランがあれば、一般的なガイガーカウンターやシンチレーションカウンターで異常な放射線量として容易に検出できるし、異常値として検出できないレベルであれば、もともと天然に存在したウランとその系列核種だけであるから、心配には及ばないということである。

 さて、劣化ウランがα線しか出さないという誤解は、例えば「劣化ウラン弾 被曝深刻」と題する中国新聞社の連載記事とその関連書籍などが発端の一つとなって広まったようである。

 上記ウェブページに次の記述がある。

 ウラン鉱山から採掘した天然ウランは、濃縮過程の中で、まず核兵器や原子力発電所用の燃料となるウラン235(U235)と、 低レベル放射性廃棄物となるウラン238(U238)に分離される。高レベル放射性同位元素のU235は、全体の一%にも満た ず、残りはほとんどがU238である。

 大量に生み出される強い毒性を持つこの金属物質を「劣化ウラン」と呼ぶ。劣化ウランは、主要にはアルファ線を放出し、半減期 は地球の歴史にも匹敵する四十五億年である。

 これは二重・三重にデタラメである。

1)天然ウランを濃縮する過程で生み出されたウラン238(劣化ウラン)は、低レベル放射性廃棄物ではない。国は、劣化ウランは、あくまで核燃料物質であって廃棄物ではないという立場。法律が改められない限り、劣化ウランは廃棄物として処分することができず、これに手を出した者は、未来永劫保管し続けなければならない。

2)ウラン235は高レベル放射性同位元素ではない。そもそも「高レベル放射性同位元素」というカテゴリーは存在しない。「高レベル放射性廃棄物」というカテゴリーは存在するが、ウラン235とは比較にならないくらいの強い放射能を有する。ちなみに、過去のエントリーに書いたように、劣化ウランと原発用濃縮ウランの放射能は大して違わない

3)「劣化ウランは、主要にはアルファ線を放出」するものではなく、むしろβ線の方が多い。既に述べた通りである。

 それより、三井化学岩国大竹工場の爆発炎上事故に関連して心配なのは、中国新聞の関連記事にある次のくだり。

22日の事故で倉庫の窓ガラスが割れたが、ドラム缶に損傷はなかった。同社によると、事故から約7時間後の午前9時から9時半にかけて調べた倉庫と周辺の放射線量は、毎時0・44〜9・31マイクロシーベルト。3月28日の毎時0・22〜9・31マイクロシーベルトとほとんど変わっていないという。

 劣化ウランは基本的にはα線とβ線と、極低エネルギーのγ線だけを放出するので、ドラム缶に密封してあれば、周囲の放射線量が目立って上昇することはない。岩国周辺は花崗岩地帯であるためにその自然放射線量は日本では最も高い0.127 uGy/h以上の地域にあたるが、そうだとしても、事故前の0.22〜9.31 uSv/hという値からして明らかに高すぎる。つまり、劣化ウランがいくらか漏れている可能性がある。毎度のことながら中国新聞はつっこみ不足である。
中国新聞、ファイト〜ッ!

(全原発停止記念日に記す)

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注1)文科省のウェブサイトにあるPDFファイル「平成20年度放射性廃棄物管理状況 (核燃料使用施設:政令第41条非該当事業所)」によると、三井化学㈱岩国大竹工場に保管されていた劣化ウランは200リットル入ケミカルドラム缶にして3,379 本 とのこと。

「政令第41条」に該当するのは、文科省の次のページに説明がある通り、主に使用済み燃料とその再処理燃料のことで、その放射能は、劣化ウランよりかなり高い。
減損ウランはこのカテゴリーに含まれるが劣化ウランはこれには含まれず、規制がルーズである。

注2)簡単のために、生成直後の劣化ウランがウランー238だけからできているとすると、その放射能は1グラムあたり12446ベクレルである。つまり、1秒間に12446個のα線を放出してトリウムー234に変わる。このトリウム−234は半減期24.1日で、β線を放出しながらプロトアクチニウムー234に変わる。

 こうしてトリウムー234は徐々に増えていくが、その半減期はウランー238より短いので、その半減期のおよそ7倍(200日くらい)の時間が経過すると、新たに生まれる量と崩壊する量がつりあった状態になる。この状態を放射平衡と呼ぶ。その中でもこの例のように親核種の半減期が十分に長く、娘核種の半減期がそれに比べて圧倒的に短い場合、娘核種が崩壊する頻度は親核種が崩壊する頻度と等しくなっていて永続平衡と呼ばれる。このことは、次のプロトアクチニウム−234にも成り立つ。結局、ウランー235やウラン234も若干含むような一般的な劣化ウラン1グラムは、生成後200日以上経過したら、1秒間におよそ12500個のα線と25000個のβ線を放出することになる。

 次のウランー234は半減期がかなり長いので、ここがバリアーとなって、これ以降の核種は無視して良いほどにしか増えず、何万年たってもほぼ同じ状態が続く。

 詳細は放射能の基礎知識など参照のこと。

 タイトルに書いた通りです。
 ぜひ、多くの方に読んでいただき、また、実際に活用していただきたいと思います。

 副題は、「“減思力げんしりょく”を防ぎ,判断力・批判力を育はぐくむために」

 監修は「福島大学 放射線副読本研究会」で、本年2月に結成された教員有志の組織とのことですが、先ずはその労に敬意を表したいと思います。

 「はじめに」の主部を引用します。

(前文略)
 汚染された地域では,高い放射線量のため,長期にわたって人の居住が制限される地域が生じました。事故以前に設定されていた年間の追加被ばく線量(医療除く)限度を超える放射線を浴びてしまったり,その恐れがあるために,多くの人々が避難を余儀なくされました。避難の途中で亡くなった方や,原発事故の影響を苦にして自殺に追い込まれた方もいました。東日本の各地で,水道水の摂取や一部の食品の摂取・出荷が制限されることとなり,日常生活にも大きな悪影響を及ぼしました。 
放射性物質は,その影響が収まるまでにとても長い期間を要するため,これから私たちは,放射線による被ばくの問題と向き合っていかなければなりません。 
 そのような中で文部科学省は,2011年10月に小・中・高校生向けの放射線副読本をそれぞれ作成しました(以下,新副読本と省略します)。新副読本は,福島第一原子力発電所の事故の後に作成されたものですが,事故に関する記述がほとんどなく,放射線が身近であることを強調し,健康への影響を過小に見せるなど,内容が偏っているという問題点が指摘されています。また,原発事故の前にも文部科学省と経済産業省資源エネルギー庁が作成した原子力に関する小・中学生向けの副読本(以下,旧副読本と省略します)があり,事故後に回収されたり,ウェブサイトから削除されたりしましたが,これらも原子力の推進側に偏った内容となっていました。
 今回の原発事故で教訓とすべき点の一つは,偏重した教育や広報により国民の公正な判断力を低下させるような,いわば“減思力げんしりょく”を防ぐことです。そして,放射線による被ばく,特に低線量被ばくによる健康への影響については,正確なことは分かっておらず,専門家の間でも見解が一致していません。このような「答えの出ていない問題」については,どのように考えていけばよいのでしょうか。 
 私たち,福島大学放射線副読本研究会のメンバーは,学問に携わる者として,また,原発事故によって被ばくした生活者として,このような不確実な問題に対する科学的・倫理的態度と論理を分かりやすく提示したいと考え,この副読本をまとめました。
(後略)

 最大の特徴は、倫理的な問題にも踏み込んだ検討がなされている点だと思います。

 私がキモだと思った部分を抜粋しておきましょう。15ページからの「放射線と被曝の問題を考える際のヒント」の項には「楽観派の人々の代表的な見解の例と,その妥当性を考える際のヒント」として、例えば次のように書かれています。

●放射線は,正しく怖がることが大切です 
 ・・・一方,低線量被ばくについては,その影響は解明されていません。専門家でも,安全と考える立場から,小さくてもリスクはあるとする立場まで捉え方に幅があり,「正解」は出ていません。解明されていない以上,「正しい」怖がり方というのは論理的に成立しません。例えば,穴の深さが分かっていない「落とし穴」がある場合,10cmと考えて安心する人や,10mと考えて心配する人など,誰の怖がり方が正しいかは判定できないのと同様です。つまり,「怖がり過ぎ」を「間違い」と断定できる根拠はありません。・・・

●放射能のことを心配し過ぎる方が,健康によくない 
 ・・・このような見解は,放射線の被ばくによる健康影響の原因を,被ばくした人の心の不安,つまり「被害者側」に帰着させます。そこには,「加害者の責任を見えにくくし,被害者へ転嫁する」という,倫理的問題があります。例えば,次のような状況を考えてみましょう。あなたが傷害事件の被害者になってしまったとします。傷害の程度は軽微で,「直ちに健康に影響が出るレベルではない」ものでしたが,再び同じような事件に遭うかもしれないことを不安に思っています。そのとき,友人が,「傷害事件を心配し過ぎる方が健康によくない。日本では,がんなどで死亡する人の方が多いんだから,自分の健康管理の方をしっかりすべきだ」とアドバイスしたとします。あなたはその友人のことをどのように思うでしょうか。・・・・

●放射線よりもタバコや自動車の交通事故の方が危険だ 
 ・・・喫煙や飲食,交通事故による死を避けるには,禁煙することや食生活に気をつけること,自動車に乗らないことといった,個人での対応が可能です。しかし,放射線に汚染された地域では,その被ばくを完全に避けることは極めて困難です。・・・
 ・・・喫煙や飲食,自動車の利用,あるいはレントゲンやCTスキャンの利用でも,目的をもってそれを行う人にとって,何らかの便益を得ることが可能です。このことは新副読本(高校生用)や教師用資料にも書かれています。しかし,放射能の汚染による被ばくは,何ら便益をもたらしません。・・・
 ・・・次のような例を考えましょう。あなたが病院で医者から「今日は無用な放射線を少し浴びてもらいましょう。なぁに,喫煙や肥満の方がリスクが高いですから,そちらを気をつけて下さい」と言われたとします。あなたは納得できるでしょうか。 
 性質の異なるリスクの比較は,危険性の目安にはなっても,それを許容させる根拠にはなり得ません。 ・・・

 気になった点をあげれば、JCOの事故で亡くなったO氏の右手の写真と、個人名をあげての批判は、「副読本」としての普及を目指す観点からはマイナスポイントになるでしょうね。気持ちは分かるのですが。
 コメント欄に追記しました(3/7)
 計算にミスが見つかったので、本文中の数値の一部を書き換えました。
 趣旨に変更はありません(3/7)

 今頃になってプルトニウム(Pu)が取りざたされている。
 プルトニウムは、この度の東電原発事故によって放出された放射性元素の圧倒的多数がβ崩壊するのと違って、α線を放出し、しかも「ホットパーティクル」とよばれる微粒の固まりとして存在しているので、例え微量であっても特有の危険性があると考えられているからである。昨年6月以降、目新しい進展は何もないけれど、ちょっとまとめてみる。

 東電原発事故によるプルトニウムの放出量

 平成23年6月に、原子力災害対策本部は「原子力安全に関するIAEA 閣僚会議に対する日本国政府の報告書-東京電力福島原子力発電所の事故についてと題する報告書で、東電原発事故による放射性元素の放出量に、初めてプルトニウムを加えた試算値を公表した。

 その際には、Pu-239についての32億ベクレルという値だけが驚きを持って伝言ゲームのように広まったが、実際には他の質量数のPuの放射能の方が高かった。また、ネプツニウム-239(Np-239)は半減期2.356日とかなり短期間でPu-239に変わるので、この分を合算して評価しなければならない。

 次の表には、公表されたそれら核種の放射能量(Bq)と、その値から逆算した、個々の重量(g)などを示す。


核 種
Pu-238
Pu-239
Pu-240
Pu-241
Np-239
Pu-239*
半減期(年)
87.7 
24110 
6561 
14.3 
0.0065 
24110 
放出量(Bq)
1.90E+10
3.20E+09
3.20E+09
1.20E+12
7.60E+13
2.04E+07
 
(190億)
(32億)
(32億)
(1兆2千億)
(76兆)
(2千40万)
質量(g)
0.030
1.393
0.381
0.312
0.0089
0.0089
存在比(%)
1.42
65.7
17.9
14.6
--- 
0.42 
コメント



β崩壊
β崩壊 →
239Np起源

 右端に示したPu-239* は、Np-239の全てがβ崩壊して生まれるPu-239である。放出時にPuとNpが「別行動」をとっていた場合、ここで示した存在比は粒子毎に変わってくる。また、報告書にはないPu-242も放出されていた筈であるが、これは、半減期が396300年と長いので、単位質量あたりの放射能(比放射能)が小さく、無視して良い。

 この中で、Pu-241が最大の放射能(1兆2千億 Bq)を示すが、これはβ崩壊するので、α線の危険性を評価する上では除外した方が良い。一方、Np-239の半減期は短いので、現在の時点では、そのほとんどがPu-239に変わっていると考えて良い。そうすると、放出されたα崩壊Puの総量は、1.813 g、254 億 Bqとなる。

 これが、半径30 kmの範囲に均等に降り注いだと仮定すると、1 m2あたり6.412 E-10 g (0.641 ナノグラム)、9.00 Bq となる。

 天然に存在するα核種(注1)は、この量より遙かに多いので、例えα線専用のサーベイメータを用いても、野外においてこの濃度のPuを検知するのは絶望的であることが分かる。また、試料を実験室に持ち帰って、ガンマ線スペクトロメータで分析するにしても、何日も(もしかしたら10日間くらい)測定を続けてやっと検出されるレベルである。

 にも関わらず、この極微量のPuが危険視されているのは、次の事情による。

 Pu-ホットパーティクルの危険性

 小出裕章氏による「プルトニウムという放射能とその被曝の特徴」と題する2006年7月の資料には、Pu-ホットパーティクルの危険性が簡潔にまとめてある。その中で提示されている諸量についてフォローできたので紹介する次第である。ただし、粒径1μm、比重10のPuO2(二酸化プルトニウム)粒子の放射能が0.0106 Bqとされているが、計算の結果、この値はPu-239だけについてのものであることがわかった。β崩壊するPu-241を除いた全体の合計は、そこに示された核種の存在比をもとに計算すると0.074 Bq となる。

 このような極微粒子の危険性についての要点を、小出氏の資料から引用しておく。
 
Ⅳ.不均等被曝の問題 
 その上、プルトニウムを含めα線を放出する放射性核種を吸入する場合には、肺中での不均等被曝の 問題が生じる。 
  ICRPはPublication26の第18項で、線量当量Hを以下の様に定義している。 
  H = DQN
 この式でDは吸収線量、Qは線質係数、Nは「その他すべての修正係数の積」である。 
 α線についてのQが20であることはすでに記した。問題は「その他すべての修正係数の積」とされたNである。この係数に対してICRPは「現在のところ、委員会はNに1という値をあてている」と述べ、不均等被曝についても何の考慮も払わないとの態度を示している。
 しかし、そんなことで本当にいいのだろうか?
 粒径1μm、比重10のPuO2粒子を考えると、その放射能量は0.0106Bqとなる。その粒子1個を吸い込み、それが肺中のどこかに沈着した場合の被曝量を考える。Pu239のα線のエネルギーは5.1MeV、組 織中の飛程は45μm程度である。言い換えれば、この粒子から被曝する肺の組織は粒子から半径45μm 以内のものだけであり、その重量はわずか0.4μgでしかない。そして、その他の肺の細胞はまったく被曝しない。一方、ICRPの評価方法では、1000gの重量を持つ肺全体で平均化した線量を計算する。両者の被曝量の計算結果を表に示すが、結果は9桁以上の違いとなる。もっとも、粒子が厳密に1箇所だけに固定されてまったく動かないということもありそうもなく、 ギーサマンの評価によれば、およそ65μg程度の細胞が被曝するという。その場合の評価も表に書き込んでおいたが、その場合でもICRPの評価値とは7桁以上の違いがある。
 1974年に、タンプリンとコクランはこの肺中の不均等被曝問題を取り上げて、「Radiation Standard for Hot Particle」と題する論文を発表した。彼らは、その粒子が沈着した周辺の細胞に10Sv以上の被曝を与えるような粒子を「ホットパーティクル」と定義し、そのような被曝を受けた細胞ががん化する確率を動物実験の結果から1/2000とした。当時職業人の年間許容被曝線量は5rem/年であり、この値は、がんになる危険度が1/1000という仮定から導かれたものであった。それに対応してICRPが示していた、肺中のプルトニウムの最大許容沈着量は16000pCiであった。それに対し、タンプリンとコクランが考えた「ホットパーティクル」による不均等被曝の場合には、1個0.07pCiの放射能を持つホットパーティクル2個、つまり0.14pCiで、がんになる危険度が1/1000になってしまう。 
 それゆえ、タンプリンとコクランはホットパーティクルの吸入を問題にする場合の許容量を115000分の1(0.14/16000)に引き下げるよう求めたのであった。
 上記文章中の単位 pCi はピコキュリーで、1pCi = 37 Bq である。

 粒径1ミクロンのPuO2微粒子の放射能が0.074 Bq であること、また、東電原発事故で放出されたPuが半径30 kmに均等にばらまかれたと仮定すると1m2 あたり、9.00 Bqになることを示した。

 ここで、このような極微粒子が1m2あたり122 個(9÷0.074)、つまり、10 cm四方に平均1.2個あると仮定することも可能であるが、だからと言って、このような状況がどれくらい危険であるかは、いくら理論的に考えてもあてにならない。そこで、過去の大気圏内核実験によるグローバルフォールアウトによる汚染状況と比較してみよう。

 グローバルフォールアウトによるPu汚染との比較

 必要な資料は、おなじみの「気象研究所地球化学研究部」のウェブサイトで参照できる。ここでは「5、環境における人工放射能50年:90Sr、137Cs及びプルトニウム降下物のページが参考になる。

 この資料によると、大気圏内核実験によるグローバルフォールアウトは1963年に極大を迎え、その年の1年間につくば関東地方に降下した239,240Pu は 7.4 Bq/m2 にのぼっている。これをもとに計算すると、半径30 kmの範囲に降下した239,240Puの総量は209億 Bq となる。一方、前掲の表から、東電原発事故による239Puと240Puの合計の放出量は85.8億 64億2千万 Bqである。

 これが半径30 kmの範囲に均等にばらまかれたと仮定して同じ核種で比較すると、1963年の1年間だけのグローバルフォールアウトで、東電原発事故の2.44 3.26 倍の<濃度>に達していたことになる。降下量の多かった前後10年間を積算すると、この数倍にはなるであろう。その結果どのような健康被害が生じたのかは、良く分かっていない。要するに、だれでもはっきりと分かるほどの健康被害はなかったと言うこともできるだろう。

 もちろん、健康被害は何もなかったと言い切ることもできない。その被害は、晩発障害として現れると考えられるので、ちょうど私のような世代の平均寿命がどうなるのか、将来、その疫学調査の結果が出るのを待たなければならない(注2)。

 いずれにしても、福島のプルトニウムによる汚染状況は、1960年代のグローバルフォールアウトよりかなり低いレベルにあることは押さえておく必要がある。ただしそれは、原子力災害対策本部による見積もりが正しいとの前提に立つ。なぜ専門家はプルトニウムについてもっと調査・分析をしないのかとの不満の声も聞かれるが、調べても、グローバルフォールアウトのノイズにかき消されるほどの量しか見つからないのである。このレベルでは、そこに労力を集中する意味はあまりないように思う。

 ところで、α崩壊核種による悲惨な内部被爆による健康被害事件として、トリウムを主成分とするX線造影剤トロトラストによるものがある。これは、「わが国では広島、長崎の原爆に次ぐ大規模な放射線による健康障害をもたらした」(トロトラストによる放射線の晩発障害 (09-03-01-11))と評されるほどのできごとであった。その影響は20年後、30年後と次第に大きく現れてきたが、けた違いに高い被曝線量によるものであった。

 以上、私なりに調べたことをまとめると、現在の福島でのプルトニウム汚染の程度は、まったく心配いらないレベルではないかと思う。やはりセシウムによる汚染が圧倒的に深刻であり、プルトニウムに目を奪わるあまり本質を見失うことのないようにしなければならない。

------------
注1)天然にはウラン系列、アクチニウム系列、トリウム系列の様々なα崩壊核種が存在する。親核種であるU-238, U-235, Th-232だけでなく、それらの娘核種にも多種のα崩壊核種がある。壊変系列途中のラドンは希ガスであり、地中から大気中に放出されて、さらにポロニウムや鉛-210などのα崩壊核種に変わる。それらは、大気中でエアロゾル中に取り込まれ、雨とともに大地に降り注ぐ。平常時においても雨の日に目立って自然放射能が上昇するのはそのためである。ただしそれらは、ホットパーティクルという形態をとることはない。


注2)グローバルフォールアウトとともに成長してきた私たちの世代には、いろいろな「障害」が多いと噂話程度のことは聞いているが、ちゃんとした研究はないのではないかと思う。何しろ、水俣病や、森永ヒ素ミルク中毒事件や、カネミ油症事件、四日市ぜんそくなど、公害・薬害が日常的にあふれていた時代に成長してきたのである。私達の世代に何らかの障害が多かったとしても、その原因を突き止めるのは容易ではないだろう。

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