さつきのブログ「科学と認識」

福島第一原発、アンダーコントロールで、わざと昨年の2倍の放射能を放出か

備忘録

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索
NHKスペシャル公式@nhk_n_sp さんの 8月20日の tweet 

イメージ 1

 この画像を見て目が点になった。何がすごいって、中央に映っている金塊らしき物を担いでいる人の腕力(筋力?、忍耐力?)がすごいなと。

 この番組は寝っ転がって見始めたら、変なドラマ仕立てで途中で寝入ってしまったので、この場面は覚えていない。再放送も録画に失敗し、結局、YouTube  で確認したら、本当にこれは金塊だということで、金色に色付けされていた。

イメージ 2


 当時の日本人成人男性の平均頭長を23 cm  として複数の人物の頭のサイズと比べると、この「金塊」の長さは30 cm くらいで、幅と高さは10 cmくらいだとわかる。金の密度は19.32 g/cm3 だから、60 キロ近い重さになる。

イメージ 3









ちなみにこれが鉄だと 25 キロくらいだから、その2個分プラス 10 キロだ。そのプラス 10 キロ分が、なかやまきんに君が持っているこのダンベル。


イメージ 4

 トラックの荷台にヒョイと投げ置くし、右上の人物は、この体勢で自分の体重と同じくらいの「金塊」をズリッと引っ張る。片手で引き上げる場面もあった。金は重いからこんなサイズにすると簡単には持ち運べないし、何かと危険なので(例えば建物の中で担いだ肩からうっかり落とすと床に穴が空くレベル)、普通はもっと小さく鋳造する。

 金塊の、笑ってしまうほどの重さを知っている身としては体感的に不自然な場面が多くてちょっと信じられないのだが、これは本当に金塊なのか? これがその後どうなったのか、いずれにしても原資は国民から搾り取ったものだから是非とも知りたいところである。

 念のため書いておくと、番組自体はとても良かった。「ほとんど語られることのなかった・・・」と銘打つだけあって、初めて知る事実が多く、国(政治家)も軍人も資産家達も、天皇も、占領軍でさえも、戦後ゼロ年のどさくさに全力で私利私欲に走っていたことが良くわかった。彼らは財をなし、権力を手に入れた。その血脈を引く者らが、今もこの国を支配している。

 NHKの番組には時々受信料返せと言いたくなるのがあるけれど、この夏はよく頑張ったと思う。最近では、8月13日放送の731部隊の真実 〜エリート医学者と人体実験〜 、8月14日放送の『樺太地上戦 終戦後7日間の悲劇』 、8月15日放送の戦慄の記録 インパール8月26日(土)午前0時50分〜2時03分(25日深夜)に再放送予定)など、記憶に残る作品だ。
頑張れNHK。
防衛省、島根などへのPAC3配備検討(TBS NEWS: 8/11(金) 12:05配信)

 北朝鮮がミサイルは「島根・広島・高知の上空を通過する」などと発表したことを受け、防衛省が不測の事態に備え、これらの地域に迎撃ミサイルPAC3を配備する方向で検討していることが分かりました。
 北朝鮮が発表した計画は「ミサイルは日本の島根県、広島県、高知県の上空を通過し、グアム島の周辺の海上に落ちるだろう」などと、飛行のルートについて具体的な地名を挙げる異例のかたちとなっています。・・・

 愛媛県が無視されているので、・・・

 北朝鮮のミサイルが「島根県・広島県・高知県を通過してグァムに至る」航路を考えてみたが、瀬戸内海のこの部分を突破するには極めて高精度な軌道制御技術が要求されると思われる。北朝鮮の今後の技術革新に期待したい

イメージ 1

 愛媛県には稼働中の伊方原発があるので配慮したの??
 PAC3で撃ち落とせるとは思えないけれど、万が一そうなったら、伊方原発に落ちないように祈るしかない。

 ちなみに、過去にはこんなことが

1988年6月25日土曜日10:20ころ、岩国基地発普天間基地行のアメリカ海兵隊所属のCH-53が、愛媛県の佐田岬半島に墜落した航空事故である。
墜落地点は、同半島に位置する伊方発電所から直線距離で800mほどであった。また、事故現場には土地所有者である地元の農民はおろか、報道陣や国会議員をも「日米安保条約の地位協定による日米合同委員会の合意事項による」との理由で立ち入りを禁止された。
1988年6月25日午前、岩国基地を飛び立ったヘリは、濃霧の中訓練を続行し、佐田岬半島に墜落。乗員7人全員が死亡した[2]。濃霧の原子力発電所周辺を飛行したのは、訓練の目標物であった可能性が高いためとされる。
愛媛県と伊方町は、日本国および在日米軍に「原発上空の飛行禁止」を要請した。

 東電原発事故によって大量に溜まり続けている「トリチウム汚染水」の海洋放出の可能性が問題になっている。問題の本質は、隅田金属日誌さんによる次の記事にあると思う。

 まあ、カミオカンデのタンクの容量は3000トンしかないので、ここに流し込んでも焼け石に水だが、論旨に賛同する。

 ちなみに、2016年2月時点で保管されていた汚染水の総量は約78万トンで、このうちALPSでの処理水は約61万トンであったのが、今年2月時点では90万トンを超え、貯蔵タンクは1000基に上るという。

 いろいろとひどい議論がまかり通っているが、ここでは、たまたま目にした林 智裕 @NonbeeKumasanさんの「ソジウムクロライド」のtweetを取り上げよう。

なお、トリチウムを希釈する海水にはソジウムクロライドという強い毒性を示す物質が元々含まれており、「飲んでみろ」でいうなら、トリチウムよりもその悪影響の方が直接的に出てきますよ。
海水中に平均3.5%程度も含まれており、土壌が汚染されると植物も枯れます。大さじ数杯で子供の死亡例も。

 一瞬なんの話かと思ったが、「海水中に平均 3.5%」のところで「ソジウムクロライド」が塩化ナトリウムを意味するとわかった。海棲生物は3.5%程度の塩分濃度に適応して元気に生きているけれど、その濃度が限度を超えて変化したら生きていけなくなるし、逆に淡水生物は海水中では生きていけない。また、ナトリウムはほとんどすべての生物の生命維持活動になくてはならないもので、人もまた、塩化ナトリウムを摂取することでそれを補っている。それに比べてトリチウムは害しかない・・・、等々のことは多くの人が常識として知っているので、これを読んだほとんどの人は、何を言っているのかと不審に思ったに違いない。

ソジウムクロライドは恐ろしいことに、毒性の強さから保存料として食品添加物にも使われているんですよね。
しかも、たとえばおにぎりに添加すると、多くの子供達が無添加のものより美味しいと答えてしまう。
中毒性もある上に、長期間にわたっての慢性的摂取によりガンや高血圧リスクも高まる。

 保存料として食品添加物に使われるのは人にとって毒性がないからであるし、普通におにぎりに添加するのは調味料として、また、塩分補給にも不可欠であるからに決まっている。ガンや高血圧のリスクが高まるのはとりすぎによるもので、逆に不足しないよう継続的な摂取が必要なものであることも、多くの人は常識として知っている筈だ。

 だいたい、すべての物質は限度を超えて摂取したら体に悪いに決まっている。水だって例外ではないし致死量だってある。「したがって全ての物質は毒物である」と言うか。答えはNoである。そんな理屈は馬鹿げているし、ほとんどの人はそんなふうには思わない。塩化ナトリウムが毒物でないことは常識なので、希釈などせずにその結晶を舐めたりもするし、それで何の問題もない。何しろ生体に必須のものだ。だから、これを読んだほとんどの人は、なんて馬鹿なことをと思ったに違いない。

しかし、これだけ高い毒性のソジウムクロライドも、希釈し、適正な使用をすることでそのリスクを低減させることが出来る。
同様に、自然界でも毎日大量に生成されているトリチウムを、自然界と同等のリスクまで低減させて自然界に還すことも、そういうことに繋がるのだと思いますけどね。

 限度を超えて摂取したら体に悪いが毒物ではないもの、例えば塩や砂糖や醤油などと、どんなに微量でも微量なりの毒性を有する放射性物質とを一緒くたにして限度が問題と結論する論法がネット界の片隅で流行っているらしい。しかしこれは、問題の本質を何も理解していないことを告白しているに過ぎないものである。

(しかし、このソジウムクロライドのネタでは何年か前にも遊んだけど、トリチウムを社会が必要以上に恐れているのって、ソジウムクロライドをやたらと恐れて税金を湯水のように使っているのと大差が無い訳で、なんだか笑うに笑えませんよね。
そんな栗を拾うのでさえ、大炎上。誰が得してるのか…)

 結局この人は、何度もこのネタで遊んでいる訳だ。ここ  に書いた、巨大噴火で大量の放射性物質が放出されるという「釣り」をする人と同じである。それで誰が得をするのか・・・

念の為言うと、ソジウムクロライドの小ネタは誰かを馬鹿にする意図で使ったのでは無く、「同じものでも身近かどうか、知っているかどうかで、全然感じ方違うよね」というのを実例で示したかっただけだったりする。
「トリチウム」も、よく知らずに騒がず、みんなが知ろうとすることが大切だよね。

 誰かを馬鹿にする意図はないと言いつつ、騒いでいるのはトリチウムのことを良く知らないからだと馬鹿にしているのである。

 そんなにトリチウムに詳しいのなら、管理対象となる基準値がトリチウムについて、総量が10億 Bq、かつ濃度が100万 Bq/g(注1)となっている根拠を説明してほしい。

 トリチウムの実効線量換算係数が、吸入・経口摂取ともに、水の場合で 1.8 E-8 mSv/Bq、有機物の場合で 4.1 E-8 mSv/Bq(注1) と、およそ 2.3 倍の開きがあるが、なぜ 2.3 倍なのか説明してほしい。トリチウムの結合した有機物を介して数千倍の生物濃縮があるとの報告(注2)があるが、本当に2.3倍で良いのか説明してほしい。

 トリチウムは処理する術がないため原発から多量に放出されているらしいが、もし簡単に処理できるものであるなら、本来どれくらいの規制基準にすべきものであるか、教えてほしい。

 「みんなが知ろうとすることが大切だよね。」という意見に賛成である。もし知っていたらぜひ教えてほしい。

―――――――――――――――――――――――――――

他にも多数
 日本原子力研究開発機構(JAEA)大洗研究開発センターで6月6日に起きたプルトニウム飛散事故に際しての肺モニターによる放射性物質の吸入量の発表について,どうしても解せないことがあるのでメモ書きしておく。

 JAEAによるプレスリリースや報道発表にあるように,体内に取り込まれたプルトニウムの測定は大変困難である。一部の報道に,「プルトニウムからのLX線を測定する」との記述を見かけたが,正確には,239Puの場合,α崩壊直後に反跳エネルギーを受け取って励起された娘核種235Uからの17.22 13.61〜20.17 keVのLβ線群を測定する(このページの(5)参照)(注1)。これは原子核内部から放射されるガンマ線と異なって,軌道電子遷移による元素固有のエネルギーを持つ特性X線である。つまり,ウランの同位体はどの核種も同じエネルギーのX線を放射する。このことは,検出されたX線が必ずしも235Uのものとは断定できないことを意味する。例えば,238Puの娘核種である234Uや240Puの娘核種である236Uと区別できない(注2)

 ところで,先の投稿では保管されていたプルトニウムの同位体組成を加圧水型原子炉に用いられるの使用済み燃料から分離されたものを仮定して計算した。付表には放射能(Bq)の現在値も示したが,239Puが2.55E+11 Bqであるのに対して半減期の短い238Puは1.82E+12 Bqと一桁も多く,240Puは2.81E+11 Bqとほぼ同程度になる。沸騰水型原子炉の使用済み燃料から分離されたプルトニウムの場合はさらに顕著で,これら三種の核種の中で239Puの放射能は相対的には顕著に小さな値となる。高速増殖炉に用いられるの使用済み燃料から分離されたプルトニウムの同位体組成はこれらと異なって,238Pu: 0.03%,239Pu: 74%,240Pu: 23%,241Pu: 3%,242Pu: 0.5%であるらしい。この場合は238Puはかなり少なくなるが,240Puの方は239Puよりも明らかに多くなる。

 したがって,発電用原子炉で用いられるの使用済み燃料から分離されたプルトニウムに近い組成か,あるいはこれらよりも239Puの濃縮率の低い廃棄物のようなものであれば,肺モニターでの検査で17 keVのX線が検出されたとき,239Puが検出されたと発表するのは明らかにおかしいのである。唯一,このような発表が納得されるのは,239Puを90%以上濃縮した核兵器級プルトニウムを前提とする場合に限られる。何度もくりかえすが,JAEAは内容物の組成とその来歴を直ちに公表すべきである。

以下,追記(6月15日)

 JAEAからはその後2件の発表があった。


 続報4によって,PuとUの元素比が26.9%:73.1%であることが公表されたが,相変わらず核種の構成比(同位体比)は非公表となっている。おしどりマコさんのツイキャスをご覧になったみーゆさんのtweet によると以下の発言があったらしいが,確かに意味不明である。

今後の原因究明で核物質の総量を明確にすることになると、比率等で核物質防護上公開できない値が算出できてしまうことになる。従って、核不拡散上からも現状は公開を差し控えたい。原因究明等で明らかにできるかどうか判断できるようになった際に説明できる範囲で説明する。

 肺モニターにおいてα崩壊した直後の娘核種ウランからのLX線を測定する際,ウランの混合比が大きいと291Pu からの 20.78 KeV のβ線によって既存のウランの電子軌道のLII殻とLIII殻が励起される。また,プルトニウムとアメリシウムのLIII殻も励起され,LX線が放射される。さらに,241Amからの59.54 keV(放射率:35.9%)のγ線によってもこれら三元素のL殻全体が励起され,LX線が放射される。従って,LX線を測定することによってプルトニウムを正確に定量しようとするなら,ウラン・プルトニウムの混合比とプルトニウムの同位体比が予めわかっていなければならない。しかし,もしこれらの比が予め分かっているとしたら,吸収による減衰の少ない59.54 keVのγ線でAmを定量し,その値から他の元素・同位体比を見積もるというのが現状で最も正確な測定法であろう。JAEAはそのことを分かっている筈なのに,なぜ,239Puだけを問題にするのか。


(抜粋)さらに、今回、26年間開封しなかった容器の中にプルトニウムが収められていたことも問題である。日本は、「利用目的のないプルトニウムは持たない」との国際約束を掲げてきたからだ。26年間開封せずに放置されてきたプルトニウムの利用目的は一体何だったのか。利用目的のないプルトニウムを持たないことを判断する行政機関であるところの原子力委員会には、このプルトニウムは一体何なのかの確認を求めたい。

---------------------------------------------
注1)ウランの主なL線は,Lα1:13.6147 keV,Lα2: 13.4388 keV,Lβ1: 17.2200 keV,Lβ2: 16.4283 keV,Lγ1: 20.1671 keVであり,ウランの同位体はどれもこの精度で同じエネルギーになる。体内からの放射では吸収のためにLα1ではなくLβ1が一番強く,これ以外は強度が極端に弱い。

注2)ここに高分解能での新しい測定法についての解説があるが,その補足説明に「本研究では、開発したTES型マイクロカロリーメーターを使ってPu(238Pu、239Pu)及び241Amの線源から放射されるLX線の測定実験を実施しました。測定実験の結果、半値幅約50 eVのエネルギー分解能でスペクトルを測定し、それぞれのLX線を分離測定することができました」とある。これは238Puと239PuからのLX線さえも分離できたと誤解されかねない記述であるが,よく読めばわかるように,区別できたのはPuとAmである。付図のスペクトルチャートにウランの上記 L線のピークが明瞭に現れている。

6月6日,国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構(JAEA) 大洗研究開発センター実験室内において,プルトニウムが飛散し,作業員が被曝するという事故がおこった。


 当初,一人の作業員について合計の吸入量は36万ベクレルとされたが,その後の再検査で,体表面の除染が不完全なまま測定したために内部被曝を過大に見積もった可能性が高いとの情報がもたらされた。

 それにしても,どうしてこのような事故がおこったのか。ビニールバッグが破裂した原因についてはプルトニウムのα壊変によって放出されたヘリウムガスが原因であろうとの見方が示されているが,本当だろうか。報道によると,作業員がステンレス容器の上蓋にある6本のボルトの内2本4本を取り外したところでガスが吹き出し,さらに残り4本2本を外して上蓋を開けたところでビニールバッグが破裂し,黒い粒子が飛散したという。

 最初に吹き出した気体は内部で膨張したビニールバッグに押し出された大気で,蓋を取り外す直前にはビニールバッグは容器内いっぱいに膨らんでいて,それがさらに破裂したということであろう。公開された資料の図面からステンレス容器の容積はおよそ2.7リットルと見積もられる。黒色の粉末がドラフトの外まで飛び散っているので,少なくとも1リットル以上,おそらく2リットル程度のガスが発生していたと思われるのである。

 ところが,どう計算しても発生するヘリウムの量が1〜2桁少ない。現実的ではないが,アボガドロ数(6.022045E+23)と同じ個数の原子からなる1モル239 gのプルトニウム239(239Pu)が含まれていたとしよう。酸化物にすると271 gになる。これは26年経つと24110年の半減期でα崩壊して6.01755E+23個になる。その差4.500E+20が崩壊した原子数で,これと同じ数のヘリウム原子を生じる。これをアボガドロ数で割った0.000747がヘリウムのモル数である。1モルの気体の体積は標準状態で22.4リットルなので,発生したヘリウムの体積は,22.4 × 0.000747 × 1000 = 16.7 ccとなる。これではビニールバッグを破裂させることは不可能だ。

 どうしても気になるので,もっと半減期の短い核種を含む場合で,それらの系列核種からの寄与も合算してみた。計算には26年前の初期条件としての化学組成・同位体組成を仮定する必要があるが,過小な見積もりにならないよう,ウランとプルトニウムの混合比を1:2,すわなちプルトニウムの酸化物200 gを含むとした。ウランはプルトニウムに比べて半減期が長いものばかりなので,プルトニウムの同位体組成だけが問題となる。ATOMICAに核兵器級プルトニウムと原子炉級プルトニウム同位体重量比の例が示されているが,この中で合計のα崩壊頻度が一番高そうな加圧水型原子炉(PWR)の使用済み燃料から分離されたプルトニウムの同位体組成を用いることとする。その重量比は次のとおりである。

238Pu: 2%,239Pu: 63%,240Pu: 19%,241Pu: 12%,242Pu: 4%

 この内,242Puは半減期が37万年と長く,無視できるので,これ以外とその系列核種が問題となる。検討対象としたのは以下のとおりで,括弧内は半減期。

238Pu(87.7 年)→ 234U(245,500年)
234U はウラン系列であり,混合されているウランにも僅かだが含まれているので,念のため初期的に 0.1 g 含むと仮定した。数十年単位の放射平衡の検討において数十万年以上の半減期をもつ核種(この場合 234U)はバリアーになるのでこれ以降の系列核種は無視する。以下,同様である。

239Pu(24110年)→ 235U(7.038E+08年)
アクチニウム系列に属する。235U は混合されているウランに含まれているので初期的に 6 g 含むと仮定した。

240Pu(6561年)→ 236U(2.342E+07年)
240Pu は自発核分裂をおこし易く,これによって希ガス(Xe,Kr)が発生するが,その寄与は無視できる。

241Pu(14.29年)→ 241Am(432.6年)→ 237Np(2.14E+06年)
241Pu はβ崩壊するのでそれ自身は無視できるが,娘核種の 241Am は重要で,親核種の半減期が短いので精製後に生じた分として初期的に 2 g含まれると仮定した。

 計算結果を表に示す。

イメージ 1

 計算の結果,合計のヘリウム生成量は120 cc 程度であり,ビニールバッグを破裂させ,内容物をドラフトチャンバーの外に飛び出させるには1桁少ないのではないかと思われる。ヘリウム生成の寄与率としては主成分である 239Pu より,半減期の短い 238Pu と 241Am が高いことがわかる。これらの核種を濃縮するとヘリウム生成量は多くなるが,そのようなものをウランと混合する意味はないだろうし,熱出力が高くなってプラスチック容器に入れるという発想もおこらなかっただろう。

 おそらく,強烈な放射線(25兆ベクレル)によってプラスチック製の容器や袋が劣化して水素ガスなどが発生したのであろう。そうだとすると,静電気によって着火し,爆発する危険性もあったのではないか。それにしても,そうした可能性を考えもせずに,このような事態を招いたことは,専門知識の欠落した集団が原子力開発・研究を担っているということになる。つまり,今後もこのようなことが度々おこることを予想させる「事件」として認識すべきである。実際,JCO臨界事故など,過去にも度々おこってきたのであり,なにも反省されていないということを意味する。

 もう一点,今回は人身への健康被害はさほど心配しなくてすみそうであるが,多少とも危惧されるのなら業務上過失傷害の疑いが生じる訳であるから,現場の保存と原因の徹底した究明,それらの公開が求められる。もとより原子力の平和利用は自主・民主・公開の三原則の上に許されている訳であるが,その基礎は情報公開である。まずもって,この容器に保管されていた物質の成分・同位体組成の公開を強く求めたい。

以下,追記(6月12日)

 今日になって,この記事を投稿する少し前に次のような報道がなされていたことを知った。


 茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで起きた被曝事故で、原子力機構は、核燃料物質を入れていたポリエチレン製容器の耐久性を検証する方針を決めた。ポリエチレンが劣化してガスが発生、破裂につながった可能性があるという。核燃料物質の長期保管には不向きとの指摘もあり、事故との関連を調べる。6日の事故で飛散したプルトニウムなどは、茶筒のような形のポリエチレン容器に入っていた。これを二重のビニール袋に包んだうえでステンレス製容器に密閉、1991年から26年間、一度も開けていなかった。今回、男性職員がステンレス容器のふたを開けたところ、ビニール袋が膨張して破裂、粉末が飛び散った。原子力機構の関係者は、「ポリエチレンが劣化して、粉末がビニール袋内に漏れ出ていた可能性がある」との見方を示す。

 ポリエチレンは水素と炭素だけの重合体なので,発生するガスとしては水素かメタン,おそらくメタン(CH4)の可能性が高い。いずれも発火性のガスである。これを二重に包んでいたビニールバッグは,そのラベルにPVCの文字が見えるのでポリ塩化ビニルだとわかる。これが劣化すると塩素を含むガスが発生する可能性があるが,「破裂」するのに必要な強度を失うので,こちらの劣化はそれほどなかったと思われる。ドラフトチャンバーの前の床に飛び散っている小さな黒い欠片状の物質は炭化したポリエチレンかもしれない。



.
さつき
さつき
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

過去の記事一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト≪さとふる≫
実質2000円で好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!
数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事