さつきのブログ「科学と認識」

福島第一原発、アンダーコントロールで、わざと昨年の2倍の放射能を放出か

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はじめに
 「9.11陰謀論」(=「9.11自作自演説」)が平和運動の中に持ち込まれ、悪影響を及ぼしている。陰謀論(者)はもはやカルトと化しており、これを説得することはほぼ不可能だ。しかし、陰謀論の入り口に立っている者を引き止めることはできるかもしれない。そこで、「9.11陰謀論」を平和運動の中に持ち込むことの害悪という観点から、現時点での批判的論点の骨子だけをまとめておきたい。「9.11陰謀論」のデタラメさについては下記を参照。

Skeptic's Wikiより
http://sp-file.qee.jp/cgi-bin/wiki/wiki.cgi?page=%A3%B9%A3%B1%A3%B1%B1%A2%CB%C5%CF%C0

1.平和運動にこの問題を持ち込んだのは陰謀論者の方である
 まず、押さえておかなければならないのは、平和運動の中に「9.11自作自演説」を持ち込んだのは陰謀論者達であったということ。もともと「9.11自作自演説」など存在しなかったのだから自明のことである。この問題をめぐって平和運動の中で対立が起こっていることで、陰謀論を批判する側に向けて、対立を煽っているとの批判がなされているが、筋違いも甚だしい。広範な市民の共同の力で政治を変えようとする運動にとって、一致できない論点を持ち込んではならないということは基本中の基本である。最近では「九条の会」の一部にもこの陰謀論が持ち込まれている。暗鬱な気分になるのは私だけではない。

“kikulog”の関連エントリー
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1209434581

2.アメリカの侵略戦争を批判するのに「自作自演説」の当否は無関係
 「9.11自作自演説」が事実であろうがなかろうが、アメリカのアフガン進行やイラク侵略戦争を批判する視点になんらの揺らぎも生じないことは、平和運動の理論的到達点であった筈だ。だからこそ、「9.11自作自演説」が登場する前から、多くの平和団体はアメリカの行動を批判してきた。「アメリカはアフガニスタン進行を突破口に中東に介入する目的で9.11テロを自作自演した」と主張する側は、よもや、この「自作自演説」が虚偽であったならアメリカの軍事政策を批判する足場がなくなると考えているのではあるまい。彼等がそこに固執すればするほど、平和構築へ向けた理論的射程の底の浅さが透けて見えると感じているのは私だけではないだろう。平和運動の中で、決して一致できないであろう「陰謀論」に熱中することの意味など、全くないのだ。

3.陰謀論者は真相究明と言うが・・・
 私は「9-11委員会」やFEMAやNISTによる報告書(以下、「公式報告書」)の内容が全部正しいと断定しない。私は、1万ページを超えるそれら報告書のごく一部の、陰謀論者の捏造を立証する部分しか読んでいないからだ。私は、この事件を再検証する必要性を感じないから報告書を読みたいとは思わない。しかし、「公式報告書」を批判する者は、それを全部読んで詳細に検討する義務がある。ネット上の議論で明らかになったことは、彼等は、ほんの少ししか、あるいは全く「公式報告書」を読んでいないということである。「公式報告書」も読まずに伝言ゲームのように受け渡されたデマを根拠にこれを批判し、陰謀論を主張しているので、冒頭に紹介したサイトで明らかにされているようにすぐにボロが出る。そうした基本的な義務を果たさずに何かを批判するような行為は平和運動の敵である。「公式報告書」以上の<真相>を究明するためには、それを凌駕する作業量が必要になる。事件の真相究明など一般市民の仕事ではないと思うのは当然の感情というものだ。日本の平和運動の中でそれを求める主張を声高に叫び、固執するのは、分裂策動ととられても仕方のない行為である。

4.「公式報告書」はいかに作成されたか
 「9.11事件」の「公式報告書」は、「陰謀」を企んだ米国政府筋が作成したのだから信用ならないという論がある。これは、いわゆる「公式報告書」がいかに作成されたかを知らない暴論である。
 世に知られている「公式報告書」の代表格としては「同時多発テロ独立調査委員会(9-11委員会)」による567ページの最終報告書(The 9 /11 Commission Report)があり、公開されている。「独立調査委員会」は超党派の有識者10名と80人のスタッフからなり、「最終報告書」はブッシュ政権のテロへの対応を厳しく批判する内容となっている。
 他に、WTC崩壊に関する調査・報告書としてFEMAによるものとNISTによるものがある。NISTの報告書だけでも合計1万ページにおよぶ。NISTは、純粋に科学技術の発展のために設けられた非行政機関であり、米国内外の数千人の研究者・技術者が働いている。日本では独立行政法人「産業技術総合研究所」の機能の一部がこれに近いだろう。WTC倒壊の調査は、NISTの技術専門家85人と民間・学術界の125人の主要な専門家による共同作業として進められた。「公式報告書」が真実を隠ぺいした元凶であるとの説は、これら報告書の作成に携わった数百人の科学者・技術者、その協力者達を陰謀の加担者とみなすもので、事情を知る者を最少にするように工夫しなければならない「陰謀」の性格とはそもそも相容れない発想であり、暴論である。

5.「疑問」と「疑惑」のすり替え
 「公式報告書」の内容にいろいろな疑問を感じ、真相を知りたいと思うのはごく自然な感情であろう。ところが陰謀論者は、「数々の疑問点がある、だから米国政府筋の自作自演に違いない」と飛躍した主張をしている。彼等は、「疑問」があると言いながら、その実「疑惑」を主張している。この場合「疑惑」とは、誰かに真犯人の疑いの目を向けることであり、実際その真犯人はブッシュ政権中枢部の誰某であると名指しで主張されている。こうした「疑問」と「疑惑」のすり替えは、日本のマスコミによる犯罪報道でもしばしば見られ、えん罪を生み出したり、いわれなき「社会的制裁」による被害を生んだりしてきた。陰謀論者の主張を真に受けるなら、疑惑の目は、ブッシュ政権中枢部だけでなく、ビルのオーナー、警備員、爆破解体業者、消防士、警察官、「公式報告書」作成に携わった科学者、「公式報告書」に登場する目撃・証言者、航空会社幹部、管制官、検死官、ユナイテッド航空93便乗客の家族等にも向けられる。そうした「探偵ゴッコ」は事件を弄び、死者を冒涜するもので,平和運動とは無縁である。

6.政権担当能力が問われる問題
 平和運動の中で、自分は「9.11自作自演説」を信じてはいないが、単にこういう説もあると紹介しているだけだという主張が受け入れられるだろうか。政治的なせめぎ合いの場では、時間と労力を割いてなにかを熱心に「紹介」する者は、当然その賛同者・同調者とみなされる。特定の組織の中で、そうした者が実力者としてふるまい、その「説」を声高に主張し続けるなら、その組織のカラーとして印象付けられるのだ。
 昨年10月6日のエントリー「「9.11陰謀論」の生態学的考察」でも書いたように、森村誠一氏が関東軍第731部隊の戦争犯罪を告発するために書いた「悪魔の飽食」という本に、(不注意から)一部の写真に誤用があっただけで、「捏造本」との烙印が押され、出版社による回収と謝罪会見へと発展し、それが元で南京事件等を含む歴史認識を巡る運動に恢復不可能なダメージを及ぼした事件を思い出してほしい。
「悪魔の飽食」
http://www.morimuraseiichi.com/list/html/096.html

 民主党の「偽メール」事件なども記憶に新しいところで、平和運動全体に致命的なダメージを及ぼす危険性を考えない訳にはいかない。「陰謀論者」のやっているいい加減な言説の流布は、そうした緊張感のなさから来るもので、本気で平和を実現しようなどと思っていないのではないかと疑われる。この問題とどう向き合うかは、「平和勢力」の政権担当能力が問われる問題として認識できるかどうかに、深くかかわっている。

7.「トンキン湾事件」を持ち出す愚
 アメリカはベトナム戦争介入の口実にするために、実際に「トンキン湾事件」という陰謀を実行した前科があるから、「9.11自作自演」もあり得るという「論」がある。「トンキン湾事件」のデッチあげ疑惑を西側諸国の中でいち早く報道したのは日本共産党の『赤旗』であった。その共産党は、今のところ「9.11陰謀論」には与していないようだ。陰謀論の視点から国会質問までした民主党議員も見習ってほしい。敵対する当事者以外に目撃者のいない海上での「武力衝突」という形で引き起こされた「トンキン湾事件」は、今語られている「9.11自作自演説」とは比較にもならない事件であって、当然のことではある。目撃者や加担者が最少になるように工夫されるから「陰謀」たりえるのだ。両者を同等の事件として比較するのがいかに暴論であることか、頭を冷やして良く考えてほしい。
 また、「Loose Change」2nd Editionでは、「9.11自作自演作戦」が、キューバに対する陰謀計画であった「ノースウッド作戦」の焼き直しとして実行されたと主張しているが、「ノースウッド作戦」の存在とそれが実行されなかったという事実は、9.11より前の同年4月30日におおやけになってしまっている。この作戦が実行されなかったのは、まさに多数の人員を動員することの無理が当局によって理解されたからに他ならない。すなわち、「ノースウッド作戦」にかかわる真実は「9.11自作自演説」にとってこそ不利な材料なのだ。件のDVDでは情報を「トリミング」することによって逆の意味付けを行う印象操作がおこなわれている。

8.陰謀論のカルト性(こんな連中に平和運動を汚されたくない)
 「9.11自作自演説」にも一理はあると考える者は、その説がどんな説なのかをトータルに説明する義務がある。犯罪の立証では、全体が辻褄のあった一つのストーリーとして完結していないかぎり却下される。自説に都合の良い一部だけを取り出してもだめなのだ。しかし、陰謀論者は、真実が故意に隠されているから全体のストーリーを構築するのは無理だと逃げる。それが「陰謀論」たるものの所以である。挙げ句、それぞれ勝手に、WTCはテルミットで解体された。いや、純粋水爆が使われた。WTC7は、アラン・グリーンスパン、モルガン、ゴールドマン・サックスに対して申し立てられた金価格の固定疑惑に関する捜査記録が、FBI事務所に置かれていたので、証拠を消すために倒壊させられた、等々。もはや、「アフガニスタン進行の口実」とは無縁のものさえある。今や、「テルミット制御解体説」の元祖ジョーンズ博士は、「純粋水爆による爆破説」の側からは真実をかく乱するために送り込まれたエージェント扱いである。都合の良い事実だけを取り出せば、どんな妄想でも組み立てられるだけのこと。これで全体を説明しようとすると当然のように無理が露呈する。だから、下記のように揶揄されることになる。

マット・タイッビ「9/11陰謀論の望みゼロのバカさ加減」
http://d.hatena.ne.jp/Gomadintime/20070920/p3

「9.11自作自演」は小学生でも分かる真実であると主張した陰謀論者がいたが、その者は、小学生にもばれてしまうようなマヌケな陰謀を企む者と同レベルということにすぎない。こんな連中に平和運動を汚されたくない。

リチャードコシミズ 独立党内紛関連:
http://richardkoshimizu.at.webry.info/200807/article_8.html
http://dokuritsut.exblog.

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