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http://blog.goo.ne.jp/qingmutong_2008/d/20090615
3年前、上海はマンションブームに沸き、大学出たての若い人まで多額のローンを組んでマンションを買っていた(事情は中国の他の都市でも同じ)。
その頃中国人の若い友人(28歳)から私に相談があった。「あなたは日本のバブル期も知っている。今の中国の不動産市況をどう考えるか。今マンションを買うべきかどうか」と。彼は同年代の中国人よりかなり収入が多かった。
私の答。
「中国は今不動産バブル段階にあると思う。それは別として借金してマンションを買うことは以下のリスクを抱えこむことを意味する
1.物件値下がりのリスク(バブル期であれば尚更)
2.金利上昇のリスク
3.公用収用のリスク(中国では私権保護は十分でない)
4.欠陥工事のリスク
5.新築マンションでは隣人を選べない。変な人が隣人になるかもしれない。
6.周辺環境変化のリスク(近隣に高い建物が建ち眺望が遮られるかもしれない)
7.自然災害のリスク。特に地震保険料は高額の上全損をカバーできない。地震災害の場合損害の程度は一様ではないのでマンション建替え或いは修繕に関して組合員が合意を達成するのはすこぶるむずかしい。そうなればスラム化の運命は避けられない。
それにリスクではないが、何かの事情で引っ越しを余儀なくされた時持家の処置に困る。彼は私の助言を聞いてマンション購入を断念したのでその後の値下がりで含み損を抱え込まないですんだ。
以上は中国の話だが、3項を除き日本でも妥当する。
大体借金の代わりにローンという言葉を流行らせ、借金の抵抗感を失くしたのは銀行と建築業界の陰謀だったと疑っている。
1980年代までは大都市とその周辺では取得価格以上で売れることも珍しくなかった。これは建物の減価率を上回る地価の上昇があったからである。そして建物の減価率は今も変わらず、しかも人口減少段階に入った日本で地価が上がることはまずないので取得価格以上で売れる可能性はほとんどない。特に地方で地価の下落傾向は著しい。
低金利に魅かれる人もあるかもしれない。だがデフレ下で実質金利は名目金利より高いことを知るべきだ。
もう一つマンション特有のリスクとして管理の問題がある。施工会社、販売会社が永続し、管理組合もちゃんと機能することが優良物件であることの条件である。
蛇足ながら、ここに云うマンションとはジャパニーズイングリッシュであって本来の意味は大邸宅。上海である日本人に「あなたはアパートにお住まいですか?」と聞いたら、むっとした表情で「マンションです」と言われた。内心どっちだって同じじゃないかと思ったことであった。英語ならアパートメントハウスかコンドミニアム。
そもそも持家志向が強くなったのは戦後である。住宅金融等政策面の後押しもあった。戦前は所得が相当高い人でも借家が普通であった。
一流新聞社に勤めていた知人が「35年の住宅ローンがやっと終わり自由に使えるお金が大分増えた。計算してみたらローン支払いの半分は金利だった」と言っていた。
「家賃と同じ額でローンが支払えます」などというマンション販売会社の宣伝にだまされてはいけない。特に不確かなボーナスを返済に当てこむなど論外。
サブプライムローン問題は対岸の火事ではない。日本の場合アメリカと違いノンリコース融資が一般的でないだけに深刻であるとも言える。 ノンリコース融資とは担保住宅を金融機関に差し出せば借金はチャラという方式。競売或いは任意売却で売れても尚借金が残るという悲劇(そうなれば自己破産しか借金から逃れるすべはない)はなくなる。
だが築30年程度で評価額がほぼゼロになる日本の住宅市場の現況では銀行がノンリコース方式を採用することは考えられない。
政府の景気対策に踊らされることはない。
政府は持家政策から良質な賃貸住宅建設支援に転換すべきだ。合せて公的家賃補助も拡充すべきだ。
昨日、東京工業大学名誉教授の末松安晴先生の話を聞く機会があった。先生は「動的単一モードレーザー」 の研究で文化功労者を受賞された。日本人ノーベル賞候補の一人でもある。
専門的な話は理解できなかったが最後におっしゃった話は強く印象に残っている。つまり日本の大学等高等教育への支出はGDP比で先進国中最低であるとのこと。アメリカやドイツの約半分。しかも国立大学の独立行政法人化以来一貫して減り続けている。そして義務教育費の国の支出も小泉内閣以来減り続けている。
小泉さんは首相就任早々「米百俵」の話をした。賊軍として苦境にあった長岡藩家老小林虎三郎が友藩から贈られた米百俵を消費することなく学校建設(後の長岡中学)に充てた故事である。
この故事の教訓は「たとえ財政的に苦しくとも教育費を惜しんではならない」ということのはず。ところが小泉さんのやったことはその反対であった。その小泉さんに国民は前回選挙で圧倒的支持を与えた。これぞ私がしばしば云うところの衆愚政治である。
尚、この小林虎三郎は佐久間象山門下の逸材で同門の吉田寅次郎(松陰)とともに両虎(寅)と称えられた人。
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教育こそ、将来の日本を支えるものなのにですね・・・
小泉政権の矛盾については、小説『会計監査』という小説によく書かれています・・・
2009/7/21(火) 午後 9:06 [ 浜周 ]