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ノーマルサスとリプレイスサス、そのどちらが良いのか。
それはもちろんリプレイスサスと言いたいところなのだが、一概にそうとは言えない。
リプレイスサスは、サスペンション本来の動きを良くするためにフリクションロスを出来るだけ減らしている。
パーツの強度と精度を上げ、非常に精密に組み付けることにより、サスペンションの性能を上げている。
ある程度走行すればオーバーホールするのが当たり前だし、そうしないとサスペンション本来の性能は維持できない。
実際にはオイルシールからのオイル漏れが発生したり、中に入っている窒素ガスが抜けたり、オイルが汚れたりと、ノーマルサスよりもかなり速いスピードでその性能は落ちる。
もちろん走行距離にかかわらず、性能が落ちればオーバーホールすることになるし、一定期が間過ぎればもちろんオーバーホールの必要性は出てくる。
新品の状態でずっと使い続けられるわけではないのだ。
オーリンズのモノショックタイプでオーバーホールにかかるコストは約21,000円。
R1200GSならば前後で42,000円がかかる。
更にサスペンションの脱着工賃がかかるので、一回のオーバーホールで60,000円弱のコストが必要になる。
PENSKEに至ってはオーバーホールは一本約28,000円。
前後のオーバーホールと脱着工賃で70,000円強のコストがかかる計算になる。
性能を維持するためには少なくとも10,000km〜15,000kmでオーバーホールを行う必要があり、その維持費はバカにならない。
その代わりに抜群の乗り味が約束される。
小生はR1200GSに装着していたPENSKEを何度かオーバーホールに出したが、わずか10,000kmしか走っていないのに、戻ってきたサスは見違えるほど良くなっていたモノである。
そして、脱着工賃をケチるために工具を買い足し、自分で脱着できるようにした。
そんなに難しいことではないので、道具を揃えてサスの脱着にトライしてみるのも良いだろう。
それからリプレイスサスは限られた条件の下での使用が前提のために、広範囲な荷重の変化に対応していないことが多い。
タンデム、荷物満載、路面状況が悪くギャップが多いなどの条件下では、性能を発揮できないことがある。
あくまでも荷重範囲がある程度一定であることが条件になるだろう。
一方でノーマルサスペンションである。
長期にわたってある一定の性能を発揮しなければならない。
しかも対応荷重の範囲は広く、タンデムや荷物満載でギャップを走行することもある。
その要求される耐久性はリプレイスサスとは比べものにならない。
しかもコストとのバランスもある。
これらをクリアしなければならないのがノーマルサスである。
では、どちらが良いのか。
荷物満載で長距離のツーリングに出る頻度が多く、しかもそうでないときには一人でぶらっと走りに行くとか、GS本来の使い方が多いならば、ESA付きのノーマルサスに軍配が上がるだろう。
停止時にはボタン一つでサスのプリロードが変えられ、高荷重にも対応するし、オフロードも走れる。
そして走行中でもダンピング調整は可能。
手元のボタンを押すことでコンフォート、ノーマル、スポーツの3つの中から好きなモードを選べる。
ただし、リプレイスサスのようなしなやかな乗り心地は期待してはいけない。
あたかもネコの足を借りてきたかのような、しなやかで柔軟な走りは得られない。
疲労度もリプレイスサスの方が少ない。
走行性能も比較にならないだろう。
だが、何にも気にせず無頓着に扱える。
リプレイスサスとノーマルサス、その選択は好みであると言えるだろう。
しかし、高価なリプレイスサスをなんと無頓着に扱っている人の多いことか。
せめて15,000kmに一回はオーバーホールしてあげた方が良いし、自分に合ったセッティングを施すことによって、もっと楽に早く走れるようになるのに。
初期の性能を維持できていなければ、リプレイスサスの意味は無くなる。
愚痴を言わせてもらえば、エンデューロESAの味付けである。
これがどうにも小生の走り方と合わない。
PENSKEとそれに施したセッティングはパイロットロードとの相性も良く、タイヤの持っているバンク時の安定感をうまく引き出していた。
深いバンク角を安定して維持させると言う事に対して、パイロットロードは長けており一度バンクさせると安定感を伴って非常にキレイに旋回を始める。
ところが08モデルのR1200GSはここのところがうまくない。
PENSKEならその味付けでいかようにもセッティングできたのだが、ESAはそうはいかない。
BMWの「そんなこと危険だからやめなさい」という設計思想が強く表れていて、そう言う乗り方を許容しない。
サスの硬いのと渋いのがそれを更に助長して、乗りにくいことこの上ない。
と言うわけで04年モデル+PENSKEの味付けが小生にとってベストだっただけに、今は全く乗れていないという状況なのである(笑)
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