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「ちょいと、テレビで人気の俳優さんに、おめえさんとこの店を紹介した。
彼はグルテンフリーだからよろしくね」
ということをある知人から言われた時は、
正直???でした。
当店にはかって「紅白出場歌手」も来た事がありますので、
有名な俳優さんというのはそれほど気になりませんが、
「グルテンフリー」というキーワードをはじめて聞いて
そちらには戸惑いました。

詳しく聞くと米麺とかがそれに該当するとかで、「フォー」が好きな方という。
翌日本当にその方がこられ、当店の「フォーボー(牛肉のフォー)」を召し上がられ
大変喜ばれました。
ここのフォーは本当に良かった旨を言われたと聞いて安堵と喜びを感じました。

しかし、「グルテンフリー」というのがいまいち。検索すればよいものを
別件で忙しく、おそらくは「ベジタリアン」的な主義の事だろうという風に
思ったので、それ以上深く追求もしてませんでした。

ところが、既に日付が変わりましたが、月曜日にその知人からお知らせが
あり、この日開催予定の米粉のパン作り教室の参加者が少ないと。
定休日で特に予定もなかった私たちは
急遽参加することにしたのです。

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場所は谷町4丁目。ちょうど夕方の通勤帰りの時間帯だったからかもしれませんが、
同じビジネス街でも私たちのいる本町とはちょっと違う雰囲気のビジネスマンたちの
帰りとすれ違いながら到着したのがこのビル。今回の知人「空庭」の山内氏の
事務所があるビルです。

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厳密に言えば、事務所だけでなく住居。
否、このビル自体の所有者家族ということになるそうです。
その一角を「空庭」という
フリースペースとして利用されているのです。

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エレベータで6階にあがります。椅子が置いてあります。お子様や
体の不自由な人たちのためにあるのでしょう。
あたかも、先月訪問した台湾・高雄の地下鉄のエレベータを思い出します。

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こちらが入口です。ビルの一室の事務所のスペースは見事に
住環境が整っているところになっていました。

「おめえさんたち、せっかく来たのだから、屋上を見てみないか?」
という山内氏のご好意に甘えさせていただき屋上を見学しました。

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屋上はこんなスペースです。
都会の真ん中に緑の空間が広がっています。

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「ビルを所有している」という話を聞いてしまうと、私たちのように
店子風情で、家主に毎月家賃を払って場所を維持している立場から見ると
うらやましい気がするのですが、いろいろな情報を聞くとそうでもないようで
新しいビルでないと入居者が決まらないとか、きれいに立て壊して作り直したり
すると、お金の問題以上に消防法の関係で道路を広げるために場所が
狭くなるなど何かと大変とお客様とかそういう人から聞いたりするのです。

このビルもある意味最新とは違うビルですが、むしろそれをうまくリノベート
されているといいますか、活用されているというのは屋上のそれを見ても
わかります。

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コンクリートジャングルという言葉があるように都市部に行けば
ビルは大量に立ち並ぶけれど、対称的に木々や緑ががなくなってしまうという問題
があります。そこでビルの屋上緑化とかそういう話になっていくわけですが、
こちらではそのあたりをすごく意識されているということでこのような緑が
存在しているわけです。

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屋上から先ほどの部屋が見えます「里庭」とあります。

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こういうスペース、何か味があります。
冒頭の俳優さんの出演するドラマの撮影に使用した空間ということですが、
なるほど、それは十分味わいがある空間ですね。

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私たちもコンクリートジャングルに住んでいますから、ちょっと緑があると
安心するのですね。

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都会の緑、山里の緑と個々の単位ではそん色ないですね。


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ここは都会のオアシスではないか?そんな気がしました。

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さて、屋上見学もこのあたりで終わりにしようかと思います。

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下に下りると今回の教室の材料が置かれていました。

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今回のテキストです。

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こちらで販売している米粉。これを使ってパンを作ろうということですが
米粉といえば、上新粉というのがあり、私たちも
から揚げの衣などに使っています。

実は東南アジアの国々は、米を大量に使います。
日本も米の国といいますが、アジア諸国はそれ以上。
世界で米生産量の上位をタイ・ベトナムあるいはミャンマーあたりが
占めているのが現状なのです。
日本と違い、年中稲作が可能で「何毛作も可能」なベトナム・タイといった国々は、
原則小麦などが入れる余地もないほど米を使うのです。

米粉を使ったパン工房の方が講師として
説明をしてくれます。バナナをつぶしてバナナの米粉パンを作ります。
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「米粉は小麦のようなグルテンがないから思いっきり混ぜても
だまになったりしない」というようなことを言われておられました。

米粉・・・私たちは東南アジア料理ですから米粉が標準という
位置づけですが、日本ではここが一つの「壁」になっているようです。
どうやら歴史的に米をうまく利用していない間に、西洋の小麦文化が入ったことで
というような話もありました。
とはいえこの世界、今回いろいろ話を聞くとグルテンフリーの事
以外にも結構専門的な研究が進んでいるようです。


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イーストとかを入れてイザ発酵する前に、「お米ピューレ」というものを
隠し味的に入れるのがコツのような話がありました。
いろいろ研究を重ねた結果のようですが、経験というものは大切な事なの
だろうということがわかりました。


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結構固めに作る必要があるようです。トロトロはダメということです。

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型に埋め込みます。最後に油を塗るのもポイントのようです。

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発酵作業に入ります。温度の調整のため、発泡スチロールに
生地を入れてから、熱湯がはいった容器と密閉することで
ある意味発酵に大切な温度と湿度が再現できる。
これは目からうろこの内容です。

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こちらは、先ほどの隠し味「お米ピューレ」の作り方。
熱して混ぜれば、元に戻らないという
科学的な変化のような話もされていました。


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オーブンで焼かれているのは、米粉のクッキー
米粉はいろんな用途に多用できるのですね。


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発酵が終わりました。見事に生地が膨れています。
酵母の活躍に感謝ですね。

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これだけ膨らむ。ここからオーブンで焼けばパンになるわけです。

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(薬草系のものを入れたパン。ほど良い苦味がありました)

既に焼きあがったパンをいただきます。
その前にいろいろな講義を聴きました。
一つは、米粉にも段階や方法によって違いがあるという点です。
伝統的な方法で作られるのが、「上新粉」ですが、細かさの問題がある
また、農家さんで作る米粉も簡易的な方法なので繊維レベル、細胞レベルで
問題があるというのです。
そこで、もっとも細かくそういう細胞レベルでも維持できる方法が
あらかじめ水につけておいた米を、気流粉砕機というもので米粉に
する方法が最もきめ細かくそういう細胞レベルのものへのダメージが少なくて
素晴らしい米粉が出来るということなのだそうです。

たがが米粉されど米粉ですね・・・。

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(バナナにレーズンが入ったパンです)

もう一つは、まあ今回最も気になっていた「グルテンフリー」。
これは、グルテンという成分をとらない食品を食べようというような
もので、グルテンとは何かといえば、麦類に含まれるたんぱく質の一種なのだ
そうです。弾力や粘り気があるために実はこのたんぱく質があることが
麦類がいろんな料理に応用できるということなのですが、小麦アレルギーの方を
はじめ、添加物の問題とか調理そのものに実は問題があるとか
そういうさまざまな理由でこのグルテン自体を排除した食品を求めるという
事だったのです。それを満たすのが「米粉」という。
日本は米を主食とする国で、私たちも現実問題としてご飯がすきですが
そういう主義の意味を理解することで、一つ勉強になったのも事実です。

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(加え物のない純粋な米粉パン・・・いずれも違和感感じず)

実際にフォーボーを召し上がれた俳優さんは、海外に住んでいた経験も
豊富な方ということで、そのあたりをご存知だったようなのですが、
海外では東南アジアのように米が中心の国があり、まあ西洋の影響も
入ってきていますから、若干小麦粉の料理もあるのは事実です。
しかし、ごはんONLY(+ちょいとせんべい、おかきレベル)でしか
米を使わなかった日本と違い、あらゆる料理に米粉が活躍しています。
そういう意味では、東南アジア料理は可能な限りにおいてグルテンフリーという
ことになるんですね。面白い可能性を感じました。

ただ、日本の米粉では現状フォー(米の麺の総称という意味で)と
肉まんの生地がまだ難しいという資料がありました。
でも、それ以上に難しいといわれている「パン」が現実にできている
わけですから可能性はあるのでしょう。後は日本の米(ジャポニカ種)
と東南アジア圏の米(インディカ種)との違いのような話になってきます。
そのあたり、せっかくなので私たちでも時間をかけて情報収集したら
面白いことになるのかなと思いました。(ちょっとやってみようと思います)

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こちらは、米粉のシチューの具材。
オレキオッテというパスタの一種も米粉で作ろうということで
それを中に入れて食べるための具材です。

これに関しては、山内氏の説明の後、山内氏が奥で作られました。

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(米粉のベーグルです。パンとは視点が違って面白かったです)

その後自己紹介があり、まあ私たちはシェフが主にしていましたが
そのほかの参加者も多種多様な方がおられましたが、
相対的に意識の高い人たちだと思いました。

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完成したシチューです。おいしくいただきました。
中に入っていた米粉のオレキオッテも違和感がありませんでした。

その後、講師の先生とちょっとした話の場がもたれました
味付けした昆布をパンに入れると面白いという話もありましたが
どうやらその昆布の生成過程に小麦が入っているから
「グルテンフリーにあらず」という話もありました。

実際には全く意識しない私たちのような人間にとっては
理解ができないレベルなのは事実ですが、これはあるいみ「主義」ですが
たとえば宗教的な話。
いわば「ムスリムが豚肉不可」とかそういうレベルの話などでも
現在社会では重視していく必要があるわけですから、
そういうことは知識として意識して行くことは重要なのでしょう。


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これで教室が終わりました。帰りに説明のあった米粉を購入しました。

グルテンフリーという言葉の意味をはじめて知りました。
肉を食べることは普通に可能なので、いわゆるベジタリアンとは全く違う
わけですが、少なくとも私たちが出来ることそれは、ベジタリアンだろうが
グルテンフリーだろうが、そういうことに対して自己申告のあるお客様
にたいして、それに見合った料理をそれも「美味しいもの」として提供していく
(もちろんそうではない一般の人ももちろんですが)
それしかないのです。それこそが超個人店として今後も続けていきながら
チェーン店や資本力のある飲食店そして、既存のお客様に飽きられなく
店を続けるために必要な事であるということなのであります。

この記事に

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    こんにちは〜。
    米粉のことも、突き詰めて行くと
    流石に奥が深いですね。
    グルテンフリーのことも、なるほど…と思いました。

    でも、知って、それで終わり、ではなく
    そこからがスタートということ…
    「ちょっとやってみようと思います」←流石!と思いました。

    将来的に、何か重要なことが残せるかもしれませんし
    非常に有意義なことなのだろうなとも、思いました。

    どうぞ頑張って下さい!!!
    私も食物アレルギーでは、かなり厄介な状態にあるので
    シェフとパパさんのそうした思いに感謝しつつ…
    心から応援していますね。

    かめのしっぽ☆

    2016/5/24(火) 午後 1:08

    返信する
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    > かめのしっぽ☆さん
    そうですね。やはり学ぶだけでなくそれをさらに飛躍させて
    実践してみる問うのは大事だと思います。特に米粉については
    東南アジア料理では必須アイテムですから、本当にいろいろ研究したり実践して次の展開につなげることができればと思います。

    「グルテンフリー」という概念も最近だと思いますが、
    元々はアレルギーに悩む人と
    ご飯離れが進んでいる日本の余った米をどうにかして活かしたい
    という気持ちを持っている人たちとの思いが融合した
    結果だと思いますし。

    サワディ・シンチャオ

    2016/5/24(火) 午後 1:35

    返信する

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