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大阪の中心部 本町と心斎橋の間にある小さな路地の奥で2003年開業の東南アジア料理店

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当店は2003年から開業して14年目になりますが、おそらく
この営業期間の中でもっともよく聞かれる質問があります。

それは、

「どちらの出身の方ですか?」「あなたの国籍はどこですか?」

あまりにもこの手の質問が開業当初から多くありましたので、
メニューなどの「よくある質問」コーナーに記載しているのですが、
そういうのを見ない人はついつい質問するようで、実は先日もありました。

イメージ 1
これは、私たちが海外に渡航する際に携帯するパスポートです。
もうお分かりだと思いますが、私たちの国籍は日本で、戸籍などもそうですし、
これは谷町筋にある「パスポートセンター」という正規の窓口で
合法的に取得したものですから疑いようもなく、
それ以前に、両親が日本人で日本で生まれた以上、日本国籍を持つ日本人以外の
何者でもないのです。ということでその旨を伝えたら、
次の回答が80%強の確率で続きます

「どうして日本人がこんな本格的な
 東南アジア料理を作れるのですか?」

一見これは私たちに対するほめ言葉ということは間違いなく、
ほぼ毎年現地に渡航し、ただ渡航するだけでなく、現地の料理の再確認
タイミングがあれば、タイのムクラ氏のようなトップシェフに習い
現地でも最高水準に近い味を日本で再現できている証でもあります。

ですからそれ自体はうれしいのです。
しかしながら、実はこれは大きな問題が潜んでいるのです。
つまり東南アジア料理を作るのは東南アジア人という固定概念が
いまだに大多数を占めているという事実がそこに感じるからです。
だからこのままで本当に良いのか? ということになるのです。

http://www.pecopecony.com/tokushu/images/img18_01.jpg
(この画像は記事の参考として借用しています)

「こういう国の料理はその国に言ってその国の人が作ったものを
食べれば良いんだ。日本で出す必要はない」
大昔こういうことを言う人がいました。当時は東南アジア料理店というより
世界のビールを出しているほうがメインでしたからそちら目的の人からすれば
そういう視点になるのでしょう。

でも・・・これも不思議なもので、ひとつは上記画像にあるように
フレンチの修行を積んだ著名な日本人シェフに対して、
そのようなことを言う人はほとんどいないでしょうし。上記の人の言葉を借りれば
「フレンチはフランスに行ってフランス人から食べればよい」とは
恐らく誰も言いません。
中国料理も、中国や香港などでで中国・香港人が作ったものが
本格的のようには思いますが、日本にも中国料理のお店はありますし、
やや違うかもしれませんが、中華料理店は数え切れないほどあります。

後イタリアンもそうですね。大阪には相当数のイタリア料理店があるそうですが
では、その中でイタリア人が経営もしくはシェフとして料理を振るっているお店が
何%あるか、たぶんごく少数なように思います。

インドのカレーなども確かにインド人
(+ネパール人、バングラディシュ人、パキスタン人、スリランカ人・・
たぶんこのあたり大多数の人はごちゃごちゃになっている人が大多数)

の店は多いのは事実ですが、それに影響を受けた
昨今のスパイスカレーブームで出店を出している人は
日本人のほうが圧倒的に多いように感じます。

ところが、タイ料理店は最近は増えてきていますが、10年程度前までは
タイ料理店の経営者の人やそういう関連機関の人の話を聞くと
店の経営者は日本人でも料理人は現地タイから雇わないといけないという
空気がありました。彼らに言わせると店に来るお客さんは、
タイ人に会いに来るからとかいうのです。
料理ではなく人に会いに来るというところに料理店としての
違和感を感じたものです。

その時代でも私たちは果敢に勝負をしていました。
(たとえは悪いかもしれませんが、私たちはタイ人ではないので
 ニューハーフとかそんな感じなのでしょうか?)

イメージ 2
数年前に東京のベトナムフェスティバルで
東京の知人のお店を手伝ったとき。
1人以外はベトナム料理の日本人シェフです。

タイ料理をはじめとする多くの東南アジアの国々はそんな感じなのですが
唯一の例外がベトナム。この国は不思議と日本人の料理人とか
料理研究家の人が多くて、上記のようなイベント出店の手伝いとか、
結構「ベトナム人以外は認めない」的な空気はありません。

タイ料理店は最近この料理自体が市民権を得ているところがありますので、
ずいぶん変わってきましたが、これがフィリピンとかミャンマーとかになると
まずその店自体が少ないこともあり、それ以前の状態があるのが現状。

でもこれも含めて少しずつ変えて行きたい。
そういう「偏見」からの脱却が中長期的な目標かなあと最近思います。
店自体は小さいですが、クッキングサロンという料理教室には結構プロを
目指すまたはプロの人(日本人)が習いに来ます。本格的な料理を作ろう
という意識の高い人がわざわざ来てくれるわけです。

私たちもそういう人たちの先駆者のような立場として
これからも研鑽を図って行き、そしておいしい東南アジア料理を
普通に日本人が作っても違和感のないような時代が迎えることができれば
と思います。


(追記)
20年ほど前、まだ海外渡航初心者としてツアーで行った国がアメリカ西海岸。
食事なしツアーだったので現地の料理を食べましたが、最初はボリュームがあって
お得感があった油で挙げた食べ物にだんだん飽きてきてしまい、3日目あたりに
ビュッフェのにんじんがサーモンに見えて食べて余計に食べ物に対しての
不安感がよぎったときに、ラスベガスの日本人経営のホテルで食べた
黒人が握ったすしのうまさは今でも忘れることができません。
食べるものに飢えていたから?それだけとは思いません。
本当に日本の並みのレベルの握りずしだったと思います。
彼らは日本人ではないのにそこまで普通にすしが握れて本当に違和感がなかった。
そういう時代が来ればと本当に思うわけであります。

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