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小説『アイドル・ゴシップ』
※この小説はフィクションです。実在するアイドルグループAKB48とは何ら関係もありません。
(前回までのあらすじ)
新川トオルは週刊文翔の雑誌記者である。年下の先輩・城ヶ崎アヤネとコンビを組み、人気アイドルグループ『AKS49』のスクープ記事を追っていた。
新川は熱愛やいじめよりも恐ろしい「ある疑惑」に関する噂を入手していた。
ある日、熱狂的ファンの山田から人気メンバーの島本はるかが行方不明であるとのタレコミ情報を得たのだ。
このスクープ記事は騒動となったが、AKS49の総合プロデューサーの秋吉が記者会見を開き「島本はるか卒業」を発表したのだ。
島本はるかの実家の張り込みを決行し、島本はるかが事故死していた事を突き止める。
この事実を確かめるためにAKS事務所に行くが、後追い自殺の恐れがあるため記事にはしないで欲しいと言われ、記事はお蔵入りとなってしまったのだ。
諦めきれない新川と城ヶ崎は、元メンバーの前野明子とコンタクトを取り、「秘密の集会」が行われているということを聞き出したのだ。
第7話 秘密の集会
元メンバーの前野明子の告発によって明らかになった「秘密の集会」。
前野の話によると、不定期に行われるその集会には事務所の重役や一部のAKS49のメンバーに加え、政治家などが参加するという。
人数は総勢で200〜300名。AKS49のメンバーはクラブのホステスのような役目となり、接待を行なうとの事だ。
集会ではAKS49のミニコンサートも行なわれる。官僚や警察庁の人間も参加しているというから驚きだ。
前野の情報で気になったのは、前回の「秘密の集会」に参加した島本はるかが、集会を携帯で隠し撮りしたというのだ。
集会の様子を撮影をすることは禁止されており、違反した島本はるかは謹慎処分となったらしい。
携帯は没収され、その数日後に島本はるかは交通事故で死亡している。
島本はるかはAKS49の裏の活動を知り、消されたのではないだろうか。
翌日、週刊文翔の事務所にて
「島本はるかが隠し撮りした動画が残ってないのかなぁ」
城ヶ崎先輩はそうつぶやくと、堂島編集長が近づいてきて言った。
「携帯で撮影したなら、誰かにデータを送っている可能性はあるな。島本の仲がいいメンバーを当たってみるか」
「トオルちゃん、島本は誰と仲が良かったの?」
城ヶ崎先輩が俺のデスクに近づきながら言った。
「島本はるかの親友は同期の笹原レナです。」
俺はブログを毎日チェックし、交友関係を調べていたのだ。
「笹原レナを追いましょう。動画を持っているかも知れません。」
笹原レナは写真集の発売を控えていた。
写真集の宣伝もかねて「グラビア撮影をしたい」という名目でAKS事務所に連絡を取ったところ、あっさりOKが取れたのだ。
笹原レナはAKS49においてトップ10に入る人気で、特にバラエティ番組での活躍が多いメンバーである。
数日後、
都内のスタジオで笹原レナの到着を待った。
撮影前日に笹原レナに電話した所、島本はるかから送られた動画が携帯に残っているとの報告を受けていた。
ついに「秘密の集会」の全貌が明らかになる。俺は胸を躍らせていた。
しかし、約束の時間から30分が経過しても笹原レナは現れなかった。
「遅いわね。」
城ヶ崎先輩は明らかにイライラしている。
「そうですね。人気メンバーだから忙しいんでしょう」
俺は先輩をなだめるように言った。
さらに1時間が経過した。
「いくらなんでも遅すぎじゃない!?」
城ヶ崎先輩はついに感情を爆発させた。
「トオルちゃん、ちょっと連絡してみてよ。」
「はいはい」
俺は笹原レナのマネージャーに電話をかけた。
道路が渋滞しているのだろう。俺はその程度に考えていた。
20秒ほど呼び出した後、ようやくマネージャーが電話に出た。
「すみません、、、、、移動中に事故に合ってしまい、、、、、笹原レナが意識不明です!」
〜第8話「潜入捜査」へ続く〜
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