|
小説「失望の光、希望の闇」
(前回までのあらすじ)
15年前のある事件をきっかけにホームレスとなってしまった40歳の中年男光生は、偶然同じ場所で自殺をしようとしていた少女と出会う。少女の名前はノゾミ。ノゾミは未来を予知する不思議な力を持っていた。光生とノゾミの奇妙な旅が始まるのだった。
二人の旅は1ヶ月以上続いた。時が経つにつれ、二人は立ち直りつつあったのだが・・・
ある日、ノゾミは突然に姿を消してしまったのだ。いくら探してもノゾミは見つからない。
光生はある老人から渡された地図を元にノゾミを探すために沖縄へ向かう。やっとの思いで沖縄にたどり着いたが地図の場所にあったのはノゾミからの1通の手紙であった。
その内容は「光生の命が狙われている」という驚愕の内容だった。光生は沖縄で身を潜める生活が始まった。
誰も信じれなくなり、おびえて生活をしていた光生の前に謎の老人が再び現れ、携帯電話を渡してきたのだ。
携帯電話のリダイヤルの番号に電話を架けると、相手は2ヶ月前に離れ離れになったノゾミだった。
そしてノゾミは「ある男を殺そうと思っている。」と衝撃の告白をするのだった。
光生はノゾミの殺人を阻止することを決意する。
光生は沖縄で出会った友人からお金を借り、ノゾミと出会った場所福井県に向かった。
そこで元妻サトミと15年ぶりの再会を果たす。
第23話 悲しい事実
15年前、俺は妻と二人幸せな生活を送っていた。
ある晩、酔っ払って家に帰ってきた俺は、自分の妻が男と口論しているところを目撃したのだ。
俺は、その男を浮気相手と勘違いしゴルフクラブで殴りかかった。
男は大量の血を流して倒れた。病院に運ばれたが男は死亡した。
しかも、男は浮気相手ではなく妻の父親だったのだ。
俺は15年間刑務所に入り、全てを失った。そして出所後ホームレスになったのだ。
その事件以来、元妻サトミと会うのは15年ぶりとなる。
俺は目を合わす事も出来ず、しばらく沈黙が続いた。
サトミはまだ恨んでいるだろう。俺のことをどう思っているのだろうか。
俺は勇気を振り絞って話し始めた。
「謝れば済むことではないけど、深く反省し、今後も罪を償って生きていこうと思っている。」
俺がそう言うとサトミは黙ってうなづいた。
重たい空気が流れる。
そして、また長い沈黙状態が続いた。
話さなくてはならないことがたくさんあるのに、うまく言葉に出来ないのだ。
俺は目を合わさないようにサトミの表情を見た。
相当、苦労して生きてきたのだろう。顔にシワが目立つように見えた。
あれから15年、サトミも30歳後半のはずである。
「あの、、、」
ようやく、サトミが重い口を開いた。
「あなたが刑務所に入った時、妊娠が発覚したの。」
!!
え!
俺は動揺して言った。
「お、俺の子供か?」
「そうよ。」
サトミは答えた。
「本当の父親が刑務所に入っていることは秘密にしてた。」
俺は衝撃的な事実に頭の整理が出来なかった。
「そ、そうなのか、、、。」
俺は、冷静を保つのに必死だった。
15年前ということは、現在は14歳くらいか。
「私は、再婚したの。でも新しい夫は、あなたの子供を愛してくれなかった。」
サトミは続けて言った。
「私の見てないところで、夫は娘に暴力をふるっていたのよ。」
気付くとサトミは泣いていた。
俺は自分の子供にまで不幸にしていたのか。
俺は唇をかみ締めた。
「本当に、本当に申し訳ないと思う。」
俺は、そう言うのが精一杯だった。
「今年、本当の父親が別にいる事を娘は知ってしまったの」
サトミは言った。
「娘はひどく傷ついていたわ。」
俺は、ようやくある事に気付いた。
サトミの話を聞いているうちに、点と線が一つになったのだ。
俺は、気になることをサトミに聞いてみた。
「娘の名前は、ノゾミか?」
〜第24話へ続く〜
https://novel.blogmura.com/novel_suiri/ ←にほんブログ村
|