沢木リョウのAKB的な小説

かなりご無沙汰していますが、復帰を考えているのです。

小説「失望の光、希望の闇」

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小説「失望の光、希望の闇」

最終話 考えるだけの生活

 普通であることに慣れてしまって、
忘れてしまっていたモノがある。
 
 現実的にしか考えられなくなって、
自分のためにしか行動できなくなり、
 そして気付いたときには多くの人を傷つけてしまっていた。
 


 後悔したってもう遅い。

 もう一度やり直すためには、
新しい希望を探さなければならない。
 

これが結構むずかしい。



ガキの頃は「パイロットになりたい」とか
「野球選手になりたい」って真剣に思っていた。
 40歳を越えた中年男が、希望を持ったとしても
チャレンジをする前にあきらめてしまう。

「そんなの、できるわけがない。」と。
そう決め付けてしまう。


 そして、冒険をしなくなった大人はただ「普通」に生きることを選ぶのだ。
でも、その当たり前の「普通」の生活を失った時、生きる意味さえ見失ってしまう。
 まさに俺がそうだった。生きることが苦痛になった。
 

 
―あれから1年が経った。  


そう考えると、新しい希望を見つけられた今の俺は幸せなのかもしれない。

俺の新しい希望は

「歩きたい。」


「声を出したい。」


「体中にささっているチューブを取り外したい。」


「自分でトイレに行きたい。」

 
 これだけ強い希望をたくさん持っていれば、人は生きていけるものである。
考えるだけの生活。これも悪くは無いのだ。
 

 病院のベットは、公園のベンチよりも温かいし、
入院をしていれば、食事に困ることも無い。
 
 
 そして何より、ノゾミと愛する妻サトミが毎日お見舞いにきてくれる。
それだけで十分だ。
  
 

 それだけで十分だ。

 
 

〜完〜  

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小説「失望の光、希望の闇」
(前回までのあらすじ)
 15年前のある事件をきっかけにホームレスとなってしまった40歳の中年男光生は、偶然同じ場所で自殺をしようとしていた少女と出会う。少女の名前はノゾミ。ノゾミは未来を予知する不思議な力を持っていた。光生とノゾミの奇妙な旅が始まるのだった。
 
 二人の旅は1ヶ月以上続いた。時が経つにつれ、二人は立ち直りつつあったのだが・・・
ある日、ノゾミは突然に姿を消してしまったのだ。いくら探してもノゾミは見つからない。
 光生はある老人から渡された地図を元にノゾミを探すために沖縄へ向かう。やっとの思いで沖縄にたどり着いたが地図の場所にあったのはノゾミからの1通の手紙であった。
その内容は「光生の命が狙われている」という驚愕の内容だった。光生は沖縄で身を潜める生活が始まった。
 誰も信じれなくなり、おびえて生活をしていた光生の前に謎の老人が再び現れ、携帯電話を渡してきたのだ。
携帯電話のリダイヤルの番号に電話を架けると、相手は2ヶ月前に離れ離れになったノゾミだった。
 そしてノゾミは「ある男を殺そうと思っている。」と衝撃の告白をするのだった。
光生はノゾミの殺人を阻止することを決意する。
 
 光生は沖縄で出会った友人からお金を借り、ノゾミと出会った場所福井県に向かった。
そこで元妻サトミと15年ぶりの再会を果たす。
サトミは俺との間に子供がいる事を明かす。

「その子供の名前は、ノゾミか?」
光生は悲しい事実を知る事ととなる。


第24話 ターゲット

 
「なぜそれを・・・?」
 サトミは驚いた表情で言った。

 予感は的中した。
俺は、今まで起こった事を全てサトミに話した。
 あの場所で出会ったのは運命だったのかもしれない。

 
 故郷の福井でノゾミと出会い、京都まで車で旅をした半年前。
京都では車中生活を1ヶ月以上続けた。
 しかし、ノゾミは突然行方不明に。
俺は、ノゾミを捜し求めて福岡、そして沖縄へと旅を続けたのであった。


「そんな事があったの」
 サトミはショックを隠しきれない様子だ。

 俺は何度も切れかけた命の糸を何とか繋ぎ合わせながら、この場所に帰ってきた。
そして、サトミとの再会もまた運命なのだろう。
 俺は2度も自殺未遂をした人間だ。
自分は生きていく資格は無いと思っていた。

 でも、生きていれば何が起こるかわからない。
諦めずに、生き続けることが重要なのだ。
 俺は改めて思った。

「出会えてよかった。」

 俺はそう言うと席を立った。
サトミとは一緒に生きて行ける身分ではない。
 俺はこれから新しい人生を歩んでいくのだ。

 俺は振り返らずに、喫茶店の出口に向かって歩いた。


 その時。
1人の少女が喫茶店に入ってきた。
 一瞬誰なのかわからなかった。

 
 はあ、はあ、はあ

 少女の息は荒い。
  

「お前、、、まさか!」

 俺が気付いた時、腹部に生温かいモノを感じた。
同時に激痛が走った。
 大量の血が床を染めていた。


 俺は刺されたのか。
俺は意識が薄れていくのを感じ、その場にヒザを付いた。
 腹部にはナイフがまだ刺さっている。

「おじさん、ごめん。」
 返り血を浴びて、少女はそう言った。


「ノゾミ、、、、やっと会えたな。」

 俺はそう言うと、そこで意識を失った。

〜最終話へ続く〜


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(前回までのあらすじ)
 15年前のある事件をきっかけにホームレスとなってしまった40歳の中年男光生は、偶然同じ場所で自殺をしようとしていた少女と出会う。少女の名前はノゾミ。ノゾミは未来を予知する不思議な力を持っていた。光生とノゾミの奇妙な旅が始まるのだった。
 
 二人の旅は1ヶ月以上続いた。時が経つにつれ、二人は立ち直りつつあったのだが・・・
ある日、ノゾミは突然に姿を消してしまったのだ。いくら探してもノゾミは見つからない。
 光生はある老人から渡された地図を元にノゾミを探すために沖縄へ向かう。やっとの思いで沖縄にたどり着いたが地図の場所にあったのはノゾミからの1通の手紙であった。
その内容は「光生の命が狙われている」という驚愕の内容だった。光生は沖縄で身を潜める生活が始まった。
 誰も信じれなくなり、おびえて生活をしていた光生の前に謎の老人が再び現れ、携帯電話を渡してきたのだ。
携帯電話のリダイヤルの番号に電話を架けると、相手は2ヶ月前に離れ離れになったノゾミだった。
 そしてノゾミは「ある男を殺そうと思っている。」と衝撃の告白をするのだった。
光生はノゾミの殺人を阻止することを決意する。
 
 光生は沖縄で出会った友人からお金を借り、ノゾミと出会った場所福井県に向かった。
そこで元妻サトミと15年ぶりの再会を果たす。


第23話 悲しい事実

 15年前、俺は妻と二人幸せな生活を送っていた。
ある晩、酔っ払って家に帰ってきた俺は、自分の妻が男と口論しているところを目撃したのだ。
 俺は、その男を浮気相手と勘違いしゴルフクラブで殴りかかった。
男は大量の血を流して倒れた。病院に運ばれたが男は死亡した。
 しかも、男は浮気相手ではなく妻の父親だったのだ。
俺は15年間刑務所に入り、全てを失った。そして出所後ホームレスになったのだ。   
  
 
 その事件以来、元妻サトミと会うのは15年ぶりとなる。
 
 俺は目を合わす事も出来ず、しばらく沈黙が続いた。
サトミはまだ恨んでいるだろう。俺のことをどう思っているのだろうか。
 俺は勇気を振り絞って話し始めた。
「謝れば済むことではないけど、深く反省し、今後も罪を償って生きていこうと思っている。」
 

 俺がそう言うとサトミは黙ってうなづいた。
重たい空気が流れる。
 そして、また長い沈黙状態が続いた。
 話さなくてはならないことがたくさんあるのに、うまく言葉に出来ないのだ。
俺は目を合わさないようにサトミの表情を見た。
 相当、苦労して生きてきたのだろう。顔にシワが目立つように見えた。
あれから15年、サトミも30歳後半のはずである。
 
「あの、、、」
 
 ようやく、サトミが重い口を開いた。
「あなたが刑務所に入った時、妊娠が発覚したの。」

!!
え!
 俺は動揺して言った。
「お、俺の子供か?」

「そうよ。」
サトミは答えた。
「本当の父親が刑務所に入っていることは秘密にしてた。」

俺は衝撃的な事実に頭の整理が出来なかった。
「そ、そうなのか、、、。」
 俺は、冷静を保つのに必死だった。
15年前ということは、現在は14歳くらいか。

「私は、再婚したの。でも新しい夫は、あなたの子供を愛してくれなかった。」
 サトミは続けて言った。
「私の見てないところで、夫は娘に暴力をふるっていたのよ。」
 
 気付くとサトミは泣いていた。
俺は自分の子供にまで不幸にしていたのか。
 俺は唇をかみ締めた。 
「本当に、本当に申し訳ないと思う。」
 俺は、そう言うのが精一杯だった。

「今年、本当の父親が別にいる事を娘は知ってしまったの」
サトミは言った。
「娘はひどく傷ついていたわ。」

 俺は、ようやくある事に気付いた。
サトミの話を聞いているうちに、点と線が一つになったのだ。
 俺は、気になることをサトミに聞いてみた。


「娘の名前は、ノゾミか?」


〜第24話へ続く〜



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第22話「思い出」

小説「失望の光、希望の闇」
(前回までのあらすじ)
 15年前のある事件をきっかけにホームレスとなってしまった40歳の中年男光生は、偶然同じ場所で自殺をしようとしていた少女と出会う。少女の名前はノゾミ。ノゾミは未来を予知する不思議な力を持っていた。光生とノゾミの奇妙な旅が始まるのだった。
 
 二人の旅は1ヶ月以上続いた。時が経つにつれ、二人は立ち直りつつあったのだが・・・
ある日、ノゾミは突然に姿を消してしまったのだ。いくら探してもノゾミは見つからない。
 光生はある老人から渡された地図を元にノゾミを探すために沖縄へ向かう。やっとの思いで沖縄にたどり着いたが地図の場所にあったのはノゾミからの1通の手紙であった。
その内容は「光生の命が狙われている」という驚愕の内容だった。光生は沖縄で身を潜める生活が始まった。
 誰も信じれなくなり、おびえて生活をしていた光生の前に謎の老人が再び現れ、携帯電話を渡してきたのだ。
携帯電話のリダイヤルの番号に電話を架けると、相手は2ヶ月前に離れ離れになったノゾミだった。
 そしてノゾミは「ある男を殺そうと思っている。」と衝撃の告白をするのだった。
光生はノゾミの殺人を阻止することを決意する。
 光生は沖縄で出会った友人からお金を借り、ノゾミと出会った場所福井県に向かった。

第22話 思い出
  
 俺は福井県にたどり着いた。  

 福井県に着くと、町の人に聞き込みをしながらノゾミの住んでいた家を探した。
行方不明になっているのであれば、ノゾミの存在を地域の住民は皆知っていると思ったからだ。
 しかし、何の情報も無いため捜索は難航した。
 そう簡単に見つかるわけも無く、俺は途方に暮れていた。
 次の日も、またその次の日も、俺はノゾミを探しつづけた。
ノゾミは俺にとって生きる希望であり、新しい人生に向かうためのきっかけになると信じていた。
 
 福井県は俺が生まれ育った土地でもある。
15年前は、俺はこの土地で妻と二人幸せな生活を送っていたのだ。
 あの時は、自分にこんな運命が待ち受けているとは思ってもいなかった。
人生は気まぐれで、そして残酷だ。
 刑務所に入った俺を、家族も友人も見捨てたのだ。
映画や小説とは違う。これが現実なのだ。一度の過ちで人生を棒に振ることもあるのである。
 もう、俺に生きる価値など無いと思った。
 
 
 ノゾミを探し1週間が経過した。
俺は半ば諦めかけていた時、ある情報が俺の耳に飛び込んできた。
 それは、ノゾミの情報ではなかった。
  
 俺は、15年前の会社の同僚とコンタクトを取ることができたのだ。
そこで意外な人物と再会する事となったのだ。
 客もまばらな喫茶店で、俺はその人を待っていた。

 事件以来、15年ぶりの再会である。
相手は俺の顔を覚えているだろうか。
 俺は緊張してなかなか気持ちを落ち着かせることが出来なかった。
そして何より、俺の事をまだ恨んでいるのかが心配だった。
       
 喫茶店の扉が開いた。

 薄光の中、そこに一人の女性が立っていた。
懐かしいその顔を見て、たくさんの思い出がよみがえってきた。
 そして俺は涙を流していた。
 
 そこに現れたのは、別れた妻サトミである。

「久しぶりだな。」
 俺は言った。

 サトミは黙ってうなづいた。

〜第23話へ続く〜 



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第21話「真実」 

小説「失望の光、希望の闇」
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 15年前のある事件をきっかけにホームレスとなってしまった40歳の中年男光生は、偶然同じ場所で自殺をしようとしていた少女と出会う。少女の名前はノゾミ。ノゾミは未来を予知する不思議な力を持っていた。光生とノゾミの奇妙な旅が始まるのだった。
 
 二人の旅は1ヶ月以上続いた。時が経つにつれ、二人は立ち直りつつあったのだが・・・
ある日、ノゾミは突然に姿を消してしまったのだ。いくら探してもノゾミは見つからない。
 光生はある老人から渡された地図を元にノゾミを探すために沖縄へ向かう。やっとの思いで沖縄にたどり着いたが地図の場所にあったのはノゾミからの1通の手紙であった。
その内容は「光生の命が狙われている」という驚愕の内容だった。光生は沖縄で身を潜める生活が始まった。
 誰も信じれなくなり、おびえて生活をしていた光生の前に謎の老人が再び現れ、携帯電話を渡してきたのだ。
携帯電話のリダイヤルの番号に電話を架けると、相手は2ヶ月前に離れ離れになったノゾミだった。
 そしてノゾミは「ある男を殺そうと思っている。」と衝撃の告白をするのだった。
光生はノゾミの殺人を阻止することを決意する。


第21話 真実 


 俺は比嘉さん宅に舞い戻った。

 比嘉さんは何事もなかったように笑顔で俺を向かい入れてくれた。
俺は突然家を飛び出したことを謝罪し、そして本題を切り出した。

「実は、言いにくい事があるんだけど、、、」
俺は声を詰まらせながら言った。

すると、比嘉さんは俺の態度を察して、こう言った。
「お金か?」

 俺は黙って頷いた。


「いくらだ?」
 比嘉さんは笑顔で言った。

 俺は3万円と言ったが、比嘉さんは俺に5万円を渡した。
「困ったことがあったらいつでも言ってくれ。友達なんだから。」
 比嘉さんは言った。
比嘉さんが神様のように見えた。

「ありがとう。ありがとう。必ず返すから。」
 俺は握手して、何度も何度もお礼を言った。

 
 そして、俺はノゾミの話を初めて比嘉さんに話した。
沖縄を離れて、福井に戻ること。そしてノゾミを救い出したい事を話した。
 ノゾミを救い出し、これをきっかけに、もう一度人生をやり直したい。

 俺はいつの間にか涙を流していた。

 わずか数ヶ月の沖縄での生活であったが、俺は確実に前向きになれたし。
何より、比嘉さんと出会えたことが大きかったと思う。
 また沖縄に戻ってくることを約束し、俺は比嘉さんに別れを告げた。

「比嘉さん、お元気で。」
 俺はもう一度、固く握手をした。

 俺は手を振って、東京行きの飛行機に乗り込もうとした。
その時、比嘉さんは最後にこう言ったのだ。
「実は、、、私も昔ノゾミちゃんに助けられたことがあるんだよ!」

 
!!


 俺は驚いた。
俺は深く追求はしなかったが、15年前の事件の事をシュン君が話してきた理由がわかった。
 比嘉さんは最初から何もかも知っていたのだ。
比嘉さんが見ず知らずの俺に優しくしてくれたのは、ノゾミの指示だろう。
 俺は、間接的にノゾミに助けてもらっていたのだ。


 ありがとう。


 この気持ちをノゾミに伝えたい。 
ノゾミに会いたいという気持ちがますます高まった。

 飛行機は名古屋に向かう。
そこから特急に乗り継いで、ノゾミと出会った福井県を目指すのだ。

〜第22話へ続く〜

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