沢木リョウのAKB的な小説

かなりご無沙汰していますが、復帰を考えているのです。

小説 「メールフレンド」

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登場人物


・牧野美春〈ミハル〉・・・主人公。17歳の女子高校生
・村上健治〈ケンジ〉・・・ミハルの彼氏。ロックバンド「クライシス」のボーカル
・恩田雄馬〈ユウマ〉・・・ケンジの親友。バンドのギタリスト
・牧野春雄〈パパ〉・・・ミハルの父。大手商社に勤める会社員。
・ベル・・・ミハルの愛犬。ミニチュアダックス。
・井川沙希(サキ)・・・ミハルの親友。レズ疑惑あり?
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澤樹涼の本格ラブサスペンス小説
『メールフレンド』

私たちはついにリクをおびき出すことに成功した。

黒い覆面したリクは、猛然とナイフを持って襲い掛かってきた。

 最後の戦いが始まったのだ。


 

 最終話 陸地を目指して

 
午後2時。

 リクのナイフがテツ君に襲い掛かる。
間一髪のタイミングで交わすテツ君。
 その隙にテツ君は、リクの背後に回った。

 そして後ろからリクの首を締め上げる。
「ぐああああっ」
 リクが悲鳴を上げる。そして首を締め上げられた状態でリクはうつぶせに倒れた。
格闘技の実力は完全にテツ君が上のようだ。

「ミハルちゃん、今だ!」
 テツ君が叫んだ。

 え、、、

どうすれば、、、?


「リクの覆面を剥がすんだ!」
 テツ君が叫んだ。

 
「う、、うん。」

 私は恐る恐るリクに近づいた。 
リクは完全に戦意喪失している。
 私は覆面に手をかけた。   
ついに、リクの正体が明らかになる時が来たのだ。

 そして私は、勢いよくリクの覆面を剥ぎ取った!


!!!


 
 そんな
リクの正体が、、、、、、
 そんなの、、、そんなの嫌だよ。


 リクは、、、私が最も慣れ親しんでいる男だった。


 するとリクは話し始めた。
「そうだ。俺は親としてではなく、男としてミハルを愛していたんだ。」

 そんな、、、
そんなの、、、信じられないよ。

 パパがリクだなんて。



「うわーーーーー!」
 リクは、この世のものとは思えないすごい声を上げた。
その声に、一瞬テツ君はひるんだ。

「しまった!」
 テツ君が、、、リクに投げ飛ばされてしまったのだ。

「殺す!」
 リク、いやパパはナイフを拾い上げてテツ君に突進していく!
テツ君はまだ倒れたままだ。

 私は、死の予感を感じた。
テツ君が、、、殺される。


 その時である。

ゴッ
 鈍い音と共にリクが崩れるように倒れたのだ。

 リクはいきなり後ろから殴られたのだ。
リクはそのまま意識を失ってしまった。

 だ、誰?



 よく見ると、そこに立っていたのは、、、、死んだはずのユウマ君だった!!



「ユウマ君!!」
 私は歓喜の声をあげた。


「どうやら、間に合ったようだな。」
 ユウマ君は私の頭をポンっと叩いた。

「ユウマ!疑ったりしてゴメン!」
 テツとユウマが抱擁している。

「気にするな。水泳は昔から得意だからな。」
 ユウマ君は冗談っぽく言った。

 

 私の長い戦いが終わった。
しばらくして、騒ぎに気付いた乗客が集まってきてパパは拘束された。
パパが隠し持っていた無線機を使い、救助隊と連絡が取ることができた。
 これで助かる、、、。私は胸を撫で下ろした。

 私は、呆然と立ち尽くしていた。
私は信じられない思いで、なかなか現実を理解することができなかった。 

 すると、  
「俺は、ミハルのパパが犯人だと実は気付いていたんだ。」
 戦いを終えたテツ君が私に話し始めた。

「えっ、なんで?」
 私はテツ君に言った。

 すると、テツ君は衝撃の事実を語り始めた。
「君のパパが会社を辞めたのは、階段から転落したからじゃない。僕の父(杉山さん)がクビにしたんだ。」

!!
えっ!?

「で、でも、、、すごい包帯していたよ?あれは演技だったの?」
 私は半信半疑で言った。
   

「ああ。」
 更にテツ君は続けた。
「君のパパは、逮捕歴があることを会社に隠していたんだ。それが原因でクビになったんだよ。」

「逮捕歴?」
 私は驚いた。

「き、、君は知らなかったのか?」
 テツ君は、声を詰まらせた。

 パパに前科があることなど、私はまったく知らなかった。
どんな前科があるのか、私はテツ君に問い詰めた。しかし、テツ君はなかなか話そうとしない。

「すごい傷つくかもしれないよ。それでもいいの?」
 テツ君が言った。

「い、、いいよ。」
 私は恐る恐る答えた。 


「わかった、、。」
 そう言うと、テツ君は渋々話し始めた。
「君のパパは、、、幼少の君に、性的虐待行為をして逮捕されたんだ。」


!!!


 性的虐待!?
そんな、、、。
 私は絶句した。

 信じたくなかった。
パパはいつも優しかったし、そんな素振りを見せたことは無かった。
 でも、パパが黒い覆面をかぶって襲ってきたのは紛れもない事実だった。
普段見せたことの無い、パパの裏の顔だった。  



「盗み聞きする気は無かったんだけど、、、」
 そう言いながら、サキがベルを連れて現れた。
「ミハルがよく見る悪夢は、幼少時代のトラウマが原因かもしれないね。」


 そうか、、、。
サキの言うとおりかもしれない。
 私は辛い過去を、記憶に閉じ込めて隠していたのだ。
 
 私は傷心し切っていた。
杉山さんの見つけたあるモノ(乗客名簿)には、父の名前があったのだろう。
 乗っているはずが無い父の名前が、、、。

 涙は枯れて、もう流れてこなかった。
本当にいろいろありすぎて、私は混乱していた。 
 辛いけど、これが私の人生なんだ。
強く生きていこう。全てを受け入れて、、、。
 
 私にとって、新しい人生が今日から始まるのだ。
悲しい出来事に、泣いてばかりもいられない。
 これからは、一人で生きていくんだ。
  

 夕暮れの空の向こうに、かすかに陸地が見え始めた。
陸地には無限に道が広がっている。



 私はその道をまた歩き始める。



〜メールフレンド 完〜

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澤樹涼の本格ラブサスペンス小説
『メールフレンド』

リクを捕まえるしか、生き残る術はない。

私はテツ君の作戦に賛同し、危険な賭けに出ることになった。

 私はもう逃げない。

 
 第29話 ビール

 午後1時。

 私はしばらくテツ君と行動する事になった。
リクを捕まえるためなら、私は全てを捨てる覚悟だ。
 サキにはベルを面倒みてもらう為に船室で待機してもらうことになった。

 私とテツ君は、デッキにあがりベンチに腰をかけた。
乗客は皆、船室で待機しているため、デッキは『貸切り状態』になっている。
 
「ビールを飲もうか。」
 テツ君が突然言い出した。
二人とも未成年だけど、お酒くらい私にだって飲める。
 でも、こんな時にお酒なんて、、、。

「う、、うん。」
 私はそう返事した。

 そこでしばらくの間、二人でビールを飲み続けた。
二人とも次第に酔ってきた。
 こんなに飲んだのは生まれて初めてかもしれない。
私は少し気持ちよくなってきて目まいがするようになっていた。

「ちょっと酔っ払っちゃったかも。」
 私はそう言うとテツ君に少しもたれ掛かった。

「大丈夫?」
 テツ君はそう言うと私の肩を抱き寄せた。
テツ君はとても温かくて、私も少しこのままでいたいなぁと思い始めた。

 テツ君も同じ気持ちなのかな。
テツ君は次第に私に顔を近づき始めた。
 キスをしようとしているのかな、、、。
私は酔っ払っていたので抵抗する気力は無かった。
  
 
 その時、

「やめろーーー!」
 怒号が響いた。



 声をする方を見ると、そこには黒い服に黒い覆面をした男が立っていた。
それは、まるで悪夢にいつも現れる男の姿だった。


「リク、ついに姿を現したな。」
 テツ君が言った。

「作戦成功ね。」
 私は、フラフラになりながら立ち上がった。
そう、これは演技なのだ。リクをおびき出すためにテツ君が考えたのである。
 お酒を飲んだのは、雰囲気を盛り上げるためだった。


「二人とも殺す!」
 黒い覆面をかぶった『リク』はナイフを片手に襲い掛かってきた。


〜最終話へ続く〜

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※最終話「陸地を目指して」は5月21日(水)更新です。

澤樹涼の本格ラブサスペンス小説
『メールフレンド』

 ついに第3の事件が起こった。        

杉山さんはナイフで刺された事による出血死であった。

 残されたのは、杉山さんの手に握られた1枚の紙切れ。

この紙切れにはいったいどんな意味が隠されているのだろう。

 
 第28話 演説

 正午。

 食堂に乗客全員が集められた。
この船内で恐ろしい連続殺人事件が起こっている事を皆に報告するためだ。
 テツ君が全員の前で演説することになった。

テツ君は、父親を殺され精神的に参っていた。
しかし、彼は自ら演説をすると言い出した。
 彼の意思は強かった。父親の仇を撃つ為にテツ君は立ち上がったのだ。

 そして、テツ君の演説が始まった。

「船が漂流してから半日が経ちました。しかし、希望を失ってはいけません!」
 テツ君は感情を込めて話し始めた。
「苦しいとは思いますが、もう少しがんばりましょう!救助は必ずやってきます!」

 演説を聞いた40人の乗客からは拍手が沸いた。
こういう時は精神力を強く持つ事が何よりも必要なのだ。
 テツ君の力強い演説は、乗客に勇気を与えた。

「ただ、注意してください。」
 テツ君の演説は続いた。
「ご存知のとおり、船内には殺人犯が潜んでいます。なるべく船室からは出ないようにお願いします。」


 テツ君の演説は10分ほどで終わった。
状況を理解した乗客は、船室に戻っていった。
 乗客が外に出てこなくなればリクも思うように行動できなくなる。
これがテツ君が考えた戦略である。


演説が終わると、私はサキと一緒にテツ君の部屋に集まった。
テツ君には秘策があるという。私たちはもう逃げてばかりでは行けない。
 ついに、リクに戦いを挑む時が来たのだ!

 テツ君は、私とサキに話し始めた。
「俺は、リクを捕まえる作戦を考えた。ミハルちゃんに協力してほしい。」


 そう言うとテツ君は、奇想天外な作戦を語り始めた。



 私はただその作戦に同意するしかなかった。
危険な作戦だ。しかし、もっとも効果的かもしれない。
 

「ミハルちゃんは僕が守るからね。」
 テツ君はそう言うと、私をそっと抱きしめた。


その時である。
 
 テツ君の体から1枚の「紙切れ」が落ちたのだ。
それは、杉山さんの手に握られた「紙切れ」と同じくらいの大きさだった。

 まさか、、、。
私はその紙切れを拾い上げて、自分の持っている紙切れとつなぎ合わせた。
 すると、そこにある文字が浮かび上がったのだ。

 この紙は、、、、乗客名簿だ。


〜第29話へ続く〜  

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※次回、第29話「ビール」は日曜更新です。

澤樹涼の本格ラブサスペンス小説
『メールフレンド』

杉山さんが運転室で発見した証拠とは?

私は杉山さんの船室に呼び出された。

 ついに真犯人が明らかになるのだろうか!?

 
 第27話 あるモノ

 午前11時。

 私は杉山さんの船室の前に独りで訪れた。
サキはまだ眠っている。
 杉山さんの船室は『特級』という最も豪華な船室である。
いったいこの部屋にどんな証拠が保管してあるのだろうか、、、。
 私は気持ちを高ぶらせていた。


 コンコン
私は杉山さんの船室のドアをノックした。

 しかし応答は無い。
眠ってしまったのだろうか。
 

 コンコン
私はもう一度ノックをした。
 
 応答が無い。
私は仕方なくドアを開けることにした。
 カギはかかってないようだ。

 この時、私は嫌な予感がしていた。
ここ最近、人の死というものに何度も直面してきた私の直感が働いたのだ。
 ケンジが死んだ時、運転手の刺殺体を発見した時、海に沈んで行くユウマ君を見た時、、、。
その時と同じ感覚だった。

 
 私は、そっとドアを開けた。


 予感は的中した。
感覚が麻痺してしまったのか、声も出なかった。
 ただ無表情で、私はその遺体を眺めていた。

 それは、血まみれになっている杉山さんの遺体だった。

 リクは、あるモノ(証拠)を見つけた杉山さんを見逃さなかったのだ。
杉山さんが見つけた「あるモノ」とはいったい何だったのだろう。
 やっと掴みかけた真相が、また遠ざかって行ってしまった。

 杉山さんの部屋の壁には無数の血が飛び散っていたが、部屋が荒らされている様子は無かった。
気になる物といえば、、、、杉山さんの手に握られた紙切れだ。
 わずか5センチ四方の紙きれは、何かを破いたモノだろうか。


 もしかして、これが証拠なのかもしれない。

 
〜第28話へ続く〜

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※次回、第28話「演説」は5月14日(水)更新です。

澤樹涼の本格ラブサスペンス小説
『メールフレンド』

 発見されたリクの携帯電話に残されていた『未送信メール』。
   
それはユウマの死後に送ろうとしたものだったのだ。

 そう、リクはまだ生きている、、、。

 
 第26話 真犯人
 
 午前10時。

 私はリクの『未送信メール』の内容に驚愕した。
「ミハル愛している。ミハル愛している。・・・」と無数に記されていたのだ。
 不気味すぎるその内容に私は鳥肌が立った。

 リクの携帯電話は私が預かる事になった。
携帯の中身を何度も調べたが、他に犯人を特定するような情報は見つからなかった。
 ただわかっている事は、、、リクはまだ生きているということだ。
そして、私達は無実のユウマ君を殺してしまったのだ。

 事件はフリダシに戻ってしまった。

 
 私は気分転換でベルを散歩しながら船内を歩いていた。
サキは少し睡眠を取るという事で船室で独り残っている。
 
 船が漂流してから8時間が経過した。
乗客は特にパニックを起こしている人間はいないものの、かなり疲れが溜まってきているようだ。
 特に高齢の方や、子供が心配だ。リクが新たな犯行を起こす前に救助が来ることを私は願っていた。

「体調は大丈夫かい?」
 
 私は声をかけられた。
振り向くと杉山さんが立っていた。

「あ、どうも。私は、、、大丈夫です。」
私はそう答えた。

「誤解していたとはいえ、ユウマ君には申し訳ないことをしてしまった、、、。」
 杉山さんは、ユウマ君を海に突き落した張本人である。
かなり声も沈んでいて、罪の意識を深く感じている様子である。 
 その感情は私も同じだった。

「あの時は、仕方なかったんです。私も誤解してたし、、、。」
 私は杉山さんをかばうように言った。


「ところで」
 杉山さんは急に声のトーンを変えて話し始めた。
「私は真犯人が誰なのか、私なりに調べてみたんだ。」    
  

「何か、わかりましたか?」
 私は杉山さんに問いかけた。

「シーーッ」
 杉山さんは大きな声を出さないように私に促(うなが)した。 
「操縦室であるモノを見つけたんだよ。」
 杉山さんは声をひそめて言った。

「あるモノって、、、何ですか?」
 私もなるべく小さな声で言った。

 
「犯人に見つかるとまずい。あとで私の船室に来てくれないか?」
 杉山さんは囁く様に言った。
「この事は誰にも言ったら駄目だよ。」

「わかりました。」
 私はすぐにそう答えた。

 今すぐに行動すると、犯人に気づかれてしまう可能性があるので
30分後に杉山さんの船室で待ち合わせをすることになった。

 杉山さんの見つけたあるモノとは、、、?

そしてついに真犯人が明らかになる時が近づいていた。


〜第27話へ続く〜

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※第27話「あるモノ」は日曜に更新です。

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