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クライシス0911 シーズン5
(前回までのクライシス0911)
聖火リレーの最中に拉致されたハリウッド女優チャン・リーを救出したユウスケ。
それなのにユウスケは、チャン・リー誘拐容疑で指名手配されてしまい、逃亡生活を送ることになったのだ。
事件の真相を追究していた俺達は、5ヶ月前のハイジャック機の墜落事故で唯一の生き残りである奇跡の少女「シャーロット」と再会する。
そして、シャーロットから恐ろしいテロ計画を知ることとなったのだ。 その計画とは、北京オリンピックスタジアムに核爆弾が仕掛けられていると言う驚愕の内容だったのだ!
オリンピックスタジアムへの潜入した俺達は核爆弾の捜索を行なった。そこに現れたのは天才テロリスト、ポールだった。
さらにユウスケは、手足を縛られて冷蔵室に監禁されてしまった。しかも、その冷蔵庫には時限装置付きの核爆弾が見つかったのだ。
核爆弾の爆発まで、あと3時間。その時、冷蔵室のドアを叩く音が聞こえたのだ。助けに来たのは、死んだはずの沢木リョウであった。
リョウとユウスケは核爆弾の存在を知らせるためにスタジアム脱出を試みる。そこに再びポールが現れる。そして衝撃の事実を告げるのだった。
それは、リョウがテロリストになったという信じがたい事実だった。
ポール達はヘリで脱出しようとする。ユウスケはそれを阻止しようとするのだが、ポールの護衛に腹部を拳銃で撃たれてしまうのだった。
大量の血が流れ、ユウスケは絶望感の中、死んでしまうのだろうか。
―――核爆発まで30分。
第11話「脱出」
北京オリンピックの開会式は入場行進を終え、いよいよ聖火の点火が行なわれようとしていた。
10万人収容のオリンピックスタジアムの熱気は最高潮に高まっていた。
その中で、核爆発の危機が迫っていることなど誰も知らないであろう。
俺は腹部を拳銃で撃たれ、薄れゆく意識の中である事を考えていた。
もしリョウが裏切り者だったとしたら、どうして冷蔵室に助けに来たのだろう。
それが疑問だったのだ。
いよいよ、意識が遠くなってきた。
これが死ぬということなのか、、、。
「ユウスケ!大丈夫?」
その時、確かにそう聞こえた。
誰かが俺を呼んでいる。
誰だ?
俺はゆっくりと目を開ける。
そこに立っていたのは、チャン・リーだった。
「チャン、、、ありがとう。」
チャンが助けに来てくれたのだ。
俺はすぐに止血してもらい、応急措置を施された。
俺は助かったのか、、、。ここで死ぬわけにはいかないんだ。
最後の最後まで俺は諦めない!
「じ、、時間が無い。ポールを追いかけてくれ、、。」
俺はチャン・リーに抱えられてヘリポートへの階段を登った。
バババババッ
ものすごいエンジン音が聞こえた。
ヘリは今にも飛び立とうとしている。
このままでは間に合わない。
何とかしてヘリを止めなくては、、。
その時、
ゴーーーッ!!
ものすごい爆発音が響いた。
核爆弾ではない。
スタジアムの歓声でもない。
爆破されているのは、目の前にあるヘリコプターだったのだ。
何が起こったのか。
俺はよく理解できなかった。
ポールが乗ったヘリが爆破され粉々になっている。
中にいる者は恐らく、全員死んでいるだろう。
おそらく、リョウも、、、。
「うまく行ったわね。」
そう言ったのは、チャン・リーだ。
「え、どういうこと?」
俺は状況を理解できなかった。
チャンはこの状況を予測していたかのように言ったのだ。
すると、燃えさかるヘリの煙の中から人影が見えた。
ゆっくりとこちらに歩いてくる。
生存者がいるようだ。
あれは、、、、誰だ、、、。
ゆっくりと歩いて来たのは、リョウだ!
チャンがリョウに駆け寄って抱擁した。
「リョウ、うまくいったのね!」
「ああ、作戦成功だ。」
リョウはそう言って笑った。
俺は混乱してまだ、理解できなかった。
ただ、わかっているのは、天才テロリスト・ポールが目の前で爆死したことだ。
「ユウスケ、騙して悪かったな。すぐに救急車を呼ぼう。」
リョウはそう言うと、俺の肩をかついだ。
「リョウ、どういうことだ。教えてくれ。」
俺はリョウに言った。
「ポールを倒すための作戦だったんだよ。」
リョウは言った。
「俺は、ポールを倒すためにテロリストに成りすまして行動していたんだよ。」
!!
「ポールを信用させるのには苦労したんだぜ。」
リョウはそう言って笑った。
「チャン・リーと協力して今回の作戦を思いついたんだ。」
そうか、、、。
俺はやっと状況を理解した。
すべて、リョウとチャン・リーが仕組んだ作戦だったのか。
ロンが裏切り者であることも、チャンは最初から知っていたのか。
「それと、シャーロットにも協力してもらったんだ。」
リョウは続けた。
「ユウスケには嘘をついて申し分けないと思っている。ポールの作戦を阻止するためにこうするしかなかったんだ。」
そうだったのか、、、。
リョウの腕に彫られていたタトゥーもポールを信用させるためにやったことなのだろう。
「そういえば、、、」
俺は肝心な事を思い出した。
「核爆弾が、、、もう爆発してしまうぞ。」
俺は時計を見た。
核爆発まで、あと2分となっていた。
〜最終話へ続く〜
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最終話「地上の楽園」は9月11日更新です。
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