「狭山事件の真犯人」(勝どき書房)

次回、第32回「夢道サロン」は2019年3月9日「橋本夢道資料室」で開催します。
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                                      ●「狭山事件 50年目の心理分析」の表紙の写真

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 ☆    「狭山事件の真犯人」(勝どき書房)」    ☆
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   2019/01/06                                  (殿岡駿星)

◆「狭山事件 50年目の心理分析」
  出版から7年、まだまだ好評です。
    「日の本國憲法私案」の著者
        南瓜大玉の意見を聴く◆

狭山事件の真相をプロファイリングして解明した「狭山事件 50年目の心理分析」(殿岡駿星著)は、2012年5月23日に勝どき書房から刊行しましたが、出版から7年を経過しても、むしろ注文が増えています。7年もすると、ほとんど売れないのが普通ですが、この本は違います。なぜなのでしょうか。「南瓜大玉の日の本國憲法私案」の著者南瓜先生の意見を聞いてみました。

  ◆南瓜大玉(かぼちゃだいおう)先生の話◆
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                         ●南瓜大玉先生の似顔絵

「狭山事件 50年目の心理分析」はワシも読んだが、狭山事件に関する本としては、かなり詳しく内容的に充実していて勉強になった。ただ、残念なのは、最近になって売れているというのが信じられない。どうしたのだろう。事件は1963年5月1日に発生、容疑者として石川一雄さんが逮捕されたのは、5月23日だ。すでに、事件から55年も経過している。

反応が遅いよ。石川一雄さんは55年も濡れ衣の辛さ、苦しさに生きている。殺人犯人とされて、55年だよ。分かるかね。人に疑われるという苦しみを。それも、殺人だ。人殺しとして55年も濡れ衣の苦しみの中にいる。

石川さんは、犯行を自供している。やっていないのに、なぜ自白したのだ、と素人はいう。しかし、日の本の司法は江戸時代から変わっていない。世界でも珍しい自白偏重の捜査を続けているのだ。今市事件の勝又拓哉被告の場合もそうだが、殺人の自白が唯一の証拠なのに有罪にされている。

欧米の民主化された國では、逮捕から1日から3日ぐらいで保釈される。それから、裁判になる。しかも、取り調べでは弁護士が立ち会う。未成年の場合は両親か家族が立ち会える。ところが、日の本では、逮捕、送検、勾留、勾留延長、再逮捕、送検、勾留、勾留延長と、長期間の勾留が続くのだ。NISSANのゴーンさん、籠池泰典・諄子夫妻の場合をみてもわかるだろう。一度逮捕したら、簡単には外に出さないのだ。

しかも、拘置所は冷暖房なし。面接に行った友人が「南瓜くん、拘置所は冷房があったよ。涼しくて快適だった」なんていっていたけど、それは一般の人がいる待合室とか、職員がいる事務所だろう。よく調べろといいたいね。容疑者を閉じ込めている独房や雑居房は冷暖房なしだよ。とにかく、長期拘留して容疑者を苦しめる。

その理由が、自白を求める検察、警察の姿勢だ。石川さんの場合もそうだ。最初の逮捕から勾留、勾留延長までは、自白しなかった。ところが、再逮捕、勾留となって、警察官から「兄の犯行」と思い込まされ、兄をかばうために自白してしまう。兄は建設業を営む一家の大黒柱だった。ところが石川さんは、失業中だった。

今、兄が逮捕されたら、一家は生活できなくなる。それで自分が殺したと自白した。「刑事さん、兄貴は逮捕しないでくれ」というと、「大丈夫だ。お前が自白したら、監獄に入っても10年で出してやる。これは男と男の約束だ」といって、石川さんをだました。

それから、石川さんは殺人を自白するのだが、本当に殺していないので、矛盾だらけの自白を続ける。「狭山事件 50年目の心理分析」は、その矛盾を追及している。犯人ではないので、取り調べの刑事に言われるとおり、自白している。

たとえば、自転車だ。石川さんは、脅迫状を持って、被害者の自転車に乗って、被害者の自宅に行った。そこで、被害者を誘拐したという脅迫状を玄関のドアに差し、殺害現場に戻っている。ここで、石川さんは被害者の自転車を、物置の前に置いて、歩いて殺害現場へ戻ったと自白した。

ところが、殺害現場は4キロも離れている。歩いたら、1時間はかかる。なぜ、自転車を被害者の家に残したのだ。その日は、土砂降りの雨だった。雨の中を、自転車で被害者の自宅へ脅迫状を届けたなら、その自転車をなぜ被害者宅に置いて、自分は歩いたのだ。おかしいと思うだろう。「狭山事件 50年目の心理分析」は、そのあたりをしっかり、心理的に分析している。

人の心を無視した捜査はあり得ない。被害者の自転車だ。それに乗って、被害者の自宅へ行くのもおかしい。もし、女子高校生の帰宅が遅いので心配していた、被害者の家族に見つかったら「お前、なぜうちの娘の自転車に乗っているのだ」と追及される心配があった。さらに、その自転車を、被害者宅に置いて、なぜ歩いて殺害現場へ行ったのだ。不思議だね。

雨の中を殺害現場まで歩くよりも、自転車の方が楽だろう。さらに、その自転車は、被害者宅の物置のひさしの下、いつも被害者が置いている場所に置いている。石川さんは、殺害した女子高校生にそれまで1度も会っていない。それなのに、女子高校生がいつも自転車を置く場所を知っていたのだろうか。その場所にきちんと、自転車を返却しないといけないという律儀な心になってしまうのだろうか。

おかしい話だ。この事件は、検察の言い分をそのまま読んだら、それはそれで納得できるかもしれない。しかし、殿岡駿星氏が書いているように、心なのだ。人には心がある。その心を無視して事件は解明できない。「狭山事件 50年目の心理分析」は、心を読む本だ。なんとしても、55年間、えん罪に苦しむ石川さんを支援してほしい。今年こそだ!
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        ●写真は2011年狭山市の現地本部で石川一雄さんと握手する殿岡駿星。        
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☆「狭山事件 50年目の心理分析」は全国書店で販売しております。勝どき書房での直売はしておりません。全国の書店で購入を。定価3200円税別 
    ◇築地・弘尚堂書店に常備しております。(0335410333)

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◆2019年初の「夢道サロン」第32回は3月9日(第2土曜日)午後2時から5時まで。勝どき書房の「橋本夢道資料室」で開催します。参加者には自由なテーマで話してもらいます。「橋本夢道・俳句」「狭山事件・えん罪」「憲法・政治」「歴史」など。その内容はブログ「夢道サロン」などで紹介します。聞くだけでもけっこうです。参加費無料。初めて参加希望の方は事前にメールをください。 
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syunsei777@yahoo.co.jp 殿岡駿星
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                                               ●「狭山事件 50年目の心理分析」の表紙の写真

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   2018/12/25                       (殿岡駿星)

 ◆石川一雄さんから新年のメッセージ
     仮出獄から25回目の正月
    「裁判官よ真実に向きあってほしい」
       「今年こそ」はこれを最後に◆

狭山事件で無実を訴え再審開始を求めて闘っている石川一雄さんが、ブログ・冤罪狭山事件に2019年・新年のメッセージを発信しました。新年まで、まだ1週間ほどありますが、石川さんを支援する意味で、転載させてもらいました。また、追伸として「日の本国憲法私案」の著者南瓜大玉の感想も載せました。

 ◆石川一雄さんの新年メッセージ

全国の狭山再審闘争にご支援下さっている皆様、明けましておめでとうございます。私は仮出獄乍ら社会に出て25回目の正月を元気で迎えることができました。ただ残念無念の思いを禁じ得ないのは、常日頃から口癖のように言っていた二十歳が四回来るまでに冤罪が晴らせなかったことです。

しかし、昨年は、科学的な鑑定等に因って、私の無実と警察の証拠捏造が明らかになり、あとは裁判官の姿勢如何にかかっているので、今後は裁判官に対し、如何に真実に向き合わせるかに私の生死が左右されるといっても過言ではありません。二度と「今年こそ」「今度こそ」と言う言葉を出さないためにも、鑑定人、証人調べを行わせるべく、全力で闘う決意を心に秘めて新年の第一歩を踏み出した次第であります。

今月、私は80歳の大台を迎えますが、今は医学の進歩等によって100歳の時代といわれており、焦りはしません。

2020年は東京オリンピックの年と騒がれておりますが、振り返れば、1964年10月に開かれた東京オリンピックの時は、死刑囚として東京拘置所で拘禁中でありました。オリンピック開催直前の9月10日、東京高裁での、第2審の第1回公判で無実を訴えたのです。

この時のオリンピックはテレビで観戦していましたが、印象に残っているのはマラソンでの“裸足のアベベ”選手でした。1960年のローマオリンピックの時、裸足で走り金メダルを取ったアベベ選手は東京オリンピックでは靴を履いていたように思いますが、颯爽と駆け抜け、驚愕したものでした。アベベ選手は家が貧しく小学校は1年くらいしか通っていないということであり、裸足で走り回っていたという生い立ちは、私を含め、私のムラの子どもたちと共通するところがありました。

私たちは、押しなべて夏になると下駄の歯が減るということで、4月頃から10月頃までは裸足で過ごした当時は、砂利道ばかりでありましたが痛さを感じるのは1か月くらいで、慣れると足の裏は靴底の様に固くなってくるので、痛みも感じられなくなってくるのです。アベベ選手も日常生活において裸足であった由から別段驚くこともなかったかもしれませんが40キロ以上の距離を裸足で駆け抜けたということにただただ驚くばかりでした。

現在の私は目の調子が悪く、書くことや、読むことに難儀している以外は元気でおります。これからも皆様方にご協力いただき、再審裁判が実現するよう只管訴え活動に取り組んで参る所存であります。

勝機は真近であり、全精力を傾注して世論に訴え、なんとしても今年中に事実調べにむけての目途をつけ、再審勝利を勝ち取るべく闘いに邁進して参りますので、なにとぞ皆様も一層のご協力を賜りますよう心からお願い申し上げて、年頭に当たり、私の決意とさせていただきます。

狭山支援者ご一同様 2019年1月1日        石川 一雄
(ブログ「冤罪 狭山事件」より全文転載 
http://www.sayama-jiken.com/
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            ●写真は石川一雄さんと殿岡駿星(2011年・狭山市の現地本部で)

◆南瓜大玉(かぼちゃだいおう)の意見

あけましておめでとう。といいたいところだが、石川さんにしてみれば、再審開始となり、晴れて無実とならなければ、本当のおめでとうにはならないのだ。それにしても、日の本國の司法制度は旧態依然として、民主化されていないね。勝どき書房が出した、殿岡駿星著の「狭山事件 50年目の心理分析」を読めば、石川さんの無実は分かるはずだ。日の本の裁判官さんたちは、事件がどのようなものか、調べたのだろうか。

昨年も石川さんの自宅から見つかったという被害者の女子高校生の万年筆が、そのインクの成分分析から「ニセモノ」という鑑定が弁護団から提出された。ほかにも、犯行当日自宅で見つかったという犯人からの脅迫状の筆跡も石川さんの字でない、という鑑定も出た。これだけでなく、毎年のように石川さんの無実を証明する鑑定が出ているにもかかわらず、判事さんたちは、再審開始の決定をしようとしない。

石川さんは無実が決まるまで断酒している。両親の墓参りもしていない。正月だからといって、浮かれてはいない。おそらく、正月のお屠蘇も飲まないだろう。そんな苦しみを無実の人に50年以上も与えていいのだろうか。我々は平気な顔をして紅白を見ていていいのだろうか。今年は紅組が勝つか、白組が勝つかなんて、のんきな気分で大晦日を迎えていいのだろうか。
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             ●写真は「南瓜大玉の日の本國憲法私案」の表紙

石川さんは、1963年に逮捕され、浦和地裁の死刑判決を受けて、東京拘置所に収監されていた。翌1964年は東京オリンピックだった。裸足のアベベがマラソンで優勝した姿を見て、石川さんも子どものころ、夏は裸足でいたのを思い出した。「下駄の歯が減るから裸足でいろ」といわれたのだ。アベベも石川さんと同じように、貧しくて小学校も途中で辞めてしまった。靴をはいていなかった。アベベの闘志を見て、励まされたに違いない。

それにしても、2度のオリンピックを濡れ衣の状態で見なければならないなんて、許されない。石川さんは、無実なのだ。この話は、ワシの「日の本国憲法私案」にも書いた。日の本の司法は、民主化されていない。逮捕したら、自白するまで警察の留置場や拘置所に収監する。NISSANのゴーンさんもそうだが、厳しい取り調べを受け「自白したら、出してやるぞ」といって迫られる。ゴーンさんの拘置が長すぎると西欧では大騒ぎだ。
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                      ●南瓜大玉の似顔絵

石川さんの場合は、自分の兄の犯行と思い込まされ、兄をかばうために自白した。刑事が「自白したら、10年で出してやる。男と男の約束だ」といって騙し、ウソの自白をしてしまった。逮捕から1か月後だった。実際に殺人をしていないので、その自白は矛盾だらけだ。事件について、詳しく調べたら、だれでもその矛盾にびっくりする。日の本の司法の民主化はいつになったら実現するのだろうか。

◎ 来る年はめでたくもあり、めでたくもなし(駿星)
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                           ●昨年6月、あおり運転で4人死傷した事故現場の写真

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   2018/12/14                       (殿岡駿星)

 ◆あおり運転で4人死傷に懲役18年の判決
   横浜地裁、危険運転致死傷罪を認める
     「雪道に転ばぬ先の免許返上(駿星)」◆

2018/12/14、「被告人を懲役18年に処する」と横浜地裁の裁判長は判決を言い渡しました。わたしは、ちょっと残念でした。求刑は懲役23年でしたので、少なくとも20年にはなるかな、と思っていました。26歳のI被告は、自分は車を停めただけで、車にぶつかっていない。ぶつかったのは、大型トラックなので、もしトラックが車間距離をしっかり保っていれば、ぶつからずに済んだ、とでもいいたいのでしょうか。

この裁判は危険運転致死傷罪を認定するかどうかが焦点でした。法律の条文では、走る車の速度が問題になるのですが、I被告の車は走っていません。走っていない車の運転手を罪にできるかどうか、司法関係者の間で議論されていました。I被告は公判で「もう車には乗りません。結婚する予定があるので、どうか許してほしい」という内容の発言をしていました。2人の子どもの前で、両親を死亡させた事故に対して、本当に反省しているのでしょうか。
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   ●写真はあおり運転の後に追突事故を再現した様子。被告の車は停まっていたので危険運
   転致死傷罪となるか、問題となった。

車を運転していると、イライラする場合があります。狭い道に駐車していたり、高速道路なのに、ノロノロ運転する人もいます。免許取り立ての人はどうしても、運転が下手です。そんなときに「アホ、ボケ」と叫んで、ケンカになります。しかし、高速道路では、相手が車ですから、走って逃げたらそれで終わりです。

ところが、I被告のように、若くて運転に自信があると、あおり運転で相手の車を停めて胸ぐらをつかんで「このやろう、下りて来い」という結果になってしまうのです。しかし、場所が高速道路となれば、周囲を走っている車はみんな時速100キロです。その状態で、車を停めるのがいかに危険か分からないのでしょうか。

わたしも、かつて10年程前に、高速道路で、追い抜かれた瞬間に速度を落とされ、追突しそうになった経験があります。右に逃げようとすると、相手も右に来て進路を塞ぎます。わたしが停まるまで、進路を塞ぎ続けるのです。その時、わたしは左の路肩に停車して、しばらくじっとしていました。ドアはロックして外に出ないようにしました。わたしが外に出ないからか、しばらくして、その車は去って行きました。もし、外に出たら「このやろう」と胸ぐらをつかまれ、同じような事件になったかもしれません。

どうして、あおられたのか分かりません。遠距離ドライブの帰りで疲れていたので、ノロノロ運転をしていたのかもしれません。しかし、だからといって、あおり運転は許されません。その後、わたしは遠距離ドライブは止めました。そして、運転免許を返上し、車とはサヨナラしました。あおり運転だけでなく、アクセルとブレーキの踏み間違いの心配もあります。人を殺してからでは、間に合いません。転ばぬ先の杖、という言葉がありますが、事故の前に免許返上ですね。

I被告の懲役18年は、軽いと思いましたが、亡くなった萩山嘉久さん=当時(45)=の母文子さん(78)は「危険運転致死傷罪を認めてくれたのでよかった」と感想を述べていました。きっと、もっと重い罰にしてほしいと思っていたのでしょう。I被告は無実を訴えていましのたで、それに比べたら、18年は納得できた年数かもしれません。

それにしても、I被告が公判でいった「一生を懸けて償いたい」という言葉は、どういう意味なのでしょう。「死ぬまで牢屋にいます」という意味ではないのでしょうか。刑が重すぎると控訴するのでしょうか。本当に反省するのなら、控訴しないで、刑務所に入ってほしいです。

◎ 雪道に転ばぬ先の免許返上(駿星)
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