|
ようやく(仮題)『多重偽装・狭山事件 再審開始へ』の原稿を3月25日にアップし、友人にチェックを頼み、関係者に送ったりしていたところ、3月27日の袴田事件の再審開始決定、死刑・拘置の停止決定。こがね味噌の専務方の火事を目撃したという友人や、支援に奔走した友人もおり、うれしい1日を過ごした。
みそ樽から発見された着衣の血痕の付着場所の矛盾、DNAの不一致、凶器とされたクリ小刀と傷の不一致、逃走経路のなど、袴田さんの無実については、すでに報道されている通りであり、真犯人像・真犯行像という点から、私の感想を述べてみたい。 狭山事件の犯人像推理と同様に、事件像・犯人像の解明にとって一番重要なのは動機である。第1に、1家4人刺殺・放火が従業員の金目当ての強盗・殺人というのは、およそ、非現実的といわざるをえない。9袋の金袋が3袋だけしか奪われていなかったこと、4人が45か所もの刺し傷を受けていたことは、怨恨など、殺人目的の事件の可能性を強く疑わせる。 第2は、9袋の金袋のうちの3袋だけしか奪われておらず、しかも裏木戸の外に2袋が遺留されていたことをどう見るか、である。複数犯なら全て奪う可能性が高く、2袋の遺留も考えにくいのではなかろうか。 第3は、密集した町屋で隣家に悲鳴や物音などを気付かれることなく、裏木戸近くの通路(専務、41歳)、仏壇の間(次女、17歳)、寝室(妻38歳と長男14歳)の別の場所で、4人が刺し殺されていたことである。外部からの強盗犯の侵入は考えられず、犯人は家人に招き入れられた可能性が高い。 第4は、裏木戸近くの通路で専務(柔道2段の巨漢)が死んでいたことをどう考えるか、である。家族を見捨てて専務だけがこの場所まで逃げ、声もたてずに殺されたとは考えにくい。専務があらかじめ犯人と約束し、深夜にこの場所に裏木戸から招き入れ、隙をつかれて刺殺された可能性が高い。 第5は、犯人が線路を挟んだ工場に入り、混合油を持ってきてかけ、3カ所で死体を4体とも焼いた理由である。犯人が傷を負い、死体の衣服に自分の血痕が付いたため、証拠隠滅の為に死体を焼いた可能性が高い。さらには、同時刻に犯行が行われと見せかけるためであった可能性もある。 第6は、裏木戸の上の留め金がかけられ、出口付近に2つの金袋を落とし、表口のシャッターは閉められていたが鍵はかかっておらず、ガラス戸も開いていたことをどう見るか、である。そのまま見れば、裏木戸から逃げた犯人と、鍵をかけて表口から逃げた犯人の複数犯と考えられるが、犯人が複数犯や社員による犯行を偽装した可能性もある。 第7は、殺人目的だとして、犯人が一家全員を殺害した理由である。専務を恨んでいたりしたのなら、専務だけを呼び出して裏口で刺せばよい。ストーカー殺人などで、家族を巻き添えにして殺した、なども考えてみる必要がある。 徳島ラジオ商殺し事件のように被害者の肉親が犯人にされたり、八海事件のように偽装工作に騙されて単独犯事件を複数犯と見なしたり、狭山事件のように被害者の肉親や石川さんの元の仕事仲間を疑うなどが往々にして見られるが、袴田事件においても、別居中の姉や別の従業員を疑った犯人説が見られ、気になっている。 ある犯人仮説を考えるなら、全ての証拠について、矛盾なく説明できるかどうか、全ての仮説を考えているかどうか、慎重な検討が必要である。でないと、別の新たな冤罪を引き起こしかねないことに危惧を覚える。 (140329 甲斐仁志) にほんブログ村 |

- >
- Yahoo!サービス
- >
- Yahoo!ブログ
- >
- 練習用


