推理・狭山事件ノート

HP「推理・狭山事件」の作成日記

日記

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 「新推理・狭山事件42 捜査本部の犯人像・犯行像」をアップしました。
 前著『狭山事件を推理する』を書いたとき、テーマごとにかなり新聞・雑誌記事の整理を行っており、さらに、新推理・狭山事件の分析においてもそれぞれ引用してきたのですが、今回、そのメモを統一し、捜査本部がどのような犯人像・犯行像を描いていたのか、全体的な分析を行いました。
 前著の時には、公判での中刑事部長・将田次席らの証言と、新聞・雑誌記事を付き合わせて検討しましたが、多大な労力がかかるため、新聞・雑誌記事からのみの分析としています。
前回検討した際に、両者に大きな矛盾がないと思いましたので、事件直後の生々しい記事の方を重視しました。
 狭山事件の捜査分析において、私は無実の人が自白させられ、冤罪を生む捜査・取調体制そのものの問題とともに、「お祭り捜査」「浮いた捜査」「踊る大捜査線」になり、無能なトップの捜査方針の誤りが捜査をゆがめてしまう硬直した警察官僚組織を問題にしなければならない、と考えています。
 狭山事件の場合は、真犯人の「車出いく」の偽装工作の罠にはまって犯人を取り逃がした中刑事部長・将田次席らが、真犯人の第2、第3の罠にもまんまとはまり、犯人は山田養豚場関係者と信じ込み、捜査本部内の他の刑事達の異論を無視し、全証拠を冷静に判断することができなかったことが、誤認逮捕を生み、兄を逮捕すると脅して「取引による自白」へ追い込み、それに合わせて万年筆と腕時計のでっち上げを行った冤罪事件である、と私は考えています。
 その背景には、脅迫状の作者を「小学生くらい」と即断した、被差別部落への差別的な偏見と、熊谷二重逮捕事件で証拠品の指輪と自白をでっち上げ、被差別部落の青年を逮捕したのと全く同じ、被差別部落民への人権無視の意識があります。
 この私の判断の主な根拠は、脅迫状と佐野屋での犯人の行動と善枝さんの死体です。この3つの証拠をどう分析するかで、この事件が「営利誘拐・強姦偽装殺人事件」なのか、それとも「営利誘拐・強姦殺人事件」なのか、判断は分かれます。
 もし、皆さんがこの事件の裁判員となったら、どのように判断され、どう評決されるでしょうか?(130730 甲斐仁志)

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 次の東京新聞記事を見つけましたので、関係する「新推理・狭山事件36 スコップと足跡と須賀地下足袋」「同37 犯人の移動経路」に加筆・修正を行いました。

この現場には真新しい地下タビの足跡と自転車の荷台のヒモが遺留され、ヒモは4日善枝さんのものと確認された」(5月5日付東京新聞)

 新聞記事の分析は、どうしても縮刷版が見られる「朝・毎・読」が中心になってしまいますが、狭山事件に関する限り、東京新聞とサンケイ新聞の記者が優秀であり、捜査本部の幹部に情報源を持ち、記者会見で中刑事部長らが公式発表する以外の情報を多く掲載しています。さらに取材力にたけているのは週刊誌の記者達ですが、朝・毎・読や地元の埼玉新聞などにも、他にない情報が見られ、当時の記者達の努力が伺われます。
 また、中刑事部長(特捜本部長)が記者との接触を禁じるにも関わらず、事件直後のあわただしい時期とは言え、情報をリークし続けた刑事がいたことも特筆すべきです。上意下達で、刑事達が自由に議論できないような組織捜査=情報管理捜査=情報操作・秘密捜査こそが冤罪を生む1つの要因であると考えますが、「浮いた捜査」「お祭り捜査」「踊る大捜査」のなかで中刑事部長・将田次席らペーパーテスト幹部の捜査方針に対して批判的であった刑事達の情報に注目したいと思います。
 昨日、紹介した「死体発見現場にはリヤカーの輪だちの跡がはっきり残っていた。このことから捜査本部では数人連れの犯行で、善枝さんの遺体を一時雑木林の中に隠したのち、荒ナワを持ってふたたび現場に戻り、夜になるのを待ってわざわざリヤカーで麦畑わきへ運んで埋めたものとみて目撃者の発見に努めている。しかし犯人がなぜ遺体を雑木林から運び出したかについては捜査本部もまだ見解を統一できない」(5月5日付東京新聞)と合わせて、修正を行いました。
 フジテレビの「世界法廷ミステリー」を見ていると、アメリカなど各国では、法廷にカメラが持ち込まれ、重要な現場写真や証拠物などが公開され、さらに陪審員がインタビューに応じています。公開が原則である裁判であれば、しごく当然なことですが、帝国主義段階の官僚支配の後進性丸出しのわが国では、検察官手持ちの全証拠が開示されないばかりか、取材や報道が厳しく制限されるなど、官僚支配の秘密主義が警察・検察・裁判所を支配しているように思います。
 裁判の公開と警察・検察の情報公開の原則が実現されないと、冤罪を減らすことは難しいように思います。(130726 甲斐仁志)
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 この間、別件で忙しくしており、しばらく休みました。
 次の東京新聞記事の全文を見つけましたので、関係する「新推理・狭山事件19 棍棒はリヤカーの『つっかえ棒』」「同20 死体はリヤカーで運ばれた」「同37 犯人の移動経路」に加筆・修正を行いました。

  「死体発見現場にはリヤカーの輪だちの跡がはっきり残っていた。このことから捜査本部では数人連れの犯行で、善枝さんの遺体を一時雑木林の中に隠したのち、荒ナワを持ってふたたび現場に戻り、夜になるのを待ってわざわざリヤカーで麦畑わきへ運んで埋めたものとみて目撃者の発見に努めている。しかし犯人がなぜ遺体を雑木林から運び出したかについては捜査本部もまだ見解を統一できない」(5月5日付東京新聞)

 5月5日付サンケイ新聞の「犯人はほかの場所で善枝さんを殺し、県道までリヤカーで運び、約50メートルはいった現場まで死体をかついで埋めたらしい」という記事と合わせて考えると、犯人は県道側(被差別部落側)から死体を犯行現場に運んだのか、それとも雑木林側から被差別部落に近づけて死体を運んだのか、当時、2つの見方が捜査本部内にあり、しかも、なぜ雑木林からわざわざ死体を麦畑に運び出したのか、「見解を統一できない」ことがわかります。

 この事件では、脅迫状の「子どもの命がほ知かたら」「友だちが車出いく」のうち、「子ども」・「友だち」・「車」・「知・出」をどうみるかで、事件の推理は分かれてきます。警察は、「子ども」と「車」「知・出」を真実と見なし、「車」に騙されて犯人を取り逃がし、「友だち」はあきらめて石川さんに自白させます。亀井トム氏は「子ども」(幼児誘拐計画)と「知・出」は偽装工作としながら「友だち」と「車」犯は真実として4人共犯説を唱え、伊吹隼人氏は「子ども」は偽装工作としながら、「友だち」と「車」「知・出」は真実として4〜5人共犯説を主張しています。殿岡駿星氏は「子ども」と「友だち」・「知・出」は偽装工作とし、「車」は真実と見ます。
 これらの、「偽装工作・真実チャンポン説」に対して、私の推理は、「子ども」・「友だち」・「車」・「知・出」の全ては犯人の偽装工作と見るもので、職人タビの足跡や山田養豚場のスコップの盗みだしと遺棄、配布元のネーム入りの手拭やタオルもまた偽装工作とみています。そして、死体を被差別部落に近づけ、すぐに発見されて捜査が被差別部落に集中するように工作した、と考えます。
 この私の見方は、山田養豚場関係者に対してあまりにも好意的な偏見ではないか、現に、部落解放同盟も公平な立場で亀井説を支持し、被差別部落出身の山田虎蔵さんを含む「3人共犯説」を主張してきたではないか、という批判が聞こえてきそうですが、皆さんはどう「脅迫状」と「死体埋没現場」を分析されるでしょうか?
 「偽装工作・真実チャンポン説」が、犯人よりは自分が賢く、犯人はバカだ、というような思いこみに支配されていなければ幸いです。「車出いく」でまんまと警察を騙し、脅迫状に「1時かんご」と書いて佐野屋で「30分たてば帰らなくちゃならないんだから帰るぞ」と言い残し、さらに86僂發凌爾気89×166僂發侶蠅魴,辰身反佑類釣僂気鳩弉萓、強い意志を、皆さんは感じられませんか?(130725 甲斐仁志)
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 『狭山事件公判調書』に欠けていた2審の最終弁論が掲載された『狭山差別裁判 第8集 上・下』を友人から借りて読んでいるうちに、松本健男弁護士が脅迫状のソネット形式について指摘している部分を見つけ、「新推理・狭山事件41 ソネット形式から見た真犯人詩人説」としてまとめました。
 亀井トム氏が主張していたようなかすかな記憶もあるのですが、『狭山事件 第1集』『狭山事件 第2集』には掲載されていませんでしたので、松本弁護士のオリジナルな提案として分析しました。
 20数年前に読んだ時には、あまりにも突飛な、飛躍した推理としか考えませんでしたが、「新推理・狭山事件2 脅迫状の詩的表現技法ー真犯人は被害者に近い詩作に慣れた人物である」を書いた現在では、「ソネット形式」は面白い着想と思い、分析を行って見ました。
 その結果、背筋が寒くなったような、興奮を覚えました。脅迫状がまぎれもなく「ソネット形式」の詩を意識して書かれているということが浮かび上がってきました。
  14行の詩
 ◆ 孱街圈檻温圈廖檗孱換圈廖宗孱街圈檻温圈廚寮阿辰森柔
  頭韻の「k−k−t−t−k」−「m−k―m―k」−「k−k−k」−「m―s」に合わせ、「金二十万円」の「金」を付け、「時間」を「時が」としている表現の工夫
 ぁ々堝漢字・仮名の「子―金―友―時―刑」―「も―子―も―子」とリズムをとった配置
 Αゝ啀い裡狭毀椶らの「ら―ろ―ら―る」と13行目からの「ら―る」
 А。街毀椶痢屬察檗廖■換毀椶痢屬ぁ−」、5行目の「死。」を合わせた「生死」の文末縦読みの言葉遊び(「おもえ」を「おもい」と言い換え、「死」を名詞止めにし、さらに「−(ダッシュ)」「。―(マルダッシュ)」「。」と句読法を変えて強調)
 これらの7つの詩的表現手法や言葉遊びが偶然に起こる確率は極めて低く、犯人には豊富な詩作経験があったことは明らかです。
 もし、1つ1つが1/2の確率で偶然に起こるとすると、全部が偶然に起こる確率は、1/2×1/2×1/2×1/2×1/2×1/2×1/2=1/128になります。一方、15の詩的・小説的表現技法が偶然に起こる確率は、(1/2)15=1/32768になり、これらの両方が偶然に起きる確率は1/128×1/32768=1/4194304、約420万分の1となり、ありえないことになります。もちろん、22のうち、lつでも確率0があれば、全体の確率は0になります。
 「犯人は詩人である」と断定したいと思います。(130716 甲斐仁志)

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 『狭山差別裁判 第3版』を友人から借りて読み直し、「新推理・狭山事件39 善枝さん像の見直しへ」を修正しました。
 記憶では『狭山差別裁判 第3版』に書いてかったものか、亀井トム氏の『狭山事件 第1集』『狭山事件 第2集』に書いてあったものか、アイマイになっていたので、整理し直しました。        
 
なお、部落解放同盟の「3人共犯説」が『狭山差別裁判 第3版』からであると思っていたのですが、読み直しても見あたりませんでした。何かで読んだことは確かなのですが、記憶がはっきりしません。
 20・30歳代ならともかく、今や記憶の衰えはいかんともしがたいものがあります。
 なお、封筒の「上田江」「上田江さく」「上田江さく」の「江」は、「少時様」が「江畑昭司」のことだと警察に思わせるための犯人の偽装工作の一環であるということを、どこかに書いたつもりでしたが思い出せなかったので、「新推理・狭山事件40 『スコップでっち上げ説』から『スコップ犯人偽装工作説』へ」に補足的に記載しておきました。(130715 甲斐仁志)
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