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日本国憲法の制定プロセス

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「日刊ゲンダイ」7日付(6日発売)の「注目の人直撃インタビュー」は、「岸元首相の『調査会』トップとやりとり マッカーサー書簡の発見で 『押し付け憲法論』は論拠を失った」と題して東大名誉教授の堀尾輝久氏が登場して、憲法制定の経緯や意義について語っている。
 
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安倍晋三首相は、現行憲法についてこれまで「(今の憲法は)極めて短期間にGHQによって作られた」と繰り返し、今年2月3日の衆院予算委員会の答弁でも「占領時代につくられ、時代にそぐわないものもある。私たちの手で変えていくべき」と述べている。
 
しかし、今年1月に国会図書館で発見された史料によれば、戦争放棄をうたった9条はマッカーサーGHQの最高司令官が主導したのではなく、幣原元首相が発案したものと裏付けられる。
 

このインタビュー記事の中で堀尾氏は次のように述べている。
「僕が見つけたのは、1958年12月に憲法調査会(56〜65年)の高柳賢三会長とマッカーサーらによって交わされた書簡です。英文で8通21ページにのぼります。憲法調査会トップとして憲法成立過程を調査していた高柳が、その経緯をマッカーサーに詳しく尋ねたものなのです。この書簡の発見で、幣原発案を否定する理由はなくなったと考えています。」
 
そして、その「核心部分」は、マッカーサーがしたためた以下のくだりにあるという。
 「第9条のいかなる規定も、国の安全を保持するのに必要なすべての措置をとることを妨げるものではありません。本条は、専ら外国への侵略を対象としたものであって、世界に対して精神的な指導力を与えようと意図したものであります。本条は、幣原男爵の先見の明と経国の才とえい知の記念塔として、永存することでありましょう」(憲法調査会による和訳)
 
書簡のこの部分では、交戦権と戦力の放棄は幣原発案であったことを示唆すると同時に、戦力放棄について幣原とマッカーサーの考え方には違いがあったこともうかがえる証言でもある。
 
また、マッカーサーが51年に米上院で「9条は幣原発案だ」と証言したが、日本では「信用できない」とする識者も少なくないというが、この点についても、突っ込んだ書簡がある。
 
「幣原首相は、新憲法起草の際に戦力と武力の保持を禁止する条文をいれるように提案しましたか」という高柳の質問に、マッカーサーは「戦争を禁止する条項を憲法に入れるようにという提案は、幣原首相が行ったのです」と答えている。
 
さらに「首相は、わたくしの職業軍人としての経緯を考えると、このような条項を憲法に入れることに対してわたくしがどんな態度をとるか不安であったので、憲法に関しておそるおそるわたくしに会見の申し込みをしたと言っておられました」と結んでいる。
 
この会見とは、9条が発意された46年1月24日のマッカーサー・幣原会談を指す。
 
堀尾氏は、9条改正をめざす安倍首相の論拠についても次のように述べる。
 
「安倍政権は9条の発意はマッカーサーによるものだという見解をベースに改憲を訴えていますが、史実は異なります。高柳は憲法調査会の活動のまとめの段階で『憲法9条──その成立経過と解釈』という論文を発表している。61年のことです。マッカーサーとの往復書簡をベースに、『9条は幣原発案と見るのが正しい』と結論付けているのですが、原文は紹介されていなかった。それが幣原が発案説の弱点だったのですが、ようやく原文が見つかった。安倍首相にはぜひとも目を通してもらいたい。」
 
さらに、「政府は押し付け憲法だから新しい憲法に作り直さなければいけないと盛んに喧伝する。歴史を知らず、戦争を知らず、そうした世論誘導の中で育った若い世代はその通りに受け止めてしまいかねない。そうした状況だからこそ、教育思想研究者として、後の世代のためにもキチンとしたものをまとめなければいけないと思い、原文を探し続けてきました」として、9条にこだわり続ける理由として次のように語っている。
 
「原点は戦争体験です。戦時教育を受け、戦争を経て、戦後改革を目の当たりにしました。父親は日中戦争が始まってすぐに戦地に赴き、僕が6歳の時に戦病死した。言ってみれば、僕は『靖国の子』。当然のように軍国少年として育ったんです。それが敗戦すると、教科書を自分の手で黒く塗りつぶさせられた。中学1年生の時でした。価値観が変わる、それも強制的に変えられる。あの衝撃は忘れられません。国家のため、天皇陛下のためと教えられてきた。それが新しい憲法で制定されると、憲法にのっとった教育基本法で個人の尊厳や人格完成という新しい理念を知ることになった。ギャップはとんでもなく大きかったんです。その問題意識は消えなかった。東大法学部で政治思想史を学んだ後、教育学の研究に移り、人間の成長や発達の問題を軸に政治や社会について考えるようになったんです。」
 
最後に、今回の往復書簡に関する論文を雑誌「世界」5月号に発表した際の反響について「正直言って期待ほどではない」としながら、「どういうわけか大手メディアは全然反応しませんね。終戦記念日の直前に東京新聞に取り上げられたことで、NHK、韓国KBS、ジャパンタイムズ、赤旗などから取材依頼があったくらいですから。今回、メディアの立ち位置についても考えさせられました」と述べて、記事を結んでいる。
 
 
 
 
「東京新聞」8月12日付では「『9条は幣原首相が提案』マッカーサー、書簡に明記 『押しつけ憲法』否定の新史料」と題して以下のように報道している。前にも紹介したが、あらためて引用したい。
 
日本国憲法の成立過程で、戦争の放棄をうたった9条は、幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)首相(当時、以下同じ)が連合国軍総司令部(GHQ)側に提案したという学説を補強する新たな史料を堀尾輝久・東大名誉教授が見つけた。史料が事実なら、一部の改憲勢力が主張する「今の憲法は戦勝国の押しつけ」との根拠は弱まる。今秋から各党による憲法論議が始まった場合、制定過程が議論される可能性がある。 (安藤美由紀、北條香子)
 
九条は、1946年1月24日に幣原首相とマッカーサーGHQ最高司令官が会談した結果生まれたとされるが、どちらが提案したかは両説がある。マッカーサーは米上院などで幣原首相の発案と証言しているが、「信用できない」とする識者もいる。
 
堀尾氏は57年に岸内閣の下で議論が始まった憲法調査会の高柳賢三会長が、憲法の成立過程を調査するため58年に渡米し、マッカーサーと書簡を交わした事実に着目。高柳は「『9条は、幣原首相の先見の明と英知とステーツマンシップ(政治家の資質)を表徴する不朽の記念塔』といったマ元帥の言葉は正しい」と論文に書き残しており、幣原の発案と結論づけたとみられている。だが、書簡に具体的に何が書かれているかは知られていなかった。
 
堀尾氏は国会図書館収蔵の憲法調査会関係資料を探索。今年1月に見つけた英文の書簡と調査会による和訳によると、高柳は58年12月10日付で、マッカーサーに宛てて「幣原首相は、新憲法起草の際に戦争と武力の保持を禁止する条文をいれるように提案しましたか。それとも貴下が憲法に入れるよう勧告されたのか」と手紙を送った。
 
マッカーサーから15日付で返信があり、「戦争を禁止する条項を憲法に入れるようにという提案は、幣原首相が行ったのです」と明記。「提案に驚きましたが、わたくしも心から賛成であると言うと、首相は、明らかに安どの表情を示され、わたくしを感動させました」と結んでいる。
 
9条1項の戦争放棄は諸外国の憲法にもみられる。しかし、2項の戦力不保持と交戦権の否認は世界に類を見ない斬新な規定として評価されてきた。堀尾氏が見つけたマッカーサーから高柳に宛てた別の手紙では「本条は(中略)世界に対して精神的な指導力を与えようと意図したもの」とあり、堀尾氏は2項も含めて幣原の発案と推測する。
 
改憲を目指す安倍晋三首相は「(今の憲法は)極めて短期間にGHQによって作られた」などと強調してきた。堀尾氏は「この書簡で、幣原発案を否定する理由はなくなった」と話す。
                  (以上 引用)
 
 
安倍政権は、歴史の事実に謙虚になるべきではないか。
 
 
 
 
◇同じく「東京」12日付「『9条提案は幣原首相』  史料発見の東大名誉教授・堀尾輝久さんに聞く」と題したインタビュー記事は以下に。
 
 
■堀尾輝久<ほりお・てるひさ> 1933年生まれ。東大名誉教授、総合人間学会長。教育学、教育思想。東大教育学部長、日本教育学会長、日本教育法学会長などを歴任した。著書に「現代教育の思想と構造」「教育を拓く」など。
 
■幣原喜重郎 <しではら・きじゅうろう> 1872〜1951年。外交官から政界に転じ、大正から昭和初期にかけ外相を4度務めた。国際協調、軍縮路線で知られる。軍部独走を受けて政界を退いたが、終戦後の45年10月から半年余り首相に就き、現憲法の制定にかかわった。
 
■高柳賢三<たかやなぎ・けんぞう> 1887〜1967年。法学者。成蹊大学初代学長。専攻は英米法。22年に東大教授となり、東京裁判で日本側弁護団のリーダー格を務めたとされる。帝国議会貴族院議員として46年、憲法審議に関わった。57年に憲法調査会長に選ばれ、憲法の再検討に当たった。
 
 

転載元転載元: TABIBITO

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良い記事が載りましたね。明治以来庶民が切望した憲法です。
今御器所の日本聖公会センターに来ました。高江森がないてるを見に。

2016/10/8(土) 午後 1:21 hitomi

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憲法改正は、自衛権だけを加筆すれば良だけです。

直すべき処は無い。

直すべきは、自民党案です。ふざけた自民党案をどさくさの内に、成立させよう何て、姑息な輩です。

2016/10/8(土) 午後 9:23 み〜くん

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> hitomiさん
これで、自民党のウソに騙される人が少なくなればいいですね。
テレビでも放送があったので、あれからアメリカに押し付けれたという声があまり使われなくなったような気もします。
せっかくの努力を水泡に帰すようなことをしてはいけません。
hitomiさん、alfmomさんの分も活動してくださっているようで、胸が打たれます。hitomiさんもお身体と相談して動かれてくださいね。
高江の森の報告記事もありがとうございます。

2016/10/9(日) 午後 9:24 mimi

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> み〜くん
自民党の憲法草案、自民の作った漫画で見たことがありますが、本当に呆れるほどひどいですね。
民主主義が大勢を占める現代において、軍国主義に戻そうとするのですから、過去の反省もなく、歴史も人権宣言も学んでないのでしょう。
ウソと隠蔽、詐欺、横領・・ありとあらゆる悪で汚染されてるような集団ですから・・こんな人たちの考える憲法が、国民のためのものではないことくらい見ないでもわかるというものです。
憲法改正は、自衛権だけを加筆すれば良いだけ・・そうですね。自民の草案なら、憲法改正ではなく、改悪になります。

2016/10/9(日) 午後 9:36 mimi


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