圧力路線裏目、孤立深める日本政府
アベ退陣させ、次期政権は平和外交に傾注を
【 アベ政権、内憂外患で窮地 】
昨夜、歌手のチョー・ヨンピルさんら韓国芸術団の一行が平壌で公演。南北の融
和ムードが進行。朝鮮半島が火薬庫状態から脱却できれば、こんな喜ばしいことは
ない。9条改憲が不要になるからだ。
内閣府が先月10日に発表した<防衛問題に関する世論調査>によれは、「日本
が戦争に巻き込まれる危険」について、「ある」と答えた人は過去最高の85%に達
している。政権とメディアによる北朝鮮脅威論の危機アジリが効いているようだ。
しかし、朝鮮半島の雪解けによって劇的転換期を迎えようとしている現在、そう
いった作為的世論操作も役立たずとなろう。
二つの内外政策が裏目に出たアベ政権は窮地に追い込まれる。その一つは、森友
疑惑で佐川喚問が裏目に出、国民の反発が倍化。「権力は腐敗する」を地で行く。
いま一つは、北朝鮮への圧力一辺倒路線の無惨な破綻によって、国際的孤立の道
に追い込まれる。しかるに、政府に随伴し「嫌韓・蔑朝」路線をとってきたメディ
アもまだ目が覚めないらしい。
今朝の週刊誌の広告から──
<金正恩「習近平との悪だくみ> (週刊ポスト 4/13日号)
<トランプが怖いよ 金正恩が習近平に漏らした「弱音」> (週刊現代 4/14日号)
【 朝日新聞社に抗議の電話 】
比較的リベラルとみなされる朝日といえども、こと北朝鮮や韓国に関する記
事は嫌悪感にみちみちている。先月末、その報道姿勢に関し、朝日新聞社に抗議
の電話を入れておいた。録音されているので、上部には通じるものと思う。
朴槿恵大統領を倒した韓国ローソク革命の報道の際、朝日のみが動員数を警察発
表に依拠し、過小に発表していた。この一連の冷笑的な報道は、ソウル支局長であ
った牧野愛博記者の署名記事であった。この記者が「嫌韓・蔑朝」的傾向にあるこ
とは、『文芸春秋』の2月及び3月号に「平成五輪欺瞞の全貌」「文在寅は金正恩の
策にまんまとはまった」などというメイン記事を提供していることからも明らか。
彼の文章の特徴は、まず「外交筋によれば」とか文末が「〜という」記述方法に
ある。「××筋」と記す匿名性を利用して、ネガティブな情報のみで記事が構成さ
れている。そして「〜という」又聞きの不確かな伝聞であることを露呈させている。
30日の「中国の要請を再三無視」というタイトルの記事は3段の短いものであ
ったが、「外交筋によれば」が4回、「〜という」が5回も頻出している。
朝日の付録『GLOBE』(4月1日)には、この牧野記者の下記のようなコメント
記事が掲載されている。
「日本政府の元当局者は正恩の気質を『自己愛性パソナリティ―障害ではない
か』(NPD)と語る。性格と生い立ちから過剰に自分を愛し、他者に同調を迫る。
経験不足や若さに劣等感があり、受け入れられない場合は残虐ともいえる攻撃的
な反応を見せるという。トランプについても、このNPDだと見る米国の心理学
者もいる。この2人がぶつかる首脳会談はどこに向かうのだろうか」(赤文字引用者)
言うに事欠いて、というしかあるまい。いくら差別用語を使ってくさしても、この
ドラスティックな激変状況を切り開いてきたのは、金正恩氏の果敢な行動にほかな
らない。若さによる卓越性が爺様政治を凌駕したのである。
【 日本はなぜ分割統治されなかったのか ? 】
本サイトでは前回、1951年のサンフランシスコ講和会議で、日本はスリランカ
が主導した賠償請求権の放棄などによって救われた旨記した。『週刊金曜日』の2
月23日号に掲載された伊藤千尋氏の「世界から憎まれている国を変えるのは脅し
じゃない」を参照し、より詳しくお伝えしておこう。
当時の日本は世界から憎まれていた。日本の軍事的復活を阻止するために、日本
列島分割統治案が取り沙汰されていた。北海度はソ連、本州東部が米国、中国地方
と九州が英国、四国は中国、東京はこの4カ国での分割。前々回に記した韓国人の
疑問──「どうして(敗戦国でもない)朝鮮が分割されて、(当の敗戦国たる)日本が
分割されなかったのでしょう?」という言葉を今一度、重く受け止めておきたい。
ベルリンの壁が崩壊してドイツの統一が成った以降、唯一残された分断国家が朝
鮮半島に存在する。なぜ何ら見通しのないまま放置されているのか。
その遠因はつくったのは、日本の植民地支配に帰せられる。日本の役割は、圧力
制裁を北朝鮮にかけるのではなく、平和に暮らせるように率先して手を貸すべきな
のは論ずるまでもない。日本がもしこの分割案で統治されていたら、米ソの代理戦
争として内戦状態になっていたことと思う。血縁間でも。
【 今こそ平和外交で恩返しを 】
さて、この1951年の講和会議では、日本の軍事的復活を阻止せんとするもう一
つの柱は戦時賠償の件であった。日本軍に痛めつけられた諸国の中でスリランカは
ジャヤワルダナ氏(当時は大蔵大臣、のちに大統領)が演説に立ちこう述べた。
「わが国が日本軍によって受けた損害は当然、賠償されるべきである。しか
し、我々はその権利を行使するつもりはない。なぜなら偉大な師 (ブッダ) の
『憎しみは憎しみでなく、愛によって消え去る』という言葉を信じるからであ
る。日本人もブッダに影響されているゆえ、日本人に機会を与えねばならない。
この条約の目的は……経済の状態に悪影響を与える賠償金を日本から取り立て
ないためのものでもある。日本人に友好の手を差し伸べよう」
このスリランカ代表の演説は大きな拍手で迎えられ、日本に対する敵対感情を
和らげたそうである。われわれはこのときの恩義を忘れることなく、北朝鮮問題
に適用するならば、「脅し」でない平和外交をどこの国よりも率先して取り組まね
ばならない。憲法制定時の非戦・非武装と国際平和主義の原点思想に立脚し、遅
ればせながら、恩返しの外交を。