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◎重い責任
日本が核燃料のサイクル計画を否定できないのは、使用済み核燃料の最終処分方法に見通しがたっていないからである。
原発にも使用済み核燃料の貯蔵プールがあり、一定の割合で常に空きスペースを造っておかないと、新しい燃料と置き換える事ができなくなる。
原発1基を1年間運転すると、約30トンの使用済み燃料が生じ、毎年何処かへ片付けておかないと継続した運転はできないのだが、最終処分場の場所も管理方法も決まっていないので、仕方がなく「再処理します」という建前をとったのである。
青森の六ヶ所に再生工場ができ、全国の原発から使用済み核燃料がどんどん運ばれたが、たちまち一杯となり、中間貯蔵施設を造って待機させなければならなくなった。
しかし、その施設の建設にもメドが立たない。
一方「再処理」の方も思うように進まず、抽出された猛毒のプルトニウムが溜まって、もう45トンを超えた。
8キロあれば原爆を1個作れるので、約5千発の原爆材料の貯蔵には世界は目を光らせている。
六ヶ所村にはIAEAの係官が常駐し、全国の原発にも年に1〜2回程度の国際核査察が入る。
実際プルトニウムばかりが溜まるのは厄介であり、元々プルトニウムを燃やす目的で造られた「もんじゅ」は1995年に起きたナトリウム漏れ事故の後にも別の事故があり、もう新しい燃料で運転を再開する事も出来ず、古い燃料を取り出して廃炉にする事も出来なくなっている。
このままいけば、50年間毎年500億円の単純維持費を必要とし、総計2兆5千億円を流出する事になる。
日本独自の技術は完全に頓挫したことで、関係者の責任はとても重い。
※青森県六ヶ所村にある日本原燃の使用済み核燃料再処理工場で建屋に雨水が流入するなどのトラブルが相次ぎ、施設の完成がまたしても延期される見通しとなった。
今回延期されれば再処理工場の完成は当初の計画よりおよそ24年遅れることになり、それにともない建設費もかさんでいて、安全対策費も含め、当初の4倍ほどのおよそ3兆円まで膨れあがっている。
※昨年、原子力関係閣僚会議で高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の廃炉を決定し、2017年から30年をかけて廃炉を実施する。
燃料のプルトニウムを消費した以上に増やす「夢の原子炉」として期待され、これまで1兆円以上を投じてきたが、1995年のナトリウム漏れをはじめ事故やトラブルが相次ぎ、運転したのは22年間で250日にとどまっていた。
※このように、汚染した国土、多量の使用済み核燃料、事故処理や廃炉に必要な莫大な資金など、負の遺産を将来の日本人に押し付けていいのでしょうか。
これでは益々少子化が進むような気がします。
画像は借りています
2011年12月5日 株式会社 文藝春秋・発行
西尾幹二・著「平和主義でない脱原発」より抜粋、要約
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若紫さんからの原発情報
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◎茶葉の生葉の放射性物質検査を行うか否かで議論が起こり、自治体によっては検査を拒否するところも出ました。静岡県は検査を受け入れましたが、神奈川県は拒否しました。 自治体が検査結果を公表しなかったり、製造業者が産地を偽造したら、もうお手上げ? 農産物や魚介類は産地を確認する事で、子どもたちに食べさせるかどうかを判断できますが、産地偽造があったり、加工食品に姿を変えたりしたら、もうなす術はありません。 食品1つ1つの放射線を測定する事は困難なので、様々な加工品になって国民の食卓に上がります。 しかし、放射線を薄めて広がるようにしても総被曝線量は変わりません。 そして、規制値が高くなればそれ以下の汚染食品が多く流通する事を避けられなくなります。 呼吸や食品などからの内部被曝は長期にわたって骨や臓器に影響があり、遺伝子損傷、発ガン、免疫力や抵抗力の低下があります。 元々ある自然からの被曝と人工的な被曝を足して考えると、長期にわたる低線量被曝は決して軽視してはならないのです。 2011年8月28日 株式会社 青志社・発行
藤田祐幸・著「もう原発にはだまされない」より抜粋・要約
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◎「原発力 ムラ」の誕生
田中角栄が逮捕されたロッキード事件から3年後の1979年、列島で運転される原発は20基の大台を超えた。
それは、田中がニクソンとのハワイ会議で購入を決めた1万トンものアメリカ産濃縮ウランと帳尻を合わせるかのようだった。
※当時の日本はアメリカから、濃縮ウランだけでなく、農産物、レアメタル、石炭、航空機などを買うように強要されていた。
また、電源三法交付金による巨額の税金が立地自治体に流れ込み、原発立地交渉を後押しした事も一因だった。
学術界の役割も見逃せない、戦後の原子力研究再開で、大学の工学部や理学部などでは専門の教育が行われ、そこから巣立った人材がちょうどその頃に電力会社の中核を担うようになっていた。
その中の何人かは3か月の渡米研修に参加し、日本へ原発を売り込もうと狙っていたゼネラル・エレクトリック社(GE)とウエスチングハウス(WH)から先端技術を学んだ。
こうして専門知識を蓄えた技術者らが原発ラッシュに沸く70年代、原発立地交渉の最前線で説明役を務めた。
「科学者の国会」と呼ばれる日本学術会議は71年に「大学関係原子力研究将来計画」をまとめて政府に勧告し、大学での原子力関連の講座拡充や研究炉建設などに164億円の予算を求めた時は、それまで「原子力の平和利用は核兵器の製造につながる」などと反発してきた学術会議の面影は全くなかった。
こうして国、産業界、学術界の三位一体で、今に続く原発推進の「原子力 ムラ」が誕生したが、そんな風潮に失望し、学術界から飛び出した市民科学者が誕生するのもこの頃だった。
戦時中の原爆製造計画「ニ号研究」にも携わった元立教大教授・武谷三男や東大原子核研究所研究員・高木仁三郎らが、75年に原子力資料情報室を設立し、これまで立地自治体にとどまっていた反原発運動を科学的根拠を示しながら支援し、全国的な市民活動へ広げた。
原子力資料情報室HP
田中政権時に完成した「原子力 ムラ」だが、それをもっとも望んでいたはずのアメリカが、その推進体制を足元から揺さぶられる事になったのは、スリーマイル島原発事故と核不拡散政策を掲げたカーター大統領の登場だった。
※核不拡散政策・・核不拡散とは本質的にいうと核の管理のことであり、それを5核大国(アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国)の監視とコントロール、思惑の中で実現しようというものであり、不平等極まりないものである。
核の拡散なしにこの不平等をなくすには、核廃絶しかない。
画像は借りています
中日新聞社会部・著「日米同盟と原発」(隠された核の戦後史)より抜粋、要約
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◎原発は「海温め装置」
原子力発電というと、高度な科学技術を用いた難しい発電方法のようなイメージがあるかもしれませんが、基本的には水の入ったやかんを火にかけ沸騰させ、出てきた蒸気を羽根車に当てて回すのと同じ原理です。
現在の標準的な原発の発電量は100万キロワットですが、それは電気になった部分だけの話で、本当は全部で300万キロワットもの熱が生み出されています。
僅か3分の1だけを電気に変えて残りは、1秒間に70トン引き込んだ海水に熱を吸収させて海に戻しています。
海に戻された海水は温度が7℃上がり、その近辺に棲んでいる魚介類に被害を与えています。
北海道の泊原発から5km離れた岩内町に住む斎藤武一さんは岩内港の水温を30年間休まずに計ってきましたが、原発の運転が始まってから水温は0,3℃上がっているそうです。
水温が0,1℃上がれば、魚は生息域を変え、温かい海が好きなクラゲを大発生させるといいます。
また、瀬戸内海に浮かぶ小島・山口県祝島では、島の対岸に原発建設の話が持ち上がった時、愛媛県の伊方原発の近くの漁民の話を聞き、原発建設阻止の運動を始めました。
日本は世界でも有数の雨量の多い国ですが、1年間で約6500億トンの雨が降り、その内の一部は蒸発し、一部は地下水となり、残り約4000億トンが川となって流れます。
そこで、日本にある54基の原発から流れ出る7℃高い海水がどれくらいあるかと言うと、約1000億トンあり、これで環境に何の影響もないと言う方が、むしろおかしいと思いませんか。
現に日本近海は異常な水温上昇があります。 火力発電所も二酸化炭素を出しますが、そもそも二酸化炭素は地球の生命系を維持する為には必要な物です。
原発が放射能を排出する事については何も言わないで、二酸化炭素の害だけを言うのは変な話です。
本当に環境にやさしいのはどちらなのか、答えは明快です。
※最近の台風は日本近海まで来ても勢いが衰えませんね。
お馴染の魚も、めっきり漁獲量が減った種もありますが、原因は乱獲だけでしょうか。
2012年3月11日 株式会社 扶桑社・発行
小出裕章・著「図解 原発のウソ」より抜粋、要約
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◎士気が下がり始めた
福島原発で起きた複合的なメルトダウンは人類にとって初めての体験である。
言葉はいささか過激になるが、ある種の「戦争」と思うが、「敵」はまだ生きている。
まだやり込めていないのだから、油断すると再び暴れ出す可能性がある。
我々は破壊された原子炉の中で、今起きている事態をコントロールできてはいない。
戦争でいえば、福島第一原発はまさに前線基地、ここで最も大切なのは士気であり、モチベーションだ。
事故で撒き散らされた放射性物質の半減期は様々であるが、プルトニウムは何と2万4千年、処理するにしても気の遠くなるような年月に放り出したくなるのは人情として分からなくもない。
しかし、そこから逃げ出したいという弱気が顔を出したら勝てる戦いも負けてしまうが、最近気がかりなのは福島県人しかり、政府やマスコミも士気を失いつつあるような気がするのである。
過去の戦争で原爆を落とされた広島や長崎の人達がどれだけ辛い思いをしてきたか、国民の間にどれだけ暗い影を落として来たか、被曝という負の遺産はいまだに消えていない。
世代を超え、歳月を超えてもなお苦しみが続くところに放射能のもたらす恐ろしさがある。
福島で今も暮らす人達や、全国へ避難している人達にしてみれば、自暴自棄になりそうになってもなんとか頑張ろうとしている。
だから「国民の皆さんも応援して欲しい」と言いたい。
国も行く末を決める一大事と腹を決め、覚悟を決め、もっと前面に出て最善の手を打つべきである。
※世界には建設中の物を含め550基の原発があり、どれもいずれは必ず廃炉となる事から、その為の技術を開発し、確立すればある意味、造るより難しいと言われる廃炉の高度な技術の需要は絶好のビジネスチャンスをもたらし、若い人には遣り甲斐のある仕事になるはずだ。
画像は借りています
※四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町、定期検査中)の運転差し止めを広島市の住民らが求めた仮処分申請の即時抗告審で、広島高裁(野々上友之裁判長)は13日午後、運転差し止めを命じる決定を出した。
2014年3月20日 株式会社光文社・発行
名嘉幸照・著「福島原発 ある技術者の証言」より抜粋、要約
※この著者は「フクシマの嘘」というドイツ公共放送(動画)に出演された、元GE技術者の名嘉さんです。
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