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住めば都 あんたたち こんなところで寝ていたの? あたし びっくり おどろいた 道行く人たちは誰も気づこうしない 駅の中に流れて行く人たちと 駅から繁華街に 繰り出す人たちが 目まぐるしく無造作にすれ違う ここは横浜駅西口の交差点 路上ライブの歌声に後ろ髪をひかれ 買い物帰りのあたしは 辺りを染める夜の気配に背を押されてる 突然すごい音にぶつかり つんのめりそうに立ち止まった どうも密に茂った街路樹の中から凄い音が・・・ ジイージイー ジャージャー ガチャガチャ グチュグチュ チッチッ ピイッピイッ 半端じゃない 大合唱 ま、まさか あんたたち こんなところで な、何をしてるん 耳を澄ませば聞きなれたあの子達の鳴き声 しとねで眠る前のおしゃべりのひと時らしい 100羽はいそう そうこの雑踏の中の街路樹は すずめたちのお宿だったんです あたし びっくり おどろいた
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無題
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素晴らしき若者 夏は焼き付ける 炎天下で 冬は震え上がる 吹きっさらしで 仕事は 男の誇りだからと 休まず文句も言わず よく働く 11階の足場の上で 建材を運んでいる時だった 突然 足場が揺れ始めた 地震だぞ 早く中に避難しろ!!! ただならぬ揺れに 建物の中に 逃げ込もうとした若者は 困った 両手には 重たい建材が・・・ どこにも摑まることもできず サーカスの綱渡りのように 大きく揺れる 足場の上で 踏ん張り バランスをとりながら 若者は 考えた この荷物を放したら 即、逃げられるけど 落下物で 下にいる人が犠牲になる・・・ 両手の建材を より強く抱え 若者は 預けたのだった 心を天に! 命を神に! 生まれて初めての 恐怖の瞬間 命のもろさと 生命の神秘が まっさらな魂を 駆け抜けた 事なきを得て いつものように 家族が待つ家に 『 た だ い ま 』 若者の胸のポケットには 黄色い地に 天使が微笑む 臓器提供意思表示カードが そっと仕舞われておりました ★”友人の息子さんがほんとうに体験した話に とても感動して「詩」をしたためました。 地震を体験したあと家に帰る途中のコンビニで、ドナーカードを手にしたそうです。 母親である友人はショックで、声をつまらせておりましたが 私は彼の魂を 褒めたたえたかった。素晴らしいと抱きしめたかった。 地震の恐怖の後、人様の命を救うために、自分がもしもの時の臓器提供を申し出たのだ。 私は彼の幸せを心から願ったのでした! なんと素晴らしき若者よ!!!
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覚悟 大暴れした春一番 根こそぎ持って行かれそうだった 家も私も何もかも 南風の儀式が街をうねる 去り行く冬に礼を言い 待ちこがれた春を呼ぶために 持ってっていいよ何もかも 春一番に連れて行かれるなら それも悪くはない 今度は野のすみれになって あなたに逢いに行きます
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不夜城 眠らない 眠れない 闇を這う情念 迷路にほくそ笑む罠 イルミネーションを灯明に 必死にさぐる夜の街 クワアークワアーと 突如ぐずりはじめた鳴きカラス そうかおまえたちも 山を追われ夜を忘れたか 草木も眠れない丑三つ時 母さん 私は誰ですか おまえは私の大切な空 母さん 僕は誰ですか おまえは私の大切な海 吹き溜まりで震える心 眠らない 眠れない 母さん あなたは誰ですか? 私は 朝の光 明けぬ夜など明けぬ夜など
ありはせぬ |
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みなとみらい 幸せそうにじゃれ合いキスをする恋人たち ジョキングをする男と昼休みのサラリーマンと 目を輝かせた観光客が当たり前にすれ違う 左手には上空を突き刺し尚、そびえ立つランドマークタワー 右手にはその帆を棚引かせ いつかきっと勇ましい船出をと夢見る日本丸 右斜め前方のコスモワールドの観覧車が ゆっくりゆっくり大空を回りながら時をきざむ 広場からは大道芸を観る人たちの拍手と歓声 私は一人なぜか夢の中 この風景たちが異次元なのか 車の中から眺めてる私が異次元なのか ここは秘密の空間 不思議な錯覚に遊ばれながら 私は私を忘れ風景に吸い込まれてゆく
未来たちの話し声を聞くために |



