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『天よ! 何をする』
戸嶋秀夫を召した天よ、今度は井沢義明を連れて行くのか。井沢を召すのなら俺が代わる。もうなんてことをしてくれるんだ。 先ほど谷藤尚之さんから連絡をもらいました。まだ詳細は分かりませんがあの名フランカーが亡くなりました。 ... 「俺だけ怒るんだよな。怖かったな」 ニュージーランドのウエリントンへ向かうバスの中で井沢義明は、大西鐵之祐さんの背中を見つめながらつぶやきました。 「最も怖かった思い出は?」 「……ジャージーを試合前夜に大西監督から渡されます。灯を落とした部屋に呼ばれ死ぬ気がなければジャージー返せ、と言われたのです。怖かった。震え上がった」 それはどの試合でのことですかと聞くのも忘れて呆然としていました。 あのオールブラックスJrを破った試合の前夜だろうか。六対三で負けたイングランド戦でのことだろうか、ある早明戦でのことだろうか、とあまりのすごさに聞き忘れてしまったのです。 いずれ聞こうと思って年月が経ってしまいました。今、強烈に後悔しています。なぜ、聞かなかったのだろうかって。そして思い直しています。きっと井沢さんは残しておいてくれたんだと。 井沢さん、今度、そちらに伺った時、じっくりお話聞かせてください。長くは待たせません。 突進する井沢
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