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『バーベキュー大会』
「何やってる。しっかりボールを取れ」
とラグビーの練習で怒鳴ったことがありました。ラグビーでボールを前に落とすことをノックオンといいます。これは味方にとってガッカリする失策です。敵ボールになってしまうからです。 ある少年にそれが頻繁におきました。ついにたまりかねた私は少年の拳をつかみました。少年は堅く握って指を開きません。「明けろ」と無理やり開かせました。アッ、そこに見たのはひび割れ、血の付着した手のひらでした。皮膚が引きつってまっすぐ指が開けないのです。 「お前」 私は思わず少年の手を握りました。肌がかさかさです。これではボールがすべっただろう。それだけではなくボールを受けるのが痛かったろう。取れないのは当たり前だ。そんな子になんと心ない言葉を吐いたのかと自分を殴りつけたかったです。 「すまんかった」 「ううん」 この子の手はアトピー性皮膚炎だったのです。原因は食生活にあると見た私は、
「さあ、バーベキュー大会をやるぞ」と子供達に声をかけました。 「おにぎりも作る。家から、お米をワンカップ持ってきてくれ」 とやりました。それには主将ヒデの母親から待ったがかかりました。 「馬場さん。持ち寄りの米では美味しいおにぎりは作れません。私が買ってきます」と申し出てくれたのです。さあ、それからです。男親達は炭の買い出しからドラム缶の横割り(バーベキューの炭釜造り)とみんな総出でバーベキュー大会の準備をしてくれました。主将宅の座敷にはおにぎりが数百個並びました。 花火大会、肝試しと楽しい夜が更けていきました。 「みんな親の助けがなければできなかった。特にお前の母ちゃんの助けがなくてはな」
2月20日、私はその当時の主将ヒデにいいました。すると、 「やっと突然のバーベキュー大会の意味が分かりました」 とうなずきました。ヒデこと酒井秀和はレストラン「ひゃくいちや」のシェフになっていました。 2015年2月18日は私の朝日新聞訴訟の訴状提出日、
「母ちゃんの命日だから、その日、母ちゃんはカントクと一緒に行ってると思う」 とヒデは連絡を寄越しました。私は泣きました。 この話を原告団にしますとみんな粛然となりました。俺一人の戦いじゃないんだ。多くの仲間と一緒に戦うんだとそう決意しました。みなさん応援よろしくね。
「ひゃくいちや」のシェフ酒井秀和です。ごひいきに。
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本当に皆さんの思いが詰まった戦いなんですね。
朝日をスクラムで押しきって、トライを取ってください。応援しています。
2015/3/2(月) 午後 11:20
> gue**ra_zap*taさん
横に揺さぶって穴を見つけて突撃します。(笑)
2015/3/3(火) 午前 7:09 [ 馬場信浩 ]
レストラン「ひゃくいちや」は、以前fbでお話されていましたね。
ヒデさんのお名前も覚えております。
今、ここでやっとお顔を拝見出来ました。
ひび割れた手は、別にしまして、馬場様の思いやりあるアイデアに微笑ましくなります。
そして、そこに皆様の協力されるお姿にも感動いたします。
ホットなハートをお持ちの馬場様、決して一人ではありませんよ。
世界中の日本人が、これからの日本の姿に注目しているはずです。
こんな私もその中の一人です・・・・・・
頑張ってくださいね。
2015/3/3(火) 午前 8:24 [ Coco Murasaki ]
> Coco Murasakiさん
ありがとうございます。お力をお貸しくださいね。
2015/3/3(火) 午前 9:38 [ 馬場信浩 ]