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『作家は貧乏ですよ』
柳美里さんが困窮生活をされている告白記事を読んで身につまされました。そして納得しました。仕事がなくなったんですね。
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私も仕事がなくなるのは恐怖でした。年金が日本ではもらえなかったのです。納めなければならないときに稼げなくてみんな子供のミルク代に消えていたんです。アメリカには10年間、税金を納めれば最低限の年金を支給してくれるシステムがあります。ホッとしています。 ある出版社の倒産にぶつかった時のことです。初版120万円くらいの印税が入ると皮算用をしていたのです。がブツリと切れてしまいました。できあがった本だけが残ったのです。どの面下げてアメリカへ帰れるのか。もう途方にくれました。
なんとか借金をせずに乗り切った頃、出版社の債務を整理していた弁護士さんからアメリカに電話がかかりました。 「取り分は三万七千円ですが、ご了承願います」 と緊張した声でつげられました。倒産出版社はS社です。代表者はK氏です。説明は続きました。聞いていませんでした。その時、ひらめいたのはこの電話はK氏も聞いているはずだということです。電話に出せとのど元まで出かかりました。 「先生、K氏に伝えてください。三万七千円は再起の準備に使ってくださいって。馬場信浩はK氏に良い思い出をたくさんもらってます。再起されるときは僕の原稿を差し出すから頑張るように言ってくれませんか」
弁護士先生が絶句しています。居る、K氏は傍に居る。一緒に遊んだ思い出がよみがえります。 「またゴルフをやろうって。アメリカに遊びに来て、と伝えてください」 「…わかりました。…きっと伝えます。わかりました」 どうやってその年の瀬を過ごしたのか憶えておりません。しかし、辛かったけれど人を責めなくて良かったと今、思ってます。 |
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2015年06月11日
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