|
『北朝鮮の最高機密』と、『北朝鮮脱出・地獄の政治犯収容所』(姜哲煥(カンチョルファン)・安赫(アンヒョク)共著、文春文庫、1997年)の一章を読みました。
姜哲煥は在日で朝鮮に帰った人のお孫さんです。お祖母さんは元日本共産党および朝鮮総連の人、お祖父さんは京都の朝鮮総連の方で、朝鮮総連の「北朝鮮は地上の楽園」という宣伝を信じ、まわりの反対を押し切って、家族を連れて北朝鮮に帰朝したのだそうです。
彼らは裕福な帰朝者として平壌で暮らしていましたが、ある日突然、祖父が悪いことをしたからという理由で、全財産を没収され、政治犯収容所に送られます。そのとき著者の姜哲煥は小学校四年生くらいでした。祖父の罪状は家族には全く知らされません。
収容所の生活についての記述は、凄いものです。
著者は、収容所内の学校に行きますが、ほとんど毎日重労働と体罰です。
そこでの生活があまりにも厳しく悲惨で、お祖母さんは自分が主導して北朝鮮に帰ったために家族みんながこんな目にあったんだと、最初から最後まで悔やんでいます。母親は収容時に引き離されたまま、とうとう会うことができず、ある日、すでに強制離婚されていたことが分かります。その理由もまったく分かりません。
監督官の厳しさ、体罰や処刑の残酷さはそれこそ地獄の鬼のようで、とても正気の人間とは思えません。一読、あまりのムゴさにめまいがするほどです。ほんとにこんなことしてるのか!?
学校の先生の中には優しいいい人も居るんですが、収容者に温情的な態度をとったからという理由で、咎められ、これも収容所送りになってしまいます。うわあああ。
私はもうイヤになって、とちゅうで焼酎飲んでしまいました。
よくもこんなところで生きていられるもんです。前に金賢姫の『今、女として』を読んだ時、彼女が韓国で、スティーブ・マックイーンの刑務所映画『パピヨン』を観て感動するところがあったのですが、ほんと、あの映画くらいのヒドさです。私はしょせん部外者ですが、でも、これってあんまりじゃないの!?
一章の最後で著者の一家は収容所から開放されるのですが、私だったらもう死んでるかも。現に、収容所送りになったら日本人妻が真っ先に死ぬそうです。『北朝鮮の最高機密』の著者も一度収容所送りになったことがあって、その記述もあるのですが、北朝鮮の政治犯収容所はほんとにヒドい。しかも、元ワールドカップサッカーの代表選手とか、政府高官とか、そういう人まで入れられてるんです。ひえええ。
いったい何が悲しゅうて…事実だけに、ホラー映画より怖いです。この本、心臓の弱い方にはお勧めしません。
|