居 ミカの田中模索

なかなかお返事書けなくてごめんなさい。ちょっとずつお伺いいたします。

読書録

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『食料テロリズムー多国籍企業はいかにして第三世界を飢えさせているか』
 ヴァンダナ・シヴァ 著(明石書店)


 結婚してから始めた農業だが、なんだか、性にあってたみたい。
 最近は、教えてもらいながら、無農薬米を作っています。
 今日は台風ですが、宮崎は台風銀座で慣れてるので、わりと平気。
 風も雨も、もうおさまって…あ、日が照ってきたよ。

 ブログ更新も、久しぶりだあ!みんな元気にしてるかな?

 というわけでヴァンダナ・シヴァ。あんまり聞いたことないですよね。
 インドの社会活動家で、環境問題や農業についても多数の著作があります。

本書ではアメリカの多国籍企業が、自由貿易を進めることによって全世界の食糧と農業を支配しようとしていると警告しており、内容は盛り沢山だが、かいつまんで例をあげてみる。

 ●農作物は、昔から農民が長い時間をかけて交配、改良してできたものだ。
しかし自由貿易協定を結ぶと、外国から参入してきた多国籍企業は、そのような農作物の種を国際機関に特許申請することによって独占する。種を保存しておいたり、他の農民に分けることは特許の侵害であり、違法だとして、今までその種で自由に農作物を作っていた農民相手に訴訟を起こすのだ。

 たとえば、ウチじゃとうきびの種を取っといて、自分ち用に毎年畑に植えて作っています。だけど多国籍企業Aがやってきて、ある日突然その種を特許取る所に申請します。するとウチのとうきびの種は企業Aの所有物なので、ウチがそんなこと全然考えずに今年も畑に植えちゃうと、ヘタすりゃ訴えられるわけです。ウソのような話だが、アメリカ国内でも現にそのような事態が起きているそうで、はっきり言って、これは泥棒です。

 ●また企業は農民に国内向け食糧より輸出用の換金作物を作ることを勧めるが、企業が農民に売る作物の種は多くの農薬を必要とするもので、企業から種と農薬の両方を買わねばならない。加えて同様な輸出用作物を作る他の国が競争するようになり、価格が暴落してしまうから、そのような輸出用作物は儲かるどころかむしろ損失を大きくする。

 「今年から自由化になったから、これ植えなさいよ、これは輸出用にすごく人気のある作物なんですよ。きっと売れますよ」なーんて言われてその気になって、勧められるままにみんなが同じ作物を作ると、結果的にはだぶついて品安になり、収入が減る。しかしその種に必要な農薬肥料の費用は確実に払わなければならない…インドあたりじゃ、これで首くくった農家がたくさんあるそうです。

 ●経済面では、輸出を優先しようとすれば通貨が安いほうが、例えば一ドルが八十円より百円の方が輸出に強い。しかしその目的で通貨を切り下げると、輸出で得る外貨収入は実質的に減り、逆に輸入による支出は増大する。外貨は不足してゆき、食糧を輸入することが困難になる。そのとき食糧が輸入依存になっていると、最悪の場合、インドネシアやロシアのように自給自足から飢餓へ急速に転落してゆく。

 今は、円高で輸出がふるわないってみんな言ってます。でも円高だからこそ輸入農作物は安く買えるわけで、これが円安になったら買えなくなるかもしれない、そしたら今の食料自給率じゃ、食べ物が足りなくなること請け合いです。「国内の農業なんかなくなっても、外国から輸入すればいい」なんていう人がいますが、そんなこと言ってると本当に食物がなくなって飢え死にするぞ。

 もっとヒドイ話がたくさんのってる。多国籍企業は金が儲かりさえすりゃ他人のことなんてどうでもいいのね!と思わず納得してしまうこと疑いなしの、強烈な一冊である。


 …余談だが、自衛隊って、専守防衛ですよね。日本は島国だから、制海権と制空権を他国に取られたらもうなすすべがない。自衛隊ってそれでも籠城くらいはできるってことなの?しかしそのとき国内に食料がなかったらただ自滅するだけなんじゃないの?イザとなったらアメリカ様が助けてくれるなんて私は信じないぞ。みんな、TPPには騙されるなよ。

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これは、私の二度目の初恋の人が、好きだと言っていた本です。

私は実は、根っからの不良なので、人には言えないようなこともたくさんしています。
だから、正しく清らかなヒトには、なんとなく、コンプレックスがあるのです。
それでも私がそんなにグレたりしなかったのは、本を読んだから。
「正しく清らかなヒト」だって実はそんなに楽じゃない、ということも本は教えてくれたんです。
『赤頭巾ちゃん気をつけて』(庄司 薫、昭和48年)は、そんな本でした。

主人公の薫くんは、賢くて育ちの良い東大受験生です。
だけど、時代は学生運動があった頃。東大が受験をしなかった年に、彼は浪人してしまった。
で、青春の悩みや世の中のこともとりまぜ、あれこれ考えることがあります。
頑張ろうと思ったり、何もかもイヤになっちゃったり、山あり谷あり。
ま、物語の内容はともかく、お気に入りの部分だけ抜粋します。

でもそのうちぼくにははっきりと分ってきた。ぼくは突然にぼくの考えていることが分った。
ぼくは溢れるような思いで自分に言い聞かせていたのだ。
ぼくは海のような男になろう、あの大きな大きなそしてやさしい海のような男に。
ぼくは森のような男になろう、たくましくて静かな大きな木のいっぱいはえた森のような男に。
そのなかでは美しい金色の木もれ陽が静かにきらめいていて、
みんながやさしい気持になってお花を摘んだり動物とふざけたり
お弁当をひろげたり笑ったり歌ったりできるような、
そんな伸びやかで力強い素直な森のような男になろう。
ぼくには、このいまぼくから生まれたばかりの決心が、
みんなに言ったらきっと笑われるような子供みたいなものであっても、
それがこのぼくのもの、誰でもないこのぼく自身の胸の中から生まれたものである限り、
それがぼくのこれからの人生で、
このぼくがぶつかるさまざまな戦い、さまざまな苦しい戦いのさ中に、
必ずスレスレのところでぼくを助けぼくを支えぼくを頑張らせる大事なものになるだろうということが、
はっきりとはっきりと分ったように思えたのだ。

たまにこういうの読むと、グレなくて済みます。ほんと。

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『陰謀の世界史』の続きです。

「洗脳」の起源の多くは、CIAと結びついている。
CIAの秘密工作のためのマインド・コントロールの利用は、「MKウルトラ作戦」と呼ばれた。
MKはマインド・コントロール、ウルトラは最高機密のことである。
それは、人の内面や行動をコントロールする方法を見つけ出そうという目的で、
CIAが1951年から1972年の半ばにかけて行った最高機密の工作である。

これには、分っているだけで149のプロジェクトがあり、
LSDなどの薬物をはじめ、さまざまな小道具や仕掛けが開発されていた。
この研究には2500万ドルがつぎ込まれ、アメリカ、カナダなどの医療研究施設や国立病院のいくつか、
大学や研究機関などが、目的を知らされずに資金を供給されていたという。

この中に、スペイン人ホセ・デルカド博士が68年に発表した研究がある。
「スチモシーバー」という小さな機械を脳の中に埋め込んで、
遠隔操作で人間や動物の情動をコントロールできる、という装置。
65年の『ニューヨーク・タイムズ』の一面に、闘牛士の格好をしたデルカド博士が、
闘牛用の雄牛が襲いかかろうとした瞬間、牛の脳に電気刺激を与えて鎮めたシーンが載っている。
彼はこの後、イェール大学で人体実験を行って、この装置を開発したらしい。
博士は、実際に、てんかん症状のある女性患者の脳にスチモシーバーを埋め込んで、
別の部屋からの遠隔操作で、彼女をおとなしくさせたり、激怒させたりすることができた。

ここで話は手塚治虫の『ブラック・ジャック』に飛ぶのだが、
この先の出展は『封印作品の謎』(安藤健二著、太田出版、2004年)による。

手塚作品には、実はいくつかの封印作品がある。
その中の1つが、この「スチモシーバー」を扱った『ブラック・ジャック』58話『快楽の座』。
ストーリーは、内気でひきこもり気味の少年にこの装置を移植したところ、
少年は、笑いながら人を殺す人間になってしまう…という、かなり怖い話。
手塚の趣旨としては「人間の思考は科学で制御するようなものではない」というもの。

BJには他にも封印作品があって、あとのものは、脳手術やロボトミーを扱った作品。
これらの場合、どこから抗議を受けて、なぜ封印されたのか、はっきりしている。
そして、改作や言葉の変更を経て、公開されている。
しかし『快楽の座』には、はっきりした封印理由が、わかっていない。
また、BJの中でこの作品だけは唯一、単行本やその他のメディアにも一度も集録されたことがない。

「MKウルトラ」を暴露したのは、アメリカ国務省の元職員、J・D・マークス。
1977年に告発されて、アメリカでは議会の公聴会が開かれた。
一方『快楽の座』の初出は、75年1月20日号の『少年チャンピオン』で、二年早い。
手塚は、なにやらあやしいものの気配を、すでに感じていたのであろうか。

陰謀の世界史

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『陰謀の世界史』海野 弘著、文春文庫、2006年

海野 弘さんといえば、私は、アート方面の人だという印象が強かった。
「陰謀」なんて話、非常に彼らしくナイのである。だもんで、かえって手にとってしまった。

世の中には「陰謀史観」というものがあるらしい。
「何々の陰謀」的な本は、キワモノから世界的スクープまでさまざまあるのだが、
この本では、歴史や政治には定説ばかりでなくウラ説もある、という話がいろいろ出てきて面白い。
「真珠湾攻撃はルーズベルトの陰謀だった」なんて、楽しそうでしょ?

この本は、陰謀史観論者の中では常識化している、数々の陰謀を扱っている。
古典的なところでは「フリーメイソン」とか「ロスチャイルド」。
イギリスのMI6、イスラエルのモサドや、CIAとKGBのスパイ戦。
しかし、このなかで、なんたって面白いのは、アメリカの謀略であろう。例えば…

連邦準備金制度の秘密


連邦準備金制度(FRS)とは、アメリカの日本銀行に当るもの。
起源は1910年。百万長者のグループが所有する島に、金融界の人々を招き、秘密裏に結成された。
発券銀行として、国家の通貨と信用を管理するが、完全に国有ではない。
首脳部は大統領により任命されるが、実際の業務を行うのは、民間銀行から選ばれた評議員である。

評議員は、全国を十二の地区に分けて、その中から1人ずつ代表を出すことになっている。
しかし、実際には、資金はウォール街のあるニューヨークに集中してしまっている。
そのニューヨーク連邦準備銀行の大株主は、ロックフェラー、モーガンという大富豪であり、
その背後には、ロンドンのロスチャイルドが居て、彼らを牛耳っているのである。

そんなわけで、連邦銀行は、実は二十ほどの家族の所有物となっている。
しかも彼らは、ドルを発券しているのだ。ここがすごいところである。

例えば、政府が資金を必要として、国債などの政府証券を発行する。
それを、連邦銀行が買い取る。つまり、その分は、政府の借金になる。
しかし買い取るといっても、お金で、ではない。小切手で、払うのだ。
その小切手は商業銀行に回り、政府は換金して、資金を得る。
商業銀行はそれを換金せず、そのまま、連邦銀行に準備金として預金する。
だから、連邦銀行には、自分で作った小切手分だけ、預金として残ることになる。

要するに、国も、商業銀行も、結局のところお金を連邦銀行に流しているのであり、
商業銀行が資金を引き出したい時には、紙幣を印刷すればいいだけのことなのだ。
また、国の借金には利子がついているから、国は、これを税金から支払わなければならない。
これがアメリカの財政赤字の元だ、というのである。

このほか、ヒトラーに金を出していたスイス銀行の話など、おもしろいですぞ〜。
つづく予定。

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