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 まだ私が20歳台だったときの話です。

 今ほど無駄のない指導ができるほどには教師とゆうものに精通していなくて、自分の能力のないところは体力と熱意でカバーしていました。
 当時の私の塾には他の塾では成績が伸びずにあきらめていた子や、塾には絶対行きたくないと親に言っていた子、クラブで帰宅するのが7時を過ぎる子など、普通の塾ではなかなか入塾さえ認めてもらえない子ばかりでした。
 もちろん今と同じで個別指導を行っていたので、毎日授業中は腰を下ろす暇さえなかったほどでした。
(今もそんなに変わってはいませんが:苦笑)
 しかし一生懸命に教えれば教えるほど生徒もやる気になってくれるのは今と同じで、終電の時間を過ぎても毎日2・3人は残って勉強していたのを覚えています。

 そんな生徒の一人に、Tさんがいました。
 Tさんは住吉合唱団とゆうコーラスクラブにはいっていて、その歌声で北朝鮮に文化交流大使として行っていたほど美しい声をしていたのです。
 しかし行ったが最後なかなか帰れないのは今と変わりなく、1週間の予定が1ヵ月後になってしまったのです。
 困ったのは彼女の親御さんで、中間テストはあと2日と迫っていた上に彼女は中学3年生。
 あと半年もしないうちに入試が始まる大事な時期だったのです。
 あきらめて泣いていた彼女に「何を泣いてる!時間はまだ40時間もあるじゃないか!寝ないで勉強すればきっと間に合う!ぼくも家には帰らないから、君も家に許可を取って学校に行く以外は塾で勉強しろ!」と思わず言ってしまいました。

 塾の先生への信頼が薄くなっている昨今では無理だったのでしょうが、そのときは私も不思議と御父兄に信頼されていたようで、2つ返事でOKしてもらえました。
 それでも朝の4時ごろにお母さんが差し入れを持ってくるあたり、やはり心配だったんでしょうね(笑)。
 でも、Tさんも一生懸命寝ないでがんばってくれたので、たった2日の勉強でも成績を上げることができ、希望通りの高校に進学できました。

 そのときの2晩目には4人の生徒が一緒に徹夜で勉強していて、そのせいで毎回テストの時には希望者だけの泊まりがけの勉強会が恒例化してしまい、30歳を超えるまで続けることになったのですから困ったものです。
 今では私にも家族ができたので、そう毎回徹夜勉強には付き合ってあげられなくなりましたが(たまにはあります:苦笑)、なぜか自分では教え方がうまくなったとゆうよりは楽をしているような気ばかりがしてしまいます。

 過去を振り返って「昔はよかったなぁ」などとくだらないことをゆう趣味はないので、今は今の自分の精一杯でがんばるしかないのでしょうね。
 それでも、あのころの自分のなんとまぶしいことでしょう。
こむりん先生
こむりん先生
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