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函館市電の車体に掲げられている交通局章は、民間から市に移譲された昭和18年11月1日から使い始めたもので、函館市の紋章である「左一つ巴」を中心に配し、軌道断面を表す「工」の字を6個むつまじく包み込んだデザインとなっています。 ※本エントリーでは函館市企業局交通部の紋章について局章と記すことにします。
「市電50年のあゆみ」より
現在、教習用として駒場車庫内の運転実験室に展示されている鋳造の局章
これまで車体に取り付けられた切抜きナンバーや局章を個人的に調べてきましたが、7月末に函館市交通部施設課の協力を得て実際に使われていた500形の車体ナンバーと局章を実測する機会に恵まれました。 そこで実測したデータを元に交通局章が、どのような寸法で描かれているかを実際に作図しながら検証すると共に、図版寸法などが厳密に制定されていない局章を個人的に図案データ化することにしました。 1、写真解析 更にこの画像を良く見ると、6個の「工の字」は軸となる縦棒が中心点から放射状に拡がるデザインのようです。同様に隣接する工の字との文字間隔も扇状にスペースが空いていますが、工の字とは寸法が違っているようなので、これらの違いを図案化するために解析した結果をCADで作図して各部の寸法を割り出していきました。 2、CADによる検証作図 CAD化された局章
CAD化の作業では、中心にある市章は伝統的な和紋様の巴紋を描く方法により複数の円を構成させて作図したのと、それを取り巻く「工の字」の幅や間隔を調べながら寸法を割り出し線を描きました。その結果、CAD化が完了した時点でスムーズにイラストレーターへ数値を放り込むことが可能になりました。 この他、写真解析の結果、「工の字」の軸と文字間スペースの図案化を進めてみると、円の中心から伸びる扇状の直線が外円の外周100mm上の位置に20mmと25mmの幅で結ぶことも判明したので作図に反映させました。 3、イラストレーターによる図案データ化 市章は、伝統的な日本紋様である左一つ巴の描き方を用いています。大きさの違う円を上下で揃えながら配置していくと円で構成された巴紋の基本形が仕上がりますが、この円のサイズ一つで印象が大きく変わるので、CAD作業時は慎重に採寸しながらオリジナルのデザインをトレースするように心掛けました。 6個が配される「工の字」ですが、軸部分と文字間のスペースをイラストレーターでは上のように作図して寸法が変わらないように描画を続けます。とは言え単純な円と直線の結びを繰り返す作業だけなので難しいことは有りません。
こうして下準備を整えた訳ですが、次のエントリーでは不要な線などをトリムしていく過程を紹介しながら、オリジナルに近い局章へ仕上げていこうと思います。 |
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