小説の習作

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(三十七)

 

 無賃乗車のことは、「心ある」駅員のお陰でまたしても写真付

きで新聞に載せて頂いた。私の奇行癖は世間周知の事と為った。

私は落ち込むどころか、逆に、変な自信を得てしまった。「蛮行

は蛮勇を生む」と言うか、それは現実からズレた「過信」と言っ

てよかった。私は世間など「なんちゃ無い」と思った。また、世

間も何を仕出すか解らない私から少し身を引いた。その引いた処

がそれまでの私の窮屈な想いを解放してくれた。調子に乗って私

は、新聞やテレビの取材にも快く応じた。一部では批判的な伝え

られ方をしたが、私は「寝カフェ難民」から「勝ち組」へ成り上

がった成功者として、再び「超人」のように扱われ、私は世間を

「畜群」の様に見下した。

 社会システムの中でメディアの役割は、まさに増幅装置の様に

思えた。取り上げられた事柄は、取り上げなければ瑣末な事とし

て忘れ去られる事も、良い悪いは別にして、「増幅されて」社会

に伝えられる。しかし、その増幅の「スケール」が正しく伝わら

ない事が、社会全体に誤解を与えているのでは無いだろうか?い

や、もしかすれば、メディアも如何に社会に波及するのかは把握

出来ないのかもしれない。つまり、我々の社会の関心こそが物事

を誇張して伝える増幅装置なのかもしれない。

 「また、テレビに出ていたじゃない?」

 女社長からだった。

 私は女社長も驚くほど積極的にマスコミの取材を受けた。ある

番組ではホームレスの時に寝泊りしたネットカフェにも同行して

、その当時の様子までも再現して見せた。そして最後には、あざ

とく個展の宣伝までした。

 「ねぇ、どうしちゃたの?」

 女社長は私の変貌に驚いていた。

 「打ち合わせをしたいんだけど、何時空いてる?」

 個展の初日が一ヶ月を切って迫っていた。期間は一週間の予定

だったが、問い合わせが殺到した為、もうすこし延ばすことにな

った。マスコミのお陰だった。ただ、その為にどうしても作品を

増やさなければならなかった。私は、例の川面から眺めた東京の

夜景を、成功を確信して描き殴った。もう時間が無かったのでス

ケッチなどに行かずに、カメラマンに頼んで夜景の写真を撮って

もらいそれを絵にしていた。

 「個展が終わったらどこかへ旅行をしようか?」

 私は、バロックの彼女に言った。彼女は答えなかったが、小さ

く頷いた。

 

 
            

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2007/8/16(木) 午後 1:56 [ gfd*gf*sg*gd*rr ]

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