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彼氏は、彼女を幸せにする自信のないこと
を告げた。それは、他に好きな女性がいる訳
ではなく、今の仕事についての不安だった。
常に、新しいモノを作りつつ”けなければな
らない仕事で、明日いらないといわれるかも
しれないこと。そうならない為に、異なった
視点でモノを見る事をいつも強いられること
。まだ、自分は認められていないこと。など
など考えてると、何故、父が家庭を顧みなか
ったかが薄々理解出来るようになった。父も
不安だったんだ。それじゃあ自分は、結婚し
て家庭をもって今の仕事を上手くやっていけ
るか。もちろん彼女を幸せにしながら、仕事
も上手くいけば本望だが、幼い頃の記憶が蘇
ってくる。母の思い詰めた顔、父への憎しみ
、父への憧れ、取り残された思い、行く末の
不安、あんな父親にだけは絶対なってはいけ
ない、という母の言葉。
自分は、本当に父親とは違っているのだろ
うか。もし、同じ道を歩いているなら、とて
も結婚して彼女を幸せになんかできない。
今は、仕事を認めてもらうことが優先する。
本当は待ってて欲しいと言いたいが、彼女に
は彼女の人生がある。仕事が認められないか
もしれない。挫折するかもしれない。別の女
性を好きになるかもしれない。君を幸せにで
きないかもしれない。
「君のことは、君が決めていい。」
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