小説の習作

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有希子(12)(13)(14)

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有希子(14)

  私は、空港にいた。 ウルトラ・セブン

がイタリアへ飛ぶことになった。2年間留

学して勉強するためだ。私は、どうしても

会って、励ましたかった。有希子は来なか

った。私は、彼が何処にいても見つけられ

る自信があったので、いい加減な情報だけ

でやって来た。もっとしっかり聞くべきだ

った。ゲートの近くにいたが、それらしい

男は居なかった。しばらくすると、遠くの

方で青年が私に頭を下げた。覚えが無かっ

たので、目線を外したが、青年はやっぱり

私を見ていた。ハッと気がついて、私は、

その青年の方へ駆けた。ウルトラ・セブン

は諸星弾(もろぼし だん)になっていた



 「気がつかなかったよ。」

 「あんな格好じゃ通してくれませんよ。」

それもそうだった。社会は、「見た目」で概

ねコトが運ぶ。しかし、その事がまた取り返

しのつかない事態を起こすことがある。

 西洋の寓話で、こう云うのがある。

 幸せに暮らしていた蛙たちが神様の、

「何か願い事を叶えてやろう」と云う事に

「いいえ、私たちは今のままで十分幸せです

から何もいりません。ただ、もしお願いを聞い

て頂けるなら、あの美しい鷺を下さい。何故な

ら、私たちはこんなにも醜い。あの美しい鷺が

、いつも私たちと一緒に居てその美しい姿を見

ることができるなら、こんな嬉しいことはあり

ません。」神様は早速願いを叶えてやりました

。蛙たちは、美しい鷺を見て大喜びでした。し

かし、しばらくして鷺は、その池の蛙を全部食

べてしまいました。

 今日の容貌は、頭はショートヘアで、メガネも

縁なしの大人しいモノだった。服装も全然いま風

だった。パチンコ屋で彼を捜しても、きっと見つ

からないだろう。

 「わざわざ、ありがとうございます。」

 「全然大丈夫。」「それより、頑張って来いよ。

君の実力はクライアントの私が、保証する。君に

 足らないは自信だけだ。」 

 「自信をつけて帰ってきます。」

 こういう時に「頑張って」以外に言葉がないのが

寂しい。使うなと言う者は代わりの言葉を用意して

欲しい。 すこし話した後時間がきたので、彼の方

から手を出して握手を求めてきた。

 「有希子をお願いします。」と、彼が言った。

私は、何も言えなかった。ただ、彼は知っていたんだ。

諸星弾を乗せた飛行機が、小さくなって、やがて

消え去るのを見届けた。

有希子(13)

  ベッドの上の暖房で、ようやく部屋が暖

まり、彼女は寝ながらコートを脱ごうとジタ

バタした。コートの呪縛から解放してやる為

に、袖から二本の腕を抜いてやり、かがんで

コートを取ろうとした時、下から腕を延ばし

て私の首に絡めた。私は何か洒落た言葉を言

おうとしたが、蛇に睨まれた蛙のように固ま

って、思わず「ゴクリッ。」と固唾を呑んだ

。両方の耳の奥でその音が響いたので、部屋

中に聞こえた様に思えた。まるでそれが、待

ち焦がれたご馳走にありつけた時に、口の中

に溜まった「よだれ」を飲み込む時の音と同

じだったので驚いた。

 「抱いてほしい。」と、今まで聞いた事の

ない、せつなく囁くような声で彼女は告げた



 男と女のコトを、子供はいつ頃から知り始

めるのだろう。テレビである歌舞伎役者が物

心が付いた時から知ってた、と言っているの

を聞いて驚いたことがある。その時代とおか

れた環境に因ると思うが、私は12歳まで知

らなかった。勃起するペニスの意味が全然、

解からなかった。勃起する度に何かの病気だ

と青ざめた。学校の休み時間に級友が、何の

脈絡もなく教えてくれた。彼にとっても驚く

べき最新情報だったんだろう。その言い方が

ひどく忌わしいものの様に言った。

 「女のおしっこする穴にちんちん入れんね

 んどー」

しばらく、そのことが私の頭を支配した。そ

れまでの自分の理想が、世界観が、重大なフ

ァクターを見落として構築されていた事を知

らされた。私は早速SEXに関する情報を手当り

次第、手に入れようと必死になった。その頃、

異性と勃起が頭の中で繋がった。

 今のように情報が無かったので、もう一つ

リアルなイメージが湧かなかったし、なによ

りも女性器そのものイメージがなかった。も

しも、その画像が、どこそこの川原に在ると

言われたら、その頃なら何百キロ先でも、何

はさて置いても駆けつけて、何時間でも探し

ただろう。

 もちろん、今は何を為るのか知っている。

彼女の上に重なって、私は、長いキスをした。



    
 窓のカーテンがしっかり閉まってなかっ

たので、そこから東京の夜景が見えた。

すでに東京は、寝静まっていた。っと、

その夜景の手前の窓ガラスに、部屋の薄明

かりを受けて、怪しく動く自分の下半身が

映っていた。カーテンを閉めに行こうと思

ったが、彼女が漏らす甘い声に、止める訳

にはいかなかった。時折、奇妙に動く自身

の臀部を眺めながら、今まで見ることの無

かった情けない格好に、説明のつかない哀し

さを感じた。半開きのカーテンからは、激

しく腰を振る自分と、その向こうの東京の

夜景が重なって見えた。

有希子(12)

 彼女は、死んだ様になっていたが硬直し

ていなかったので、それが余計に厄介だっ

た。部屋の前に着いた時、あと10メート

ルも先にゴールがあれば、この二人三脚の

レースは棄権しただろう。お客の荷物を放

り投げるエアポートのパート係員の様に、

彼女をベットに放り投げて、レースは終了

した。



次に生まれるとしたら男と女のどっち

がいいか?って聞かれて、女は、懲り々々

だと思わせるものの一つに、このバックが

ある。必要な物が、こんなにあるとは思え

ない。散々カバンの中を捜した挙句、肝心

のモノが見当たらず放り出されたものは、

何週か前に買った本やら、フリーペーパー

マガジン、旅行案内冊子、行くことない店

のポイントカード多数、マッサージ器、数

種類の薬、携帯電話の分厚いマニュアル本

、分厚い手帳、マーカー数本、メガネケー

ス、飲みかけのペットボトル、謎のポーチ

、もう一個、謎のポーチ、駄菓子。結局、

捜しているモノは見つからないと言う女が

いた。手ぶらで事が足りるのが最良だとす

れば、どうしてそんなにハンデーをぶら提

げて歩くんだろう。

 コートを脱がせようと転がしたら、

「水...。」と言って反転してきた。

コップに水を入れて渡すと、やおら起き上

がり一気に飲み干して、

「もう一杯...。」と言って、また倒れた。

すっかり酔いの醒めた私は、ソファーに前

屈みで腰を下ろし、静寂が支配する部屋の

中で、水を飲んだ。

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