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放射線技師が毎週交代する。勝者の平準化の為なのだろうか、4人の技師が2人づつ組んで第一、第二リニアック室とローテーションを組んで毎週交代する。几帳面に照射位置を小刻みにベッドの高さと照射ノズルの位置を調整し、流れるように毎回同じリズムで進める人も居れば些かラフな決め方をする人もいる。先端テクノロジーも所詮操作するのは人間なのだからヒュウマンエラーが出る事が納得した気がした。喉の外皮の放射線焼けと喉の状態の日によっての差異をその日摂った食事や果物、飲み物等の内何か好調子をもたらしたのか模索していたが、外皮がだんだん悪化して行かず、日によって異なる事に気付いた後は、照射の照準が内部のときは外皮には余りダメージが無い事が解かりかけて来た。放射線の焦点が内部の声帯に合っていなければ外皮がその照射をより浴びてしまい赤く火傷するし、声帯に照射が焦点していれば声帯や喉が痛く乾燥してしまう。29回目の照射
遂にその時が突然やってきた。朝目が覚めたとき何やら喉仏が痛かったが余りきにせずに居て歯を磨く時に鏡を見て驚いた。放射線治療を受けている以上当たり前の事だったのだが喉仏の外皮が天頂部で剥けていて赤く爛れていた。ヒリヒリと赤剥けた其処はじくじくしていた。参ったなー、これからどんどん剥けていくのだろうか?い今まで剥けなかったのが不思議なくらいなのだ。先を思うと暗澹たる思いがする。喉の皮膚や筋肉等が焼かれて硬化しているのかやたらむせる様になって来た。特に飲み物を飲み込もうとする時に意識的に飲み干す事に集中しないと一部が気管に流れ込み酷くむせ返ってしまう。むせることは禁物である。喉の皮膚が張り裂けてしまいそうに痛む。多くのがん患者がこれ以上の痛みに耐えているのだから甘んじるべき、否、これまでの軽微な副作用を寧ろ感謝するべきであろう。スポーツクラブに行って運動の後サウナに入ったが喉仏の皮が剥けた所が熱せられる事を心配してタオルを首に巻いて入った。鈴木ヒロミツが肝細胞癌で亡くなったとTVで言っていた。暮れに腹痛で病院へ行ったところ余命3ヶ月と診断されて入院治療より家族と最後の時間を過ごす事を決断して通院による緩和治療を選択したそうである。選択と決断、良い死に方をしたものである。合掌!30回目の照射。
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