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From 湘南茅ヶ崎。 イコピコのひとりごと
とんぼお姉さま。頑張れ頑張れ!私はいつも祈っていますよ!(笑)

書庫新 ・ 日本むかしばなし

 
むかしむか〜し。
 
とは云っても、そげな昔のはなしでもなかデスタイ。
 
神奈川県の藤沢村と茅ヶ崎村の境目に「辻堂」と云う小さな集落が
 
あったそうデスタイ。
 
そこにひとりの男の人が住んでおったそうな。
 
男の名前は「ピコ蔵」と云ったそうデスタイ。
 
仕事は東京の食品会社の営業マンだったそうデスタイ。
 
年の暮れも押し迫るなか、消費税が上がったことやら
 
国際的ないろいろで、
 
昨年の販売実績に基づいて製造したけど売れ残った
 
「たらばガニ」の缶づめを、どうにかその週、つまり一年の
 
最後の週中に売ってこいと、営業部長に発破をかけられていたらしい。
 
 
営業部長の名前は・・・。
 
もう書かなくてもわかるデスタイね!
 
玄白桃次郎。
 
そう。なんかいろんな色でできた名前の「ぶっちょさん」
 
だったそうデスタイ。
 
 
玄白部長「おい。ピコ蔵。おまえは本当に部内でいちばん成績が悪い。
 
     このままでは年明けには、もうお前に任せる仕事は無い。
 
     マジで云ってるんだからな。いいなっ!」
 
ピ コ 蔵「はい。わかりましたサー。売って来ますサー。」
 
 
そう云って会社を出たものの、もう売る宛てなど残っていなかった。
 
受け持ちの全ての顧客の会社に入れてもらうだけ入れてもらったから。
 
会社を出ると冷たい雨風が、ピコ蔵のほほを濡らしたらしいっす。
 
取りあえずコンビニで透明の傘を買いました。(324円:税込)
 
ピコ蔵の住んでる「辻堂」に較べると、やっぱり東京は寒かデスタイ。
 
コートも羽織らず出て来たので、その日の雨風に耐えられない。
 
身も心も寒い・・・そんなセールスマンの年の瀬の情景デスタイね!
 
新橋にある会社を出て、
 
海の見える方角にトボトボと歩いてたらしいっす。
 
潮先橋のたもとまで来ると、浜離宮の脇のお堀越しに
 
行きどまりの海が見えるのでした。
 
「ああ。もうだめだな。ああ。毎年ぶっちょさんにカニ缶売らされて。
 
 先輩たちは有給消化とか云って北海道・・・か。
 
 なのに。なして。なして・・。僕ちゃんだけ営業に出てるんだろ。」
 
そうつぶやきながら歩いていたら、身体は自然に築地市場とは反対の
 
浜離宮恩賜公園の中へと入って行ったそうな。
 
東京が地方と違うところ。それはいろんな場所が良く整備されている
 
ってことだと、ずっと東京に住んでいる人には、きっとわからないね。
 
公園のなかをトボトボと歩いていると、何やら神社のような場所に
 
行きついた。
 
旧稲生神社であった。
 
公園内に入ってからと云うもの、ひとっ子ひとり出逢うことなく
 
歩いてきたピコ蔵だったが、この神社跡で初めて老婆に出逢う。
 
老婆の服装は、とても東京に住んでいる婆さんとは思えない程、
 
こ汚い恰好をしていたそうな。
 
しかもずぶぬれの、まるでルンペンのような出で立ちであったそうな。
 
かわいそうに思ったピコ蔵は、自分の傘を老婆に差してあげると、
 
ポケットに入っていたハンカチと500円硬貨を
 
婆さんにあげたらしいっす。
 
「お婆さん。温かい飲み物でも買って。」
 
ピコ蔵を見上げた婆さんの乾いた瞳から、
 
信じられない程きれいな涙が、ひとつぶこぼれたっちゅうことっす。
 
 
 
で。
 
築地市場を目指し、ダメもとで訪問した一軒の仲買人の店。
 
ここで初めて、二階の事務所に通されました。
 
奥の机に、なにやらひとりの女性が座っているのが見える。
 
ふむ。歳の頃なら、御年85歳ってところか・・・。
 
机の前まで呼び出されると、いきなり椅子に座るよう促される。
 
この商店の社長もしくは会長らしきその人物。
 
なんかどこかで見覚えがあった。
 
「ああっ!」
 
さっきのこ汚い婆さんではないか!?
 
名刺ケースから。身震いしながらピコ蔵は、自分の名刺を取り出す。
 
そしてその会社重役から代わりに名刺を頂戴した。
 
 
 
ピコ蔵「先程はたいへん失礼いたしました。
 
    何も存知上げなかったものですから。」
 
会 長「あなたには雨のなか良くして頂きました。
 
    それで。あなたの望みはなんでしょう。
 
    私にできることなら、叶えてあげましょう。」
 
 
ピコ蔵は彼女から名刺を受取った。
 
受け取ったその名刺には、こう記されていたのだ。
 
 
    上総屋本店株式会社
 
    代表取締役会長 河 西 そ う
           (かさい)
 
 
ピコ蔵「か。傘地蔵。か。傘地蔵だ。これは。」
 
会 長「何をブツブツ云ってるの。
 
    私の名前は、かさい そう ですよ。」
 
 
このあと、彼の商いが全て達成されたのは云うまでもない。
 
それも新規開拓で「上得意様」をゲットしたのであった。
 
それからと云うもの、ピコ蔵は歳末になるとあの日のことを思い出す。
 
傘地蔵ならぬ「かさいそう」さんに助けられた日のことを。
 
そしてそれから、自分のできる範囲で、出逢った人々に対しては
 
精一杯の「誠意」を費やしてきたのだった。
 
あれから40年。
 
ピコ蔵は来春、代表取締役に就任する。
 
 
めでたし。めでたし。(笑)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

  • ふむ、ええ話やなあ…ほんで来年は代表取締役に就任するんで?(笑)

    ほなけんど、塾長さんばっかり悪もんにしたら、そのうちクレームがくるんちゃうで? モンスタークレーマーとかいうて…クレームお化けじゃぞう〜とか…

    ああ、今日も元気だ、仕事が旨い!…??

    [ いくお ]

    2014/11/30(日) 午前 10:08

  • 顔アイコン

    いくおちゃん。おはようさん。(ぺこり)
    日本人が世界のひとから評価されることに、
    「倫理とかモラル」が抜群なことじゃと思うんよ。
    ほれはやっぱり小さい頃から「昔ばなし」で躾られたからじゃと思うでよ。
    ほなけん、次世代型の「新・日本むかしばなし」を書こうと思うたわけじゃ。

    塾長さんのことは心配ないでわ。
    ☆いくつ・・・と必ず批評してくれるでわ。(爆)

    ピコさん

    2014/11/30(日) 午前 10:15

  • > ピコさんさん
    ふ〜む、登場人物の描写が甘いな。。
    あの老婆は、「傘小路そう」さんじゃなくてはいけんね。そして実は玄白部長の母堂なんだな。。
    昔は日本橋三越の「原節子」と呼ばれていたんだなー。

    ん〜と、☆2つ半だな。。またどうぞ。

    パステル

    2014/11/30(日) 午前 11:27

  • 顔アイコン

    玄白編集長殿。おはようございます。(ぺこり)
    今作品は結構イケると思ったのですが・・・。
    そうでしたか。玄白部長のご母堂だったと云う伏線があったのですね。
    日本橋三越の「原節子」だったのですか?
    で。塾長!実のご母堂なんですよね?(爆)
    ☆2つ半?ですか・・・。
    厳しい道のりだ・・・。

    ピコさん

    2014/11/30(日) 午前 11:59

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