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From 湘南茅ヶ崎。 イコピコのひとりごと
とんぼお姉さま。頑張れ頑張れ!私はいつも祈っていますよ!(笑)

書庫小説「ソルの椅子」・・真坂詠三

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〔6〕異界への扉・・・(1)
 
   こたつとツルさんにこころを暖められた二人は、蕎麦ができるまでのごく短い時間に、こくりこくりと居眠りをしていた。
 ツルさんは、そんな二人に気付いていたから、ひとりごとをいいながら、蕎麦を茹でていた。
「男は何歳になっても子供じゃのう。女とは違って魂が汚れていないからのう。男の頑張りの陰には、いつも女がいたわけじゃが、この先この関係に大きな変化が起きるのじゃ。女が世界を表で支配する時代がくるのじゃ。
 男の時代は、争いの歴史じゃった。力のある男は、何人でも女を養ってきたが、これから先は、人間が生存していくために、人減らしが行われるのじゃ。
 生殖能力の無い男が増え、世界から争いごとが無くなる。平和な時代は、すぐそこまで来ておるわ。
 丹波天平(たばでんでえろ)の峠に、年老いた女たちが捨てられたことなど、今の時代の者たちは知らんだろうが、これから先の時代は、丹波天平(たばでんでえろ)に男たちが捨てに行かれる時代になる。あっはっは〜」
 ツルさんの笑い声に目覚めたふたりは、一瞬キョトンとしていたが、眼の前に蕎麦が出されているのを確認すると、仲良く頂きますを云って、蕎麦を美味そうにかき込み始めた。
 
   ヘンディーは蕎麦を、美味そうに食べる。音を立てながら。だが、外人顔なので、見ているだけで何か楽しい。彼が日本人を意識しているって云ってたけど、実際のところ、日本人って何なのだろう?郁雄はよく分からなくなった。
 郁雄はというと、蕎麦は嫌いではないが、どちらかと云うとうどん派である。毎日うどんでも飽きないくらい好きなのだ。醤油をぶっかけるだけのシンプルな食べ方も好きだし、つけダレでも、だしつゆで食べるのも大好きだ。それは、彼が四国で育ったこととも関係が無いとは云えないだろう。うどんは普通の食文化としてあるけど、蕎麦はちょっと気ぐらいの高さが、店構えにも出ているような気がしていたからだ。関西と関東の文化の違いかも知れない。
 
  蕎麦を食べ終わった二人に、ツルさんが丹波天平(たばでんでえろ)に行って来るよう勧める。
 丹波天平(たばでんでえろ)は、丹波山村にある山の名前である。頂上付近がなだらかな山である。
 丹波山村の丹波天平(たばでんでえろ)は、日本全国にある、「蓮台野」の訛ったものだと云われているが、「蓮台野」という地名の云われが、「葬地」を意味する語であることすら、現代人にはほとんど知られていない。  「葬地」は文字通り「墓場」を意味する。この「葬地」も文字を変え、「僧地」とか「左内」となって、現在に至っている。いずれにせよ、もともとは、霊魂の集まる場所、あるいは霊場を意味するのだ。
「またどうして、急にそんなことを云うのですか?」
 さすがのヘンディーもツルさんの前では、正雄なのであった。というのも、彼の魂は日本人以上に「日本人」であったから、ツルさんとの深い信頼関係ができたのである。だが、この真冬に、よりにも寄って丹波天平(たばでんでえろ)に行って来いと云うのには、何故なんだという疑問が生まれても仕方ないだろう・・・。
「今日、あなた達はそのために来たのじゃ」と、ツルさんは云うのだった。
 あそこに行ったら何が我々を待ちうけているのだろう。
 考えたくも無かったし、気味が悪くて行きたくないのである。ただ、郁雄はどんなところか興味津々で、いろいろと行かぬ前から想像していた。
「何かが僕たちを待っているのですね?」
 郁雄は素直に彼女に確認する。ツルさんは、ふむと大きく首を縦に振った。
 
  正雄はジャケットの袖を少したくし上げ、オートマチックの腕時計を睨んだ。午後3時を少し回ったところだ。
「仕方ないなあ。郁ちゃん。登ろうか?」
 乗り気のしない表情の正雄にそう尋ねられても、何かが待っているなら、行かざるを得ないであろう。
 郁雄は断るどころか、眼を輝かせている。服装を見れば、二人とも充分山歩きができそうな恰好でもある。
 正雄はツルさんに代金を支払うと、ちょっと行ってきますと、妙にしおらしく挨拶をする。それがいいと彼女は笑った。
 正雄はビートルのドアを開け、グラブボックスを開けると、黒いレバーを手前に引いた。ガチャンと音がして、
フロントフードが少し上に口を開いた。
 フロントトランクのスペアタイヤの前に、何故か二組のリュックサックが格納されていた。ひとつは正雄のものであり、もうひとつは亡くなった奥さんのものらしい。
 アルファ米も入っているし、燃料もテントも食料も、一晩過ごすだけのものは全部入っていると、正雄の顔は何時の間にか笑っていた。あとは、飲料水をポリタンクに補給していくだけだと云った。
「ねえ。今夜は山で寝るの?」
 郁雄は正雄にそう尋ねた。多分ねと、正雄はそっけない云い方をした。
 クルマを役場の上の駐車場に移動させ、また来た道を一旦後戻りして20分も歩くと、その目的地への登山口に辿り着いた。さあ行くよと正雄が声をかける。郁雄は、ハイ。と小さく頷いた。(つづく)
〔5〕預言者
 
  カウンターのエッジを撫でながら、失った最愛の妻を思い出すようにして、ヘンディーは静かに語って聞かせた。カウンターの上にキチンと畳まれた布きんは、乾燥してカチカチに固まっている。
「まなみはいつも、店を開ける前、乾いた布きんをこうして、まずよく洗って・・・」
 カウンターの中に回り込み、カランのレバーを押し上げ、シンクの中の洗い桶のなかで布きんを洗いながら、
感極まってこぼれ落ちる涙を見せないように、ヘンディーは、布きんを洗い続ける。
 頭を下げたまま、顔を上げることなく、一層蛇口から出る水量を多くし、激しい水音で涙を誤魔化しているつもりのようだったが、小刻みに震えるヘンディーの肩をみつけると、郁雄も思わずもらい泣きしてしまう。
「僕は、こころの底から彼女を愛していたんだ・・・」
 男泣きに泣きじゃくるヘンディー。
 母親のおなかの中にいた頃、父親を飛行訓練中に亡くしたヘンディーは、不幸にも母親をも、3歳の時に亡くしていた。その後、伯母のところで大きくなった。幼いころから肉親との縁が薄く、孤独だった生い立ちを話してくれた。
「この街が育ててくれたんだ。様々な人種の人たちがいて、僕のような混血児があたりまえのようにいて・・・・。 それでも僕は、日本で生まれたから、日本人で生きようとしてきた・・・。日本人の名前だってあるんだぜ。正雄って云うんだ」
 郁雄がええっ?と、びっくりして大きな声を出すと、ヘンディーも一緒になって笑う。
「だろう?僕の顔から正雄は似合わないって思っただろう?」
 そう云うと、僕も似合わない気がするからヘンディーで通してきたと笑いながら云った。
「郁雄はさ。いつも自分のことを日本人だと思って生活しているの?」
 ヘンディーが唐突に質問してきた。郁雄は、ふだんから自分が日本人だと意識していないことを正直に話す。
「僕はいつも、日本人を意識しながら暮らしてきたよ」
 ヘンディーは、ナイフとフォークを使わない。肉を食べる時も、箸で摘まんで歯でこうやって・・・。とジェスチャーで噛み切る仕草を見せながら、
「でも、顔見りゃ外人なんだな。イケメンの」
といつもの笑顔で云ったので、郁雄も大笑いしてしまう。
 人間は悲しい生き物だ。ひとそれぞれ与えられた条件はことごとく違っている。自分も孤独な男だと思ってきたけど、ヘンディーの方がもっと孤独だったんだ。
 人を見かけで判断してはいけない。日本人以上に日本人の心を持った外人顔のやさしい男もいる・・・・・。
 いろいろと考えるうちに、自分のこころのなかに、明るい日差しに照らされた芝生のうえで、3歳の頃のヘンディーが母親に甘えている光景が映し出された。
 
「郁ちゃん。蕎麦でも食べに行こうか?」
 ふたりとも、ちょっと落ち込んだけど、お互い笑い合って、少し元気を取り戻した感じになった。郁雄もおなかが空いてきたので、二言返事でついて行くことにする。
「美味い蕎麦を食べさせる店があるんだよ。ちょっと遠いけど」
 そう云いながら、ビートルのイグニッションをひねる。ディストリビュータが安定した火花を点火しているのか、
正確なエキゾーストノートを奏でている。
 奥多摩から、さらに奥の、山梨県北都留郡丹波山村に美味い蕎麦を食べさせる店があるからと、いきなりクルマを走らせ始めた。
 福生の街から約2時間。青梅市を過ぎると、道は次第に登り坂になっていった。橋を何度か渡り直したようだったが、多摩川の両岸を行ったり来たりして行くうちに、クルマは奥多摩駅の交差点を通過した。
 道路の端に、雪の跡が残っている。ビートルには普通のラジアルタイヤしか装着されていなかったが、RRのエンジンだから、心配ないよとヘンディーは云った。
「これから行く蕎麦屋のおばあさんが、霊能者であり、預言者なんだ」
 ヘンディーは、やっとヒートアップされた空気が、足元に届き始めたにも関わらず、三角窓を開け、車内に冷たい空気を取り入れた。
 関東とは云っても、やっぱり山間部は寒い。ただでさえ真冬の凍てつく空気を、どうして車内に入れるのか、郁雄にはわからなかった。
 だが、ノンストップでこんな山奥まで来ていながら、集落が見え始めた辺りで、ヘンディーは突然、クルマを停めた。
「あそこに見える茅葺の家がそうだ」
 ヘンディーは、何かに脅えるように小さく、か細い声で云った。そして、僕たちが近くまで来ていることも、彼女は既に知っているだろう、とも云った。郁雄は彼が、只ならぬ緊張感を持っていることを理解する。ここに来るちょっと前の、不自然な行動は、その現われだったことに気付いた。
 郁雄はサイドシールドを手で巻き降ろして、外の空気を感じてみる。空を見上げると雪雲が張り出して、妙に
静かだった。この静かさに、恐さを感じた郁雄だった。
 
青梅街道沿いの集落の、一軒の家の前でクルマは停まった。それは蕎麦屋というよりも、普通の民家に見える。のれんも看板もない。一見さんは辿りつくことが出来ない店だ。引き戸を、ガラガラと開けると、中から腰の曲がった老婆が出迎えてくれた。
「あんた。ちょっとすぐ下で休憩してきたんか?」
そう云うと、疲れただろう、取りあえず座りなさいと云った。
 郁雄はさっそく驚きを隠すことができなかった。老婆の瞳は灰色で、視力を持っている風ではなかったからだ。
にも関わらず郁雄の方を向くなり、
「おお。よく来た、よく来た。あんたじゃな。正雄ちゃんのお友だちは。郁雄ちゃんじゃな?」
 郁雄はええっ!どうして?と声を上げてしまった。老婆は、少し笑ったあと、ゆっくりとした口調で話し始めた。
 
「郁雄ちゃん。ワシの眼は眼敷いていて、本当は見えていない。じゃがなあ。完全に見えとるんじゃ。見え方を大きくも小さくも、遠くも近くも、大昔も将来も、意のままに見ることができる。真実はな。
 ところが、偽りのこの世界の現象は、出来るだけ見ないでいられるんじゃ。だから、ちょうどいい。」
 そう云うと、あっはっはっと声を出して笑うのだが、もう歯はほとんど抜け落ちていて、歯の無い歯茎を舐めながら続けてこう云った。
「あんたがワシのところへ来たなら、そう遠い先のことではないぞよ。この世を再び治める女の子が現われる。
あんたの眼の前にじゃ・・・。その娘は迷わず、自分の座るべき場所に座り、最期の時の、時計が動き始める。
 それから、この世を悪意に満ちた死の世界に留めるために、多くの邪魔ものが集まって来る。・・・・・もっとも
手ごわいのが、また女の子の姿をした魂じゃ。その魂は、ありとあらゆる方法で、世を救う娘の邪魔をする。
 全ての邪悪な事柄から、あんた達ふたりが協力して
娘を守り、新しい美しいこころの時代が来るのじゃよ。
・・・・・その時、あんた達は死んでしまう。でも、すぐ生まれ変わってくるから心配ないがのう。わっはっは。」
 この老婆には、もうその時の風景が見えているのだろうか?不安に打ち震える郁雄をたしなめるように、
「郁雄ちゃん。恐がらなくても大丈夫。気をつけるのは、あんたの心の問題じゃ。邪悪に打ち勝つ強いこころを
試されるぞよ。わっはっは」
 郁雄は、腹が空いていたことさえ忘れ、老婆が見ているだろう、風景をイメージしようとしていた。
 
  なんでも見ることができ、なんでもわかる老婆に、郁雄は疑問に思っていることを質問しようとすると、
「神か?神がいるかどうかじゃと?わっはっは。全ては人間のこころが作るのじゃ。
 神が住むこころを持つ者は幸せ者じゃ。それは驕り高ぶらないからじゃ。畏怖する心に神は住まう。畏れこそ、人間にとって最も大切なこころの働きじゃ。
 悪魔か?悪魔は神と右と左じゃ。どちらか片方だけが存在することは無い。神を知る心には、悪魔が必ず存在する。物事の善悪の中心は、何も無い虚空だけが存在する。だが、そこで人間は生活できないし、勉強しようにも何も無いから勉強にならんのじゃ。それで敢えて、物や者に溢れたこの世で学ぶことになる。しかし、本質はそこには無いのじゃ。全て理解を助けるための存在で、元々は無いのじゃ。幻じゃ。
人間に求められるのは何か?それは、「有るようでないこと・無いようであること」を学び理解することじゃ。そこには、全宇宙と一体となったこころだけが存在する。そして人間だけが、より良く成長しようという心の働きをもっているのじゃ。本当の成長は、こころを育むことじゃ。
 人も含め、森羅万象に生けるもの全てが、生死を繰り返す。その中で、人はこころの成長、つまり肉体を持って体験した事柄から、真理を求めるこころを育まねばならない。富も名誉も関係ないぞよ。ほんの少しのことに喜び、またその喜びを他に与えられるこころを育め。それ故、その学習が足りない者は、何度でも生死を繰り返すのじゃ。
 願わくば、このふたりの上に、神々の守りあらんことを・・・。」
 
「さあ。あんた達。こっちのコタツに入りなさい。さあさあ。靴を脱いで・・・」
 老婆の名前はツルさんだそうだ。蕎麦屋にお似合いのお名前だが、もっと凄いことを聞いてしまった。
 なんと妹さんがいらっしゃったそうであるが、残念ながら去年亡くなったそうである。その妹さんのお名前が、カメさんなのだ。「ツルさんとカメさん」。一般的には、鶴千年、亀万年と云われるが、実際はツルさんの方が長生きだってこともあるわけだ。その話を聞くと、ちょっと肩の力が抜けてきて、ホリごたつでくつろぎながら蕎麦が出来るのを待っていると、なんだか眠くなってきた郁雄だった。それは、ツルさんの絶大な包容力のようなものに、
安心したからに他ならなかった。(つづく)
〔4〕失われた光・・・(4)
 
 たった2杯のバーボンでほろ酔い気分になった。途中のコンビニでコーラを買って部屋に戻ろう。郁雄は何処ででも見かけるコンビニの看板を目指して歩いていた。
 途中でふたりのポン引きに声をかけられたが、聴こえないふりして通り過ぎた。
 買い物をして螺旋階段を上って行くと、誰かが膝を抱えうずくまっている。不審に思いもう一度よく見ると、もう誰も居ないのだった。
 何となく云いようのない疲れを感じていた。シャワーも浴びずに、そのままベッドに潜り込む。1分の時間も経過しないまま、いつの間にか郁雄は、静かな寝息をたて始めていた。
 
「コンコンコン。コンコンコン」
 今、何時頃だろうか?ドアをノックする音がする。ベッドの中から、誰ですか?と声をかけてみる。が返事はない。再び、
「コンコンコン。コンコンコン」
と、ノックする音が聞こえる。そっと近づき、身構えていきなりドアを開けてみる。しかし、外には誰もいないのだった。
 そういえば、帰って来た時、階段で誰かがうずくまっているような気がした。ひょっとすると、幽霊か何かかも知れない。そう思うと急に寒くなった。しかし、郁雄の頭の中の幽霊は、けっして真冬に出たりはしない。もし出たら、その幽霊は掟破りなのである。でも、雪女ってこともあるし・・・。そこまで考えると、さすがに馬鹿らしく思えてくる。大体、僕は誰かに恨まれるようなこともしていない。どうせ出てくるなら、きれいな女の人がいいなと思った郁雄だった。
 
 ドアを閉め、玄関先のスイッチを入れる。すると途端に部屋は明るくなった。これでもし幽霊がいるとしても、
こんなに明るくてはエネルギー的に出ることはできないだろう。まだ幽霊を見たことの無い郁雄は、そう勝手に幽霊の立場も考えずに決めつけて、ホッと肩を落とし、
鍵を閉めた・・・。
 何気にキッチンの前に視線を送ると、こちらを見つめながら女の人が立っている。女の人には足もあり、普通の生きている女性だ。一瞬凍るような感覚を覚えたが、
きれいな女性だったので、2,3秒で正気を取り戻した。
「あ、あの〜。何処から来られたのですか?」
 郁雄はそう、声に出したか出してないかはわからないが、そのきれいな女性に質問する。
「あの人をよろしくお願いします。私が急に居なくなったので、かなり落ち込んじゃってるみたいで・・・。あなたが来てくれたので安心して行くことができます」。
 女はそう云うと、深々とお辞儀した。郁雄は、お名前はと尋ねた瞬間、ま・な・みと云ったように微かな音を残して、ス〜っと消えてしまったのだ。
 やっぱり幽霊っているんだ。今、確かに見たし、会話もした。でも、全然恐さは感じなかった。あの人を頼むと云うのは、夕方行った『ジュン』のママも同じことを云っていたな。まなみと云う名前が、亡くなった奥さんだったら、本当にその人の幽霊と会話したことになる。
 郁雄はすぐヘンディーに電話しようと思いついたが、
もしそうなら、改めて恐くなりそうだったので、夜が明けるのを待った。一気に疲れがドッと押し寄せ、知らぬ間にまた眠ってしまった。
 
 翌朝、ドアをノックする音で目が覚めた。ドアを開けるとヘンディーが立っている。部屋にはふたり掛けで食事するには小さくて、でもひとりで軽く食事するのには充分な大きさのテーブルと、靴を履いたまま座っても違和感の無いハイトの椅子が2脚ある。
 ヘンディーは、ドアを閉めると相変わらずの笑顔で、その椅子の片方を手前に引き寄せ座った。
「ヘンディー。実は昨夜・・・・・」
 郁雄はいきなり話を切りだした。ヘンディーは何を聞いても恐くないといった堂々たる態度のように見える。
昨夜の一部始終を話すと、まなみが来たのかとぽつりとつぶやいた。
 郁雄の話を聞いて、ヘンディーはもっと大事なことがある、と前置きして、今から云うことを克明に覚えて置いていて欲しいと付け加えた。
 
「我々人類の危機は、そう遠くない将来に訪れるらしい。ある預言者から実際に聞いた話だ。彼女の云ったことは、恐ろしいほど当たって来たし、君と僕との関係も既に聞いて知っていた。実は僕たちは遡ること1950年の8月、朝鮮戦争で捕虜になっていた米軍兵の戦友であり、同月に『303高地』で銃殺されたのだ。・・・・今は別の人間としてこの世に再び生まれ変わってきているが、
そんな僕たちには、人類の生存をかけてやらねばならない使命がある。その鍵は、将来この部屋の下の店『ソル SOL』にある、ひとつの椅子に座る者にかかっている。彼女が我々人類全体の救世主であり、彼女を守って死ぬことが、僕たちの使命なのだ。だから逆に、その時が来るまで、僕たちは何の心配も気苦労もなく暮らせるだろうし、死ぬこともない。唯それがいつかはわからないが、近い将来であることだけは、確かなのだ」
 そう云うと、ヘンディーは、昨日君が気にしていた椅子だよ、と付け加え、あの椅子には、まだ誰も座ったことがないのだと云った。
 
「店に降りてみようか?」
 ヘンディーは、落ち着いた声でそう云った。郁雄は、そんな不思議な話の世界に関わりたくないという思いと、どうせ生まれて来たからには死ぬことが約束されているわけだから、人類全体を守るために死ねるなら本望かもしれないとも思うのだった。
「まなみは、このことを知っていたのだ。いろんな嫌なことが今の時代には世界中で起きている。まなみが本当に信じていたのか、或いはすべての時を早めたかったのか、ことの真意は今となってはわからない。
 ただ、自己犠牲的に、それも発作的に椅子に腰かけようとしたのだ。この店を始めて10年になるけど、まだ一人もあの椅子に座った人間はいない。どんなに混んでいても、あの椅子だけは空席だったし、片づけや掃除の時だって、座ることがなかったのだ」
 自分が見ている前で、座ろうとしたまなみは、転んでしまったのだ。まさか死んでしまうなんて思いもしなかったと云った。(つづく)
 
〔4〕失われた光・・・(3)
 
 鉄骨にモルタルを塗り付け固めただけのような歪な窓の桟に、ソープケースが置かれている。新しい石鹸が置かれていて、それを手に取り身体を洗う。アメリカの銘柄のアルファベットの4文字が、みるみるうちにすり減って、何処のメーカーの石鹸かわからなくなってしまった。
 唯、しっかりと香りだけが残っており、バラのフレーバーが、窓の隙間から入って来る夜風と溶け合って、急に人恋しくなってくる。
・・・・・着替えて、街に出よう。・・・・・・
 そそくさとバスタブから上がると、素早くシャワーを浴びて、タオルハンガーに掛けられたバスタオルを頭からかぶった。 スーツケースの中の清潔なシャツに着替えて、ダウンパーカの袖を通した。
 外付けの螺旋階段を降りると、そこはちょうどテナントが立ち並ぶ赤線の裏通りになっていて、そんなすれ違うことさえできないような路地裏でも、ひとが頻繁に行き来している。
 多国籍の夜の蝶たちも急ぎ足で通り過ぎ、昼間みた不思議な静けさとは裏腹に、静かなざわめきが感じられる。垢抜けのしないジャケットを着たチンピラが、わざと肩をぶつけてきた。自分でぶつかってきておきながら、
てめえよう、とインネンを付けてくる。しかし、郁雄は何も語らず、相手の眼を読んだ。
 すると、チンピラは、これからは気を付けろ。と捨て台詞を残し去って行った。
 
 往幹の通りに出ると、色々な彩色で飲み屋の看板がひしめき合っている。それぞれが確かに何かを主張しながら、「生(せい)」を営んでいる風景が、郁雄の眼にとても新鮮に感じられた。
・・・・・ここはいったい何処の国なんだろう?・・・・・・・
 日本語・英語はもちろん、タガログ語、ハングル、中国語、スペイン語・・・・それからヒンディー語。
 所属のわからない言語表記の看板も多い。どの看板も、垣間見えるどの店も、はっきり云って安普請の吹けば飛ぶような店なのだ。しかし、日本の東京が住みやすい場所であり、またこの東京の辺境とも思える福生という土地が、大きな米空軍の輸送拠点になっていること、さらには「日本円」が、強い磁力を持っているからなのだろう。
 郁雄は一軒一軒飲み?歩くことにした。ただ、さっきのチンピラのような輩しか、日本人らしきものは見当たらなくて、ここだけがきっと異次元に違いない。とっさにそう判断した彼は、再び福生駅の方向に進路をとり歩きはじめる。・・・・両替をして置いたほうが良さそうだ・・・・。
 初めて信号のある交差点まで出ると、そこはもう、普通の多摩地区の顔である。横断歩道を渡り、駅に隣接した大規模商業施設に飲み込まれる。
 当面、生活に必要な小物や食料品を細かく買って、釣り銭を受け取るとき、500円硬貨を増やしていった。そして、ジーンズのポケットのなかで、500円硬貨がそこそこたまった時点で、一旦部屋に戻ることにした。
 ヘンディーがシルバーのマネークリップで寄こした意味がわかったのだ。下手に札入れを見せびらかすと危険だからだ。大きな銭はマネークリップで身体にフィットさせ携帯し、基本は500円で交渉する異次元空間が赤線の歩き方に違いない。そう思った。
 小腹が空いたので、取りあえず何か食べに入ることにしよう。ヒンディー語と日本語で書かれた看板のある店に飛びこんだ。
 無愛想な背の高い褐色の男が、郁雄を睨みながら、
「どうぞ。お好きなところへ」
 流暢な日本語で応対してくれる。ただ眼は笑っていないのが不気味ではあった。
 
 眼の恐い店員は、水とメニューを持ってくる。おしぼりも持ってきてくれた。おしぼりで手を拭きながら、メニューを見て吹き出しそうになった。どれもこれも見事に500円単位で構成されていたからだ。高いもので、1.500円、2.000円、2.500円まで。
 釣りの要らないシステムだ。笑顔で、
「決まりました。これ下さい」
 郁雄が店員に話しかけると、初めて笑顔になった男は、真っ白なきれいな歯の持ち主だった。でも何故か、その笑顔に違和感を感じたのだ。ふだんから笑わないで大きくなったのだろう。笑いたくなければ笑わなくていいよ。心の中で郁雄はそうつぶやいた。気に入ったひとつのコースを指さして、男に注文する。
「ありがとうございま〜す」
 キャラ的に好きになりそう。郁雄は初めて赤線で、何か口に入れることに、言い知れぬ期待と喜びを感じ始めていた。
 料理が出されるのを待っている間、店の中の主張を感じとる。壁に貼られた大きめのタペストリーは、日本の仏教寺院のものより極彩色で描かれ、神仏の眼がチャーミングで、女性神の身体のフォルムは、妙に色気がある。どの宗教もそうだろうけど、その象徴的な創造物を作成するアーティストの主流になる人物の影響を、後々まで受け続けるものらしい。ひょっとすると、日本の仏教美術にしても、もっと妖艶になっていたかもしれない・・・・・。
 眼に見えるものから見えないものをイメージし、また見えないものの存在をリアルにイメージしようとする、郁雄の屈折したような世界観を、刺激する彫刻物も雑然と置かれている。
 白いランチョンマットを持ってくると、次々に料理が運ばれてくる。白っぽいカレーはナンにちょうど馴染む味で美味しい。小振りのチキンも口に合う。グリーンサラダのドレッシングも、さっぱりしていてとても美味い。白い乳飲料も辛い料理の口休めになる・・・・・。
 何処の国の料理も、その風土にあった知恵で充たされていて、人間はただ単純に食べるだけでなく、どうにか生きてる実感を楽しもうとする生き物であるらしい。
 程良い刺激に満足し、1.500円を左のポケットから1.000円、右のポケットから500円取り出し、揃えてランチョンマットの上に置いた。またどうぞ、と云う店員の眼に再び眼をやったが、初めの時よりは少し笑っているように感じた。
 
 酒が飲めるほうではなかったが、少し飲んでみたいと思う。通りから中が良く見える店を選んで、入ってみることにする。
 店の名前は『ジュン』。カタカナ表記だから、きっと日本人の経営だろう。ドアを開けると程良い暖気が頬にあたる。カウンターだけの店だ。取りあえず、先客も居なかったので、窓際の椅子に腰かける。
「いらっしゃい。お客さん、初めてですよね」
 歳の頃なら40前後の小ぎれいな女性が、カウンターの中から声をかける。
「今日はまた寒いから、よく温まって帰ってね」
 客あしらいの上手な、笑顔の素敵な女性だ。唇の左下に少し大きめのほくろが、妖艶な表情をつくっている。
「何を召し上がる?ウチはショットバーだから、シングルはワンコイン500円よ。ダブルだとツーコイン」。
 思わず噴き出してしまった。入ってそうそう噴き出した理由がわからなくて、ママは怪訝な顔をした。噴き出した理由を一部始終話しおわると、
「郁雄さん。あなたはここでやっていけるわ。何か困ったことがあったら、いつでも連絡してね」。
 ジュンのママはセクシーな口元をきゅっと閉めて、郁雄に目配せをした。ダブルで頼んだフォア・ローゼズのスモール・バッチは、バーボン独特の豊潤な香りを鼻腔の奥に残したまま、胃袋を熱くした。一緒に頼んだチェイサーで、胃の中のアルコール濃度を薄めたが、グラスからジュンママに眼を移すと、とてもきれいな女に見えてくる。
「やだ。郁雄さん、もう酔っぱらってるの?」
「いや。人恋しくなって街に出てみたんだ。カレー屋の無愛想な店員の店からここに来たら、安心したというか懐かしくなったというか・・」
 郁雄は正直に自分のこころを見つめて話した。2杯目のオーダーも、フォア・ローゼズをシングルで頼む。チェイサーを2杯お代わりすると、ジュンママは高いソプラノの声で大笑いする。郁雄も一緒に大笑いした。
 ジュンママは、もともと青森の三沢基地のそばで育った。流れ流れて福生に落ち着いた。ヘンディーは友達で、仲の良かった奥さんを亡くして気の毒だとも話した。
 人間は生きてるだけで儲けものだと、妙にリアリティーのある云いまわしもする。相当いろんなことを経験したであろう人生の先輩として一目置いて見ている自分に気が付いた。そんな郁雄に、
「ヘンディーを助けてあげてね。あんないい男そう居ないわよ。きっと、これから小説みたいなことがありそうね」。
 そう云うと、得意そうな笑顔になってセクシーな口元をキュッと閉めた。
 ドアが開くとカーキ色の軍服に階級章をつけた米軍兵が3人なだれ込む。じゃあ、また来ますと彼らが開けたドアを閉めることなく外へ出た。(つづく)
 
〔4〕失われた光・・・(2)
 
 SOL(ソル)の店舗の建物は、南北に走った路地の、西側に沿って建てられた1階が店舗、2階は貸し部屋になっていた。路地を挟んで東側は、数年前に火事で全焼し、そのあと何も建てられていない。何か建てたところで、格別繁盛する商売も考えつかない。1ドルが360円だった頃、この界隈も商売の上手い連中がいて随分稼いだようだ。
 米軍兵相手に様々な商売が表にも裏にも成り立っていた頃があった。様々な人間が大勢集まる場所をマーケットというなら、この界隈もやはりマーケットと云える時代が確かにあったのだ。
 ヘンディーがドアの鍵穴にキーを差し込む。シリンダーからひとつの突起が飛び出し、ドア枠との連結を解き放つ。だが鍵穴はもうひとつ床上30cmくらいの場所にも設けられていて、同じ動作を別のキーで再び繰り返さないと、完全に解錠されないようになっている。
 ドアを開けると、カランコロンとカウベルの音がした。いささか時代を感じる代物だけど、不思議とこの店にはお似合いだと思った。
「さあ入って」
 ヘンディーはそう言って、郁雄が店の中に入ることを勧める。ガランとした店内には、東西方向にカウンターが据えられている。北側にボックス席が2組設けられているが、椅子の張生地のビロードの所々が擦れ剥げている。ただ、嫌と言えない不思議な空間がそこにはあった。
 
 カウンターに眼をやると、L字型に造作られた、デザイン的にはごく普通のカウンターなのだが、よく見ると、靴先があたる部分がすり減って横方向に線状の模様になっている。
 ところが、真鍮管でできたフットレストの少し上あたりと、明らかにフットレストが干渉してあたる筈の無い部分も同様にすり減って線状の模様になっているのである。
 どちらが古い痕跡なのか、郁雄はふと考えてしまう。
 推測だが、恐らくフットレスト下の模様がかなり古いものであり、客のほとんどが米軍基地関係者だったのではないか?その後、円が強くなり基地関係者の利用が減るとともに、一方で体格の小さいアメリカンカルチャー愛好家の日本人が、メインゲストになっていったのではないのだろうか?
 今度は椅子に眼をやった。カウンターに合わせて購入したのだろうけど、見事にすべてのカウンターチェアのデザインはまちまちで、ハイトと色目が揃っているだけだ。これはいったいどうしてなのか?数えてみると12脚あり、そのうち2脚だけ、かなり似通ったロココ調デザインのものである。似通っている・・・・。ほぼ同一に見えるのだが、ネコ脚の縦線の数が一本違うだけなのだ。
 一瞬気になって、その他の部分についても精査するよに見ていると、壁際の1脚の座面の裏に何か大きくアルファベットで書いてあるようだった。ただ、文字自体が薄く変色しているのと、ヘンディーが変な目つきでこちらを見ていることに気付いたので、それ以上興味本位でみるのは止めることにした。
 
「郁ちゃんに任せる店はここだよ。しばらくゆっくりして、この街に馴染んでから始めるといい」
 やる気満々でもなかったが、多少拍子抜けするような口ぶりに、郁雄はゆっくりと首を縦に振りおろした。
 貸し部屋にしている2階の部屋は、現在空室になっていて、さっそく身の置き所の無い郁雄の、今夜からの「巣」に宛がわれることになった。
 荷物を下ろすと部屋を検証し始める。クイーンサイズのベッドが置かれており、既に真新しいリネンが二組置かれている。ベッドパッドにピローケース、一枚でも充分暖かそうな上質の毛布も用意されている。
「ありがとう」
 郁雄はヘンディーのやさしさを噛みしめる。声に出すこと無く、左眼を軽くウインクして、郁雄に答えるヘンディーの、ブラウンの瞳に自分の姿がそのまま映し出された瞬間、この男と自分は、実は遠い昔からの旧友であったことを思い出した。瞬間的に。二人とも米軍兵で、後ろ手に手錠をかけられたふたりの姿を客観視した。瞬間的に・・・・・・。
 ふと、我に返った郁雄に、ヘンディーが声をかける。どうしたの?と聞いてから、見えたんだね。と云った。郁雄はやっぱりスローモーションで、首を大きく縦に振りおろした。
 屈託の無い笑みを浮かべながら、ヘンディーはしばらくこれで生活の足しにするようにと20万円を、シルバーのマネークリップごと郁雄に手渡した。一週間もうろつけば、この街の空気の吸い方がわかる。そう云って、仕事を始める気になれば、連絡するようにと、帳合先の一覧を渡してくれた。そして、取りあえず一週間、ひとりで歩け。ふたりで歩くと気付かないことを、先に気付くことが肝心だからね!そう云うと、振り返らずに背中を向けたまま左手を一回振って、ドアを閉め外へ出て行った。
 20秒後、フラットフォーのエキゾーストノートから、1回シフトアップしたのはわかったが、その直後のスロットルの音が聴こえる頃には、かなり遠くを走っていることだけがわかった。
 
 首に無造作に巻いたマフラーを解くと、明るいブルーのダウンパーカのファスナーを下ろす。白いプラスティックのスーツケースを床にころがすと、ジップを回して中から口を開けていないマルボロの箱を取り出した。
 ベッドに背中からダイブして、一度天井を見上げてみる。煙草を一本取り出すと、ポケットの中のライターを手探りで探す。ポケットというポケットをまさぐってみたが、
ライターが見当たらない。
 転がり込んだ時から、この部屋には青い煙が似合うと思ったのに、煙草を吸うことができない。白いビニルのバスカーテンが、床から一段低くなったバスルーム?の場所を教える。煙草を諦めて、バスタブに湯を溜めようと考える。カランのレバーを上げると勢いよく水が飛びだした。しばらくすると湯気が立ち始める。ぼんやり湯気を眺めていると、なんとなく気持ちが落ち着いてきて、さっき瞬間的に見えた幻影はいったい何だったのだろう。
しかも、ヘンディーは「見えたんだね」とも云った。ということは、ヘンディーは初めて函館で出逢ったとき、既にそのことに気付いていたのだろうか?いつ気付いたかは別にしても、既に彼が二人の関係に気付いていたことは確かなことである。だからこうして今、彼に誘われるように、自分の知らない街に来て、知る必要のある、まだ知らない何かを探しに来たのかも知れない・・・・。「運命」。ふと頭の中に浮かんだ言葉。
 気が付くとバスタブには、程良い暖かさの湯が溜まっていた。身に付けた余分な衣類をひとつずつ脱ぎ去ることで、探していた「暖かさ」にありつける・・・。郁雄はゆっくりとバスタブに身をゆだねながら、ふ〜っとひと息、大きなため息をついた。ただそれは、諦めとか不満から出るものではなくて、自分が探すべき確かなターゲットに、辿りつけそうな予感から出たのだった。(つづく)
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