ここから本文です
From 湘南茅ヶ崎。 イコピコのひとりごと
とんぼお姉さま。頑張れ頑張れ!私はいつも祈っていますよ!(笑)

書庫小説「ソルの椅子」・・真坂詠三

記事検索
検索
〔4〕失われた光・・・(1)
 
  ヘンディーに電話をかけようと思ったのは、確か函館の街に初雪が舞い落ちた12月の中頃だった。
 四国の徳島から18歳で上京し、新宿の楽器店で仕事をしていたのだが、ミュージシャンになることもなく、もっと別な生き方もあったんじゃないかと考えていた頃、楽器店の先輩が、
「郁ちゃん。気分転換に旅行にでも行ってきなよ。近場でもいいからさ。心にいいよ。本当だよ。私なんかさ。親のすねっかじりでさ。音大まで行かせてもらったくせに、プロにも成れず、こうして楽器売って、自分のスタイルみたいなのを辛うじて持ち堪えてるけど、部屋代払って、普通にお昼食べて。毎月給料日前には、強制的自動的ダイエットでなんとか持ち堪えて・・。恥ずかしい話だけど、今でも時々苦しいときに、仕送りしてもらう時があるんだ。これってダメ女だよねえ?」
 美穂先輩は自分より2歳年上のファゴット吹きだ。目指していた芸大を諦めて、私立音大を卒業し、楽器店に入社した。若干鼻が悪いらしく、いつも鼻声だけど、一番やさしい先輩だった。
 函館で育った美穂先輩の部屋に招待されたとき、郷里の親から沢山のジャガイモと一緒に、毛ガニが届けられていた。それを一匹まるごと郁雄に食べさせてくれたのだ。
 そんな美穂先輩が、正月休みに郁雄を函館に招待してくれた。毛ガニにいくら、タラバにアブラ蟹。ラーメンも美味い店がある。郁雄は函館が好きになってしまったのだった。・・・でも、ほかにも好きになる理由があった。函館山と郷里徳島の眉山が、兄弟のように思えることだったのだ。麓にあるのが教会とお寺の違いはあったけど。
 その後、しばらく東京で楽器を売っていたが、函館が気に入り思い切って引っ越した。函館で半年ほど暮らしていたのだが、まだしばらくは東京にしがみついていたい気持ちになった時、あの手渡された箸袋を思い出したのだった。
 住所はふたつ記されていた。その一方に、
『東京都福生市大字福生・・・・』
と書かれていたのだ。何となく不幸せな自分が、幸せになれるような「約束の地」のような文字の力。福が生まれる・・・・か。30分程心を落ち着かせてから、福生のヘンディーに電話した。
 函館の五稜郭のそばにある、バーガーショップから、初雪の便りとともに、電話したのだった。
 
「こんばんは。神岡郁雄です。その折はビールをひっくり返してご迷惑お掛けした、函館の男です」
 郁雄は、寂しさや悩みを見破られまいとして、凛とした口調で話しかけた。すると、
「おっ。郁ちゃん。元気?かかってくるの待ってたよ。で、いつ帰って来る?マイ・ホームタウン・フッサへ」
 郁雄はウッと声を出した後、急に泣き出してしまった。 受話器の向こうでヘンディーが静かに聴いてくれてるのが伝わってくる。やっとのことで、落ち着いた頃、
「郁ちゃん。福生(ふっさ)良いとこ一度はおいで〜だよ」
と、笑いながら話してくれる。お金が無いなら送るよ。働いて返してくれればいいし・・・・。住む場所も仕事もあるから、福生に帰っておいで。と言ってくれるのだった。
 
 一週間後、郁雄は再び東京の地を踏むことになる。
 以前と比べると、東京の片田舎ではあるけれど、日本人の少なさが異常に感じられる街だ。
 初めてJR福生駅に降り立ち、東口のロータリー前のバーガーショップで、ヘンディーとの再会の時を待った。
軍服に階級章を付けた体格のいい米軍兵が店に入って来る。ふとカウンターの上を見上げると、天井から、
『TAX FREE』の文字が吊り下がっている。
 店員の女の子が、普通に英語で会話している。ブロークンだが、音はネイティヴだ。郁雄は、今日からここで暮らすのかと思うと、きっと今まで自分が知らなかった世界がここにはあると思えるのだった。
 
  人影まばらな駅前のロータリーを出入りする、自動車のナンバープレートは、平仮名の部分にアルファベットの『Y』の文字が入った、米軍基地関係者の運転する自動車だけだった。
 手持無沙汰に、2杯目のコーヒーを注文しにカウンターへ行くと、さっきは日本人の女の子が応対してくれたのに、今度は明らかに『外人顔』の、ミーシャ・パリス似の褐色のキュートな女の子がこちらに向き、立っている。 郁雄は、一瞬英語の表現を組み立ててから、彼女の前に進み出た。
「Coffee please. One cup . The size is small.」
 完全にブロークンな即席英語だ。すると、彼女が
「大丈夫ですよ。日本語でも。ここは日本ですから」
と、流暢な日本語で応対してくれた。
・・・・福生は不思議な街だ。・・・・・・
 よくよく考えてみれば、彼女の言ってることが真実であり、ここは日本の東京都の一部なのだ。日本人が相手の見かけで英語をしゃべる必要はない。彼らこそ日本語を勉強して話すべきであり、モノオジすること等ないのである。
 そう考えると、幾分気持ちが楽になる。コーヒーを受け取ると、さっきの窓際の座席に腰を下ろした。
 すると、眼の前のガラス越しに、1台のフォルクスワーゲンが停車した。1957年前後のヴィンテージもののビートルだ。それがわかるのも、郁雄はビートルが好きだからだ。最近めっきり減ったクルマではあるが、存在感のある愛らしいカタチが、いまでも名車の雰囲気を保っている。
 と、運転席から降り立った男は、間違いなくヘンディーだった。ヘンディーはすぐ郁雄に気がつくと、左手の親指を得意げに立て笑い、素早いフットワークで店内にはいって来た。
「郁ちゃん。久しぶり。疲れたんじゃない?」
  本当に懐かしそうな、人なつっこい笑顔でヘンディーが話しかける。
「いや。そうでもないです。なんかここの雰囲気に飲まれちゃって」
 郁雄は、まるで無人島にいるところを、顔見しりの漁師に、奇跡的に見つけ出された遭難者のような気持ちで、ヘンディーの眼を見つめながら話した。
「そう。でもさ。夜になるともっとディープな福生がわかるよ」
 自慢げに、ヘンディーが嬉しそうな表情でそう話す。
 自然に左手をあごの下に運び、親指と人差し指であごの先端のひげの剃り残しを確かめるような仕草をみつめてハッとした。
 函館で出逢った時は気付かなかったが、左手の薬指に指輪をしているのだった。
 郁雄は空かさず、
「ねえ。ヘンディー。奥さんいるの?」
 するとヘンディーの表情は突然暗くなり、フッとひと息入れてから話し始めた。
「郁ちゃんと函館で逢ったでしょ?あの日は49日の翌日だった。友達たちが亡くなった女房のお別れ会をしてくれたんだ。女房は函館出身でさ。彼女の実家で法要を済ませ、その翌日君の勤める居酒屋に招待された。」
 ヘンディーの寂しそうな顔を初めてみた。それまで郁雄は、ヘンディーは、そんな悲しい陰のようなものを引きずってる男には見えなかったから、意外であった。
 左手の指輪を右手で触りながら、
「急だったんだ。身近で大切な人間が、突然いなくなることは、本当に堪えられないことだよ」
 きっとそうだろう。郁雄は思わずもらい泣きしてしまった。
 
「よし。じゃあ今日から君の住むところと任せる店を案内しよう」
 無理やり笑顔を作り直すと、頭を右に傾け、さあ行くぜってジェスチャーで合図する。『外人顔』だとこういったシチュエーションの時、得だなあと思う。カッコいいもの。
 まるで映画のワンシーンのように、サマになる彼とサマにならない自分。いつか彼のように、陰りあるカッコイイ男になりたいと思う。
 ビートルはオリジナルのコンディションを保ったオフホワイトの外装とは対照的に、内装はエキゾチックなワインカラーに変更されている。助手席は左側だからヤナセが輸入したものかもしれない。いずれにせよ、古き良き時代と日本人が魅力的に感じるエキゾチックな『外からのもの』が、ほどよく溶け合ったコーディネートだ。
「ここが「赤線」だよ。昔、ここから生まれた『生命』が、実はたくさんあるんだよ。いつの時代もこの世は男と女しかいないわけだけど、その出会いがどんな風であれ、最終的に選択する権利を女性が持っているわけだ。女は怖いよ。郁ちゃん。気を付けなよ」
 ステアリングをゆっくり左に切りながら、狭い路地にクルマは入っていく。道幅が狭くなると同時に、ビートルの独特な水平対向4気筒エンジンの、小気味の良い排気音が腹に響いてくる。ところ狭しと道路を覆うように、色とりどりの袖看板が、歪んで張り出している。
 間もなくクルマは一軒の店の前で停まった。看板には黒地に白抜きの文字で『SOL ソル』を書かれていた。(つづく) 
〔3〕時空の繋がり・・・(2)
 
「神岡さん。宅配便です。小包をお届けに伺いました」
 一瞬、喉が詰まりそうになった。まさか!と思ったからだ。折角幸せの絶頂にいるのに、翼の無い自分は、一気に谷底に落ちるに違いない。
 小包に貼られた伝票の依頼主欄には、懐かしい文字が書かれてあった。徳島に住んでいる母親からのものだった。品名欄には「食品」と書かれている。小包を開ける瞬間、中の空気を吸い込むようにしてみる。それは中身を当てるためだ。匂いを嗅いだだけで中身を当てることは10回中、3回くらいか。
 小包用の宅配会社オリジナルの大きめの封筒を、そっと開けると、中に丁寧に包まれた四角い箱が入っている。この状態で何が入っているかイメージしてみる。あくまでも大きさや形状でイメージしてはいけない。それが自分に課せられたルールである。
 残念ながら、この段階ではわからなかった。そこで、中に入っている四角い包みをゆっくり開けていく。ここで匂いを嗅いでみる。
 ・・・・・芋だ。スイートポテトフレーバーの香り。・・・・・・
 ここで、郁雄は眼の前にいるサユリに、何だと思う?と質問してみる。当然わからないと返事が返ってきて、じゃあ、郁雄さんはわかるの?と逆に質問される。
 自信たっぷりに、
「鳴門金時系のお芋のお菓子です!」
 まるで、クイズ番組に出演して答えてる人に成りきって、自信たっぷりに答える郁雄は、口を半開きにして見つめるサユリに、勝ったような錯覚に陥った。
 一方サユリは、郁雄の変なところをひとつ発見したような気になり、子供のような無邪気なしぐさに、ちょっとグッときてしまった。
 不思議なものだと思った。昨夜サユリが突然訪ねて来てから、まだ丸一日と経っていないのに、こんなに簡単に人を好きになれるものなのか?
 自分の心の中にある、何かがきちんと収まってないといけない場所に、例えば解熱鎮痛剤がレセプターと呼ばれる鍵穴に、ピッタリ収まるようなファルマコダイナミクスのような感じかも知れない。
 いろんなふうに思索に耽っていると、何時の間にかサユリは自分の横に移動してきていた。まったく気付かなかった。何かを考えている時、そこだけに集中し、気がつくと環境がガラリと変わっている時が結構ある。好きな女の子が、すぐ傍にいてもこの調子だからダメなのだろう。
 郁雄は左手で、サユリの右太腿部を押して距離を開けようと試みた。が、するっと滑るような感触がした。
 サユリはいつの間にか、下半身に何もつけない状態になっていたのである。焦ったものの、彼女の眼を見ると、既に潤んだうつろな瞳が、郁雄を誘っているのだった。・・・・・女は魔物。こんな愛らしい魔物なら、餌食になってもいいと思った。
 愛するうちに、いつの間にか郁雄は、紅い光のなかで、生めかしくも神秘的な世界に誘われていった。
 
 気がつくと既に窓の外は夕闇に静まっていた。ちょうど左隣のバルコニーの先に見える街灯が、夜の訪れを教えている。
「やばい!寝ちゃったよ」
と、サユリの姿を探したが、代わりに天板のテーブルの上に書いて残したメモを見つけた。
 
『あんまり気持ちよさそうに眠っているので、起こさずに帰ります。目覚ましだけは適当にセットしておきました。サユリ』
 
 時計を見ると7時を過ぎたところだ。お店を開けなければ・・・・。そそくさと服を着替えて自転車を担ぎ上げる。
 階段から出る音を気にすることなく、道路に着地させると、ペダルに足を乗せた。
 東福生の駅からほど近い郁雄のアパートから、福生の夜のメインストリートの赤線までは、自転車でも5分とかからなかった。
 
 郁雄はショットバーのマスターだった。店のオーナーはヘンディーで、言わば「雇われマスター」なのだ。
 だから、店を開けないで休むことはできなかった。休みは日曜日だけ。それ以外は午後8時から午前5時まで、たとえ客が居なくても店を開けるのが掟なのだ。
 店の名前は「ソル」。スペイン語で「太陽」を意味している。云わば「夜の太陽」なわけである。
 夏になると、お店を閉める頃、東の空が青くなり、やがて朝の陽ざしがお店のガラス窓をオレンジ色に染める。だから「ソル」なのかもと考えたこともあった。
 でも本当の名前の由来は、誰がやっても永続きしない、ダメな居抜きの店を、不動産屋に安くするから借りないかと頼まれたらしい。
 一か八か、「伸(の)るか反(そ)るか」と店を始めるときに、初めから「反る」ことを選択したほうが、かえって巧く行くかもと考えたヘンディーのセンスの良さに軍配が上がったのだ。だから「ソル」というのが本当らしいが、わざわざ「SOL ソル」と看板に書いてるあたりが、ヘンディーの経営センスの良さかもしれない。
 何とか開店準備を済ませ、カウンターの中の、コールドテーブルの真ん中あたりに立ち、布きんでまな板を拭き終わったところで、見覚えのある女の子がドアを開けた。・・・・・由里香が店に来たのだった。
 
 由里香が店のドアを閉めると、こちらに振り返った時、一体どんな表情をすればいいのだろう。郁雄は由里香だと気付いた時点で、もう一人の「魔物」だと決めつけていたからだ。また女性特有の鋭い洞察力で、2秒も見つめられると、きっと昨日から今日までのわずか24時間くらいのことなど、お見通しに違いない。こんな時は笑って誤魔化すしかないだろう・・・。
 
「こんばんは。ヘンディーさんに聞いて来たの。」
 由里香は一瞬、カウンターの向こうで、ファーが襟元についた、いまどきの女の子にしては瀟洒なコートを着て現われた。濃い紺色のカシミヤが、薄暗くした店の光を全て吸い取るようだ。言い知れぬオーラを放ちながら、郁雄を見つめながら笑っている・・。
「いらっしゃい。どうぞお好きなところにお座り」
 そう言ってから、コートハンガーの場所を指さし、リラックスするよう促した。
 店の北西の隅には、郁雄ご自慢の「薪ストーブ」が置かれている。月に2回、奥多摩で林業をやってる店の客が、燃料にする薪を軽トラックで運んでくれるのだ。
 冬の間、毎日店に出てくると、まず薪ストーブに薪を入れ着火する。始めのうちは、何度もすぐ火が消えて
、巧くいかなかったけど、この頃は自分で「着火のプロ」だと自称するくらいにまで上達した。いつも見慣れたストーブの炎が、ガラスの向こうで何故か盛んに燃えているような気がする。
 コートハンガーにコートを掛けると、由里香は一瞬椅子を選ぶように、カウンターの端から端まで視線を流した。それから、そこが自分が座るべき場所と決まっているかのように、ひとつの椅子を選び、腰を下ろした。
 郁雄は、息が止まるほどの衝撃を、どうやって押さえれば良いか知るすべも無かった。(つづく)
 
〔3〕時空の繋がり・・・(1)
 
 久しぶりだった。久しぶりに自分が男であることを認識した。二度果てた後、ようやく自分を取り戻したようだった。ベッドの中でサユリと様々なことについて話しした。
 サユリもいろんなことを話してくれた。大学に通ってはいるものの、本意ではないと云う。それより郁雄が気になった彼女の言葉は、本当は何か得体の知れない、スケールの大きなものに支配され、動かされていることを感じると云ったことだ。
 考えてみると自分だってそうだ。分岐点にはいつだっていくつかの選択肢からひとつを選択することに気付いている。もし、函館でヘンディーと出逢わなかったなら、今多分この場所には居ないだろう。
 では数時間前、二人の女性から、どちらか一方を選択することが自分にできたかどうか。今自分の腕の中にいるサユリを選択することが、違ったシチュエーションで同じ結果になったかどうか。
 正月2日の東福生の朝は、武蔵村山の方からやってきた。東側に窓があり、バルコニーの間仕切りが、隣の洗濯機の動きに合わせて震える。建てつけの悪いサッシの隙間から、冬の冷たい空気が忍びこむ。ただ、今は何故か孤独感と云う言葉さえ、何処かに消え失せるほど、サユリの存在が、数時間のうちに、自分のなかで大きく育っていることに気付くのだった。
 
  眠りこけてるサユリのために、朝ごはんを作って食べさせようと、近所のスーパーへ買い物に出かけようと靴を履いた。つま先をトントンと靴の先っぽに馴染ませ、踵のあたりに少しの空間をつくってスニーカーを履くのが彼の流儀である。だから、少し靴の踵あたりが踏まれている。座って履けばそうはならないはずだが、必ずそうして履く。右脚をトントンやった時、
「ねえ。どこか出かけるの?」
と、眠そうな声のサユリが声をかける。
「起きちゃった?ちょっと食料品を買い出しに行ってくる。すぐ戻るから」
そう言い残すと、ドアをバタンと閉め、駆け足で鉄の階段を駆け降りる。
 外に出ると一段と寒さが増してくる。3年程東京を離れ、函館に住んでいたから、寒さには慣れているはずだったが、やっぱり冬の朝は、どこでも同じだ。気力が勝負である。
 2分も走るとスーパーに着いた。正月の食料品も半額のシールが貼ってあるものが眼につく。売れないのだ。郁雄はそう思った。すべての事柄には、定められた、それに相応しい「時」があって、何人もこれに逆らうことはできないのだ。きっと食料品もそうなんだろう・・。そう決め付けた。基本的に、思い込みの強い性格なのだ。
 タマゴを1ケースと、レタス半切れ、キュウリ1本に食パンを買った。全部で500円を超えなかったことに、なんともいえない喜びを感じた。レジのデジタル数字を見つめてほくそ笑む郁雄を、レジ係のおばさんが怪訝そうに横眼使いで睨むのだった。
 
 レジで代金を払った後、郁雄は失敗したなと思った。
携帯電話を持って出るのを忘れたのだ。ひょっとすると今頃サユリがチェックを入れてるかも知れない。別に悪いことしたわけじゃないのに、急に気が重くなってきて、駆け足で帰るはずの道のりを、ぼんやりいろいろ考えながら歩きはじめる。
 女の勘は鋭いから気をつけるようにと、郷里の母親に教えられている。女の母親が云うのだから本当に怖いのだろう。
 昨夜サユリと由里香から、それぞれ2回ずつ電話をもらっていたが、両方とも出ることはなかったし、どちらにもかけることはしていない。また、押しかけてきたのはサユリの方だ。そう思い直すと、とり越し苦労している自分が、子供じみているような気もするのだが、母親から「女は魔物」とも教えられているので、なんとなく恐ろしくなってきたのだった。
 昨夜のサユリはかわいい女だったけど、きっと豹変して鬼にもなることがあるだろう。由里香の顔が変わるのは昨夜確認済みだが、サユリの怒った顔はまだ見ていない・・・。
 自分から押しかけてくるほどの、度胸ある女の子だ。
怒らせるとハンパないだろう。・・・そう考えると、少し加速して曲がった美容院の角から見える、犬猫病院の看板をふと見上げながら、どうしてオスの人間に生まれてきたんだろう。猫なら心配もなくそれこそ猫可愛がりされるだろうに。と、大きくため息をついて、うつむき加減に歩いていると、靴先の視界に、サユリのブーツが入って来る。
「ねえ。遅いじゃない?」
 
  郁雄はハッとして、顔面から血の気が引いていく自分に気がついた。やっぱり怖い。彼女の顔をスローモーションでひとコマずつ数えるように、意識しながら見上げていく。
 昨夜のお化粧をシャワーで洗い流したのか、声は確かにサユリなのだが、別人のような気がした。でも確かにサユリに違いなかった。
「ご、ごめんよ。近くの店が正月休みでやってなかったから、もうひとつ向こうのスーパーに行ってきた。自転車使わなかったから疲れちゃって」
 そういうと、サユリは急に笑顔になり、勝手に腕を組んでくる。ごめんね、私が作るからとレジ袋を取りあげた。
鉄の階段を二人で登ると、壊れたグロッケンシュピールのような音を奏でる。一瞬立ち止まり、このアパート、ふじみ荘の住人は、夜の仕事の人達が多いから、もう少し静かに歩いて欲しいと、サユリの耳元で小さく云うと、サユリが、さらに小さな声でわかったよと云う息の甘い香りに、言い知れぬ安堵を感じる郁雄だった。
 
「ねえ。朝ごはん、私が作ってあげる」
というと、冷蔵庫に吊ってあるエプロンをつけて台所に立ったサユリの後ろ姿は、妙に新鮮で、朝日を受けて輝いて見えた。時々由紀ちゃんが来てご飯を作ってくれることがあったが、本物の女の子にエプロンは似合うことを知らされる。
 郁雄はコーヒーテーブルに布団をかぶせる。ベッドで使っている布団は、本当はこたつ布団なのだ。コーヒーテーブルも実は電気こたつであり、時々麻雀をする時使う天板を乗せれば、正真正銘のコタツに早変わりした。
 何となく新婚気分ってこんな感じかなと考えると、ついさっきまで持ち忘れた携帯電話のことから、いろいろ余計なことを考えていた自分がおかしくて、思わずひとりほくそ笑んでいた。
「ねえ。由里香から電話あった?」
と、タマゴを焼きながらサユリが尋ねる。
「ああ。でも話すことないし」
 そこまで話して、ハッとしてしまった。サユリがかけてきても、電話にでなかったことを思い出し、
「実は昨日の朝、具合が悪くなって、君が来てくれるまで、ほとんど寝ちゃっててさ」
と切り出したものの、やっぱりこの子、履歴をチェックしたんだと思った。
「ふ〜ん。あの子、たぶん郁雄さんのこと気に入ってるよ」と云うと、女の勘とも付け加えた。
 
   女の勘・・・・。ついに出た。自分が母親から、あれだけ口を酸っぱくして教えられた忌むべき世界の住人になってしまってることに、改めて気付かされる。しかも既に、肉体関係まで持ってしまっているのだ。
 世の中には、プレイボーイと呼ばれる人達がいて、きっと楽しい日々を送っているに違いないと思っていたけど、それはきっと大間違いで、被虐的でマゾスティックな境地を味わうことのできる、一部の勇敢な男たちが住む世界に違いない。 
 ・・・・困ったことになった・・・・・・。 
「どうしたの?ぼ〜っとして?」
 サユリは、自分の心のなかを見透かしたような眼で振り向いた。ほんの2秒ほど自分を凝視すると、口元をきゅっと閉め、またフライパンを上手に操って、紡錘形に成形したタマゴを宙に・・投げる。
頭のうしろで両手を重ね、天井の模様を数えるようにしていた郁雄の前に、サユリの作ってくれた朝ごはんが並べられていく。
 メインディッシュには、キャベツのコールスロー、レタス、キュウリは孔雀が羽根を広げたみたいに扇形に飾られ、由紀ちゃんの唐揚げとオムレツが美しく乗せられている。スープはインスタントのオニオンスープに、タマゴの浮きみが浮かんでいる。トーストには、ちゃんとバターが塗ってある。・・・・・完璧だ。しばらく呆然と眺めてしまう。
「どうしたの?嫌いなの?さっ、早く召し上がれ!」
 満面に得意そうな笑みを浮かべて、それでいて左のほっぺにタマゴを焼いている時にくっついた破片に気付かないサユリを、美しいと思った。
 心の中にあったはずの鈍色の不安な雲は、いつのまにか何処かに消え去り、雲の陰に隠れていた太陽が見えてきたように、サユリの愛情が自分の心の奥の、いまだ誰も開けたことのないドアをこじ開けて入ってきたような、不思議な感覚を覚える。
 ・・・・・ダメだ。好きになったかも。・・・・・・
 抜き差しならぬ境地に追い込まれながら、その断崖絶壁から見晴るかす眼下に広がる風景を美しいと云う旅人の心境にも似た心持ちに、例えばこんな時、自分の背中に翼を持っているなら、谷底から吹き上げてくる冷たい風をも上手に受け止め、きっと空高く飛べるに違いない。・・・・そう思った。
 と、その時玄関先で足音が止まる。
「コンコンッ。コンコンッ」         (つづく)
 
〔2〕真夜中の訪問者
 
 どれくらい眠ったのだろう。今朝帰って来る時の寒気はウソのようになくなり、身体は回復したようだ。毛布とシーツの間に挟まって眠っていたので、シーツが汗でグショグショになっている。
 ピローケースもグショグショだ。昨夜飲んだアルコールが全部汗に変わったようだった。不意に尿意を催し、バスルームに歩いていくと、無造作に投げ出された携帯電話に「着信あり」の表示を見つける。ディスプレーを開けると、着信4件の文字。誰からだろう・・・。気になって履歴をチェックする。1件目・・ユリチャン。2件目・・ユリッぺ。3件目・・ユリチャン。4件目・・ユリッぺ。・・・・・。
 困ったことになった。同じような名前で、同じような髪型。どっちがどっちだったか、まるっきり思い出せないのだ。せめて留守番メモくらい入れてくれていれば、どっちか声でわかるような気がする。でも少し息が漏れるような発音をしてくれるかどうか。ちょっとかすれた声だったら、由里香ちゃんだろう。かすれていない声はサユリに違いない。
 普通なら、どちらにも電話して声を確認。要件なども聞くのだろう。けど、そんなことが恥ずかしくてできないから、いまだに独身なのかもしれない。俺ってどうしてこんなチャンスをモノにできないのだろう。二人からかかってきてるじゃないか。片方ダメにしても、もう片方が巧くいくことだってあるんじゃないだろうか?
 シャワーをしながらそんなふうに考えてみる。お気に入りの石鹸が無くなっていることを思い出した。帰りにドラッグストアでと考えていたのだが、今日はあいにく正月休みだったのだ。
 仕方なく、メンソール入りシャンプーで髪を洗った後、身体もついでにシャンプーで洗うことにした。何となくスッキリしたような気がした。そんな時、玄関先に誰かの足音を感じたのだった。
 
「ピンポーン。ピンポーン。」・・・。何だ。由紀ちゃんか。
すぐ出るからちょっと待ってと大きな声で玄関の方に向かって叫ぶ。大体、ピンポンチャイムがついて無い部屋も、今時珍しいと云えば珍しいが、声色を使ってカワイイ女性になり済まして、ピンポーンなどといたずらするオカマも珍しいのかも。
 由紀ちゃんは、本当は由紀夫さんである。お店のお客さんで、米軍兵相手のゲイバーのママだ。仕事に行く前、時々差し入れしてくれるのだった。
 ドアを開けると、普通の毛が薄くなった中年オヤジが立っている。お化粧もせず、カツラもかぶらず平気でやってくる。というのも、ひと部屋挟んだ、むこうの部屋に住んでいるからだ。唐揚げを揚げたからおすそわけと、
揚げたての唐揚げを持ってきてくれた。
「イーストのカフェのフライドチキンよりおいしいよ。」
と云ってから、剥げた頭でウインクして部屋を出て行った。が、すぐにまたドアを開け、
「郁ちゃん。あんた何か女の匂いがする。ねえ。いいひとでもできた?」と云うと、もう今度はドアを開けなかった。どうせ明日の夜、お店に来てくれるはずだ。
 
 由紀ちゃんがもう再び入ってこないことを確認すると、頂き物の唐揚げの入ったバスケットをコーヒーテーブルの上にそっと置いた。他の人が見たら、そのテーブルは多分ちゃぶ台なのだが、誰だったか米軍兵が泊まりに来た時、このちゃぶ台を「COFFEE TABLE」と云ったから、それ以来コーヒーテーブルと呼んでいる。
 バスタオルで身体を拭きながら、足の親指と人差し指で、コンポのスタートボタンをオンにし、AMをセレクト。
するとFEN(FAR EAST NETWORK・・極東放送)に器用にチューニングする。英語はやっぱり苦手だが、できるだけネイティヴな英語を聴くようにしている。全て仕事のためである。
 福生(ふっさ)の街は基地の街。米軍横田基地で成り立っているような、日本で日本じゃないような、不思議な街だ。Yナンバーの自動車が街を自由に走り抜ける。
日本人は、何故か小さくなって生活しているようだ。
 函館から移り住み、あのヘンディーの世話になって、今の暮らしがある。もしあの時ヘンディーに出会っていなければ。またあの醤油のシミがついた箸袋のメモが無ければ、今こうしてここにいない自分が、何処にいるのか見当もつかないのだ。
 そんなことを考えていたら、携帯電話のバイブレーションが着信を知らせた。
「もしもし」
 電話の声は女性の声だった。
「はい。郁雄ですけど」
 どっちだろう。でも「ユリ」は共通の響きだと考えた。
「わたしよ。今あなたのアパートの下まで来ちゃった」
 またどうして?アパートはヘンディーに聞いたのだろうか?
「わかった。じゃあ、上がってけば」
 というより足音はどんどん近づいてきて、やがて玄関ドアの前で止まった。
 コンコンとノックすると、続けて今晩はの声。心臓の鼓動を感じるほどの久しぶりの衝撃を押し殺すように、郁雄はゆっくりと玄関のカギを上げた。
 
ドアを開けると立っていたのはサユリだった。ドアの外でも何だからと、とっちらかった部屋に彼女を招きいれた。訪問の理由を聞こうかとも考えたが、それももういいかと自問自答した。
「あの〜。積極的な女って嫌い?」
 いきなりだ。どうしたのだ。サユリはわざわざ私の部屋を探してきた。何故だ。どうなっているんだ。・・・・いろいろ心のなかで自問自答しながら、
「いや。嫌いじゃないけど」
「けど?」
「・・・・・・」
「私ね。郁雄さんのこと好きになっちゃった」
 郁雄はなんだか夢を見てるんじゃないかと思って、
「これって現実だよね?」
と、とりあえずサユリに聞いてみる。
「現実よ。私せっかちなの。感情を抑えられないタイプなんだ。好きになっちゃったから、押しかけて来ちゃった」
と、訴えながら、座っている膝がどんどん郁雄に近づいてくる。と、次の瞬間、いきなり唇を重ねてきた。
 郁雄はこんなこと今まで一度も経験したことがない。30年生きてきて、初めての体験だった。彼女の両腕は既に郁雄の背中に回されている。激しい鼓動で張り裂けそうな胸に、サユリの柔らかい胸の感触が伝わってくる。
「ちょ・ちょっと待ってくれ」と云うと、郁雄は必死でサユリの肩を離そうとした。でも彼女はそれをするりとかわすと、郁雄の身体に覆いかぶさるような姿勢になる。郁雄も腹をくくった。サユリのスカートの向こうに見える太腿に、身体が反応してしまったのである。視覚的にノックダウンした郁雄は、目覚めた男の本能を押さえることができなかった。(つづく)
 
〔1〕初めて見る顔
 
 正月だというのに、滑走路の西端のフェンスの芝を舐めるように、少し生ぬるい風がそよいで来て、ダウンジャケットの襟元を吹き抜けると、微かにオイルの臭いがする。
 郁雄は立川の友人の家から朝帰りの途中だった。大晦日の夜、パートナーのいない友だちだけで、(今年もヤケクソ・バチェラパーティー)に招待され、ヘンダーソンの家に通い始めて、かれこれ8年目になる。
 ヘンダーソンの家は、イーストゲートに程近い、アメリカンヴィレッジの中にある、古ぼけたハウスだ。
 横田基地の軍人だった父と、福生の赤線の飲み屋でママをしていた日本人の母の間に生まれた、いわゆるハーフだった。
 郁雄がそんなヘンダーソンと出会ったのは、東京からは、まったく地理的にもかけ離れた、北海道の函館だった。函館駅から歩いて3分かからない居酒屋で、バイトしてる時、東京から遊びに来たらしい、観光客のうちのひとりがヘンダーソンだった。
 ヘンダーソンと初めて交わした会話を、郁雄は今でも忘れられない。
「Where did you come from?」
 顔が外人顔だったから、中学の頃の教科書を思い出して、ドキドキしながら一か八かの問いかけに、
「ええっ?僕ですか?う〜ん、東京にある、アメリカ村かな。ほら、見ての通り外人の顔してるでしょ。」と、流暢な標準語で答えたから、焦ってしまった。しかも自分の標準語より標準語らしいイントネーションだったから、テーブルに届けようとした生ビールのジョッキを、思わず思いっきりこぼしてしまったのだ。全員大笑いしながらも、郁雄に親しみのある笑顔を送っている。
 そんなヘンダーソンが、もしも近くに来ることがあったらと、メモに住所と名前を書いて寄こしたのだった。
 まさか、その箸袋のメモから、今のような関係になるとは、思い出しただけでも笑いが込み上げてくる。人生には不思議なことがあるものだと、今ではしばしば、人に力説することが多くなった郁雄だった。
 
 ヘンダーソンの家から自転車で10分も走ってくると、さっきまで続いた独身ヤミ鍋パーティーのアルコールも、すっかり抜け切り、今度は寒気がしてくる。さっきは生暖かく感じた風も、どうやら発熱し始めた体調の変化の途中のことらしかった。
 そもそも、郁雄は酒がからっきしだった。下戸である。でも、みんなでワイワイやるのが嫌いじゃなかったので、ヘンディーに誘われると否と云えないのだ。
 あと、パーティーの招待客も毎年、顔ぶれが違っていて、もちろんパートナーができて来れなくなった者もいるし、失恋して再び会員に復帰する者もいる。そんな可笑しなパーティーだけど、決まってかわいい子が2〜3人は新客として招待されるのがお決まりになっていたからだった。
 今回のパーティーには、郁雄のハートを文字通り鷲づかみする女の子が現われた。郁雄はだいたい、ロングヘヤーの女の子が好みなのだが、その長い髪を、ポニーテールにされると、ときめいてしまう癖がある。
 サユリは女子大の英文科に通う女の子だ。顔は芸能人で似てる子を探すなら、若い頃の辻沢杏子似である。知的な微笑みと嫌みのない知性を感じさせる女性である。そんなサユリに、好物のカワハギを掬ってもらい、「ハイ。どーぞ。」なんてポニーテールを少し揺らされながら手渡されたものだから、郁雄のトルクメーターはレッドゾーンに振りきってしまったのである。
 ところが、ハートを鷲づかみにする女性は、ひとりではなかったのである。
 由里香もまた、ロングヘヤー。おまけにポニーテールにしてピンクのシュシュが妙に色っぽいのだ。普通にしてると小泉今日子似の整った顔立ちだ。ところが笑顔がなんともカワイイ女性。いわゆる「歴女」で、日本の古代史のゼミに参加する才女でもある。
 そんな由里香を酔った勢いで、「歴女。ハイ。才女。」等と囃したてたもんだから、いきなり眉にしわを寄せて怒りだした。笑顔の時、年がいも無くできる左右のえくぼが、プッと怒ってふくれっ面になると、口元の八重歯が少しはみ出て、それを郁雄はたまらなくかわいく思ったのである。
 昨夜からのヤミ鍋パーティーは、夜が明け元旦の朝になっても続いたが、カーテン越しに朝日が差し込むようになると、こんな楽しいパーティーは、もう二度と無いような気持ちになり、また、ヤミ鍋でもなくなると同時に、眼の前に不意に現れた美女たちに、切ない男心を奪われた郁雄だった。
 
「ちぇっ。風邪ひいちゃった。」
 郁雄は、ダウンジャケットの襟の端までファスナーを上げると、また自転車をこぎ始めた。そこの角の美容院を右に曲がり、そのすぐ左の犬猫病院を左に曲がると、郁雄が借りているアパートの階段が見えてくる。
 自転車を二階まで、肩に背負って登る。というのは今乗ってる自転車で3台目だからだ。盗難に逢うたび、第5ゲートの角の交番に被害届を出しに行くのだが、いつも決まって、部屋の中に入れた方がいいと巡査に言われるのだった。
 そもそも、部屋に入れて飾っておくようなフランス製のロードモデルでも無く、ただのママチャリなのだが、また盗まれて交番に行って、あのコマワリ君みたいな巡査に、笑いながら同じセリフを云われたくないからだった。
 発熱してふらつきながらも、なんとか部屋のドアのところまで持って上がることができた。元旦の今夜は、お店は休み。だが、一晩すると二日の夜はお店がある。今夜一晩で良くなるだろうか。郁雄はさっきまで二人の女性をかわるがわるイメージしていたのだが、今はどうしても、一日じゅう寝ることで風邪を治さないといけないと、仕事のことで頭のなかが一瞬いっぱいになった。
 自転車を部屋に入れ、ドアノブの下のフックで鍵をかけると、なだれ込むようにベッドに横たわってしまった。
ピコさん
ピコさん
非公開 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
友だち(52)
  • にあ
  • sandalwood
  • 白梅爺
  • うまやど
  • 伊勢志摩ブログネットグループ
  • パステル
友だち一覧

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

ブログバナー

Yahoo!からのお知らせ

よしもとブログランキング

もっと見る
本文はここまでですこのページの先頭へ

[PR]お得情報

話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン
ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!

その他のキャンペーン

みんなの更新記事