|
「私の夢」
by 伊古彦
寒い冬になると 行きたくなる 北の町
深夜の駅のホームから 同じ列車に乗る人は少ない
夜汽車に揺られ ふと車窓の外に眼をやると
ぽつり ぽつり と 雪が舞い降りている
駅で買ってきた 弁当の包みの紐をとく
家で詰めてきた 魔法瓶から 湯を注ぐと
にわかに 湯気が立ちのぼる
少しおなかが満足したら
脚を伸ばして ひと眠りしよう
どこの駅に着いたかはわからないが
夜明けは もうすぐ そこまで近づいていて
ホームに かすかに積もった雪が
白色電灯に照らされ あざやかに白く浮かび上がる
恐らく近くに 漁港があるのだろう
早朝の駅から 乗り込んできたのは
市場で仕入れた魚を 桑折いっぱいに背負った
行商のおばさん達だ
お国訛りが 耳に心地よい
旅情たっぷり 寒さに食いしばっていた口元が
自然に緩んでしまう
次の駅から 高校生たちが乗り込んできた
寒いだろうに 妙に薄着なのだ
若さ か。 ・・・ いいなあ。
終点の駅に 列車は緩やかに辿り着いた
さて。
まずは 朝ごはんを食べようか
何かあったかいものが 食べたいなあ
訪ねる先は決めていない
また 今夜どこの宿に泊まるかさえ決めていない
何を感じ 何をするかは
そこで決めるのである
制限時間はある
日曜日中に 家に辿り着かねばならない
さて 何処へ行こうかな。
|

>
- Yahoo!サービス
>
- Yahoo!ブログ
>
- 練習用


