母の遺言書

母の遺言書  私の母は今年で90歳になります。私は母が20歳のときに生まれたので、ちょうど70の年の開きがあります。母の記憶があるのは、私が5歳くらいのときなので、70年間一緒に生きてきたというリアルな感覚はないのですが、母からいわせれば「70年間お前を見てきた」と言うに違いありません。  しかし、私は18歳で大学で勉強するために東京へ出たので、この間、度々母親のもとに帰っていましたから、70年間母親を見てきたという言い方もあながち不正確ではないと思います。年がら年中顔を見ているよりも、適度な距離があって、そのほうが良かったのかもしれません。大型連休と夏休み、それに正月くらいしか故郷に帰れない普通のサラリーマンに比べれば、大学教授という仕事は、土日を使って気軽に会いに行けるので、母親と一緒に暮らしてきたという実感は十分にあります。  すべて表示すべて表示

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