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「油症-與毒共存」紀錄片中所有內容之著作人格權與財產權,包括文字、圖片、聲音、影像等均為蔡崇隆導演所有或經原作者、受訪者同意合法使用。 任何未經授權之盜錄、剪輯改作、公開展示、出租、租售、出借、公開演出、公開播送或散佈本片全部或其中之任何部份皆嚴格禁止,任何前述行為皆須擔負民事賠償責任及著作權之追訴。 本片僅接受非營利之完整轉載或播放,且需載明作者及影片名稱,並事先取得作者同意。

紀錄片<油症:與毒共存>尚有姊妹作品<被遺忘的1979>(陳昭如著),紀錄片導演版(72分鐘)開放線上觀賞。如欲進一步了解油症事件的來龍去脈,歡迎購買精裝典藏版DVD(網路價470元)與專書,詳情請洽詢同喜出版社。




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転載元転載元: 食べ物のために争いがおきる歴史 カネカが地獄を連れてきた



10  Y(カネカ)鐘淵化学工業 のカネクロール400の供給に当たっての危険性の警告状況と油症被害への対応

(1)カネクロール400をXに供給するに当たっての危険性の警告状況
Yは、1954年に日本で最初に「カネクロール」という商品名でPCBの製造を
開始し、1957年ころから熱媒体用途の製品として生産・販売を拡充していった。
しかし、PCBの毒性については、労働科学研究所の野村茂元熊本大学医学部公衆
衛生学講座教授が、PCBの動物実験により、極めて激しい中性脂肪変性を起こして
死に至ることや、PCBが皮膚疾患を起こすこと、また、それにとどまらず、PCB
が皮膚を通じて体内に入り込み、肺、腎臓、副腎に一定の変化を起こすことを究明し、
このような研究成果を労働科学研究所発行の「労働科学」1949年11月10日号
に発表していた。また、同人は、1953年ころ、科学工業協会安全衛生委員会に提
出した「有害な科学物質一覧表」にPCBを挙げ、その中でPCBを体内に取り込む
と肝臓障害や塩素ニキビが起きることを指摘していた。

カネカは、日本で他の企業に先立ってPCBの生産を開始したものであるが、PCBを
食品の熱媒体用として製品化するに当たり、それが人体に危険を及ぼすおそれの高い
分野であるにもかかわらず、独自に動物実験を行ってその毒性の程度や生体に対する
有害性を確かめたり、又は他の研究機関に調査を委託したりするなどしてその安全性
を確認したという事実は認められない。

また、カネカがXにカネクロール400を販売するに当たって、PCBの危険性につい
て周知徹底を図っていたという事実も認められない。Yのカネクロール400のカタ
ログには、「カネクロールは塩素化合物として若干の毒性をもっていますが、実用上ほ
とんど問題となりません」「皮膚に付着した時は石鹸洗剤で洗って下さい。もし付着し
た液がとれ難い時は、普通の火傷の手当で結構です。」「カネクロールの大量の蒸気に
長時間曝露され、吸気することは有害です。カネクロールの触媒装置は普通密閉型で、
作業員がカネクロールの蒸気に触れる機会はほとんどなく、全く安全であります。」と
いった記載がなされている程度であった。

(2)油症被害への対応
前記のとおり、1987年3月20日、最高裁において、原告とYとの間で、上告
審係属中の二つの事件に下級審継続中の全ての訴訟の原告が利害関係人として参加し
た全訴訟一括和解方式による和解が成立した。
最高裁の和解成立時までに、Yは合計約86億円を支払っていた。その内訳は、①
一連のカネミ油症事件に関する訴訟の仮払仮処分、下級審の判決に基づく仮執行によ
る約77億円、②1978年7月の確認書に基づく660人の未訴訟油症被害者への
見舞金8億5800万円である。
カネミ油症事件に関するYの支払総額は約105億円となっている。なお、仮執行
の金額が見舞金を超えている場合で、本来Yに対して返還されるべき金額は和解条項
に基づく計算上約48億円となっているが、返還はされていない。
他方、カネカが和解後に認定された油症被害者に対し、和解した者と同様に支払措置を
講じたという事実は認められない。

転載元転載元: 公衆衛生・安全の義務のブログ


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カネミ油症事件発生後の国の人権侵害性

① 被害回復義務
国は、ダーク油事件の調査段階において、必要な規制権限を行使せず、被害の発
生・拡大を招いた点で、申立人らの人権を侵害したのであるから、油症被害発覚後
においては、先行する人権侵害行為について、その被害の回復、すなわち、油症被
害者に対する適切な医療の提供、健康の維持・回復、生活面における支援をなすべ
き作為義務があったというべきである。
しかるに、国は油症被害の発生・拡大を防止しなかったのみならず、その後、現
在までの対応においても、以下に述べるとおり、被害の回復のための作為義務を尽
くしているとはいえないから、不作為による人権侵害性が認められる。

② 事件発生後の国の責任
前記のとおり、事件発生から5年後の1973年までに発表された厚生省環境衛
生局食品衛生課の係官作成の論文において、カネミ油症事件については、今後も慢
性中毒事件として、行政機関が中核となって油症の診断と治療の研究・開発等につ
いて積極的な対策を採っていくべきことが指摘されていた。
すなわち、国自身も、事件発生後、比較的早い時期において、被害が継続・深刻
化していくことを予見していたものといえる。
しかるに、国が採ってきた主な対応は、全国油症治療研究班への研究費の支出、
Xへの支援(倉庫料の支払)にとどまっている。1983年にPCDFが原因物質
の一つと確認され、1985年の三大臣協議においても、対応の必要性が再確認さ
れていたにもかかわらず、施策に大きな変化は認められなかった


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第5 当委員会の判断

1 申立人らに対する人権侵害
第4、4項で認定したとおり、申立人らは、油症により、身体的・経済的被害にとど
まらず、家庭生活や社会生活上、ひいては人生そのもののあり方にまで及ぶ重篤な被害
を被っており、重大な人権侵害を受けている事実が認められる。
2 国に対する救済制度確立に関する申立について(国の行為の人権侵害性)

(1)ダーク油事件発生時における国の人権侵害性
まず、事件発生時における国の人権侵害性について判断する。
① 国家賠償請求訴訟における国の責任の判断と人権侵害性の判断の関係
国家賠償請求訴訟をめぐる裁判所の判断は、いかなる場合に国の法律上の権限不
行使が国家賠償法上の違法性を帯びるかという争点をめぐるものであった。そして、
ライスオイルによる健康被害の発生及びそれに先行するダーク油による鶏の大量死
に対する国の対応に関しては、高裁判決レベルにおいて国の責任を肯定した判決(福
岡高判1984年3月16日判時1109号24頁)も、否定した判決(福岡高判
1986年5月15日判時1191号28頁)も、いずれも国の関与についての事
実認定についてはほぼ共通している。食品衛生法上の権限の行使・不行使が、行政
庁の自由裁量に委ねられていることを前提とした上で、その権限不行使が違法性を
帯びるか否かの一般的判断基準についても、いずれもいわゆる裁量権収縮説(行政
庁に裁量が認められている場合であっても、一定の場合においては、その裁量の幅
が小さくなり、一定の行為をなすことを義務づけられるという理論)に立っている。
また、違法性判断の具体的要件としては「①国民の生命、身体、財産に対する差し
迫った危険、②行政庁において右危険の切迫を知り又は容易に知り得べき状況、③
行政庁が容易に危険回避に有効適切な権限行使をすることができる状況」が存在す
ることを挙げている点でも共通している。

上記の両判決の判断と本件の人権救済申立における人権侵害性の判断については、
前者が国家賠償法1条における公務員の不作為の違法性の判断を行っている点で、
後者のダーク油事件の発生から食用油による人体に対する健康被害の発生にかけて
の国の不作為が申立人らの人権を侵害したものであるか否かという観点と基本的に
共通する面がある。そこで、両判決における違法性の判断基準を本件の判断におい
ても参考にすることとする。ただし、弁護士会の人権救済申立制度における判断は、
もっぱら憲法及び確立された国際法規である国際人権規約などに照らして、当該被
害について人権侵害の有無を判断するものであるから、国家賠償請求訴訟における
違法性判断より広い観点から、食品による健康被害が切迫している状況のもとで、
最も重要な人権の一つである国民の生命・身体の安全を保護するために公務員に期
待される行為規範に照らして積極的な判断をすることが求められるというべきであ
る。以下においては、上記の観点から本件における人権侵害性を判断することとす
る。



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② 事件発生時における国の不作為と人権侵害性
(ア)憲法25条及び食品衛生法
憲法25条は「1 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利
を有する。2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆
衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と規定する。これを受けて食品衛
生法は「この法律は、食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規
制その他の措置を講ずることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止
し、もつて国民の健康の保護を図ることを目的とする。」(1条)と規定している。






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(イ)社会権規約
また、1966年12月16日の第21回国連総会で採択され、1976年1
月3日に発効した経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(以下「社会
権規約」という)(日本政府は、ダーク油事件発生から約10年経過した1978
年5月30日に社会権規約に署名し、1979年6月6日の国会承認、同21日の
批准書寄託、同年8月4日の公布を受けて、同年9月21日に日本国内で効力が生
じた。)は、第12条(健康を享受する権利)において、以下のとおり規定してい
る。
「1 この規約の締約国は、すべての者が到達可能な最高水準の身体及び精神
の健康を享受する権利を有することを認める。
2 この規約の締約国が1の権利の完全な実現を達成するためにとる措置に
は、次のことに必要な措置を含む。

(a)死産率及び幼児の死亡率を低下させるための並びに児童の健全な発育
のための対策

(b)環境衛生及び産業衛生のあらゆる状態の改善

(c)伝染病、風土病、職業病その他の疾病の予防、治療及び抑圧

(d)病気の場合にすべての者に医療及び看護を確保するような条件の創出」

上記の規定のうち、2項(c)の「伝染病、風土病、職業病その他の疾病の予
防、治療及び抑圧」の「その他の疾病」には、例示されている「伝染病、風土病、
職業病」の他、本件におけるような食品による疾病も含まれていると解すべきで
あるから、国にはその「予防、治療及び抑圧」のために積極的な役割が期待され
ているというべきである。また、2項(d)の「医療及び看護を確保するような
条件の創出」という規定からも、国の適切な医療体制を整備する義務を定立する
ことができるというべきである。




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③ 憲法と国際人権規約から見た国の人権侵害性
まず、「①国民の生命・身体に対する差し迫った危険」という点については、当時
ライスオイルを摂取することにより、国民の生命・身体に重大な危険が切迫してい
た事実が認められることは明らかである。
次に、「②国において危険の切迫を容易に知り得べき状況にあったか」、「③国に
おいて容易に危険回避のための有効適切な権限行使をすることができたか」の要件
について検討する。

この点、農林省と厚生省は、国民に安全な食品を供給するという共通の目的を有
し、所掌事務は事実上密接に関連しているというべきである。とりわけ、国民に危
険な食品が提供されるようなことがあるならば、憲法25条で国民に保障されてい
る健康で文化的な生活を営む権利自体が侵害されるという重大な問題に直結しかね
ないのであるから、この点における両省の連絡・調整は強く要請されるところであ
る。

また、社会権規約12条の2項(c)に照らしても、当時食品の生産流通を職務
とする農林省の係官が、自己の職務を独自に執行中であったとしても、その過程で
食品の安全性が疑われるような事実を探知し、食品の安全性について相当な疑いが
あれば、食品衛生業務を本来の職務としないとはいえ、これを所管の厚生省等に通
報し、もつて権限行使についての端緒を提供する義務を負うものと解すべきである。
なぜなら、高度に工業化されたシステムの中で、主要な生産物のみならず副生産
物の利用など複雑かつ多様な生産過程を経て、日々新しく開発される多種類の化学
物質を駆使して生産活動を行っている現代社会における食品生産の仕組の中では、
一定の規制権限を有する公務員は、その本来の職務の範囲にのみ閉じこもることな
く、所轄の権限の分野以外の事柄についても、少なくとも事実上密接な関連がある
と容易に判断できる分野については、行政庁相互間の有機的連携に意を用いなくて
は、食品の安全を十分に確保することは困難であるからであり、上記の程度の義務
を課したとしても過重な負担を強いるものとはいえないからである。

なお、カネミ油症事件発生当時、日本政府は、社会権規約を正式に批准してはい
なかったが、その時点ですでに国連において採択され、確立した国際法規となって
いた人権保障基準としての国際人権規約の趣旨に照らし、社会権規約12条2項
(c)は上記の義務の根拠となるというべきである。

さらに、食品衛生法1条に規定されている「飲食に起因する衛生上の危害の発生
を防止し、もつて国民の健康の保護を図る」という国の責務から見ても、国は上記
の義務を負うと解するのが相当である

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④ そこで本件について検討するに、ダーク油事件において、1968年3月22日、
福岡肥飼検飼料課長は、Xの現地調査を行った際、ダーク油の製造工程につき事情
聴取したときに、ダーク油がライスオイルの製造工程でできる副産物であることが
判明したにもかかわらず、ダーク油の汚染原因やライスオイルが汚染されていない
か等について追及をなさず、食品衛生庁への報告も行わなかった。

また、鶏の大量死という事件に直面し、農林省本省は、福岡肥飼検に常時密接に
指示を与えていたうえ、ダーク油と食用油が、同一の工場において、同一の原料、
同一の製造工程により製造されていることを知る立場にあったにもかかわらず、よ
り詳細な実態調査や病性鑑定も指示しなかった。

⑤ 仮に、1968年3月下旬に福岡肥飼検から食品衛生行政の担当機関に通報がな
されていたとすれば、同機関としては、ダーク油事故と同様の危険性が食用油にも
及んでいるのではないかという疑いを抱くことは当然であると考えられ、そうすれ
ば、食品衛生行政の担当機関において、食品衛生法17条に基づき、Xに必要な報
告を求め、たとえXの協力が得られなくとも、Xに臨んでダーク油と食用油の関連、
帳簿書類を検査し、ダーク油の出荷の時期とほぼ同時期に出荷された食用油の流通
先を追跡した上、これを回収することにさしたる困難はなかったと思われる。
そして、食用油にもダーク油と同じような有害物質が含まれていることについて
は、適切な方法による食用油回収期間を2週間、動物実験による毒性試験に必要な
期間を4週間と見ても、遅くとも同年5月中旬には判明しえたはずであって(その
有害物質が何であるのか、なぜ混入したのか等の究明は追ってさらに困難な調査・
検討が続くとしても)、食用油中に有害物質が含まれていることが判明すれば、食品
衛生行政において、この有害な食用油の回収、販売停止等の措置を直ちに講じると
ともに、既にこれを購入・使用している消費者に対して警告を発することができた
といえるのであって、遅くとも同年6月以降はその摂取を防止でき、油症被害の拡
大を阻止することができたものと認めることができる。

以上によれば、ダーク油事件発生当時、国においては、ライスオイルという有害
な食品により、消費者である申立人らに生命・身体の危険が切迫していることを容
易に知り得る状況にあり、かつ、国民に安全な食品を供給するという目的をもつ国
の機関として、ダーク油事件の調査段階でライスオイルの回収命令等の有効・適切
な対応を行っていれば、食用油に有害物質が混入されていることを実際よりも早期
に知ることができ、ライスオイルの摂取が相当程度防止されることによって、被害
の拡大を容易に防げたと考えられるから、国はその初動対応において、作為義務違
反により、申立人らの人権を侵害したというべきである。

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(2)油症事件発生後の国の人権侵害性
① 被害回復義務
国は、ダーク油事件の調査段階において、必要な規制権限を行使せず、被害の発
生・拡大を招いた点で、申立人らの人権を侵害したのであるから、油症被害発覚後
においては、先行する人権侵害行為について、その被害の回復、すなわち、油症被
害者に対する適切な医療の提供、健康の維持・回復、生活面における支援をなすべ
き作為義務があったというべきである。

しかるに、国は油症被害の発生・拡大を防止しなかったのみならず、その後、現
在までの対応においても、以下に述べるとおり、被害の回復のための作為義務を尽
くしているとはいえないから、不作為による人権侵害性が認められる。




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② 事件発生後の国の責任
前記のとおり、事件発生から5年後の1973年までに発表された厚生省環境衛
生局食品衛生課の係官作成の論文において、カネミ油症事件については、今後も慢
性中毒事件として、行政機関が中核となって油症の診断と治療の研究・開発等につ
いて積極的な対策を採っていくべきことが指摘されていた。
すなわち、国自身も、事件発生後、比較的早い時期において、被害が継続・深刻
化していくことを予見していたものといえる。
しかるに、国が採ってきた主な対応は、全国油症治療研究班への研究費の支出、
Xへの支援(倉庫料の支払)にとどまっている。1983年にPCDFが原因物質
の一つと確認され、1985年の三大臣協議においても、対応の必要性が再確認さ
れていたにもかかわらず、施策に大きな変化は認められなかった。2004年にな
って、ようやくPCDFの血中濃度が認定基準に加えられたものの、救済措置にお
いて、その他の大きな変化や改善措置は認められない。総じて見ると、油症被害に
ついての研究は行われてきたものの、油症被害者に対する実効的な救済措置は採ら
れてきていないといえる。

一方で、油症被害者は、長年にわたって多様かつ深刻な全身症状に苦しみ、その
症状は、時間の経過に伴って、身体の各部位に変遷して現れ、世代を超えた影響ま
でもが生じてきている。

油症被害者は、国による人権侵害を受けながら、その実効的な救済措置を受ける
ことなく、自助努力で、これらの症状と戦ってきたというほかない。
また、油症被害者は、健康被害だけではなく、これに起因して、生活、職業等の
社会生活上のあらゆる場面において多大な不利益を被ってきたほか、婚姻や出産な
どでもいわれのない制約を受け、個人の尊厳も危機にさらされている状態である。
国が、今後も、現在の施策にとどめ、油症被害者に対する実効的措置を採らずに放
置するとすれば、さらに油症被害者の個人の尊厳を脅かし、生存権を侵害していく
ことになるものといわざるを得ない。
現行の食品衛生法60条は、「厚生労働大臣は、食中毒患者等が厚生労働省令で定
める数以上発生し、若しくは発生するおそれがある場合又は食中毒患者等が広域に
わたり発生し、若しくは発生するおそれがある場合であって、食品衛生上の危害の
発生を防止するため緊急を要するときは、都道府県知事等に対し、期限を定めて、
食中毒の原因を調査し、調査の結果を報告するように求めることができる」と定め、
本件のような広域・大規模な食中毒事件についての迅速な原因の究明・対策を要請
している。

また、厚生労働省の本来の責務についても、厚生労働省設置法3条(任務)は、「厚
生労働省は、国民生活の保障及び向上を図り、…社会福祉、社会保障、公衆衛生の
向上及び増進並びに…を任務とする」と定め、4条(所掌事務)3号及び21号は、
「3 疾病の予防及び治療に関する研究その他所掌事務に関する科学技術の研究及
び開発に関すること」、「21 治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病
及び治療に関すること」とそれぞれ定めている。
加えて、上記のとおり、社会権規約12条は、「すべての者が到達可能な最高水準
の身体及び精神の健康を享受する権利を有すること」を認め、これを実現するため、
締結国に対し、同条2項において、「(c)伝染病、風土病、職業病その他の疾病の
予防、治療及び抑圧 (d)病気の場合にすべての者に医療及び看護を確保するよ
うな条件の創出」をそれぞれ求めている。
しかし、国が、これらの法令にしたがって、適切な対策をとってきたとはいえな
い。

国は、先行する人権侵害行為によって、申立人らに対して被害回復義務を負うと
ともに、個人の尊厳・生存権といった憲法上の人権保障の規定及び上記の食品衛生
法等に定められた責務に照らし、事件発生後、申立人らに対して、被害回復のため
に必要な措置をとるべき義務を負っていたといえる。しかしながら、国は、現在ま
でこれを怠ってきたものであって、申立人らに対する不作為による人権侵害性が認
められるものというべきである。
本件による被害が、広範で深刻かつ将来にわたること、被害回復のためには様々
な対策を要すること、被害者が全国に散在していること等を考えると、国には、国
が主体となって、積極的に救済策を講じていく義務があるというべきであり、現状
の対策にとどまることは、さらに、申立人らの人権を侵害していくことになるとい
わざるを得ない。



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(3)国に対する仮払金に関する申立について
① これまでの経緯
仮払金に関しては、前記のとおり、1996年から1999年にかけて、調停対
象者全員について、調停による返還の合意が成立している。調停内容としては、債
務者の経済的状況に応じて、①5年分割払い、②5年以内一括払い、③5年履行延
期、④10年履行延期などの内容となっており、国としては、支払方法という限定
的な範囲においては、一応の配慮をしてきたことが認められる。

② 仮払金返還問題の深刻さ
しかし、訴訟を提起した油症被害者らは、XやYから一定の金員の支払を受けて
はいるものの、その額は油症被害者らの精神的・肉体的・経済的損害を填補するに
は甚だ不十分なものであったといわざるを得ない。

そのため、実際、油症被害者らが国から受け取った仮払金については、カネミ油
症による治療費、収入減に伴う生活費の補填、長年の訴訟のための費用等に充てら
れてしまい、現在も受領した金額が残っている者はほとんどいない。

その上、実際に仮払金の返還をしている者も、月々のわずかな年金収入の中から
国に返還をするなど、経済的には極めて困窮している者が多い。中には、経済的に
困窮しているにもかかわらず、相続放棄もすることなく、自殺した子どもの仮払金
を支払った者もいる。また、相続をした分も含め、夫婦で1000万円以上の仮払
金返還請求を受けている者もいる。さらに、支払の延期がされている者も、国の仮
払金のことが頭から離れず、夜も眠れない者もおり、また、自分が死亡した後に子
どもらに請求がされることを心配している者も多い。このため、ほとんどすべての
油症被害者らが、仮払金の支払の免除を希望している。

このように、油症被害者らは、カネミ油症による被害のために健康で文化的な最
低限度の生活を送ることすら侵害されてきた上、仮払金の支払のためにさらに経済
的に厳しい生活を余儀なくされているのである。

転載元転載元: 公衆衛生・安全の義務のブログ



駆け歩きレポート(36) カネミ油症は終わっていない 40年間も苦しむ被害者 長崎・五島で聞きとり

 「カネミ油(ゆ)症(以下、油症)」を知っていますか? 一九六八年、カネミ倉庫が販売した米ぬか食用油(カネミ油)に有毒な PCBが混入し、西日本を中心に数万人の健康被害を引き起こした食品公害事件です。発生から四〇年。被害者は苦しみ続け、二世、三世にも「黒い皮膚の赤 ちゃん」が生まれるなど、影響が現れています。しかし、救済どころか、被害の実態解明すら行われていません。(丸山聡子記者)

全身に多発する症状

 一一月二二、二三の両日、全国保険医団体連合会が、油症患者が多い長崎・五島(ごとう)市で公害視察会を実施。民医連の医師も参加しました。
 患者が訴える症状は全身に及び驚くほど多様でした。吹き出物など皮膚症状、頭痛、めまい、異常妊娠・出産、不眠、脊椎変形、不整脈…。
 「こげんあっとです。なんだかもう病気のことしか考えられんようになって…。ノイローゼになって、死のうと思ったこともあっとです」。五島市奈留町に住 む高橋繁子さん=仮名=(79)は、自分の症状を書き込んだA4三枚を見せました。四年前からは口の中がただれ、食事も困難になり、外出もままなりませ ん。
 患者の多くは、病苦、経済苦に加え、「カネミ油症の患者は結婚できない」などの偏見・差別にも苦しめられました。一家離散や自殺などの悲劇も起こりました。
 同市玉之浦町の永尾きみ子さん(75)は、一四年前に未認定の夫がガンを患いました。生死をさまよい、職を失いました。命はとりとめたものの、耳が遠く なり、精神的にも追いつめられました。夫は三年前にようやく認定されました。
 「同じ油を食べたのに、四人の子のうち二人と私は早く認定されました。でも、夫と二人の子は長く未認定で、何の補償もありませんでした。貧しい暮らしの 中、栄養をつけさせようと天ぷらやドーナツをつくり、子どもたちに食べさせました。安くて体にいいと宣伝されていた油を食べただけなのに、何十年も苦しみ 続けているのです」。

ほとんどが救済されず

 「油症の特徴は、『病気のデパート』とも言われる症状の多さです」と、これまで患者を検診して きた藤野糺(ただし)医師(水俣協立病院名誉院長)は指摘します。「症状は八〇種を超えますが、ひとつひとつは特別なものではありません。一人の患者に多 数の症状が重なって現れます」。
 補償の前提となる油症研究班(九州大学)認定基準は油症発生直後につくられたもので、皮膚症状が中心です。慢性の症状や後で出現する内臓疾患、子や孫へ の影響などを考えない狭いものです。現在でも、油症の全被害者を対象とした調査はなく、治療法は確立されていません。
 実態にそぐわない認定基準の結果、「七人家族で、認定されたのは三人だけ。未認定の四男(四〇代)は最近、しびれがひどくて仕事を休んだ」(高橋さん) など、家族内でも認定患者と非認定者がいます。約一万四〇〇〇人が被害を届けましたが、認定患者は一九二七人(うち五島市六九七人)にとどまりました。届 け出た人以外にも多くの被害者がいますが、認定された人以外は、何の救済策もなく、放置されています。

被害者を見捨ててはならない

 和田文夫医師(福岡・和田整形外科クリニック)は、「腰痛など一般的な症状の訴えでしたが、ほかにも複数の症状があり、カネミ油を摂取したことを踏まえれば、カネミ油症だと診断できると感じました。福岡は患者も多く、医師が知識を身につける必要がある」と話します。
 飯田哲夫医師(京都・飯田医院)は、「病の苦しみと加齢、過疎化、経済的な問題など、患者は多くの不安を抱えていました。このままでは見捨てられてしまう」と、危機感をつのらせました。
 永尾さんら被害者四八人は、カネミ倉庫を相手取り、あらためて損害賠償訴訟に立ちあがりました。将来に続く油症の被害、ダイオキシンの恐ろしさを世に知らせ、油症問題の解決・救済をめざしています。

カネミ油症とは

 1968年に起こった国内最大の食品公害事件。カネミ倉庫が製造・販売した米ぬか食用油に有毒なPCBが混入し、深刻な健康被害が発生した。後に、主原 因はPCBを加熱することで発生するダイオキシン類(PCDF)であることが判明。被害発生後もカネミ倉庫は油を売り続け、国は対策をとらなかったため、 被害が拡大した。カネミ倉庫とともに、国と、PCBを製造した鐘淵化学(現カネカ)の責任も問われている。
(民医連新聞 第1466号 2009年12月21日


転載元転載元: 車庫を有効活用しましょう大阪名物めいわく駐車


環廃産発第050725002号
平成17年7月25日

各都道府県・各政令市廃棄物行政主管部(局)長殿

環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長

建設汚泥処理物の廃棄物該当性の判断指針について

 工作物の建設工事に伴って大量に排出される産業廃棄物たる建設汚泥(「建設工事等から生ずる廃棄物の適正処理について」(平成13年6月1日付け環廃産発第276号環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長通知)で規定する建設汚泥をいう。以下同じ。)に中間処理を加えた後の物(ばいじん等他の廃棄物を混入している物は含まない。以下「建設汚泥処理物」という。)については、土地造成や土壌改良に用いる建設資材と称して不法投棄されたり、「土砂」と偽装されて残土処分場等に持ち込まれる事例が多発している。

 建設汚泥処理物(※1)については、建設汚泥に人為的に脱水・凝集固化等の中間処理を加えたものであることから、中間処理の内容によっては性状等が必ずしも一定でなく、飛散・流出又は崩落の恐れがあることに加え、有害物質を含有する場合や、高いアルカリ性を有し周辺水域へ影響を与える場合もある等、不要となった際に占有者の自由な処分に任せると不適正に放置等され、生活環境の保全上支障が生ずるおそれがある。
 そのため、建設汚泥処理物であって不要物に該当するものは廃棄物として適切な管理の下におくことが必要である。
 その一方で、生活環境の保全上支障が生ずるおそれのない適正な再生利用については、積極的に推進される必要がある。

 そこで、循環型社会形成推進のため、また、「規制改革・民間開放推進3か年計画(改訂)」(平成17年3月25日閣議決定)を受け、建設汚泥処理物について廃棄物に該当するかどうかを判断する際の基礎となる指針を以下のとおり示す。

※1 建設汚泥処理物の例
・建設汚泥にセメント等の固化剤を混練し、流動性を有する状態で安定化させたもの
・建設汚泥に石灰等の固化剤や添加剤を加え脱水させたもの
・建設汚泥を脱水・乾燥させたもの



第一建設汚泥処理物の廃棄物該当性判断に係る基本的考え方

 廃棄物とは、占有者が自ら利用し、又は他人に有償で譲渡できないために不要になった物をいい、これらに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案して判断すべきものである。

 特に建設汚泥処理物については、建設資材として用いられる場合であっても、用途(盛土、裏込め、堤防等)ごとに当該用途に適した性状は異なること、競合する材料である土砂に対して現状では市場における競争力がないこと等から、あらかじめその具体的な用途が定まっており再生利用先が確保されていなければ、結局は不要物として処分される可能性が極めて高いため、その客観的な性状だけからただちに有価物(廃棄物に該当しないものをいう。以下同じ。)と判断することはできない。
 また、現状において建設汚泥処理物の市場が非常に狭いものであるから、建設汚泥処理物が有償譲渡される場合であってもそれが経済合理性に基づいた適正な対価による有償譲渡であるか否かについて慎重な判断が必要であり、当事者間の有償譲渡契約等の存在をもってただちに有価物と判断することも妥当とは言えない。
 これらのことから、各種判断要素を総合的に勘案して廃棄物であるか否かを判断することが必要である。

 なお、建設汚泥又は建設汚泥処理物に土砂を混入し、土砂と称して埋立処分する事例が見受けられるところであるが、当該物は自然物たる土砂とは異なるものであり、廃棄物と土砂の混合物として取り扱われたい。

第二 総合判断に当たっての各種判断要素の基準
 具体の事例においては、以下の一から五までの判断要素(以下「有価物判断要素」という。)を検討し、それらを総合的に勘案して判断することによって、当該建設汚泥処理物が廃棄物に該当するか、あるいは有価物かを判断されたい。

 また、建設汚泥処理物の廃棄物該当性(又は有価物該当性)については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「法」という。)の規制の対象となる行為ごとにその着手時点において判断することとなる。例えば、無許可処理業に該当するか否かを判断する際には、その業者が当該処理(収集運搬、中間処理、最終処分ごと)に係る行為に着手した時点であり、不法投棄に該当するか否かを判断する際には、投棄行為に着手した時点となる。したがって、例えば不法投棄が疑われる埋立処分行為がなされた後に、当該建設汚泥処理物の性状等が変化した場合であっても、当該埋立処分行為がなされた時点での状況から廃棄物該当性を判断することが必要である。

一物の性状について
 当該建設汚泥処理物が再生利用の用途に要求される品質を満たし、かつ飛散・流出、悪臭の発生などの生活環境の保全上の支障が生ずるおそれのないものであること。
 当該建設汚泥処理物がこの基準を満たさない場合には、通常このことのみをもって廃棄物に該当するものと解して差し支えない。

 実際の判断に当たっては、当該建設汚泥処理物の品質及び再生利用の実績に基づき、当該建設汚泥処理物が土壌の汚染に係る環境基準、「建設汚泥再生利用技術基準(案)」(平成11年3月29日付け建設省技調発第71号建設大臣官房技術調査室長通達)に示される用途別の品質及び仕様書等で規定された要求品質に適合していること、このような品質を安定的かつ継続的に満足するために必要な処理技術が採用され、かつ処理工程の管理がなされていること等を確認する必要がある。

二排出の状況
 当該建設汚泥処理物の搬出が、適正な再生利用のための需要に沿った計画的なものであること。
 実際の判断に当たっては、搬出記録と設計図書の記載が整合していること、搬出前の保管が適正に行われていること、搬出に際し品質検査が定期的に行われ、かつその検査結果が上記一の「物の性状」において要求される品質に適合していること、又は搬出の際の品質管理体制が確保されていること等を確認する必要がある。

三通常の取扱い形態
 当該建設汚泥処理物について建設資材としての市場が形成されていること。なお、現状において、建設汚泥処理物は、特別な処理や加工を行った場合を除き、通常の脱水、乾燥、固化等の処理を行っただけでは、一般的に競合材料である土砂に対して市場における競争力がないこと等から、建設資材としての広範な需要が認められる状況にはない。

 実際の判断に当たっては、建設資材としての市場が一般に認められる利用方法(※2)以外の場合にあっては、下記四の「取引価値の有無」の観点から当該利用方法に特段の合理性があることを確認する必要がある。

※2 建設資材としての市場が一般に認められる建設汚泥処理物の利用方法の例
・焼成処理や高度安定処理した上で、強度の高い礫状・粒状の固形物を粒径調整しドレーン材として用いる場合

・焼成処理や高度安定処理した上で、強度の高い礫状・粒状の固形物を粒径調整し路盤材として利用する場合
・スラリー化安定処理した上で、流動化処理工法等に用いる場合
・焼成処理した上で、レンガやブロック等に加工し造園等に用いる場合

四取引価値の有無
 当該建設汚泥処理物が当事者間で有償譲渡されており、当該取引に客観的合理性があること。
 実際の判断に当たっては、有償譲渡契約や特定の有償譲渡の事実をもってただちに有価物であると判断するのではなく、名目を問わず処理料金に相当する金品の受領がないこと、当該譲渡価格が競合する資材の価格や運送費等の諸経費を勘案しても営利活動として合理的な額であること、当該有償譲渡の相手方以外の者に対する有償譲渡の実績があること等の確認が必要である。

 また、建設資材として利用する工事に係る計画について、工事の発注者又は施工者から示される設計図書、確認書等により確認するとともに、当該工事が遵守あるいは準拠しようとする、又は遵守あるいは準拠したとされる施工指針や共通仕様書等から、当該建設汚泥処理物の品質、数量等が当該工事の仕様に適合したものであり、かつ構造的に安定した工事が実施される、又は実施されたことを確認することも必要である。

五占有者の意思
 占有者において自ら利用し、又は他人に有償で譲渡しようとする、客観的要素からみて社会通念上合理的に認定し得る占有者の意思があること。したがって、占有者において自ら利用し、又は他人に有償で譲渡できるものであると認識しているか否かは、廃棄物に該当するか否かを判断する際の決定的な要素になるものではない。

 実際の判断に当たっては、上記一から四までの各有価物判断要素の基準に照らし、適正な再生利用を行おうとする客観的な意思があるとは判断されない、又は主に廃棄物の脱法的な処分を目的としたものと判断される場合には、占有者の主張する意思の内容によらず廃棄物に該当するものと判断される。

第三自ら利用について
 自ら利用についても、第二で規定する各有価物判断要素を総合的に勘案して廃棄物該当性を判断する必要がある。
 ただし、建設工事から発生した土砂や汚泥を、適正に利用できる品質にした上で、排出事業者が当該工事現場又は当該排出事業者の複数の工事間において再度建設資材として利用することは従来から行われてきたところであり、このように排出事業者が生活環境の保全上支障が生ずるおそれのない形態で、建設資材として客観的価値が認められる建設汚泥処理物を建設資材として確実に再生利用に供することは、必ずしも他人に有償譲渡できるものでなくとも、自ら利用に該当するものである。

 排出事業者の自ら利用についての実際の判断に当たっては、第二で規定する各有価物判断要素の基準に照らして行うこと。ただし、通常の取扱い形態については、必ずしも市場の形成まで求められるものでなく、上述の建設資材としての適正な利用が一般に認められることについて確認すること。
 また、取引価値(利用価値)の有無については第二の四の後段部分を参照すること。
 なお、建設汚泥の中間処理業者が自ら利用する場合については、排出事業者が自ら利用する場合とは異なり、当該建設汚泥処理物が他人に有償譲渡できるものであるか否かにつき判断されたい。

第四その他の留意事項

一実際の利用形態の確認
 建設汚泥処理物の廃棄物該当性の判断については、建設資材等と称する建設汚泥処理物の不適正処理が多発している現状にかんがみ、当初の計画時は有価物に該当するとされたものであったとしても、実際の工事において必要以上の建設汚泥処理物を投入したり、計画に反する品質の建設汚泥処理物や施工方法が用いられたり、工事終了後、計画と異なる用途に用いられたりするような場合には、これらのことにつき合理的な理由が認められない限り、実際には当初から主に不要物の脱法的な埋立処分を目的としたものであったと考えられ、当該建設汚泥処理物は当初から廃棄物であったものと判断される。

 そのため都道府県(保健所を設置する市にあっては市。以下同じ。)においては、必要に応じ法第18条第1項に規定する報告徴収又は法第19条第1項に規定する立入検査(以下「報告徴収等」という。)を実施し、当初の計画が確実に実施されていることを確認する必要がある。

 また、都道府県にあらかじめ相談することなく事業を行い、その結果として建設汚泥処理物を廃棄物として不適正に処理した疑いがある事案においては、報告徴収等を通じた現場の状況の確認及び当該建設汚泥処理物の採取・分析、関係資料の収集並びに関係者からの事実確認等を行い、第二で規定する各有価物判断要素の基準に基づき厳正に廃棄物該当性を判断されたい。

二建設汚泥の再生利用に係る環境大臣による認定制度及び都道府県知事による指定制

 法第15条の4の2の規定による環境大臣の認定を受けた者が、当該認定基準に適合して再生した建設汚泥処理物については、必ずしも有償譲渡されるものではなくとも、工事に係る計画等から、当該建設汚泥処理物について、客観的な価値を有する建設資材に利用され、当該用途に係る適正な、かつ生活環境の保全上支障が生ずるおそれのない品質、利用量及び施工方法が確保され、かつ、これらのことを客観的に担保できる体制が明示された具体的な計画があらかじめ定められていることから、当該建設汚泥処理物はその再生利用先への搬入時点において、建設資材として取引価値(自ら利用する場合には利用価値)を有するものとして取り扱うことが可能である。

 また、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和46年厚生省令第35号)第9条第2号及び第10条の3第2号の規定による都道府県知事又は保健所設置市市長による建設汚泥の再生利用に係る指定制度(以下「指定制度」という。)において、環境大臣の認定制度と同等の判断基準等が採用されている場合には、当該指定制度の下で再生された建設汚泥処理物について同様の取扱いをして差し支えない。

三都道府県知事による指定制度に係る通知の発出
 上記二の要件を満たす指定制度については、本通知の趣旨を踏まえ、追って新たにその運用について通知する予定である。


建設汚泥の再生利用指定制度の運用における考え方について

  • 公布日:平成18年7月4日
  • 環廃産060704001号
(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長から各都道府県・各政令市廃棄物行政主管部(局)長あて)
 建設汚泥(「建設工事等から生ずる廃棄物の適正処理について」(平成13年6月1日付け環廃産発第276号本職通知)の2.3(7)で規定する建設汚泥をいう。以下同じ。)に中間処理を加えた後の物(ばいじん等他の廃棄物を混入している物は含まない。以下「建設汚泥処理物」という。)の廃棄物該当性の判断については、「建設汚泥処理物の廃棄物該当性の判断指針について」(平成17年7月25日付け環産廃第050725002号本職通知。以下「指針」という。)によりその考え方を示したところである。
 当該指針については、建設汚泥処理物が土地造成や土壌改良に用いる建設資材と称して不法投棄されたり、「土砂」と偽装されて残土処分場等に持ち込まれる事例などが多発していることから、建設汚泥処理物について廃棄物に該当するかどうかを判断する際の基礎として示したものであり、当該指針による適切な取扱いをお願いしているところである。
 一方、当該指針では、建設汚泥の再生利用について、都道府県知事又は廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号)第27条に規定する市の長(以下「都道府県知事等」という。)が廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和46年厚生省令第35号)第9条第2号及び第10条の3第2号に基づく再生利用に係る指定制度(以下「指定制度」という。)を利用する場合においては、都道府県知事等が当該指定にあたり、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「法」という。)第9条の8及び第15条の4の2による環境大臣の再生利用認定制度と同等の判断基準に沿って指定を行う場合には、当該建設汚泥処理物は再生利用されることが確実であるため、再生利用に供される場所へ搬入された時点において、廃棄物として価値を有しないものではなく、建設資材として取引価値を有するもの(自ら利用する場合には利用価値)とする取扱いが可能であることを併せて示しており、都道府県知事等による指定制度を活用した適正な建設汚泥の再生利用の促進を期待しているところである。
 また、国土交通省では、建設工事から発生する廃棄物(以下「建設廃棄物」という。)の再生利用を促進するためには公共工事において積極的に建設廃棄物の再生利用を図っていくことが必要であるとの認識から、国土交通省が発注する公共事業においては、建設廃棄物の再生利用について、原則として経済性に関わらず実施する事項、いわゆる「リサイクル原則化ルール」注)を定めているところであるが、今般、現行の「リサイクル原則化ルール」において再生利用を促進するべき建設廃棄物として指定されているコンクリート塊及び建設発生残土に加え、建設汚泥が新たに指定されるとともに、平成18年6月12日付け国官技第46号、国官総第128号、国営計第36号、国総事第19号国土交通事務次官通知「建設汚泥の再生利用に関するガイドラインの策定について」を発出し、積極的に建設廃棄物の再生利用を進めることとしたところである。
 今後、こうした国土交通省の取組により、各種公共事業において建設汚泥の再生利用の動きが進むことが期待されることから、環境省としても建設汚泥の適正な再生利用を促進するため、指定制度の運用に係る基本的な考え方及び再生利用が確実であることを担保するために都道府県知事等が確認すべき事項を別添「建設汚泥の再生利用指定制度の運用における考え方」としてまとめたので、各都道府県及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第27条に規定する市においては指定制度の積極的な運用に努められたい。
 なお、本通知は地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的な助言であることを申し添える。
注) 「リサイクル原則化ルール」
  リサイクル原則化ルールは、建設廃棄物の再生利用を促進するためには公共工事が先導的役割を果たす必要があることから、国土交通省が発注する公共工事においては、原則として経済性に関わらず建設廃棄物の再生利用を実施することを定めたもの。
別添

建設汚泥の再生利用指定制度の運用における考え方

1 建設汚泥の再生利用の考え方

 建設汚泥の再生利用を促進するための方法として、都道府県知事又は廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号)第27条に規定する市の長(以下「都道府県知事等」という。)による廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和46年厚生省令第35号)第9条第2号及び第10条の3第2号による再生利用に係る指定制度(以下「指定制度」という。)の活用が期待されているところである。
 これは、指定制度により指定を受けた者が扱う建設汚泥処理物は、再生利用されることが確実であるため、必ずしも有償譲渡されるものでなくとも、再生利用に供される場所へ搬入された時点において、廃棄物として価値を有しないものではなく、建設資材として取引価値を有するもの(自ら利用する場合には利用価値)とする取扱いが可能であり、指定制度の活用が進めば、有償譲渡されにくい等、廃棄物として扱われやすく再生利用に供されにくい建設汚泥の適正な再生利用が促進されると考えられるからである。
図1 建設汚泥処理物の再生利用の考え方

2 指定制度活用に向けた課題

 都道府県知事等が指定制度(個別指定)を活用する上で課題となる事項を整理した場合、以下の事項が挙げられる。
〈制度運用のための基本的な考え方の整理〉
  • ・指定の範囲の考え方
  • ・不具合発生の場合の責任の考え方
  • ・指定を受ける者(申請者)の考え方
〈再生利用が確実であることを確保するための確認事項〉
  • ・搬出・利用計画等
  • ・建設汚泥処理物の利用用途及び品質
  • ・建設汚泥の処理工程
  • ・建設汚泥及び建設汚泥処理物の運搬管理
  • ・施工計画
・建設汚泥処理物の保管
〈その他〉
  • ・手続きの簡素化、期間短縮


3 指定制度の運用に当たっての考え方

 2で整理した課題について、制度運用における考え方を以下に示す。
なお、ここで示すのは、制度運用のための基本的な考え方や再生利用が確実であることを確保するための確認事項についてであり、建設汚泥の再生利用全般については、施設設置に係る許可や排出事業者における保管基準等、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「法」という。)による各種規定が適用されるが、ここでは特に記述しないので留意されたい。
 また、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則第九条第二号及び第十条の三第二号に基づく再生利用業者の指定制度について」(平成6年4月1日衛産第42号厚生省生活衛生局水道環境部産業廃棄物対策室長通知(以下「指定制度通知」という。))における「再生輸送」及び「再生活用」については、通知文の引用部分を除き、それぞれ「収集・運搬」、「中間処理」としている。

3.1指定の範囲

 指定の対象となる範囲については、一般的には建設汚泥の発生から建設汚泥処理物が再生利用に供される場所へ搬入されるまでの一連の範囲である。
【解説】
 「建設汚泥処理物の廃棄物該当性の判断指針について」(平成17年7月25日付け環廃産発第050725002号本職通知。(以下「判断指針」という。)の第四の二では、「法第15の4の2の規定による環境大臣の認定を受けた者が、当該認定基準に適合して再生した建設汚泥処理物については、必ずしも有償譲渡されるものではなくとも、工事に係る計画等から、当該建設汚泥処理物について、客観的な価値を有する建設資材に利用され、当該用途に係る適正な、かつ生活環境の保全上支障が生ずるおそれのない品質、利用量及び施工方法が確保され、かつ、これらのことを客観的に担保できる体制が明示された具体的な計画があらかじめ定められていることから、当該建設汚泥処理物はその再生利用先への搬入時点において、建設資材として取引価値(自ら利用する場合には利用価値)を有するものとして取り扱うことが可能である。」としている。
 また判断指針においては、環境大臣による認定制度と同様、都道府県知事等による指定制度においても、環境大臣による認定制度と同等の判断基準等が採用されている場合には、当該指定制度の下で再生された建設汚泥処理物について同様の取扱ができると示していることから、指定制度においても、建設汚泥処理物の取引価値を担保する体制が明示された具体的な計画があらかじめ定められていることを十分に審査することが重要となる。
 当該指定制度の審査の範囲としては、再生利用が確実であることを十分に確認する必要があることから、建設汚泥の発生から再生利用に供される場所における工事の内容の確認までが対象である。
 また、指定の範囲については、建設汚泥の発生場所から再生利用に供される場所へ搬入するまでの一連の範囲となる。
 ただし、廃棄物該当性は様々な観点から総合的に判断されるものであり、排出事業者や当該建設汚泥処理物の利用者などの意思等も重要であることから、各都道府県又は廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第27条に規定する市(以下「都道府県等」という。)においてこれ以外の考え方をとることが否定されるものではない。
図2一般的な指定の範囲と審査の範囲

3.2指定を受ける者

 指定を受ける者は、指定に係る建設汚泥又は建設汚泥処理物の収集・運搬又は中間処理を行う者である。
【解説】
 「指定制度通知」では、「(略)再生輸送(再生利用のために産業廃棄物の収集又は運搬を行うことをいう)を業として行う者を再生輸送業者として、再生活用(再生利用のために産業廃棄物の処分を行うことをいう)を業として行う者を再生活用業者として指定し、(略)」としている。
 したがって、指定を受ける者とは、指定に係る産業廃棄物である建設汚泥又は建設汚泥処理物の収集・運搬又は中間処理を行う者である。
 しかしながら、再生利用を促進するためには、排出事業者が主体的な役割を担う可能性があること、再生利用されることが確実であることを審査するにあたっては利用工事発注者の関与が重要であること等からこれらの関係者を積極的に関与させるため、指定の対象とすることも考えられる。
 また、「建設汚泥の再生利用に関するガイドライン」(平成18年6月12日国官技第46号・国官総第128号・国営計第36号・国総事第19号国土交通事務次官通知)においても、建設汚泥の再生利用に関しては、排出工事の発注者や元請業者が重要な役割を担っている場合が多いとして、これらの者による都道府県等環境部局への事前相談等を明記しているところである。

3.3指定に係る関係者の組み合わせ

 想定される組み合わせとしては、指定制度の趣旨に鑑みると下記の四つのパターンのうち、パターン1−①、2及び3が基本である。しかしながら、実際には建設汚泥の特殊性からパターン1−②の需要が高いものと考えられる。この場合、都道府県知事等から法第14条第1項及び第6項の許可を受けて、複数の排出事業者からの建設汚泥を受け入れていることが想定されるため、この指定に当たっては、指定対象外の建設汚泥とその区別ができる等の体制が必要である。
【解説】
  建設汚泥の再生利用に係る関係者の組み合わせとして考えられる4パターンを以下に示す。
●パターン1−①
●パターン1−②
●パターン2
●パターン3


3.4再生利用が確実であることについての確認

  指定制度により建設汚泥の再生利用を確実に行うためには、建設汚泥処理物が、資材として利用される用途に照らしてその品質及び数量が適切であり、その施工方法が適切であることが必要であり、かつこれらのことを客観的に担保できる体制が明示された具体的な計画があらかじめ定められていることが重要である。
  以下に、「(1)搬出・利用計画等」、「(2)建設汚泥処理物の利用用途及び品質」、「(3)建設汚泥の処理工程」、「(4)建設汚泥及び建設汚泥処理物の運搬管理体制」、「(5)施工計画」、「(6)建設汚泥処理物の保管」について要点をまとめた。
(1) 搬出・利用計画等
 指定の審査時には、搬出・利用計画等において建設汚泥処理物が再生利用に供される場所へ確実に搬入されることを確認する必要があると考えられる。なお、そのことを確認する書類としては以下に示す書類等がある。
  •  ・再生利用の実施に関する排出側と利用側の確認書
  •  ・建設汚泥処理物を工事間で利用することを調整したこと(国土交通省では「利用調整会議」による調整等に相当)の確認書
  •  ・法令又は公的機関等により認可等された工事であることを証明する書類等
  •  ・再生利用計画が反映された工事発注仕様書又は再生資源利用促進計画書(参考1)
  •  ・その他、事前協議文書等、再生利用の実施を確認できる行政書類
【解説】
 判断指針の第二の二では、当該建設汚泥処理物の搬出が、適正な再生利用のための需要に沿った計画的なものであることとしている。また、第二の四では、建設資材として当該建設汚泥処理物を利用する工事に係る計画を設計図書や確認書等により確認し、また、準拠する施工指針等から構造的に安定した工事が実施されることを確認するとしている。
 このように、具体的な利用計画の存在とその妥当性を確認することにより、建設汚泥処理物の利用先が確実に確保されていることを確認する必要がある。なお、第四の二では、大臣認定制度に係る計画については、建設汚泥処理物の資材としての価値や適正な品質、利用量や施工方法について客観的に担保できる体制が明示された具体的な計画があらかじめ定められていることとしていることから、指定制度についても参考とされたい。
 建設工事を、①公共工事、②公益工事(鉄道、電力、ガス等)、③法令等により認可された民間工事(土地区画整理事業等)、④その他の民間工事に区分すると、公共工事及び公益工事については、国土交通省、都道府県、公益企業等により、設計・施工管理基準等が定められており、また、発注者による管理が十分に機能するという特長がある。
 一方で、法令等により認可された民間工事で基準が定められていないもの及びその他の民間工事については、発注者による管理が十分に機能しない等の可能性も否定できないことから、指定の審査時にあたっては、利用が確実であること、受注者の施工管理が十分であることに十分に留意することが必要である。
(2) 建設汚泥処理物の利用用途及び品質
 指定の審査時には、建設汚泥処理物の品質が、国土交通省等によって定められた利用用途ごとの設計・施工基準等の品質基準に適合していることを確認する必要がある。参考2に「建設汚泥処理土利用技術基準」(平成18年6月12日付け、国官技第50号・国官総第137号・国営計第41号、国土交通省大臣官房技術調査課長・公共事業調査室長・官庁営繕部計画課長通知)における「建設汚泥処理土の適用用途標準」を示す。
 ただし、土地造成については、埋立処分を主な目的として搬入される可能性も否定できないことから、確実に再生利用されることについて、特段の注意を払って確認する必要がある。
 また、建設汚泥の排出から利用までのマテリアルフロー図等により、利用の流れを確認する必要がある。
【解説】
 判断指針の第二の一では、建設汚泥処理物が再生利用の用途に要求される品質を満たし、かつ生活環境保全上の支障が生ずるおそれのないものであることとしている。具体的には、土壌環境基準や「建設汚泥処理土利用技術基準」、仕様書等に規定された品質等を満たすことを確認する必要がある。また、第二の二では、当該建設汚泥処理物の搬出が、適正な再生利用のための需要に沿った計画的なものであることとしており、具体的には設計図書等において計画された数量との整合がとられる必要がある。また第四の二では同様に、「(略)建設汚泥処理物については、必ずしも有償譲渡されるものではなくとも、工事に係る計画等から、当該建設汚泥処理物について、客観的な価値を有する建設資材に利用され、当該用途に係る適正な、かつ生活環境の保全上支障が生ずるおそれのない品質、利用量及び施工方法が確保され、(略)」としている。
 以上より、建設汚泥処理物が客観的な価値を有する建設資材として利用されるものであって、かつ、利用用途に応じた品質を満足することを計画や実績から確認する必要がある。(参考3に「建設汚泥処理土の利用用途ごとの要求品質」を示す。)
(3) 建設汚泥の処理工程
 指定の審査時には、建設汚泥処理物の品質を確保するための処理技術が採用され、かつ処理工程の管理がなされていることを確認する必要がある。
 なお、確認すべき事項としては以下に示す事項等が考えられる。
〈審査時〉
  •  ・建設汚泥の発生量見込みが適切であるか
  •  ・施設は、建設汚泥の計画処理量に見合った処理能力を有しているか。
  •  ・要求される建設汚泥処理物の品質を確保できる設備であるか(試験等で実証されているか)
  •  ・固化材等を添加する場合には、品質及び添加量等が適切か(試験等で実証されているか)
  •  ・施設は、振動、悪臭等の生活環境保全上の支障の生じるおそれがないか
  •  ・建設汚泥及び建設汚泥処理物のストックヤードは十分か
  •  ・ストックヤードには飛散、降雨による流出等の防止対策が施されているか
  •  ・施設の運転体制が整えられているか
  •  ・建設汚泥の処理量、固化材等の購入量及び添加量、建設汚泥処理物の発生量等の運転記録を管理できる体制が整えられているか
〈運用時〉
  •  ・申請された施設、ストックヤード等が現実に申請どおりに設置されているか
  •  ・振動、悪臭等の生活環境保全上の支障が生じていないか
  •  ・適切な運転管理がなされているか
【解説】
 判断指針の第二の一では、「(略)このような品質を安定的かつ継続的に満足するために必要な処理技術が採用され、かつ処理工程の管理がなされていること等を確認する必要がある」としている。また第二の二では、搬出前の保管が適正に行われていること、搬出に際し品質検査が定期的に行われていること、搬出の際の品質管理体制が確保されていること等の確認が必要であるとしている。
(4) 建設汚泥及び建設汚泥処理物の運搬管理体制
 指定の審査時には、建設汚泥及び建設汚泥処理物について、確実な運搬管理体制が整えられていることを確認する必要がある。なお、運搬管理の方法としては以下に示す方法等がある。
  •  ・ 処理工程からの排出時及び利用先への搬入時に処理物の品質を確認し、その品質確認結果をもって利用先に確実に運搬されたことの確認
  •  ・運搬計画又は搬出入管理伝票等による運搬管理

(5) 施工計画
 指定の申請時に具体的な施工計画を提出させることが望ましいが、建設工事では利用工事の具体的な施工計画の決定は、指定後になる可能性があることから、必要に応じ施工計画が決定され次第、利用工事の発注者又は施工業者から、これを都道府県知事等に提出するよう取り決める必要がある。
 工事開始後は、必要に応じて利用側の発注者等に対して、写真等の記録により計画どおりに建設汚泥処理物が利用されていることを確認する必要がある。
【解説】
 判断指針の第二の四では、建設資材として当該建設汚泥処理物を利用する工事に係る計画を設計図書や確認書等により確認し、また、準拠する施工指針等から構造的に安定した工事が実施される、又はされたことを確認することが必要としている。
 建設工事の施工が実際に適切に行われたか否かについての結果は、必ずしも廃棄物該当性の直接的な判断要因ではないが、立ち入り検査等により建設汚泥処理物が適切に利用されているかどうかを確認するに際して施工計画に係る情報は必要である。
(6) 建設汚泥処理物の保管
 指定の審査時には、建設汚泥処理物について、適切な保管体制が整えられていることを確認する必要がある。なお、適切な保管体制を確認するために、以下に示す事項等について確認する必要があると考えられる。
  •  ・建設汚泥処理物の保管場所が、中間処理を行う場所、再生利用の場所に鑑みて適正といえるか。
  •  ・建設汚泥処理物の保管期間と利用計画の整合が取れているか。
  •  ・建設汚泥処理物の保管方法は適切か(飛散・流出等の防止対策が施されているか、保管高さが適当か等)。
  •  ・保管のための管理体制が示されているか(保管管理責任者の設置等。)等
【解説】
 判断指針の第四の二では、建設汚泥処理物の利用計画に関して、都道府県知事等が環境大臣の認定制度での利用計画(高規格堤防)と同等の判断基準に沿った利用と判断する場合には、建設汚泥処理物はその利用先への搬入時点において、建設資材として取引価値を有するものとして取り扱うことが可能であるとしている。
 廃棄物処理法では、産業廃棄物の中間処理基準として産業廃棄物の保管期間が定められているが、中間処理後の物の保管期間は定められていないことから、
 建設汚泥処理物について、廃棄物処理法の保管数量の規定は適用されないが、保管場所、利用計画との整合性、保管方法、保管のための管理体制などについて確認し、適切な保管体制とすることが必要である。
 また、建設汚泥処理物の保管高さについては特に基準が定められておらず、土木設計指針等においても、土質材料の保管方法等は規定されていないことから、参考として、道路土工のり面工・斜面安定工指針における盛土材料及び盛土高に対する標準のり面勾配を参考4に示す。
 なお、この標準のり面勾配はあくまで参考であり、建設汚泥処理物の保管高さ及びのり面勾配として準用するものではない。

3.5 その他

(1) 利用先への搬入後の考え方
 建設汚泥処理物が利用された後、建設汚泥処理物に廃棄物が混入していた、建設汚泥処理物が再生利用先の求める品質を満たしていなかった等の事態が生じた場合には、廃棄物の不適正処理や不法投棄に該当し得るものであり、指定を受けた者を含む行為者等が責任を負うものである。
 このような事態を防止するためにも、都道府県知事等は指定に当たり建設汚泥処理物の品質管理体制等を十分に把握して審査する必要がある。
(2) 指定制度通知について
 指定制度通知では、「排出事業者から再生活用(輸送)に要する適正な費用の一部であることが明らかな料金のみを受け取るなど、再生活用(輸送)が営利を目的としないものであること。」、「排出事業者との間で対象産業廃棄物の再生利用に係る取引関係が確立されており、かつ、その取引関係に継続性があること。」としているが、建設汚泥の再生利用業者指定に当たって、本書で示すように再生利用の確実性を確認できる場合にあっては、一様に営利を目的としないとする必要はない。
 また、取引関係の継続性については、建設汚泥処理物の特殊性を考慮し、事業期間内での継続性があればよいとすることも可能である。
(3) 手続きに要する標準期間の提示
 行政があらかじめ指定手続きに要する標準的な期間を提示することにより、指定制度の活用促進につながるものである。
(4) 複数の都道府県等にわたる指定制度
 複数の都道府県等にわたって建設汚泥を再生利用しようとする場合にも、関係する都道府県知事等の指定を受けることにより指定制度の活用が可能とされているので、申請があった際には関係する都道府県等間での連携を図る必要がある。
(5) 申請書の様式の追加・修正
 これまでの内容を踏まえて申請書第1号様式に追加・修正した様式を参考5に示す。
参考1
参考2 建設汚泥処理土の適用用途標準
参考3 建設汚泥処理土の利用用途ごとの要求品質
参考4
盛土材料及び盛土高に対する標準のり面勾配
盛土材料
盛土高(m)
勾配
摘要
粒度の良い砂(S)、礫及び細粒分混じり礫(G)
5m以下
1 : 1 . 5〜1 : 1 . 8
基礎地盤の支持力が十分にあり、浸水の影響のない盛土に適用する。
( )の統一分類は代表的なものを参考に示す。
標準のり面勾配の範囲外は安定計算を行う。
5〜15m
1 : 1 . 8〜1 : 2 . 0
粒度の悪い砂(SG)
10m 以下
1 : 1 . 8 〜 1 : 2 . 0
岩塊(ずりを含む)
10m 以下
1 : 1 . 5〜1 : 1 . 8
10 〜 20m
1 : 1 . 8 〜 1 : 2 . 0
砂質土(SF)、硬い粘質土、硬い粘土(洪積層の硬い粘質土、粘土、関東ローム等)
5m以下
1 : 1 . 5 〜 1 : 1 . 8
5〜10m
1 : 1 . 8 〜 1 : 2 . 0
火山灰質粘性土(V)
5m以下
1 : 1 . 8 〜 1 : 2 . 0
出典:「道路土工のり面工・斜面安定工指針(平成11年3月)」((社)日本道路協会)
参考5

転載元転載元: 不法投棄撲滅

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