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ここは、人間とポケモンが共存する世界。 ここはハランシティ附近の海。 そこで女性は、カヌーをやっていた。 ここはかつて、フライトをしていたあの勇敢な、 リーダーシップがある事で名高いあの青年が消えた海だった。 今日は、風が強い。 ビュゥ、ビュウと風が呻りをあげる。 ふと、その女性は水中に何かが見えた。光っていた。 ――嘘だ。女性はそう思った。 水中に浮かぶ少し大きい泡。その泡には、白い雲や晴れた空が映っている。 その途端、潮の流れが速くなる。 そして、その流れは渦となり、女性を飲み込んでいった…… あの泡と一緒に。 イヴ達三人は、もう立派な探検隊だ。 その三人は、浜辺にいた。 「ここは、何度来ても飽きないよね」 「ああ。とても思い出深い場所だからな」 「僕達が、ロカを見つけたんだよね……」 「あの時は正直驚いた。あの変でリーフィアが倒れていて……」 シオンは指差した。確かにあそこはロカが倒れていた場所であった。 ザザ、ザザと潮の流れが聞こえる…… 「イヴ、そろそろ大きな波が来そうだ、ちょっと岩場の方へ行こうぜ」 「ああ、そうだね」 三人がいわば二行って暫くすると、少し大きい波が来た。 「俺達があそこにいたらびしょ濡れだな」 と呟き、三人はさっきいた場所に戻ろうとしたが…… 「!?」 「ど、どうしたんだ?イヴ」 「あ、あそこに・・・」 「あそこ…… !?」 「やべぇじゃねぇか早く行こうぜ」 「どうしたんだよ」 向こうの浜辺で誰かが倒れていた。 「あの……大丈夫ですか‥‥?」 「うっ‥‥‥」 「良かった、死んでなかったね」 その女性は、少しだけ戸惑った表情を浮かべていた。 「私は‥‥何を‥‥」 「何にもしてねぇよ。ただここで倒れていただけ」 「ああ‥‥そう……ってこの声、もしかしてあなた!!」 「は?」 女性は見つけた! と言うように勢いよく起き上がった。 「あなたは‥‥」 「!?」 「ロカ‥‥ロカなのね……」 すると、ロカの頭の中に、失っていた記憶が出てきた。 「お前、もしかして……」 「ええ。こんな所にいたなんて……」 「今まで会えなくて、すまなかったな‥‥サエナ」 「サエナって……エエッ!? この人が!?」 「ああ。こいつがサエナだ。お前達には前に話しただろ」 「うん。僕はイヴです」 「俺はシオンです」 「ニックネーム?」 「本名です‥‥(なんで同じ事言われんの……)」 「サエナ、自己紹介でも」 「自己紹介ね。初めまして。私はジャハナサエナです」 「やさしそうな人手よかった……」 「で、お前がなぜここに!?」 「え……あ、そうだ。あなたに話すべき事があるんだった」 「俺に?」 「ええ。あなた、PPAって覚えてるよね」 「PPA……」 すると、ロカの頭の中に、記憶が噴水のようにどんどん出てくる。 「うっ‥‥」 「どうしたの?」 「いや。ちょっと頭痛がしただけだ。PPAって、ピープルアンドポケモンアルカディアーズだろ」 「そうよ。あなたがいなくなってから、PPAは大騒ぎなのよ」 「そうか!! 俺が、リーダーだったんだ!! そのリーダーは誰がやっているんだ……?」 「あなたの弟さんよ」 「弟……リュウか!!」 「そう。リュウはあなたの代役として二年間、ずっとリーダーをしていたのよ」 「そうなのか!! 早く戻らなければ!!」 「戻るといっても、どうやって?」 「あ‥‥そうか……」 その時、岩場附近の茂みが揺れた。 そして一人の人影が現れた。 「話は、聞いていましたよ」 「えっ!?」 「あなた達、人間界から来たそうですね」 「え? ああ、まあ……」 「ちょっと話を聞いて気づいたのですが、私の魔法で何とかなるのではないでしょうか」 「で、貴方誰?」 「おっと、申し出るのを忘れていました。私はヒヅキエクリプスといいます」 「で……その魔法ってのは……」 「空間転生術です。世界移動の門である黒大門を開き、貴方達を人間界へ飛ばします。その最中に、人間へと姿が変わるわけです」 「なるほど。じゃあ、やってみましょう」 「はい。でも一人につき付き添い一人が必要なので、全員が行くことになります」 「え? 俺達も?」 「はい。勿論付き添いなしでもできるはできるんですが、効率が大幅に下がるので……」 「分かった。じゃあ俺達も行こう」 「じゃあ、皆さん横一列に並んで下さい。順番はどうでもいいですが、ちゃんとくっついてくださいね」 言われるままに、四人は横一列に並んだ。 「では、いきますよ……」 四人は瞬く間に光に包まれ、水平線の向こうへ飛んで行く。 「うわっ!! どんどん浜辺が遠くなっていく!」 「おい、後ろ見てみろ、変な入り口があるぜ」 「真っ黒じゃねぇか。なんか怪しい」 その光は、その黒い穴に入っていった。 エクリプスは、そのまま浜辺で立ち往生していた。 「術は成功しました。あの人達は、必ず帰ってくることができるように、私は祈っていましょう‥‥」 その頃四人は次空間にいた。 「なんか不思議だなぁ」 ロカは心臓がうごめくのを抑えていた。 そして、周りは全て真っ白な光となり、彼らを包む…… 「ここは‥‥」 「ハランシティだな。戻ることが、出来たようだ」 「うわっ!! 僕達人間になってる!!」 「ロカもちゃんと戻ってるね」 「ああ。そう言うお前もな」 イヴは足元がふらついていた。 「お前達は元々四足歩行だからな。暫くリハビリしよう」 そう言って、人目のつかないところに行って何時間かリハビリ(?)をした。 「おっ、意外となれるといい感じだな」 「走るって、こういう感じなんだね」 「俺も暫く歩いてなかったからな」 すると、向こうに青年が立っていた。 青年は、自分達を見るとこちらに走ってきた。 「兄さん、今までどこ行ってたんだよ!」 「ああ、すまないな。リュウ。ちょっと色々あってな」 「でも、無事でよかった。で、この人達は?」 「向こうで知り合った友人さ。 ほら、こいつは俺の弟のリュウだ。」 「初めまして。セイノリュウという者です」 「あ、どうも」 自己紹介する気になれなかったシオンは、ロカに耳を貸すよう、言った。 「ヒソヒソ‥‥(なあ、これってどう言えばいいんだ)」 「ひそひそ‥‥(普通にカザナギシオンって言うんだよ。あっちでは向こうではよくいる苗字だって)」 シオンは納得したように頷き、自己紹介をした。 「俺はカザナギ シオンといいます……」 「カザナギ? こっちでは聞きなれないな」 「あ、向こうではいるんですよ。まあ多いって言うわけでもないんですが」 「へえ、カザナギね……」 「僕はキヨビ イ ブと言います……」 ロカはイヴの話し方に素早く気づいた。 「ヒソヒソ‥‥(おい、何で噛んだんだ)」 「ヒソヒソ‥‥(だって、『イヴ』って言うと違和感あるじゃん)」 「そっか」 「まあ、兎に角その……お二人さんも、こちらへ」 第四章、ついに始動です。 なんだか、今日はうまく書けなかったようです…… 誤字、脱字等があればご指摘していただけると助かります。
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