|
☆お米の裏作に小麦を蒔いて、雑草を刈っているところ。稲は獣害でほぼ収穫がみこめなくなってしまった(涙)
「自然農」93
赤目自然農塾に入塾して1年が過ぎたいま、しっかりとこの1年をふり返り、その総括を行なってみた
い。
自然農の勉強を始めた当初、自然農も有機農もそんなに大差はないと考えていたほど、農に関してはまっ
たくの素人であった。自然農を学びはじめて、歴然としたその違いを知るに至り、わが無知を大いに恥じ
たものである。
赤目塾に通いだして数ヶ月も過ぎたころ、この塾では土の作り方や、作物の育て方を教える(学ぶ)とい
うだけでなく、生きるとは何か、人間はいかに生きることが幸せにつながっていくのかなどを、教えて
(学ぶ)くれる所だということに、だんだんと気づいていった。
この塾は、月に1度、1泊2泊のコースで開かれるのだが、1日目の共同実習の学びが終わったあと、少し
離れた山荘へと移動して、そこで一堂に会して夕食を摂るのである。
この夕食のあとに、塾を主宰する川口由一氏から、言葉をとおしての、夜の学びという時間がもうけられ
ていて、この夜の学びが、若い人にとっても、また壮年の人にとっても、ふだんの生活のなかで、中々聞
けないような、貴重な話を聞かせていただくことができるのである。
また、ただ一方向で聞くばかりではなく、時には疑問や質問なども交わされ、それにも気軽に応じ答えて
くれるので、それが魅力で、この塾へ通う人もあるほどなのだ。
川口氏が、40年近い自然農とのつき合いの中で学んできたこと、すなわち、人間の生命を育む大切な、
穀物や、果菜類などの安心、安全な食べ物をどうすれば作られるか、また、田畑の営みに想い巡らして気
づいたことなどを、素朴な大和ことばで講じてくれるのである。
親の代から受け継いできた農業、そして長年あたり前のように使用してきた農薬、その農薬によって身体
をこわし、田畑に立つことに違和感をもつようになり、農作業が終わるといつも田畑から逃げるようにし
て家に帰った日のことなど、自身の体験を実感こめて話される。そんな直截な言葉が塾生の胸を突くよう
である。
農薬を使用しないで、安心、安全な食べ物を作るには、いったい何が必要で、何が必要でないのか、慣行
農業から、自然農という新しい世界に分け入った苦心の歩みの中から、ようやく「耕さない、草や虫を敵
としない、肥料農薬を必要としない」などの3つの基本が確立されていったのである。そんな自然農の歴
史が、いち農夫の口からとつとつと紡ぎだされていく。 つづく
|