林誠司 俳句オデッセイ

1月から俳句の街(松戸市八柱・第3月曜日)始まります。ご参加ください!

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夏爐(なつろ) 木村蕪城

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夏爐燃ゆ仏の供華にさるおがせ          木村蕪城(きむら・ぶじょう)

(なつろもゆ ほとけのくげに  さるおがせ)


今日は古田紀一主宰の「夏爐」800号祝賀会を取材した。
古田紀一先生とは、仕事でグラビア撮影、対談や吟行をお願いしたりして親しくさせていただいている。

7月26日、27日  下諏訪温泉、万治仏

長野県上田市 無言館 前山寺など


場所も長野県諏訪市…、諏訪湖岸の「鷺の湯ホテル」で、実にいいところである。
途中、一時間以上休憩時間があったので、諏訪湖でもブラブラしようかと思ったら、ホテルに「日帰り入浴」の看板があった。
せっかく温泉に来たんだから、風呂でも入るか、と思い、フロントの人に尋ねると、なんと「無料」で入っていい、と言う。
お金を払うつもりで、

宿泊客ではないんですが…。

と言ったのだが、それでもいいと言う。
客も私一人で、時間までのんびり湯に浸かった。
一応、言っておくが、私がここの会場の客だからである。
誰でも無料というわけではない。

記念講演は、NHK俳句選者の高柳克弘「鷹」編集長。
私はNHK俳句は見ていないが、彼は「俳句王子」と呼ばれているらしい。
ところが本人も言っていたが、彼ももう30代後半で、子持ちである。
20代前半のころから、彼を知っているが、月日は早いものである。
夕方からは宴会で、スピーチの前に地酒をかなりいただいて、スピーチではちょっと失敗した。
それでもまあ楽しく過ごせたし、先生や奥様と久々に会い、会員の方といろいろお話も出来て、楽しい一日だった。

「夏爐」の創刊主宰は木村蕪城。
「夏爐」とは、文字通り「夏の爐」である。
夏に爐なんて焚くのか…と思うが、山深いところでは夏も夜は寒いので焚く。
いかにも信州らしい雑誌名である。

掲句。
「さるおがせ」というのに感嘆した。
「さるおがせ」とは、

樹皮に付着して懸垂する糸状の地衣

である。
…ちょっとわかりにくい。

木の皮にくっついて垂れ下がっている糸のような地衣

ということである。
「地衣」とは「菌類」と「藻類」の共生体である。
私もよくはわからないが、簡単に言えば、菌と藻が一緒になったものらしい。
写真を見た限りでは形状は「シダ」にも近い。
しかし、さまざまな形態があるようだ。
森などの樹木の皮に生えて、垂れ下がっている。

「夏爐燃ゆ」という措辞は、信州の高地の山家を想像する。
その山家に夏爐が燃えている。
そこには仏壇があり、花が供えられている。
亡くなった親しい人、家族へのそれであろう。
その供養の花に「さるおがせ」がくっついていた…というのである。

供華は山から取ってきたものだろう。
それゆえ、知らず知らずに、さるおがせもくっついていたのだ。

風土だな〜。

と思う.
信州の山家の暮らしがありありと見えてくる。
「さるおがせ」に野趣がある。
しかし、亡くなった人を思う心がある。
その亡くなった人も、この山に生き、この森に生きた人なのである。

最近はこういう句がすっかり無くなってしまった。
また、鑑賞の上でも、こういう句は見落とされ、評価されない傾向にある。
しかし、こういう何気なく、深い句はいつまでも語ってゆかなければならない。

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さるおがせ、検索。うちにいっぱいありました!!そういう名前だったのですね!落っこちていることもあります。だから野草にくっついていただろう、その様子ははっきりわかります。リスに蹴飛ばされて落ちたのかもしれませんね。

2017/6/13(火) 午前 7:51 [ Ryoka ] 返信する

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> Ryokaさん そうなんですか。やっぱりアメリカは自然豊かですね。

2017/6/19(月) 午後 6:52 セセエト 返信する

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