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首相所信表明演説・「郵政」以外は説明不足 在日米軍再編問題も触れずhttp://ryukyushimpo.jp/news/storyid-6893-storytopic-11.html
第3次小泉内閣発足を受けた小泉純一郎首相の所信表明演説が26日の衆院本会議で行われた。
小泉首相は、郵政民営化を掲げ衆院選に大勝したことを受け、「国民の信任を得られた」として、今国会での郵政民営化関連法案成立へ決意を表明。同時に、郵政後のテーマには政府系金融機関の統廃合などを挙げ、「政府の規模を大胆に縮減する」ことを強調した。
しかし、「郵政民営化」に力点を置いたためか、「ポスト郵政」の課題については、説明不足だったといえよう。特に、日米の安全保障政策の上からも、最重要課題である在日米軍再編問題について言及しなかったことは残念だ。
■どうする「普天間基地」
今回の小泉首相の所信表明演説は、過去の自身の演説で最も短く、歴代首相の演説の中でも2番目に短い内容だった。
これは「改革の思いを簡潔に伝えたい」(首相周辺)との首相の意向によるものというが、政権選択をかけた衆院選後の初の国会演説との視点から見ると、説明不足といわざるを得ない。
特に、在日米軍再編協議はヤマ場を迎えつつあり、沖縄だけではなく、関係自治体が最も注視している問題である。もちろん、日米の外交・安全保障の観点からも最重要課題である。
外交・安全保障の項目では「日米同盟と国際協調を外交の基本として、国際社会の責任ある一員としての役割を果たす」と強調するだけで、在日米軍再編問題には全く触れていない。
沖縄には在日米軍専用施設の75%が集中し、県民は「基地の重圧」に耐え続けている。
在日米軍再編問題は外交上の問題であり、具体策はまだ示すことができないにしても「沖縄の負担軽減に努力する」との一言を入れてほしかった、というのが県民のいつわらざる心境だった、と思う。
同問題では、普天間飛行場の移設先が最重要課題として浮上している。
有力な案として浮上しているのが、キャンプ・シュワブ内の陸上案と従来の案を縮小してリーフ内の浅瀬に軍専用施設として建設する案の2案だ。
いずれにしても両案とも現在の名護市辺野古沖同様、県内移設に変わりはない。
岸本建男名護市長は26日の市議会で「リーフ内縮小案」を容認する立場を表明したものの、「県外移設がベスト」との立場だ。
衆院選でも県内各党は「県外・海外移設」を最優先事項として掲げていた。小泉首相は、そのことを念頭に入れ、米国と交渉すべきである。
普天間問題を解決し沖縄の海兵隊をいかに削減できるか、巨大与党をバックにした小泉首相の指導力が、問われている。
■「年金」で指導力を
今回の所信表明演説で、小泉首相が最も力を入れたのは、郵政民営化に関する決意で、演説の半分以上を費やした。
郵政民営化関連法案は、巨大与党のもと、今国会で成立する見通しだ。
同法案に関する演説の中で、小泉首相は「過疎地の郵便局がなくなるのではないか」との懸念に配慮し、「国民の貴重な資産である郵便局のネットワークを維持し、国民の利便に支障が生じないようにする」と言明したが、その約束はぜひ守ってもらいたい。
特に、離島を抱える沖縄にとっては重要な課題である。
「ポスト郵政」で小泉首相は、政府系金融機関の統廃合、さらに国家公務員定員の純減目標設定、総人件費の削減などを掲げたほか、国・地方財政の三位一体改革などに取り組む姿勢を示した。
「郵政」では「総論」より「各論」を重視した小泉首相だが、他の項目の多くは、まだ「各論」の段階に至っていない。
なかでも、国民の関心が最も高い「年金制度」については、「与野党が胸襟を開いて協議を行い、意見の相違を埋める努力をすることが不可欠である」と述べるにとどまった。国会の論議にげたを預けるのではなく、首相自ら指導力を発揮すべきである。
さらに、政府系金融機関の統廃合など官僚機構にかかわる部分は、省庁間の利害対立や官僚の抵抗が予想される。
「官僚に丸投げ」との小泉首相批判もあっただけに、「官僚の壁」を破ることができるか、「小泉改革」の真価が問われている。
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