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http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu/00024650ss200607290900.shtml
迂回献金/疑惑のまま放置できない
2005/07/29
日本歯科医師連盟(日歯連)の献金隠し事件をめぐり、東京第二検察審査会が自民党の山崎拓前副総裁を「起訴相当」と議決した。政治資金規正法違反の容疑で告発を受け、不起訴になった経緯に対し、重大な疑問符が突きつけられたわけである。
また、同党の自見庄三郎元郵政相や日歯連の元幹部ら四人についても、「不起訴不当」と結論づけている。
議決に拘束力はない。東京地検が再捜査したうえ、起訴するかどうかをあらためて決める。だが、検察審査会が「起訴相当」とするのは極めてまれである。自民党にとっては、少なからぬ痛手だろう。
山崎氏らに対する告発は、日歯連から計五千万円の献金を受けながら、党の政治資金団体「国民政治協会」への献金として処理し、それぞれの政治資金収支報告書に記載しなかったというものだ。
告発の内容が浮き彫りにするのは、典型的な「迂回(うかい)献金」疑惑である。
政治資金団体を隠れみのにして、特定の議員への献金を隠してしまう。政治家との関係を見えにくくする、こうした手法がまかり通るなら、カネの流れを透明にする政治資金規正法の意義が揺らぐ。カネで政策をゆがめることにもつながりかねない。
告発を受けた東京地検は、五人とも嫌疑不十分として不起訴処分にした。だが同審査会は「納得がいかない」とする。
たとえば、山崎氏は受け取った五千万円を「幹事長室のロッカーに一カ月弱、置いたままにした」などと述べたというが、たしかに、一般の感覚からかけ離れている。「起訴して法廷で真実を」という審査会の指摘は、国民が共有するものだろう。
解せないのは、これまで党の調査を根拠に、迂回献金の疑惑を否定し続けてきた小泉首相の反応だ。検察当局の対応を見守るだけで済ますのではなく、党総裁として打つべき手はあるのではないか。
再調査を指示する。政治資金規正法の国会審議を加速させ、迂回献金を許さない見直しを検討する。日歯連事件で高まった国民の政治不信を解消するには、こうした点で指導力の発揮が欠かせないはずだ。
議決と歩調を合わせるように、旧橋本派の一億円献金隠し事件の公判で、橋本元首相らの証人尋問が決まった。国会での証人喚問が実現しない中、法廷での証言に注目が集まることは間違いない。
国民にとって、郵政民営化だけが重要政治課題ではない。とりわけ「政治とカネ」の問題には厳しい視線が向いている。そのことを小泉首相は軽視してはならない。
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