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民営化
米国は、小泉首相の公社・公団の再編と民営化の取組みに関心を持ち続けてきた。この改革イニシアティブは、競争を刺激し、資源のより有効的な利用につながるなど、日本経済に大きな影響を及ぼす可能性がある。米国政府は、日本郵政公社の民営化という小泉首相の意欲的な取組みに特に関心を持っている。日本の郵便生命保険事業と郵便貯金事業が世界最大の生命保険事業者と預金制度にまで成長しているため、これらの事業の民営化は、それぞれの分野で営業をしている会社に巨大な影響を与えると考えられる。2007年に開始予定の日本郵政公社の民営化は、民間の宅配便業者にも大きな影響を与える可能性がある。
本年の米国の提言の柱は、日本郵政公社の民営化が日本経済に最大限の経済的利益をもたらすためには、意欲的かつ市場原理に基づいて行われるべきであるという原則である。真に市場原理に基づいたアプローチというものは、日本の保険、銀行、宅配便市場において歪められていない競争を確保することを含まなければならない。日本郵政公社に付与されている民間競合社と比べた優遇面の全面的な撤廃は必要不可欠である。これらの優遇面は、米国系企業および日本企業の双方にとって同様に、長年の懸念となっている。経済財政諮問会議は、9月10日に発表した「郵政民営化の基本方針」において、日本郵政公社と民間企業との間の「競争条件」の均等化の重要性を確認することにより、重要な一歩を踏み出した。
米国は、日本郵政公社と成田国際空港、日本道路公団等の他の組織の民営化が成功することを期待している。これは、複雑で挑戦的な取組みではあるが、効果的に実行できれば日本経済と日本の企業、消費者に大きな利益をもたらすことになる。本年の民営化にかかわる提言の重要項目は下記のとおりである。
提言の概要
· 競争条件の均等化:保険、銀行、宅配便分野において、日本郵政公社に付与されている民間競合社と比べた優遇面を全面的に撤廃する。民営化の結果、歪められていない競争を市場にもたらすと保証する。
· 保険と銀行の公正な競争:日本郵政公社の保険および貯金事業においては、真に同一の競争条件が整うまで、新規または変更された商品およびサービスの導入を停止する。これらの事業に、民間企業と同一の納税条件、法律、規制、責任準備金条件、基準、および規制監督を適用するよう確保する。
· 宅配便サービスの公正な競争:郵便業務の規制当局は日本郵政公社から独立しかつ完全に切り離された機関であることを確実にし、民間部門と競合するビジネス分野における競争を歪曲するような政府の特別な恩恵を日本郵政公社の郵便事業が受けることを禁止する。
· 相互補助の防止:日本郵政公社の保険および銀行事業と公社の非金融事業の間で相互補助が行われないよう十分な方策を取る。競争的なサービス(すなわち、宅配便サービス)が、日本郵政公社が全国共通の郵便事業で得た利益から相互補助を受けるのを防止するため、管理を導入する。
· 完全な透明性:民間の利害関係者が、関係する日本政府の職員と民営化について意見交換を行い、政府が召集する関連の委員会の審議に貢献する有意義な機会が提供されるよう確保する。パブリックコメント手続きの十分な利用を保証する
II. 日本郵政公社の民営化
日本郵政公社の民営化が日本経済へ最大限の経済的利益をもたらすためには、意欲的にかつ市場原理に基づいて行なわれなければならない。真に市場原理に基づいたアプローチというものは、様々な措置の中でも特に、日本郵政公社に付与されている民間競合社と比べた優遇面の全面的な撤廃を通して日本の保険、銀行、宅配便市場において歪められていない競争を確保することを含まなければならない。これらの優遇面は、米国系企業および日本企業の双方にとって同様に、長年の懸念となっている。経済財政諮問会議は、9月10日に発表した「郵政民営化の基本方針」において、「イコールフッティング」の確立および日本郵政公社と民間企業との間の「競争条件」の均等化の重要性を確認することにより、重要な一歩を踏み出した。経済財政諮問会議の報告書ではさらに、2007年の民営化開始当初から(民間企業と)同様に納税義務およびセーフティネットへの加入義務を負うことや、郵便保険および郵便貯金商品について政府保証を廃止するとの明確な措置を確認した。米国政府は、これらの具体的な提言を歓迎し、それが日本郵政公社の民営化のための法律に反映されるよう求める。
II-A. 郵便保険と郵便貯金 日本郵政公社の民営化が、経済財政諮問会議の求める民間企業との間の「イコールフッティング」を完全に達成し、また日本の保険および銀行分野に公正な競争をもたらすために、米国政府は日本政府に以下の方策を取るよう求める。
II-A-1. 民間企業と完全に同一の競争条件を整備する。それには次のものを含む。
II-A-1-a. 郵便保険と郵便貯金事業に、民間企業と同様の法律、規制、納税条件、責任準備金条件、基準、および規制監督を適用すること。
II-A-1-b. 特に郵便保険と郵便貯金事業の政府保有株式の完全売却が完了するまでの間、新規の郵便保険と郵便貯金商品に暗黙の政府保証があるかのような認識が国民に生じないよう、十分な方策を取る。
II-A-1-c. 新規の郵便保険、郵便貯金および他の関連業務との間の取引がアームスレングスであることを保証するため、完全な会計の透明性を含む適切な措置を実施する。また、日本郵政公社の金融事業と非金融事業の間の相互補助の可能性を排除する。そして
II-A-1-d. 新規の郵便保険と郵便貯金が、その市場支配力を行使して競争を歪曲することが無いよう保証するため、独占禁止法の厳格な施行を含む適切な措置を実施する。
II-A-2. 新しい貸付業務や郵便保険事業による新規または変更された保険商品の導入、または郵便貯金事業における元金無保証型投資商品の元売りを、(上記で提案したとおり)真に同一の競争条件が整備されるまでは一時停止する。また、同一の競争条件の実現後には、このような商品やサービスがバランス良く導入されることを保証する。
II-A-3. 日本政府が、民間で元受けをする元金無保証型投資商品を日本郵政公社で取り扱うことを許可する計画を進めるにあたり、それらの商品の選択が公平で透明性のある形で行われるよう保証する。
II-A-4. 日本郵政公社において販売される民間企業元受けの保険商品の選択が、公平で透明性がある形で行われるよう保証する。
II-A-5. 日本郵政公社の民営化の過程で、郵便保険および郵便貯金事業に新たな優遇が与えられないよう保証する。
II-A-6. 郵便保険と郵便貯金事業の民間企業に対する競争の状況を定期的に調査するための独立した委員会を設置し、民営化の過程において一貫して、同一の競争条件の継続を保証することを目指す。
II-B. 宅配便サービス 日本郵政公社と宅配便業者間の公正な競争を促進するため、米国政府は日本国政府に対して、下記の方策を取ることを要望する。
II-B-1. 独立した規制機関 郵便業務に関する規制当局は日本郵政公社から完全に切り離されかつ独立した機関であることを確実にし、日本郵政公社あるいは公社の管轄下にあるどのような組織であれ、非競争的な方法で事業を展開しないことを確保するための十分な権限を持てるようにする。
II-B-2. 非差別的な処遇 税金や他の料金免除など競争条件を変更するような特別な便益や、物品の運送に関して政府機関による特別な取り扱いや、関税業務にかかるコストの免除などが、政府政策により競争サービスのあるひとつの提供者のみに与えられないことを必要に応じて確実にする。
II-B-3. 相互補助 競争サービス条件下で、全国一律サービスの提供から得られた収益を用い非競争的な相互補助が行われることの防止監督をする。ひとつの監督方法は、日本郵政公社および全ての関連会社の会計が分離、独立でありかつ完全に透明性のあるものとすることであろう。
II-C. 透明性 米国政府は、日本郵政公社の民営化の過程において、下記の方法により、透明性が継続的に確保されるよう求める。
II-C-1. 日本郵政公社民営化の準備期および移行期において、民間の利害関係者(外資系を含む)の要請に基づき、民間企業に影響が及ぶ可能性のある論点について、総務省、郵政民営化準備室、金融庁を含む関係省庁の職員と意見交換をする有意義な機会が提供されるようにする。
II-C-2. 日本政府が開催する委員会やそれら委員会の構成要素の中で、日本郵政公社民営化の準備期および移行期において民間企業に影響が及ぶ可能性のある論点について、民間の利害関係者(外資系を含む)が積極的にその議論に貢献する有意義な機会が提供されるようにする。
II-C-3. 民営化に関する施行規則および省令等の準備も含めて、パブリックコメント手続きが十分に利用され、また最終判断を行なうにあたり、そのコメントが考慮されるようにする。
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