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「長らくのご乗車、お疲れさまでした……」
寝不足でぼんやりした星子の頭の中に、車内アナウンスが聞こえてきた。
「列車は、間もなく終点の熊本に到着です。お忘れ物のないように、お支度ください……」
ああぁ、もうじき、終点ですか。
せっかく、『さくら』に乗ったのに、もとの時間へは戻れず、なんともむなしい気分だ。そんなこともあって、昨夜はがっくりと早めにベッドに入り、ほとんど、眠ってばかりいた。目が覚めたのは、ほんの少し前。目覚し時計ならぬ腹時計に起こされた。さすがに、お腹がすいたってわけ。ゴンベエもさぞかしひもじい思いをしただろう、ごめんね、と謝りかけたが、ゴンベエのやつ、なんと、星子が旅行の非常食に用意していたクラッカーをきれいに平らげている。
「こらっ、ゴンベエ!」と、睨みつけても、知らん顔だ。
この泥棒ネコが!
仕方ない、終点の長崎に着いたら、名物のチャンポンでも食べよう。長崎といえば、星子がはじめてのひとり旅で最初に訪れた街だし、もしかすると、もとの時間へ戻れるヒントが得られるかも知れない。
そう思うと、星子、だんだん元気になってきた。
ばってんナガサキ、恋の街。チャンポンや皿うどんよりオイシイ恋が見つかるもよっ。
さぁ、再び、調子が出てきた星子サン、早速、降りる支度を始めたところで……ん、ちょっと、待ったぁ。
車内アナウンスでは、たしか、「終点のクマモトに着く」とかいってなかったっけ。ううん、そんなことない。この列車は『さくら』なんだし、終着駅は長崎か佐世保のはずだ。きっと、聞き違いだよね。
くすっと肩をすくめたところへ、再び、車内アナウンスだ。
「あと二分ほどで終点の熊本に到着です」
な、なぬ!
たしかに、熊本といった。あわてて窓の外を見ると、見覚えのある長崎の街とは違う街並みが広がっている。長崎の街はすぐ近くに山がせまっていたけど、山なんか見えない。
そのうち、列車はスピードを落として、ホームへ……駅の看板には、うはっ、『熊本』という文字がくっきり浮かんでいるじゃないですか。
「ああ、長崎じゃない……『さくら』に乗ったのに、どうなってるわけ……」
まさか、お狐サマにでもだまされたか……星子があっけに取られていると、
「シシシっ、姫ったら、ナニ寝ぼけてるのさ。『さくら』なんて、とっくの昔になくなってるのに」
と、若い男の声。それも、どこかで聞いたような声だ。
ん?……と、振り向くと、真っ黒なレザーのジャンパーを着て、派手なサングラスをかけた、キザッぽい茶髪の男の子が立っている。
センスがないのはルックスだけじゃない、顔もだ。Hっぽい唇、人をからかってるような鼻……でも、全体的にはにくめないその顔。
ちょっと、まって。誰かに似ている……そう、宙太さんに……。
星子、まじまじと見つめた。
「!……」
(宙太の一言)
ボク、ほんとに星子さんに逢えたわけ? でも、ブルトレ「さくら」はもう存在していない。ということは、出逢いのリピートは出来ないんじゃ……どういうことさ、山浦さん。どうするつもりなんだよ。
……え?……ナイショ? また、それかい! いい加減にしなよ、コノォ!
(作者より)
本編の導入部の一部を、宙太のお年玉として載せましたが、いかがでしたか。あとの続きは、また、機会があれば、ということで。とにかく、ラストまで書き上げませんとね。今日で正月もオシマイ。ちょっぴり寂しいけど、明日から心機一転、ファイト!
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あら?!じゃあ今から熊本まで星子さん迎えに行かなきゃ!!宙太さんに似たって…それじゃぁ〜出会う順番変えていくのかなぁ〜(^m^)楽しかったよ〜センセー!!ラストまでが楽しみ♪ワクワク
2007/1/4(木) 午後 1:45
私は鹿児島なので、あと少しで・・って気持ちになりました。 しかしすごいですね(゜□゜;) 宙太ファンとしては非常にハラハラしてきました。
2007/1/4(木) 午後 7:00 [ じゅり ]
あれ、宙太さんって、結局、センスがある人だったんじゃないでしたっけ・・・・。センス悪いだなんて、悲しいです。
2007/9/17(月) 午後 2:00 [ sasa ]