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「……星子さん、キッスを……早く、別れのキッスを……」
宙太、うわごとのようにつぶやいた。
ああ、もう、なんてこと。宙太さんと永遠のお別れだなんて。悲しくって、今にも胸が張り裂けてしまいそうだ。
春之助も、涙をこぼしている。アイシャドウが溶けて、顔はぼろぼろだ。
ほーりゅう、はというと、茫然と立ち尽くしている状態だった。
でも、せめて、最後に宙太さんの願いを聞いてあげよう。
星子、体をかがめると、宙太に顔を近づけた。
その瞬間だった。
「そのキッス、待った!」
鋭い声が響いたのと同時に、人影がパッと降り立った。
振り向いた星子、目を丸くした。春之助も、唖然となった。
なんと、目の前に立っているのは、マサルじゃないですか。
「マ、マサルさん!」
マサル、額にかかった髪をかき上げながらいった。
「だまされちゃいけないぜ、星子さん。そいつは、美空警部のニセモノだ」
「ニ、ニセモノ!」
「う、うっそーっ」
星子と春之助、あらためて、倒れている宙太を見た。
そのとたん、宙太の姿は見る見るうちに崩れて、真っ黒な頭巾をかぶり黒衣を着た長身の女になった。
頭巾の中には、残照に照らされた女の顔が……その顔は、醜くて恐ろしい老婆の顔だった。
「キャッ」
星子、悲鳴を上げてのけぞった。春之助も、口をぱくぱくさせたまま、今にも腰を抜かさんばかり。
でも、ほーりゅう、怯えることもなく、キッと身構えた。
「デスマドンナ! お前だったのね!」
「!……じゃ、この女がデスマドンナ……」
星子、愕然と見た。
「知っているのか、星子さん、こいつのことを?」
「ええ……」
「マサルさん、どうしてここに?……」
春之助が聞くと、マサル、
「美空警部のことが心配でね、あとを追ってきたのさ」
「じゃ、あたし達と同じだわ。で、宙太さんはどこにいるの?」
「それが……」
マサル、口ごもった。
「どうしたのよ、ね?」
不安顔で聞いた星子に、デスマドンナの含み笑い声が聞こえた。
「ふふふっ、死んだよ」
「死んだ?」
「あたしが殺したんだよ。今頃は、灼熱の温泉地獄でどろどろに溶けているだろうさ」
「えっ」
星子、物凄いショックで息が詰まった。
ほーりゅうも、茫然となった。
「美空警部は、死んでいく時、お前の名前を叫んでいた。そのお前がここへ来るのが、私には見えたんだよ。そこで、あの男に化けて、死のキッスでお前を殺し、一緒に冥界へ送ってやろうとしたんだよ」
デスマドンナ、愉快そうにせせら笑った。
「!……」
星子の目から、口惜し涙があふれた。
「こいつ! 許せないよ!」
春之助、猛然とデスマドンナに飛びかかった。
すると、デスマドンナ、黒衣の裾を払った。そのとたん、春之助の体、宙に舞い上がり、じきに、地面に叩きつけられた。
「春ちゃんっ」
星子、駆け寄ったけど、春之助、気を失っている。
「くそっ」
マサル、拳銃を抜くと、引き金をしぼった。でも、デスマドンナは平然としたまま杖の先端をマサルに向けた。
そのとたん、マサルの手から拳銃が弾き飛ばされた。
それを見たほーりゅう、胸もとからロザリオを取り出して、サッと突きつけながら、飛びかかった。
すかさず、デスマドンナ、右手にギラッと妖しく光るものを取り出した。
ロザリオだ!
悪魔のロザリオだ!
ほーりゅうの体、放たれた青白い光を受けて、妖しく光った。
(つづく)
追記 あと一回、お付き合いくださいね。
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こんばんは。マサルさんの登場嬉しいです!vvv
後1回、どんな結末か楽しみだけど終わっちゃうのが少し寂しいなあ。
2007/9/2(日) 午後 11:58 [ - ]
ニセモノだったなんて…騙された〜。それじゃあ宙太さんは?! 春ちゃんも気を失ってしまったし、マサルさん〜!
続きが気になります…。
2007/9/3(月) 午前 0:17
星子さん、ほーりゅうちゃんデスマドンナなんかに負けないで!
でも、ホント終わってしまうのは悲しいです。。。
かといってデスマドンナとの戦いは早く決着して欲しいし・・・。
2007/9/3(月) 午前 10:52 [ のりぷこ ]
こんにちは☆
ドキドキして、続きが気になります〜!
この感じ、懐かしくて、嬉しいです♪
宙太さんと星子さんのラブラブシーンを見たいなぁ・・・
2007/9/3(月) 午前 11:40 [ ai_*in*yg*rl* ]