星子&宙太yyy

ファンの集う癒しの小部屋です。

新星子一人旅「長崎恋旅は魔女特急

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「!……」
 星子、まじまじと美少女を見つめた。
「……あ、あなた……」
「そうなんだ、僕は男だよ」
 美少女、ゆっくりとサングラスをはずして、星子を見つめた。
「!……」
 たしかに、よぉく見ると、男の顔だ。でも、弥勒菩薩サマのようなうりざね顔に切れ長の澄んだ目、かたちのいい鼻とふくよかな唇は、美少女そのものだった。
 右京も凄い美形だったけど、それに負けないぐらい美しい男の子だ。年齢は二十前後ぐらいかな、そばにいられるだけで、体の芯がじーんとしびれてくる。
 でも、ちょっと、待って。
 ……誰かに、似ている、このヒト……誰かに……。
 もやーっとしたアタマの中に、じきに、一人の男の子の姿が、おぼろげに、そして、やがて、くっきりと浮かび上がった。
 そう、恋には奥手だった星子が、はじめて恋をしたあの男の子……高校一年生の時、通学の電車の中で一目惚れしてしまった相手だった。もっとも、星子の一方的な片想いだったけどネ。
 当時、カレは都内の名門私立高校のサッカー部員で、名前は、忘れもしない、疾風(はやて)涼(りょう)。歳は星子より二歳年上の三年生で、将来を期待された選手だった。もう、取り巻きの女の子は、てんこ盛りもいいとこ。いくら元気印がウリモノの星子でも、そう簡単には近寄れない。
 ああ、いとしや、恋しや、リョウさま。
 三度のご飯も喉を通らず間食四度、夜も眠れず昼寝して、勉強にも手がつかずマンガ見て、ひたすら、想いを寄せているうちに、突然の怪我が原因で選手生命を絶たれ、学校も中途退学したとか。その後、海外転勤した父親と一緒にフランスへいったといううわさを風の便りに聞いたきり、二度と会うことはなかった。
 哀れ、星子の初恋もはかなく消えて、ジ・エンド。一時はがっくりと落ち込んだ星子だったが、そこは、パワーとガッツのSEIKOアネゴだ。ローストラブのマイナスエネルギーをプラスに代えて、めざせ、理想の恋人を! 
てなことで、一年後、あの恋探し、いい男探しの一人旅がはじまったわけ。
 そのきっかけともなった初恋の相手・疾風涼にそっくりの男の子に出会うとは。
 ……まさか、もしかして、ホンモノのカレかもね……。
 星子の心臓がキンキンキンと音をたてかけたところへ、
「君、名前は……たしか、星子さんだったね?」
 カレ、星子の顔をのぞきこんだ。
「流星子、流星の子って書く、そう、宙太って人にいっていた……そうだね?」
「え、ええ」
「ごめんよ、あの時、近くで話を聞いていたんだ」
 そういうことか。
「あ、僕は京(きょう)乙女(おとめ)、っていうんだ」
「……キョ、京……乙女?……」
 じゃ、涼クンじゃなかったんだ。よく似ていただけか。ちょっと、拍子抜けの星子サンだ。
 だけど、京の乙女だなんて、美形のこのヒトには、ぴったりの名前じゃないですか。それにしても、いくら、女の子のような名前だからって、なにも、女装までしなくたって。
 まさか、そっちの趣味じゃ……と、思ったら、
「いや、この格好は趣味じゃないんだ、じつは、変装ってヤツさ」
「ヘンソウ?」
「うん、ちょっと、事情があってさ」
 事情ですか。そういえば、さっき、エスカレーターのところで私服のおまわりさん達を見かけた時、いきなり、星子を抱きしめて頬をくっつけてきたっけ。もしかして、あのおまわりさん達の目をごまかすために変装したんじゃ……。
 だとすると、乙女は警察に追われている男ってことになる。こんなきれいな顔をしているのに、犯罪者だなんて……いったい、どんな罪を犯したんだろう。
 気になる顔で見た星子に、ふと、乙女がいった。
「君、『さくら』に乗ったつもりだったんだね?」
「え、ええ」
「なにか、わけでも?」
「……」
 話したって、わかってもらえそうにない。
「あ、ごめん。誰にも、いいたくないことってあるからな」
「……」
 乙女、ちょっとためらったあとで、
「じつは、僕もさ……」
 と、低い声でいった。
「え?」
「僕も、『さくら』に乗ったつもりだったんだ……」
「う、うそっ」
 星子、目を丸くした。
「でも、今朝、目が覚めたら、『さくら』は『はやぶさ』に変わっていた……君と同じように、迷子になってしまったわけさ。時間の迷子にね……」
「!……」
 そうよね、あたしは時間の迷子なんだ。
で、あなた、どうして、『さくら』に……そう聞こうと思ったけど、やめた。星子のように人にはいえない事情があるかもしれないしね。
「ね、君……」
 乙女、星子を見つめた。
「もし、よかったら、一緒に長崎へいかないか?」
「長崎に?」
「僕には、どうしても、長崎へいかなくてはいけない理由があってね。君は、どうなんだ?」
「……」
 もちろん、いきたい。星子、大きくうなづいた。
「連れてってください、お願い!」
 星子、思わず乙女の腕をしっかりと掴んだ。

                        (第二章へつづく)




(追記)  連日の猛暑のまま、連休は終わり。なんたること。といっても、こっちにはカンケイない……なんて、カッコつけるな。現在、女性の65歳以上が女性人口に占める割合は、全体の四分の一とか。この調子だと、星子ファンのヒトが高齢者になるころは……わわわっ、考えるのはよそう。とにかく、いくつになっても、星子シリーズを忘れないで! 孫やひ孫にも宣伝してね!
               

閉じる コメント(3)

ああ! 前に言われていた、初恋の相手の登場でしたか? って、似た方なのですネ〜! これはまた、楽しい旅は道連れが出来ましたネ〜^^ これにどう、宙太さんが絡んでくるのか、楽しみです〜♪

2007/9/17(月) 午後 6:56 くにざわゆう

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星子さんの前には美形が必須ですね。美形相手に宙太さんがどう動くのか楽しみです。
来週、一人旅に出かけます。星子さんを見習いたい今日この頃です・・。

2007/9/17(月) 午後 8:33 [ みかん ]

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京乙女さんの事情、気になります〜。
(追記)を見て、○年後には私も確実に「高齢者」になるんだなーなんて。
星子さんのパワーを貰って目指せ「いつまでも現役のカッコいいおばあちゃま」です♪

2007/9/17(月) 午後 9:07 [ のりぷこ ]


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