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第四章 さよなら恋の花「さくら」、一人旅
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「おい、どこだ! マサルくん!」
宙太、走りながら、携帯電話に怒鳴った。
マサルからの連絡でグラバー邸をとびだしたけど、園内はかなり広い。なんせ、一口にグラバー園といっても、グラバー邸をメインに、ウォカー邸とか、オルト邸、リンガー邸、その他、いくつもの明治建造物を集めて造られた明治村だ。
いったい、どこからマサルが連絡してきたのか、はっきりわからない。
星子も、宙太のあとから走りながら、懸命にあたりへ目を配った。
マサルからの連絡だと、乙女、いや、涼を追ったボディガード達と撃ち合いになったらしい。マサルは、そして、涼は無事なのか。高まる不安に、心臓が壊れそうになる。
……でも、茜さん、もっと心配しているかも……。
茜がどんなに涼を愛しているか、星子には、痛いほど、わかっていた。でも、星子だって、初恋の想いがいつの間にか、よみがえっている。恋というのは、時間に関係なく、人の心を虜にする力を持っているのだ。その力に、今の星子は突き動かされていた。
じきに、宙太の携帯電話にマサルからの連絡が入った。
「ん? 大浦の天主堂? わかった!」
大浦天主堂は、グラバー園のすぐとなりだ。
星子、宙太のあとを追ってヒラリと……ってなわけにはいかないけど、塀を飛び越えた。
そこはもう、大浦天主堂が見える木立ちの中で、神学校とかマリア主道会とか貴重な明治建造物が並んでいる。なんせ、大浦天主堂は日本でも一番古い教会で、美しいステンドグラスでも知られている。
「シツレイします!」
宙太、一応、おことわりの挨拶をして、走っていった。
律儀、なんだよね、こういうとこ。あ、モチロン、女性にもだけど。
星子も、見習ってご挨拶。あ、ゴンベエも……かな?
教会の敷地を突っ切ると、墓地に出た。丘の斜面にあって、ステキなところだ。星子、足には自信があるけど、宙太についていくのは大変だ。とにかく、宙太、身が軽い。性格も軽いけどね。
星子、息を切らせて、深呼吸したとたん、ギクッとなった。
「ち、血だ!」
そう、草の上に血痕が滴っているじゃないですか!
恐いことが起きたに違いない。星子、ブルッとみぶるいすると、血痕を追うように急いだ。
「!……」
じきに、星子、ハッと立ちすくんだ。
墓石の向こうに人が倒れている。
マサル? それとも、涼?
いや、さっき、涼を追っていった二人のボディガードだ。二人とも、後ろ手に手錠をかけられ、顔をしかめている。どうやら、マサルと撃ちあった挙句、逮捕されたらしい。
あざやか! さすが、マサルさんだ。
そのマサルは、どこに……あ、いた! 離れたところで、宙太がマサルの右腕にハンカチで応急手当をしている。撃ち合いで怪我をしたようだ。
「マサルさんっ」
星子、驚いて駆け寄った。
追記 いよいよ、第四章に入りました。クライマックスへ向かって、お話は急展開していく予定です。乞う、ご期待! なんて、自分でいってりゃ、世話ないね。ま、こっちはどこかの審判に関係なく、みんなで楽しくノベル・トリップしようね。
あ? なんのこっちゃ?
風邪を引いているヒトが多いようですが、くれぐれもご自愛下さい。僕もやっと、微熱が治まってきたようですが……。
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楽しくノベル・トリップって言葉がよいですネ〜! マサルさん、怪我ですか〜! でも、大した事がなさそうでよかった〜^^ 乙女…涼さんの姿がないんですネ。気になります〜(><)
2007/10/15(月) 午後 8:36
北斗星の旅から帰ってまいりました〜。北海道では紅葉の上に初雪が積もってキレイでした♪帰って来て先生の小説だけでなくブログもUPされていて幸せ気分に浸っています。先生は文庫のころのあとがきもそうでしたが、今もブログで沢山の人にパワーを下さっているんですね。私も人の役に立てるステキな人生を送りたいです(^^)。
2007/10/16(火) 午前 1:21 [ のりぷこ ]